コンテナ洗浄機 · 基礎知識
洗い場の動線とダーティ/クリーンの区分|通過型・U字型の置き方と床・排水・保管の数字
コンテナ洗浄機を置く洗い場のレイアウトを、厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルが示す汚染作業区域と非汚染作業区域の区分、床の勾配や排水溝、容器を扱う高さ、保管設備の考え方から整理します。通過型・U字型・L字型の機種の置き方と、機械の中で汚れを閉じ込める各社の工夫も公式記載で並べます。
洗浄機の性能が良くても、洗った容器が汚れた容器の近くを通れば、きれいな状態は保てません。この記事では、洗い場の動線と区域の分け方を、公的マニュアルと各社の公式記載から整理します。
公的マニュアルが示す作業区域の分け方
厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルは、施設の区域を汚染作業区域と非汚染作業区域に分けるよう示しています。対象は同一メニューを1回300食以上または1日750食以上提供する調理施設ですが、区域の考え方は洗い場の設計にも使えます。
- 汚染作業区域:検収場、原材料の保管場、下処理場
- 非汚染作業区域:準清潔作業区域(調理場)と清潔作業区域(放冷・調製場、製品の保管場)
- 各区域を固定し、壁で区画する、床面を色別する、境界にテープをはる等により明確に区画することが望ましい
- 手洗い設備は各作業区域の入り口手前に設置する
- 返却された残渣は非汚染作業区域に持ち込まない
- 器具・容器等は、作業動線を考慮し、予め適切な場所に適切な数を配置しておく
洗い場に当てはめると、戻ってきた汚れた容器を置く側がダーティ、洗い終えた容器を置く側がクリーンになります。この2つの置き場を、床の色やテープで分けるところから始めます。
洗浄機の形で変わる置き方
洗浄機は、入口と出口の位置で、ダーティとクリーンの分け方が変わります。公式に形を記載している機種を型別に並べます。
| 型 | 公式に記載する機種 | 区域の分け方 |
|---|---|---|
| パススルー型(入口と出口が反対側) | ウィンターハルター・ジャパン PT Utensil(パススルータイプ、最大32/13/9ラック/時) | 機械をダーティとクリーンの境目に置ける |
| 長いコンベヤ式 | 北沢産業 KWV-47L/R-D(長さ10,200mm)、マルゼン MDCCX(間口8,700mm)、イースタン技研 EAD-3B(長さ6,700mm) | 入口と出口の距離が長く、両端に置き場を分けやすい。入口・出口の位置は図面で確認 |
| U字・リターン型(入口と出口が同じ側) | イースタン技研 U字型(幅3,200mm、一人作業が可能)、キョウドウ KUDシリーズ(奥行きが少ない現場向け)、東光技研工業 リターン方式(長さ2,000mm) | 同じ側に汚れた容器と洗った容器が並ぶため、置き場の間を仕切る |
| L字型 | ヤマザキエンジニアリング トレー洗浄ライン(洗浄機・脱水機・スタッカーをL字に配置可) | 曲がり角で動線の向きを変えられる |
| バッチ型(扉から出し入れ) | 八木厨房機器製作所 器具洗浄機、ヒタカ精機 HRM、キサミツ技研 Mithra | 同じ扉から出し入れするため、置き台を左右に分ける |
U字型やバッチ型は1人で回しやすい反面、汚れた容器と洗った容器が近くに並びます。置き台の位置と、作業者が手を洗う場所を図面で先に決めてください。
ヤマザキエンジニアリングのトレー洗浄ラインは、洗浄機(長さ2,900mm)、脱水機(1,450mm)、スタッカー(1,200mm)の3台構成です。直線に並べると約5.5m、L字にすると角で向きを変えられ、壁際の限られた長さに収めやすくなります。
イースタン技研はU字型について、リターンコンベアで一人作業が可能になり作業効率は約3倍と記載しています。動線の短さと区域の分けやすさのどちらを優先するかを、先に決めてください。
機械の中で汚れを閉じ込める工夫
洗浄機の中でも、汚れが外に出ない工夫を公式に書いている会社があります。区域を分ける考え方を、機械の側で支える仕組みです。
- OMC:洗浄機本体でクリーンエリアとダーティエリアを区分けできる。洗浄ブース内の自己洗浄をノズルや小型ロボットで行う
- 東光技研工業:ブース内自動反転機能で、汚れのブース外への汚染を防ぐ
- 東光技研工業 サニタリーコンテナ洗浄機:熱水洗ジェット→エアーブロー→乾燥をクリーンルーム内で行う
- 澁谷工業 ネスティングケース洗浄システム:洗浄後に異物の有無とケースの向きを検査してから段積み
- OMC ロボット搬送式乾燥機:HEPAフィルタを通した60℃の熱風で乾燥
区域の境目を機械の中に持つ機種なら、洗い場の壁や仕切りを最小限にできる場合があります。どこまでを機械で分けられるかは、図面を見せてメーカーに確かめてください。
乾燥をクリーン側で行うか、洗浄機の中で終えるかで、クリーン側に要る面積が変わります。脱水・乾燥の機械を後ろに足す構成では、その分の長さもクリーン側に取ります。
床・排水・高さ・保管の数字
大量調理施設衛生管理マニュアルは、床や排水、容器を扱う高さについて数字を示しています。洗い場の図面に書き込める値です。
| 項目 | マニュアルの記載 |
|---|---|
| 床の勾配 | 水を使う部分は適当な勾配(100分の2程度) |
| 排水溝 | 100分の2から4程度の勾配を有する排水溝を設けるなど、排水が容易に行える構造 |
| シンク等の排水口 | 排水が飛散しない構造 |
| 容器を扱う高さ | 移動性の器具・容器の取り扱いは床面から60cm以上。跳ね水等からの直接汚染が防止できる食缶等は30cm以上の台に載せる |
| 保管 | 全ての移動性の器具・容器を衛生的に保管するため、外部から汚染されない構造の保管設備を設ける |
| 清掃 | 床面(排水溝を含む)、内壁の床面から1mまでの部分は1日に1回以上清掃 |
床の勾配と排水溝は、洗浄機の排水口の位置と合わせて決めます。洗浄機の下や周りに水が溜まると、クリーン側へ跳ね水が飛ぶ原因になります。
コンベヤ式の機種は、コンベヤの高さを公式に書いているものがあります。ヒタカ精機のMCSD-350はコンベヤー高さを800〜1,000mmで調整できます。
図面に描き込む動線の確認
レイアウトを決める前に、次の順で図面に線を引いてください。人と容器の動きが交わる場所が、区域の境目の候補です。
- 汚れた容器が戻ってくる入口と、仮置きの場所を描く
- 洗浄機の入口から出口までの流れを描き、脱水・乾燥・段積みの機械も同じ線に載せる
- 洗った容器の保管場所と、次の工程へ運ぶ出口を描く
- 作業者の動きを描き、ダーティ側からクリーン側へ移る場所に手洗い設備を置く
- 台車の動きを描く。三協は台車移載機、キサミツ技研はドーリー移載機を周辺機器として載せている
ショウワの無人ラインは設置スペースを従来比1/3、クロダ技研の汎用型は設置6㎡からと公式に記載しています。機械が小さくなるほど、空いた床を区域の分離に使えます。
この記事に出てくるメーカー
- イースタン技研株式会社(EASTERN TECHNICS Corp.)深い通い箱を乾燥まで1人で
- 株式会社ヒタカ精機シール汚れの高圧洗浄に
- 株式会社キサミツ技研自社製作・OEM元の実力派
- 北沢産業株式会社省エネ大型ラインと全国保守
- クロダ技研株式会社2坪・1人・カゴ車ごと洗う
- 株式会社キョウドウ番重専門・テスト洗浄重視
- 株式会社マルゼン給食コンテナ・価格公開
- OMC株式会社大型コンテナのロボット洗浄
- 株式会社三協ライン一括プランナー
- 澁谷工業株式会社ラベル剥離込みの大手ライン
- 株式会社ショウワAI無人化ラインの先行組
- 東光技研工業株式会社サニタリーコンテナの本命
参照元
- 厚生労働省 大量調理施設衛生管理マニュアル(平成29年6月16日最終改正)
- ウィンターハルター・ジャパン 器具洗浄機
- 北沢産業 容器洗浄機
- マルゼン コンテナ洗浄機
- イースタン技研 イーステック・エアドライヤー
- イースタン技研 エアドライヤー
- キョウドウ 容器洗浄機
- 東光技研工業 大小容器洗浄装置
- 東光技研工業 会社案内
- ヤマザキエンジニアリング トレー洗浄ライン
- 八木厨房機器製作所 器具洗浄機
- ヒタカ精機 洗浄機
- キサミツ技研 Mithra
- OMC 食品用洗浄機
- 澁谷工業 ケース・パレット・コンテナ洗浄
- 三協 周辺機器
- キサミツ技研 製品一覧
- ショウワ 無人化コンテナ洗浄システム
- クロダ技研 製品紹介
- イースタン技研 イーステック・エアドライヤー 製品情報
よくある質問
洗い場のダーティとクリーンはどう分ければよいですか?
厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルは、汚染作業区域と非汚染作業区域を明確に区別し、壁で区画する、床面を色別する、境界にテープをはる等で区画することが望ましいとしています。洗い場では、汚れた容器の置き場と洗った容器の置き場をこの考え方で分けます。
U字型の洗浄機は衛生面で不利ですか?
U字型(リターン型)は入口と出口が同じ側にあるため、汚れた容器と洗った容器の置き場が近くなります。イースタン技研のU字型は一人作業が可能と公式に記載しており、人手の面では有利です。置き台の間を仕切り、手洗い設備の位置を決めて使ってください。
洗い場の床や排水に目安はありますか?
大量調理施設衛生管理マニュアルは、水を使う床に100分の2程度の勾配、100分の2から4程度の勾配を有する排水溝を設けるなど排水が容易な構造とすること、容器の取り扱いは床面から60cm以上で行うことなどを示しています。
【条件別】コンテナ洗浄機メーカーおすすめ3選
1日500枚以上を、ラインで洗うなら
株式会社クレオ(THE CREO CO.,LTD)
国内トップシェア(公式)。羽生の施設で自社のコンテナを実機テストしてから決められる
1日500枚未満向けのバッチ式と500枚以上向けのコンベヤ式に加え、洗浄乾燥機・洗浄脱水機・パレット洗浄機まで12製品をそろえる。低圧多水量方式と水リサイクル装置で省水・省エネ、全国8拠点のメンテナンス体制。埼玉県羽生市の「羽生プラーツ」で実機テスト洗浄とATPふき取り検査ができる。
物流のオリコン・カゴ台車を、2坪・1人で洗うなら
クロダ技研株式会社
カゴ台車に積んだまま、たたんだまま洗う。熱源ゼロの脱水で設置6㎡から
オリコンやクレートをカゴ台車に積んだまま、または折りたたんだまま洗浄・脱水・乾燥できる業界初(公式)の方式。設置スペース6㎡(約2坪)から、設置約1時間、作業員1名で最大400〜800個/時。熱源を使わない特許の脱水方式で静音、水量は約200Lで3日間。工場のデモ機を見学できる。
物流用コンテナを、AIとロボットで無人化するなら
株式会社ショウワ
2022年から完全無人化ラインを納入。飲料大手・パレットレンタルの実績
物流用コンテナとオリコンを、ロボット・カメラ・AIで投入から段積みまで無人で行う洗浄システムを2022年から納入。コンベヤタイプは300〜2,000枚/時、遠心脱水機は残水1%、洗浄〜遠心脱水まで自動のバッチタイプも用意する。会社全体の会社全体の主要納入先としてアサヒビール、キリンビール、サッポロビール、江崎グリコ、カゴメ、日本パレットレンタル、協同乳業、タカノフーズなどを公式に列挙する。