コンテナ洗浄機 · 基礎知識
必要な処理能力の計算方法|1日の枚数・洗浄時間・ピークから機種を絞る
コンテナ洗浄機の処理能力(枚/時)をどう決めるか。ピーク日の枚数と洗浄に使える時間から必要能力を出す手順、容器サイズ・除滴・乾燥で公式カタログの数値が変わる理由、能力帯ごとに該当する機種を35社の公式値で整理します。
コンテナ洗浄機のカタログには「300〜600個/時」のように幅のある処理能力が書かれています。この記事では、自社に必要な枚/時を出し、カタログの数値と正しく突き合わせる手順を説明します。
計算式は「ピーク日の枚数÷洗浄に使える時間」
必要な処理能力は平均ではなくピークで決めます。平均で選ぶと、繁忙日に洗い残しが翌日に回ります。
- ピーク日の洗浄枚数を数える(週末前や月末など、1年で最も多い日)
- 洗浄に使える時間を決める(例:午後の3時間、夜間の6時間)
- ピーク枚数÷時間=必要枚/時を出す
- 段取り・容器の補充・清掃の時間を除くため、必要枚/時の1.2〜1.5倍を候補機種の目安にする(当サイトの目安)
例えば、ピーク日1,200枚を3時間で洗うなら400枚/時が必要です。1.2〜1.5倍の480〜600枚/時が候補の目安になります。
三協は見積依頼にあたり「洗浄物の寸法・1日又は1時間あたりの洗浄処理個数をお知らせ下さい」と案内しています。この2つがそろえば、メーカー側で機種を提案できます。
公式カタログの数値が幅を持つ理由
同じ機種でも、容器の大きさ・汚れ・除滴の有無で処理能力は変わります。カタログの幅の上限ではなく、自社条件に近い側の値で計算してください。
| 変動の要因 | 公式の記載例 |
|---|---|
| 容器の長さ | イースタン技研 EAD-3B:240mmの箱130〜170個/時、600mmの箱65〜85個/時 |
| 除滴の有無 | 中西製作所 CWM-151:除滴無し300〜600個/時、除滴有り500個/時 |
| コンベヤ速度の段階 | ホバート・ジャパン FUX-C:2段変速で300/150容器/時 |
| 洗浄時間の設定 | アイエムエイ ぴかじゅう:1台約10秒〜可変、最大360台/時。小嶺機械 KWM-888CB:洗浄時間1分で約40個/時 |
| 容器の段数 | クロダ技研 カゴ台車一体型:オリコン20段×2山×カゴ車2台で最大800個/時(1時間に8〜10回) |
| 洗浄部と乾燥部の差 | ヒタカ精機 MCSD-350:洗浄部600ケース/時、乾燥部650ケース/時 |
| コンテナの寸法 | クロダ技研 ラベルはくり全自動機:400〜600枚/時(コンテナ寸法により異なる) |
キョウドウのKY-33は「300〜1,000枚/時(620mm容器)」と、基準となる容器寸法を併記しています。数値の前提が書かれていない場合は、自社の容器寸法での値を問い合わせてください。
能力帯ごとに該当する公式機種
必要枚/時が出たら、能力帯で機種を絞ります。以下は各社が公式に記載する処理能力を帯ごとに並べたものです。
| 必要な能力 | 該当する公式機種(処理能力) |
|---|---|
| 〜100枚/時 | 小嶺機械 KWM-888CB(約40個/時)、キサミツ技研 Mithra(30〜90個/時)、キョウドウ アスラ(60枚/時)、ヒタカ精機 HRM(50〜100ケース/時)、有光工業 MM-02ATSⅤ等(30〜180ケース/時)、クレオ オリコン洗浄機バッチ式(100枚/時) |
| 100〜300枚/時 | キサミツ技研 KWB-10S/10E(約120個/時)、ショウワ SPW・SPM(120枚/時以下)、キョウドウ KRS(30〜240枚/時)、ヒタカ精機 MC-190(100〜150ケース/時)、東光技研工業 通い箱・トレー洗浄機リターン方式(100〜200ケース/時)、岡常歯車製作所 CC-1N(200個/時以上) |
| 300〜700枚/時 | 中西製作所 CWM-151(300〜600個/時)、ヒタカ精機 MCSD-350(300〜600ケース/時)、七宝商事 SDC105(300〜600個/時)、キサミツ技研 KWY-15/17(420/550個/時)、ヤマザキエンジニアリング トレー洗浄ライン(500枚/時)、東光技研工業 大規模工場向け(300〜600ケース/時)、キョウドウ KY-3/KY-5(200〜700枚/時) |
| 700〜1,000枚/時 | 中西製作所 CWM-251(800〜1,000個/時)、キサミツ技研 KWY-25(760個/時)、北沢産業 クレート洗浄機(700〜1,500個/時の型式)、有光工業 SPCシリーズ(500〜1,000ケース/時の型式)、ショウワ CVW(300〜1,000枚/時) |
| 1,000〜2,000枚/時 | 北沢産業 KWVシリーズ(500〜2,000枚/時)、ショウワ CFW(300〜2,000枚/時)、クレオ オリコン洗浄機コンベヤ式(300〜2,000枚/時)、有光工業 SPCシリーズ(1,000〜1,500ケース/時の型式) |
1,000枚/時を超える機種は本体も大きく、北沢産業のKWV-47L/R-D(2,000枚/時)は10,200×1,720×2,736mmです。能力帯を上げるほど、設置面積と電力(同機は44.85kW)も上がります。
脱水・乾燥の能力も同じ枚/時で確かめる
洗浄機の能力が足りていても、脱水や乾燥が遅ければラインはそこで詰まります。洗浄・脱水・乾燥の3つを同じ単位で並べてください。
- ショウワ:遠心脱水機SPD-2は500〜2,700枚/時(残水1%)、コンベヤタイプ洗浄CFWは300〜2,000枚/時
- キサミツ技研:容器乾燥機KD-575/KD-511/KD-275Vは420/760/420個/時、洗浄乾燥機KWD-1575/1275Vは430/420個/時
- ヒタカ精機 MCSD-350:洗浄部600ケース/時に対し乾燥部650ケース/時
- クレオ:パレット洗浄機PRD60は段ばらし・洗浄・脱水・熱風乾燥・段積みまで含めて60枚/時
北沢産業は洗浄乾燥機(KWV-1〜4L/R-D)を洗浄能力500〜700/700〜1,500/1,500〜2,000個/時の3段階で用意しています。乾燥を後付けする場合は、乾燥側の能力が洗浄側を下回らない組み合わせを選んでください。
パレットは枚/時の桁が一つ小さい
パレット洗浄機は容器用と比べて処理能力の桁が小さく、10〜210枚/時の範囲です。パレットは1日の枚数が容器ほど多くないため、必要枚/時も小さくなります。
| メーカー・機種 | 公式の処理能力 |
|---|---|
| プラテック 小型(熱源なし) | 10〜20枚/時 |
| キサミツ技研 パトラⅡ(バッチ式) | 20枚/時 |
| プラテック 直投入・直取り出し | 20〜30枚/時 |
| クレオ PAR30 | 30枚/時 |
| イシダテック パレット洗浄機 | 40〜200枚/時 |
| キサミツ技研 KP-50 | 50枚/時 |
| プラテック 中機(熱風ブロア乾燥付) | 50〜60枚/時 |
| 有光工業 CMMP-10BSⅡ | 最大60枚/時(10段・総重量300kg以内) |
| クレオ PRD60/PRD100/PRD150/PRD200 | 60/100/150/200枚/時 |
| プラテック 物流向け/大型機・洗浄事業用 | 80〜100枚/時/180〜210枚/時 |
キットのパレット洗浄機は24時間稼働を公式に掲げています。時間あたりの能力が小さくても、稼働時間を延ばせば1日の処理枚数は増やせます。
計算結果をメーカーに渡すときの書き方
問い合わせの時点で次の項目を数字で渡すと、メーカーは自社の型式表から候補を返せます。テスト洗浄の依頼にもそのまま使えます。
- 容器の種類・寸法(最大と最小)・材質・重ね方(段積みの段数)
- ピーク日の枚数、平均日の枚数、洗浄に使える時間帯
- 必要枚/時(計算値)と、その1.2〜1.5倍の候補帯
- 乾燥の要否(乾いた状態で戻すか、水切りでよいか)
- 洗い場の寸法、搬入口の幅、電源(単相100V/三相200V)と蒸気の有無
- 汚れの種類(油脂・でんぷん・土・ラベル糊)と、汚れてから洗うまでの時間
洗い場の面積が先に決まっている場合は、設置面積から逆算して能力帯を選ぶ順でも構いません。狭い洗い場の選び方は、狭い洗い場で1人で回す洗浄機の記事で扱います。
この記事に出てくるメーカー
- 有光工業株式会社パレット10段まとめ洗いに
- 株式会社クレオ(THE CREO CO.,LTD)大量ライン・実機テストの本命
- イースタン技研株式会社(EASTERN TECHNICS Corp.)深い通い箱を乾燥まで1人で
- 株式会社ヒタカ精機シール汚れの高圧洗浄に
- ホバート・ジャパン株式会社600×400番重の輸入機
- 有限会社アイエムエイ100V・70万円台の小型機
- 株式会社イシダテック折コン折りたたみまで自動化
- 株式会社キサミツ技研自社製作・OEM元の実力派
- 株式会社キット製薬・化学のパレット・IBC
- 北沢産業株式会社省エネ大型ラインと全国保守
- 小嶺機械株式会社カット野菜工場のカゴ洗浄に
- クロダ技研株式会社2坪・1人・カゴ車ごと洗う
参照元
- 三協 連続式洗浄機
- イースタン技研 イーステック・エアドライヤー
- 中西製作所 容器洗浄機
- ホバート・ジャパン FUX-C
- アイエムエイ ぴかじゅう カタログ
- 小嶺機械 容器洗滌機
- クロダ技研 製品紹介
- ヒタカ精機 洗浄機
- キョウドウ 容器洗浄機
- キサミツ技研 容器洗浄機
- キサミツ技研 Mithra
- キサミツ技研 パレット洗浄機
- 有光工業 容器洗浄機 MMシリーズ
- 有光工業 容器洗浄機 SPCシリーズ
- 有光工業 パレット洗浄機 CMMP
- クレオ オリコン洗浄機
- クレオ パレット洗浄機
- ショウワ コンテナ洗浄機
- 東光技研工業 大小容器洗浄装置
- 岡常歯車製作所 洗浄機
- 七宝商事 コンテナ洗浄機 SDC105
- ヤマザキエンジニアリング トレー洗浄ライン
- 北沢産業 容器洗浄システム
- 北沢産業 容器洗浄機
- プラテック パレット洗浄機
- イシダテック パレット洗浄機
- キット パレット洗浄機
よくある質問
コンテナ洗浄機の処理能力はどう計算しますか?
ピーク日の枚数を洗浄に使える時間で割ります。ピーク日1,200枚を3時間で洗うなら400枚/時です。段取りや清掃の時間を見込み、その1.2〜1.5倍を候補機種の目安にしてください。
カタログの処理能力が「300〜600個/時」と幅があるのはなぜですか?
容器の大きさや除滴の有無で変わるためです。イースタン技研のEAD-3Bは240mmの箱で130〜170個/時、600mmの箱で65〜85個/時、中西製作所のCWM-151は除滴無しで300〜600個/時、除滴有りで500個/時と公式に記載しています。
1時間に1,000枚以上洗えるコンテナ洗浄機はありますか?
あります。北沢産業のKWVシリーズは500〜2,000枚/時、ショウワのCFWは300〜2,000枚/時、クレオのオリコン洗浄機コンベヤ式は300〜2,000枚/時を公式に記載しています。北沢産業の2,000枚/時機は本体長10.2mです。
パレット洗浄機の処理能力はどのくらいですか?
公式値で10〜210枚/時です。プラテックの小型機が10〜20枚/時、クレオのPAR30〜PRD200が30〜200枚/時、イシダテックが40〜200枚/時、プラテックの大型機が180〜210枚/時です。
【条件別】コンテナ洗浄機メーカーおすすめ3選
1日500枚以上を、ラインで洗うなら
株式会社クレオ(THE CREO CO.,LTD)
国内トップシェア(公式)。羽生の施設で自社のコンテナを実機テストしてから決められる
1日500枚未満向けのバッチ式と500枚以上向けのコンベヤ式に加え、洗浄乾燥機・洗浄脱水機・パレット洗浄機まで12製品をそろえる。低圧多水量方式と水リサイクル装置で省水・省エネ、全国8拠点のメンテナンス体制。埼玉県羽生市の「羽生プラーツ」で実機テスト洗浄とATPふき取り検査ができる。
物流のオリコン・カゴ台車を、2坪・1人で洗うなら
クロダ技研株式会社
カゴ台車に積んだまま、たたんだまま洗う。熱源ゼロの脱水で設置6㎡から
オリコンやクレートをカゴ台車に積んだまま、または折りたたんだまま洗浄・脱水・乾燥できる業界初(公式)の方式。設置スペース6㎡(約2坪)から、設置約1時間、作業員1名で最大400〜800個/時。熱源を使わない特許の脱水方式で静音、水量は約200Lで3日間。工場のデモ機を見学できる。
物流用コンテナを、AIとロボットで無人化するなら
株式会社ショウワ
2022年から完全無人化ラインを納入。飲料大手・パレットレンタルの実績
物流用コンテナとオリコンを、ロボット・カメラ・AIで投入から段積みまで無人で行う洗浄システムを2022年から納入。コンベヤタイプは300〜2,000枚/時、遠心脱水機は残水1%、洗浄〜遠心脱水まで自動のバッチタイプも用意する。会社全体の会社全体の主要納入先としてアサヒビール、キリンビール、サッポロビール、江崎グリコ、カゴメ、日本パレットレンタル、協同乳業、タカノフーズなどを公式に列挙する。