3比較ハブコンテナ洗浄機

コンテナ洗浄機 · 基礎知識

HACCPと洗浄|食品衛生法施行規則が求める機械器具・運搬コンテナの洗浄

2021年6月に完全施行されたHACCP制度化のもとで、食品衛生法施行規則 別表第17が機械器具と運搬用コンテナの洗浄・消毒・乾燥をどう定めているか、手順書と記録に洗浄機がどう役立つか、殺菌・検査機能を持つ機種を公式記載から整理します。

公開 2026年9月29日

食品工場でコンテナ洗浄機を検討する理由の一つが、HACCPに沿った衛生管理です。この記事では、法令の条文に何が書かれているかと、洗浄機がその要求にどう対応するかを分けて説明します。

HACCP制度化までの経緯と施行日

HACCPに沿った衛生管理は、2018年の食品衛生法改正で制度化されました。厚生労働省の公表内容を時系列で並べます。

日付出来事
2018年6月13日「食品衛生法等の一部を改正する法律」公布。改正の柱の一つが「HACCPに沿った衛生管理の制度化」
2020年6月1日HACCP制度化が施行、1年の経過措置
2021年6月1日完全施行。原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理への取組が求められる

同じ改正では、食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度導入や営業許可制度の見直しも行われました。洗浄に直接関わるのはHACCP制度化の部分です。

営業者に求められる4つの行動

厚生労働省は、営業者が行うべきことを4点にまとめています。洗浄機は、このうち手順書と記録の部分に関わります。

  1. 衛生管理計画を作成し、従業員に周知徹底する
  2. 「清掃・洗浄・消毒や食品の取扱い等について具体的な方法を定めた手順書」を作成する
  3. 実施状況を記録し、保存する
  4. 検証し、内容を見直す

衛生管理計画は「一般的な衛生管理」と「HACCPに沿った衛生管理」の2つの基準に基づいて作ります。コンテナの洗浄は、このうち一般的な衛生管理に含まれます。

別表第17に書かれた機械器具の洗浄条文

一般的な衛生管理の内容は、食品衛生法施行規則 別表第17に定められています。機械器具について、条文は次の4点を求めています。

  • 機械器具及びその部品は、金属片、異物又は化学物質等の食品又は添加物への混入を防止するため、洗浄及び消毒を行い、所定の場所に衛生的に保管すること
  • 機械器具及びその部品の洗浄に洗剤を使用する場合は、洗剤を適切な方法により使用すること
  • 器具、清掃用機材及び保護具等食品又は添加物と接触するおそれのあるものは、汚染又は作業終了の都度熱湯、蒸気又は消毒剤等で消毒し、乾燥させること
  • 洗浄設備は、清潔に保つこと

洗浄だけでなく「消毒し、乾燥させること」まで書かれている点が重要です。洗浄機の乾燥・脱水機能や、洗浄機自体の清掃性が、この条文への対応になります。

運搬用コンテナに関する条文

同じ別表第17には、運搬に使うコンテナの条文もあります。物流センターや配送で使う折コン・番重は、こちらの対象です。

条文の内容読み方
食品又は添加物の運搬に用いる車両、コンテナ等は、食品、添加物又はこれらの容器包装を汚染しないよう必要に応じて洗浄及び消毒をすること運搬用コンテナも洗浄・消毒の対象になる
品目が異なる食品又は添加物及び食品又は添加物以外の貨物の運搬に使用した車両、コンテナ等を使用する場合は、効果的な方法により洗浄し、必要に応じ消毒を行うこと違う品目や食品以外の貨物に使ったコンテナは、効果的な方法での洗浄が必要

「必要に応じて」「効果的な方法」の具体的な頻度や温度は、条文には書かれていません。営業者が手順書で決め、実施状況を記録します。

物流センターで回収した折コンや番重は、前にどの貨物に使われたかが分からないことがあります。履歴が分からない容器は、品目が異なる貨物に使ったものとして洗浄する前提で手順書を書くと、条文との整合がとれます。

洗浄機で手順書と記録をそろえる

手洗いは作業者ごとに温度・時間・水量がばらつきます。洗浄機は条件を設定値として持つため、手順書に書いた条件をそのまま再現できます。各社が公式に記載する、手順書に書きやすい設定項目を挙げます。

  • 洗浄水温:イースタン技研は約60℃温水、OMCは60℃温水+アルカリ洗剤、SJM JAPANは40〜50℃程度。八木厨房機器製作所の汎用洗浄機は本洗浄槽65℃・仕上洗浄槽80℃・清洗い90℃
  • 洗浄時間:小嶺機械はタイマー設定(洗浄時間1分)、カンキ工業は30秒/ケース、東光技研工業の簡易コンテナ洗浄機は5〜15分/基
  • 乾燥温度:キョウドウのKCFシリーズは高温乾燥100℃、OMCのロボット搬送式乾燥機は60℃熱風でHEPAフィルタ通過空気
  • 洗浄度の確認:クレオは羽生プラーツでのテスト洗浄時にATPふき取り検査を行い、洗浄度を数値で確認できる

三協は「HACCP考慮設計」、東光技研工業はコンテナ自動洗浄機とサニタリーコンテナ洗浄機で「HACCP対応」を公式に掲げています。「HACCP対応」の表記だけでは中身が分からないので、どの条件を設定・記録できるかを確認してください。

消毒・殺菌の機能を持つ機種

条文の「消毒」に対応する機能として、殺菌水や電解水を使う機種があります。熱湯・蒸気による消毒は、温水温度の高い機種で対応します。

メーカー公式に記載する機能
SJM JAPAN微酸性電解水ですすぎを行い、洗浄と殺菌を同時に実施(業界初の殺菌機能搭載と公式記載)
小嶺機械殺菌水の併用により脱水カゴの殺菌も可能
プラテック遠心脱水+ダブル熱風乾燥の高乾燥による減菌・除臭・殺虫効果
OMC洗浄ブース内の自己洗浄をノズル/小型ロボットで行い常にクリーンな状態を維持。本体でクリーンエリアとダーティエリアを区分け可能
澁谷工業ネスティングケース洗浄システムで洗浄後に異物有無とケース方向を検査して段積み

「洗浄設備は、清潔に保つこと」の条文に対しては、洗浄機自体の清掃性が問われます。AIHOは洗浄室の扉を取り外し可能、中西製作所は引き出し式残滓カゴで清掃性に配慮していると公式に記載しています。

業界団体が出す衛生情報の探し方

法令の条文は抽象的なため、業界団体の情報を併せて読むと具体的な設計の考え方が分かります。食品機械では日本食品機械工業会(日食工)が窓口です。

  • 日食工は安全・衛生企画委員会を設け、食品機械の安全・衛生情報をnoteで発信している
  • 「食品関連機械団体標準約款」を公開し、展示会FOOMA JAPANを主催している
  • 三協は日本食品機械工業会・日本製パン製菓機械工業会への加入を公式に記載。キョウドウはFOOMA 2022〜2025への出展を公式に載せている

展示会では複数社の洗浄機を同じ日に見比べられます。HACCPの手順書に必要な設定項目を持って行き、各社に同じ質問をすると比較しやすくなります。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

HACCPでコンテナの洗浄は義務ですか?

食品衛生法施行規則 別表第17は、機械器具及びその部品の洗浄・消毒と、食品の運搬に用いるコンテナ等の必要に応じた洗浄・消毒を定めています。2021年6月1日から原則すべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められ、洗浄の手順書作成と記録の保存が必要です。

洗浄後の乾燥は法令で求められていますか?

別表第17は、食品と接触するおそれのある器具等を「汚染又は作業終了の都度熱湯、蒸気又は消毒剤等で消毒し、乾燥させること」と定めています。洗浄機の脱水・乾燥機能はこの条文への対応になります。

コンテナ洗浄機に殺菌機能はありますか?

SJM JAPANは微酸性電解水ですすいで洗浄と殺菌を同時に行う機種、小嶺機械は殺菌水を併用できる機種を公式に載せています。プラテックは遠心脱水とダブル熱風乾燥による減菌効果を記載しています。

HACCP対応の洗浄機とはどういう意味ですか?

法令上「HACCP対応」の定義はありません。東光技研工業や三協は自社機にHACCP対応・HACCP考慮設計と記載していますが、購入時は洗浄水温・時間・乾燥温度などを設定・記録できるか、洗浄機自体を清掃しやすいかを個別に確認してください。

【条件別】コンテナ洗浄機メーカーおすすめ3選

※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

1日500枚以上を、ラインで洗うなら

株式会社クレオ(THE CREO CO.,LTD)

国内トップシェア(公式)。羽生の施設で自社のコンテナを実機テストしてから決められる

1日500枚未満向けのバッチ式と500枚以上向けのコンベヤ式に加え、洗浄乾燥機・洗浄脱水機・パレット洗浄機まで12製品をそろえる。低圧多水量方式と水リサイクル装置で省水・省エネ、全国8拠点のメンテナンス体制。埼玉県羽生市の「羽生プラーツ」で実機テスト洗浄とATPふき取り検査ができる。

株式会社クレオ(THE CREO CO.,LTD)の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

物流のオリコン・カゴ台車を、2坪・1人で洗うなら

クロダ技研株式会社

カゴ台車に積んだまま、たたんだまま洗う。熱源ゼロの脱水で設置6㎡から

オリコンやクレートをカゴ台車に積んだまま、または折りたたんだまま洗浄・脱水・乾燥できる業界初(公式)の方式。設置スペース6㎡(約2坪)から、設置約1時間、作業員1名で最大400〜800個/時。熱源を使わない特許の脱水方式で静音、水量は約200Lで3日間。工場のデモ機を見学できる。

クロダ技研株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

物流用コンテナを、AIとロボットで無人化するなら

株式会社ショウワ

2022年から完全無人化ラインを納入。飲料大手・パレットレンタルの実績

物流用コンテナとオリコンを、ロボット・カメラ・AIで投入から段積みまで無人で行う洗浄システムを2022年から納入。コンベヤタイプは300〜2,000枚/時、遠心脱水機は残水1%、洗浄〜遠心脱水まで自動のバッチタイプも用意する。会社全体の会社全体の主要納入先としてアサヒビール、キリンビール、サッポロビール、江崎グリコ、カゴメ、日本パレットレンタル、協同乳業、タカノフーズなどを公式に列挙する。

株式会社ショウワの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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