コンテナ洗浄機 · 基礎知識
コンテナ洗浄機の洗剤の選び方|中性・弱アルカリ性と、洗剤を減らす方式・排水の注意点
コンテナ洗浄機で使う洗剤をどう選ぶかを、厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルが示す中性洗剤・弱アルカリ性洗剤とすすぎ・殺菌の手順、洗浄機メーカーが公式に記載する洗剤工程(アルカリ洗浄・薬洗・イオン交換水リンス)、電解水や殺菌水・薬剤不使用の方式、排水基準の確認点から整理します。
コンテナ洗浄機の洗剤は、機械を選んだ後に決める項目と思われがちです。実際には、洗剤の工程を持つかどうかで機械の構成が変わるため、機種選びと同時に考えます。
公的マニュアルに書かれた洗剤と手順
厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアル(平成29年6月16日最終改正)は、器具等の洗浄・殺菌の標準作業を示しています。調理機械の部品については、次の手順です。
- 食品製造用水(40℃程度の微温水が望ましい)で3回水洗いする
- スポンジタワシに中性洗剤または弱アルカリ性洗剤をつけてよく洗浄する
- 食品製造用水(40℃程度の微温水が望ましい)でよく洗剤を洗い流す
- 80℃で5分間以上の加熱またはこれと同等の効果を有する方法で殺菌を行う
- よく乾燥させる
- 機械本体・部品を組み立て、作業開始前に70%アルコール噴霧またはこれと同等の効果を有する方法で殺菌を行う
同マニュアルは、同一メニューを1回300食以上または1日750食以上提供する調理施設に適用されます。洗剤の種類として名前が出てくるのは、中性洗剤と弱アルカリ性洗剤です。
手順は「洗剤で洗う」と「洗剤を洗い流す」がセットになっています。洗浄機でも、洗剤の工程の後にすすぎの工程があるかを確かめてください。
洗浄機メーカーが公式に書く洗剤の工程
洗浄機の仕様を見ると、洗剤を使う工程を明記している機種があります。工程の並びを公式記載のまま並べます。
| メーカー・機種 | 公式の洗浄工程 |
|---|---|
| OMC コンベヤ搬送式・ロボット式洗浄システム | 60℃温水+アルカリ洗剤洗浄、蒸気式熱風乾燥 |
| キット 器具洗浄機 | 温水洗浄→アルカリ洗浄→すすぎ→イオン交換水リンス、熱風循環乾燥 |
| キット 小容器洗浄機 | WFI循環粗洗浄→洗剤洗浄→WFIリンス→エアーブロー乾燥 |
| 東光技研工業 コンテナ自動洗浄機 | 自動搬入→ジェット洗→薬洗→リンス→熱洗仕上→搬出 |
| 東光技研工業 食品コンテナ洗浄装置 | 粗洗→洗剤→リンス→スチーム |
| イシダテック P函ケースウォッシャー | 予洗→薬洗→循環シャワー→リンス→水切り |
どの機種も、洗剤の前に水で粗く洗い、洗剤の後にすすぐ構成です。マニュアルの「水洗い→洗剤→洗い流す」と同じ順番になっています。
洗浄液を溜める槽の大きさも公式に載っています。東光技研工業のコンテナ自動洗浄機は液槽600L、食品コンテナ洗浄装置は液槽1,200Lで、槽が大きいほど1回に作る洗浄液の量も増えます。
イシダテックのケースウォッシャーは、ブラシを使わず噴射シャワーで連続洗浄し、オーバーフロー水を再利用すると記載しています。
洗剤を自動で供給・管理する仕組み
手洗いでは洗剤の量が人によってばらつきます。洗浄機側で洗剤を管理する仕組みを公式に書いている会社です。
- 八木厨房機器製作所 汎用洗浄機:洗浄水・洗剤・蒸気を循環ろ過し自動供給する省エネ構造
- クレオ:洗浄機・洗浄剤・メンテナンスを事業の三本柱とし、洗浄剤も自社で扱う
- 東光技研工業 通い箱・トレー洗浄機:洗剤用のポンプ(3.7kW)とすすぎ用のポンプを分けて記載
マニュアルは消毒剤について、濃度・方法等は製品の指示を守って使うよう注記しています。洗剤も同じく、洗剤の製造元の指示と、洗浄機メーカーが指定する条件の両方を確かめてください。
食品衛生法施行規則の別表第17も、洗剤を使う場合は適切な方法で使うことを求めているとされます。濃度や交換の頻度は、施設の手順書に数字で書いておきます。
水温と洗剤の組み合わせを並べる
洗剤の効き方は水温とセットで考えます。マニュアルの手順と、各社が公式に示す水温と洗浄液の組み合わせを並べます。
| 出典 | 洗浄の水温 | 洗浄液・すすぎ | 殺菌・仕上げ |
|---|---|---|---|
| 大量調理施設衛生管理マニュアル | 40℃程度の微温水が望ましい | 中性洗剤または弱アルカリ性洗剤、微温水で洗い流す | 80℃で5分間以上の加熱等 |
| OMC | 60℃温水 | アルカリ洗剤 | 蒸気式熱風乾燥 |
| キット 器具洗浄機 | 温水洗浄 | アルカリ洗浄、すすぎ、イオン交換水リンス | 熱風循環乾燥 |
| 八木厨房機器製作所 汎用洗浄機 | 本洗浄槽65℃ | 洗剤を循環ろ過して自動供給 | 仕上洗浄槽80℃、清洗い90℃ |
| SJM JAPAN | 40〜50℃程度 | 微酸性電解水ですすぎ | 乾燥機能あり |
水温を公式に書いていない機種も多くあります。見積の段階で、洗浄槽とすすぎの温度を数字で出してもらってください。
80℃・5分間以上の加熱を機械の中で行えない場合は、洗浄後に別の方法で殺菌する手順が要ります。洗剤・水温・殺菌を一続きで手順書に書くと、抜けが見つけやすくなります。
洗剤を使わない・減らす方式
洗剤の代わりに温水や電解水、殺菌水を使う機種もあります。洗剤の管理を減らしたい場合の選択肢です。
| メーカー・機種 | 公式の記載 |
|---|---|
| イースタン技研 EAD-3B | 約60℃の温水・高圧ジェットによる循環式洗浄。薬剤不使用・環境配慮と記載 |
| SJM JAPAN コンテナ殺菌洗浄機 | 温水40〜50℃程度で洗い、微酸性電解水ですすいで洗浄と殺菌を同時に実施 |
| 小嶺機械 容器洗滌機 | 殺菌水の併用で脱水カゴの殺菌も可能 |
洗剤を使わない方式でも、汚れの種類によっては落ち切らない場合があります。自社の容器でテストし、洗剤なしで足りるかを確かめてください。
マニュアルは、塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸水、次亜塩素酸水等)やエタノール系消毒剤に、ノロウイルスへの不活化効果を期待できるものがあると注記しています。殺菌を薬剤で行うか温度で行うかは、機械の温度の上限と合わせて決めます。
洗剤を決める前にメーカーへ聞くこと
洗剤の選択は、汚れ・機械・排水の3つにまたがります。見積やテスト洗浄の段階で、次の点を確かめてください。
- その機種で使える洗剤の種類(中性・弱アルカリ性・アルカリ性)と、使えない洗剤
- 洗剤の投入方法(自動供給か手投入か)と、濃度の管理方法
- すすぎの工程の数と、すすぎに使う水(キットはイオン交換水やWFIを記載)
- テスト洗浄で使った洗剤と濃度。キットは噴射テストで洗浄条件を割り出すと記載
- 排水のpHと量。環境省の一律排水基準は、pH・BOD・COD・SSなどの生活環境項目を1日平均50立方メートル以上排水する工場・事業場に適用
洗剤の種類を変えると、汚れ落ちも排水の性状も変わります。テスト洗浄は、導入後に使う予定の洗剤で行ってください。
この記事に出てくるメーカー
- 株式会社クレオ(THE CREO CO.,LTD)大量ライン・実機テストの本命
- イースタン技研株式会社(EASTERN TECHNICS Corp.)深い通い箱を乾燥まで1人で
- 株式会社イシダテック折コン折りたたみまで自動化
- 株式会社キット製薬・化学のパレット・IBC
- 小嶺機械株式会社カット野菜工場のカゴ洗浄に
- OMC株式会社大型コンテナのロボット洗浄
- 東光技研工業株式会社サニタリーコンテナの本命
- 株式会社八木厨房機器製作所狭い厨房・熱源を選べる
参照元
よくある質問
コンテナ洗浄機には何性の洗剤を使えばよいですか?
厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルは、器具等の洗浄に中性洗剤または弱アルカリ性洗剤を使う手順を示しています。洗浄機ではOMCやキットがアルカリ洗剤・アルカリ洗浄の工程を公式に記載しています。使える洗剤は機種ごとに違うため、メーカーに確認してください。
洗剤を使わないコンテナ洗浄機はありますか?
イースタン技研のEAD-3Bは約60℃の温水と高圧ジェットによる薬剤不使用の循環式と公式に記載しています。SJM JAPANは微酸性電解水ですすいで洗浄と殺菌を同時に行う機種を載せています。
洗剤で洗った後はどうすればよいですか?
大量調理施設衛生管理マニュアルは、洗剤で洗った後に40℃程度の微温水でよく洗剤を洗い流し、80℃で5分間以上の加熱またはこれと同等の効果を有する方法で殺菌し、よく乾燥させる手順を示しています。
【条件別】コンテナ洗浄機メーカーおすすめ3選
1日500枚以上を、ラインで洗うなら
株式会社クレオ(THE CREO CO.,LTD)
国内トップシェア(公式)。羽生の施設で自社のコンテナを実機テストしてから決められる
1日500枚未満向けのバッチ式と500枚以上向けのコンベヤ式に加え、洗浄乾燥機・洗浄脱水機・パレット洗浄機まで12製品をそろえる。低圧多水量方式と水リサイクル装置で省水・省エネ、全国8拠点のメンテナンス体制。埼玉県羽生市の「羽生プラーツ」で実機テスト洗浄とATPふき取り検査ができる。
物流のオリコン・カゴ台車を、2坪・1人で洗うなら
クロダ技研株式会社
カゴ台車に積んだまま、たたんだまま洗う。熱源ゼロの脱水で設置6㎡から
オリコンやクレートをカゴ台車に積んだまま、または折りたたんだまま洗浄・脱水・乾燥できる業界初(公式)の方式。設置スペース6㎡(約2坪)から、設置約1時間、作業員1名で最大400〜800個/時。熱源を使わない特許の脱水方式で静音、水量は約200Lで3日間。工場のデモ機を見学できる。
物流用コンテナを、AIとロボットで無人化するなら
株式会社ショウワ
2022年から完全無人化ラインを納入。飲料大手・パレットレンタルの実績
物流用コンテナとオリコンを、ロボット・カメラ・AIで投入から段積みまで無人で行う洗浄システムを2022年から納入。コンベヤタイプは300〜2,000枚/時、遠心脱水機は残水1%、洗浄〜遠心脱水まで自動のバッチタイプも用意する。会社全体の会社全体の主要納入先としてアサヒビール、キリンビール、サッポロビール、江崎グリコ、カゴメ、日本パレットレンタル、協同乳業、タカノフーズなどを公式に列挙する。