コンテナ洗浄機 · 基礎知識
バッチ式とコンベヤ式の違い|処理枚数・設置スペース・人手で比較
コンテナ洗浄機のバッチ式とコンベヤ式を、公式カタログの処理能力(枚/時)、本体寸法、必要な人手、電源・蒸気などのユーティリティで比較します。1日500枚の目安、Uターン式・リターン式、バッチ式に脱水を付けた機種まで整理します。
コンテナ洗浄機の最初の分岐は、容器を「庫内に入れて洗う」バッチ式か、「流しながら洗う」コンベヤ式かです。この記事では、両者を公式カタログの数値で比べます。
1日500枚が公式の分岐点
クレオは公式サイトで、バッチ式を「一日500枚未満向け、省スペース」、コンベヤ式を「一日500枚以上向け、大量処理」と分けています。オリコン洗浄機では、バッチ式100枚/時、コンベヤ式300〜2,000枚/時と処理能力も明記しています。
- バッチ式:容器を数枚〜数十枚まとめて庫内に入れ、扉を閉めて洗い、終わったら取り出す。投入と取り出しは人が行う
- コンベヤ式:容器を入口に置くと、チェーンやベルトが洗浄ゾーン・すすぎゾーンを順に通す。マルゼンのMDCCXは「ガイドに沿って投入するだけで自動搬送・洗浄→すすぎ→水切りを自動で実行」
- AIHOは「多量の容器をあつかう大型施設に最適な連続式と、設置場所の限られた小規模施設向けのバッチ式から選べる」と、施設規模で分けている
500枚はあくまでクレオの目安です。1日の枚数と洗浄に使える時間から時間あたりの必要枚数を出し、次の表の処理能力と照らしてください。
処理能力を公式値で並べる
バッチ式は数十枚/時、コンベヤ式は数百〜2,000枚/時が公式カタログの範囲です。同じ機種でも容器の大きさで能力は変わります。
| 方式 | メーカー・機種 | 公式の処理能力 |
|---|---|---|
| バッチ | キョウドウ ミトラ/KRS/KR | 30〜150枚/時/30〜240枚/時/30〜150枚/時 |
| バッチ | キサミツ技研 Mithra ワンマンタイプ | 30〜90個/時(最大500W×700D×350H mm) |
| バッチ | キサミツ技研 KWB-10S/10E | 約120個/時 |
| バッチ | ヒタカ精機 HRM 容器回転式 | 50〜100ケース/時 |
| バッチ | 有光工業 MMシリーズ | 30〜180ケース/時(型式により) |
| バッチ | ショウワ SPW・SPM | 120枚/時以下(洗浄〜遠心脱水まで自動) |
| バッチ | 小嶺機械 KWM-888CB | 約40個/時(洗浄時間1分) |
| コンベヤ | キョウドウ KY-3/KY-5 | 200〜700枚/時 |
| コンベヤ | キサミツ技研 KWY-15/17/25 | 420/550/760個/時 |
| コンベヤ | 中西製作所 CWM-151/CWM-251 | 300〜600個/時/800〜1,000個/時 |
| コンベヤ | ヒタカ精機 MCSD-350 | 300〜600ケース/時(洗浄部600・乾燥部650) |
| コンベヤ | 北沢産業 KWVシリーズ | 500〜2,000枚/時 |
| コンベヤ | ショウワ CFW | 300〜2,000枚/時 |
| コンベヤ | 有光工業 SPCシリーズ | 250〜500/500〜1,000/1,000〜1,500ケース/時 |
イースタン技研のEAD-3Bは、240mmの箱で130〜170個/時、600mmの箱で65〜85個/時と、容器の長さで能力が2倍違います。カタログの上限値だけで判断せず、自社の容器寸法での値を確認してください。
本体寸法と洗い場の広さ
バッチ式は1〜1.5m角に収まる機種が多く、コンベヤ式は長さ約1.9〜10mを取ります。洗い場の図面に寸法を落として、搬入経路と作業スペースを確かめてください。
| 方式 | メーカー・機種 | 公式の本体寸法 |
|---|---|---|
| バッチ | キサミツ技研 Mithra | 950W×1,000D×2,111(1,550)H mm |
| バッチ | キサミツ技研 KWB-10S/10E | 1,150×1,150×1,680mm |
| バッチ | ヒタカ精機 HRM | 1,200W×1,220L×1,275H mm |
| バッチ | クロダ技研 汎用型プラコン洗浄脱水乾燥機 | 設置スペース6㎡(約2坪)から |
| コンベヤ | キョウドウ KY-3/KY-5/KY-33 | 1,870×800×1,230/2,000×920×1,290/3,000×1,100×1,270mm |
| コンベヤ | 北沢産業 KWC-15TC〜27TC | 間口2,500〜3,700×奥行700/880×高さ1,450mm |
| コンベヤ | 中西製作所 CWM-151 | 2,760×1,429×1,988mm |
| コンベヤ | ヒタカ精機 MCSD-350(洗浄+乾燥) | 2,350H×1,250W×4,000L mm |
| コンベヤ | 北沢産業 KWV-47L/R-D(2,000枚/時) | 10,200×1,720×2,736mm |
奥行きが取れない現場向けに、入口と出口を同じ側にした機種があります。キョウドウのKUDシリーズ(Uターン式、200〜500枚/時)、東光技研工業の通い箱・トレー洗浄機(リターン方式、100〜200ケース/時)、イースタン技研のU字型コンベア(幅3,200mm)がこれにあたります。
作業に付く人数はどう変わるか
バッチ式は投入と取り出しに人が要り、コンベヤ式は入口と出口に人が要ります。出口を入口に戻す構造にすると1人で回せます。
- イースタン技研:リターン(U字)コンベア採用で一人作業が可能、作業効率約3倍。自動車部品メーカーの事例では深さ250mmの通い箱800個を3名8時間の手洗いから1名8時間に変えた
- ホバート・ジャパン FUX-C:オプションの反転機で1オペレーションが可能
- キサミツ技研 Mithra:機種名に「ワンマンタイプ」と付くバッチ機
- クロダ技研:カゴ台車一体型・汎用型とも作業員1名。R食品会社は1.5坪のスペースで汎用型を作業員1人で運用
- ショウワ:無人ロボット搬送タイプは1名作業可能
- 八木厨房機器製作所:コンパクトなバッチ式で狭い厨房でも設置でき一人で操作可能
コンベヤ式でも、段ばらし・段積み機を付けなければ、出口で容器を積み直す人が要ります。
電源・蒸気・水で見る設備要件
バッチ式には単相100Vで動く機種があり、コンベヤ式は三相200Vと蒸気を使う機種が多いです。蒸気配管がない工場では電気加熱の型式を選びます。
| メーカー・機種 | 電源 | 蒸気・熱源 | 水 |
|---|---|---|---|
| カンキ工業 KN-CWSS(バッチ・ブラシ) | 単相100V 0.4kW | 記載なし | 給水ホース内径φ14mm |
| アイエムエイ ぴかじゅう(バッチ) | 単相100V 1.5kW | 記載なし | 約10L/分 |
| キサミツ技研 KWB-10S/10E(バッチ) | 記載なし | 蒸気60kg/H(10S)/電気5.0kW(10E) | 記載なし |
| キサミツ技研 Mithra(バッチ) | 電気2.65kW | 蒸気60kg/h(電気式別対応) | 給水5L/min |
| ヒタカ精機 HRM(バッチ) | ポンプ2.2kW | 蒸気30kg/H | 記載なし |
| キョウドウ KY-3/5/33(コンベヤ) | 3相200V | 蒸気90〜120kg/h | 18L/分 |
| ヒタカ精機 MCSD-350(コンベヤ) | 3相200V 12kWh | 蒸気350kg/H | 1,000〜1,500kg/H |
| 北沢産業 KWV-15L/R(コンベヤ500枚/時) | 3φ200V 4.75kW | 記載なし | 記載なし |
| 北沢産業 KWV-47L/R-D(コンベヤ2,000枚/時) | 44.85kW | 記載なし | 記載なし |
ホバート・ジャパンのFUX-Cは電気式または蒸気式加熱を選べ、八木厨房機器製作所の器具洗浄機は蒸気・電気・ガスの3熱源から選べます。クロダ技研は3相200V30Aに100Vの温水ボイラーを組み合わせ、熱源を使わない脱水で乾かします。
バッチ式に脱水・乾燥を付ける選択肢
「バッチ式は洗うだけ」ではありません。少量でも乾いた状態で戻したい現場向けに、脱水や乾燥を一体にしたバッチ機があります。
- ショウワ SPW・SPM:洗浄〜遠心脱水まで自動、120枚/時以下
- キョウドウ アスラ:バッチ式洗浄遠心脱水機、60枚/時
- クロダ技研 汎用型:最大400クレート/時を重ねたまま洗浄・脱水・乾燥、熱源ゼロ
- 有光工業 CMMP-10BSⅡ:パレット10段を回転洗浄と高速遠心回転で脱水乾燥、最大60枚/時
- プラテック 小型パレット洗浄機:10〜20枚/時、熱源なし、天日干し不要
コンベヤ式で乾燥を省く場合は、ショウワの遠心脱水機SPD-2(500〜2,700枚/時、残水1%)のような別置きの脱水機を組み合わせる構成もあります。
迷ったときの見分け方
枚数・面積・人数の3点で、どちらから検討を始めるかを決めてください。
- ピーク日の枚数÷洗浄時間が100枚/時以下で、洗い場が2坪程度:バッチ式から検討する
- 300枚/時を超え、コンベヤの長さ3m以上を置ける:コンベヤ式から検討する
- その中間:バッチ式の複数台か、Uターン式・小型コンベヤ(キョウドウKY-3は1,870×800mm)を比べる
- 乾いた状態で戻す必要がある:方式に関わらず、脱水・乾燥の有無を先に決める
コンベヤ式は容器サイズで能力が変わるため、自社の容器で何枚/時出るかをメーカーに確認してください。
この記事に出てくるメーカー
- 株式会社AIHO(登記社名 株式会社アイホー)給食施設の容器洗浄に
- 有光工業株式会社パレット10段まとめ洗いに
- 株式会社クレオ(THE CREO CO.,LTD)大量ライン・実機テストの本命
- イースタン技研株式会社(EASTERN TECHNICS Corp.)深い通い箱を乾燥まで1人で
- 株式会社ヒタカ精機シール汚れの高圧洗浄に
- ホバート・ジャパン株式会社600×400番重の輸入機
- 有限会社アイエムエイ100V・70万円台の小型機
- カンキ工業株式会社青果コンテナのブラシ洗い
- 株式会社キサミツ技研自社製作・OEM元の実力派
- 北沢産業株式会社省エネ大型ラインと全国保守
- 小嶺機械株式会社カット野菜工場のカゴ洗浄に
- クロダ技研株式会社2坪・1人・カゴ車ごと洗う
参照元
- クレオ コンテナ洗浄機
- クレオ オリコン洗浄機
- マルゼン コンテナ洗浄機
- AIHO 容器洗浄機
- キョウドウ 容器洗浄機
- キサミツ技研 容器洗浄機
- キサミツ技研 Mithra
- ヒタカ精機 洗浄機
- 有光工業 容器洗浄機 MMシリーズ
- 有光工業 容器洗浄機 SPCシリーズ
- 有光工業 パレット洗浄機 CMMP
- ショウワ コンテナ洗浄機
- 小嶺機械 容器洗滌機
- 中西製作所 容器洗浄機
- 北沢産業 容器洗浄システム
- 北沢産業 容器洗浄機
- イースタン技研 イーステック・エアドライヤー
- イースタン技研 導入事例
- 東光技研工業 大小容器洗浄装置
- ホバート・ジャパン FUX-C
- クロダ技研 製品紹介
- クロダ技研 お客様の声
- 八木厨房機器製作所 器具洗浄機
- カンキ工業 コンテナ洗浄機
- アイエムエイ ぴかじゅう カタログ
- プラテック パレット洗浄機
よくある質問
バッチ式とコンベヤ式はどちらを選べばよいですか?
クレオは公式に1日500枚未満ならバッチ式、500枚以上ならコンベヤ式を目安としています。バッチ式は30〜240枚/時(キョウドウ)、コンベヤ式は300〜2,000枚/時(北沢産業・ショウワ)が公式の処理能力の範囲です。
コンベヤ式のコンテナ洗浄機はどのくらいの長さが必要ですか?
小型で約1.9m(キョウドウKY-3 1,870mm)、中型で2.5〜4m(北沢産業KWC 間口2,500〜3,700mm、ヒタカ精機MCSD-350 4,000mm)、2,000枚/時の大型で10.2m(北沢産業KWV-47L/R-D)です。奥行きが足りなければUターン式・リターン式があります。
バッチ式のコンテナ洗浄機は1人で使えますか?
投入と取り出しを同じ人が行うので1人で使えます。キサミツ技研はワンマンタイプのMithra、クロダ技研は作業員1名の汎用型を公式に載せています。コンベヤ式でもイースタン技研のU字コンベアやホバート・ジャパンの反転機オプションで1人運用ができます。
単相100Vで動くコンテナ洗浄機はありますか?
あります。カンキ工業のKN-CWSS(単相100V 0.4kW)とアイエムエイのぴかじゅう(単相100V 1.5kW)が公式カタログに記載しています。コンベヤ式の多くは三相200Vで、蒸気を使う機種もあります。
【条件別】コンテナ洗浄機メーカーおすすめ3選
1日500枚以上を、ラインで洗うなら
株式会社クレオ(THE CREO CO.,LTD)
国内トップシェア(公式)。羽生の施設で自社のコンテナを実機テストしてから決められる
1日500枚未満向けのバッチ式と500枚以上向けのコンベヤ式に加え、洗浄乾燥機・洗浄脱水機・パレット洗浄機まで12製品をそろえる。低圧多水量方式と水リサイクル装置で省水・省エネ、全国8拠点のメンテナンス体制。埼玉県羽生市の「羽生プラーツ」で実機テスト洗浄とATPふき取り検査ができる。
物流のオリコン・カゴ台車を、2坪・1人で洗うなら
クロダ技研株式会社
カゴ台車に積んだまま、たたんだまま洗う。熱源ゼロの脱水で設置6㎡から
オリコンやクレートをカゴ台車に積んだまま、または折りたたんだまま洗浄・脱水・乾燥できる業界初(公式)の方式。設置スペース6㎡(約2坪)から、設置約1時間、作業員1名で最大400〜800個/時。熱源を使わない特許の脱水方式で静音、水量は約200Lで3日間。工場のデモ機を見学できる。
物流用コンテナを、AIとロボットで無人化するなら
株式会社ショウワ
2022年から完全無人化ラインを納入。飲料大手・パレットレンタルの実績
物流用コンテナとオリコンを、ロボット・カメラ・AIで投入から段積みまで無人で行う洗浄システムを2022年から納入。コンベヤタイプは300〜2,000枚/時、遠心脱水機は残水1%、洗浄〜遠心脱水まで自動のバッチタイプも用意する。会社全体の会社全体の主要納入先としてアサヒビール、キリンビール、サッポロビール、江崎グリコ、カゴメ、日本パレットレンタル、協同乳業、タカノフーズなどを公式に列挙する。