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5軸マシニングセンタ · 基礎知識

5軸マシニングセンタのテストカットと見積の進め方|窓口のある5社と依頼前にそろえる情報

5軸マシニングセンタを買う前のテストカットの窓口(オークマ、DMG森精機、ニデックオーケーケー、新日本工機、ニイガタマシンテクノ)、確かめること、依頼前にそろえる情報、見積の比べ方を掲載メーカーの公式情報で解説します。

公開 2026年10月1日

5軸マシニングセンタは、カタログの数値だけでは仕上がりやサイクルタイムが分かりません。自社のワークで削ってみるテストカットと、条件をそろえた見積が、失敗を防ぐ近道です。

このページでは、掲載16社の公式サイトに書かれたテストカットの窓口と、見積を頼む前にそろえる情報を整理します。

テストカットを公式に明記している5社

今回の16社のうち、テストカット・テスト加工を公式サイトに明記していたのは5社でした。窓口の場所と内容は次のとおりです。

メーカー窓口公式に書かれた内容
オークマ本社(愛知県大口町)のショールームNCスクールやテストカットを実施
DMG森精機ソリューションセンタ(ショールーム)持ち込み図面やプログラムを用いたテスト加工、デモ加工の見学
ニデックオーケーケーテクニカルセンター(滋賀県栗東市)加工テストや試作で加工条件・工程を提案、見学は申込制
新日本工機導入前のエンジニアリング検討機種での加工シミュレーション(タイムスタディ)と、実際に機械加工を行うテスト加工
ニイガタマシンテクノテックセンター実ワークで加工可否・精度・サイクルタイムを導入前に確認

ブラザー工業はブラザーテクノロジーセンターで実機デモとセミナーを、ヤマザキマザックは国内各地のテクノロジーセンタを掲載しています。テストカットの受付方法が書かれていない会社にも、問い合わせの最初に可否を確認してください。

テストカットで確かめること

テストカットは、削れるかどうかだけでなく、量産したときの時間と精度を見る場です。ニイガタマシンテクノは、加工可否・精度・サイクルタイムの確認を目的に挙げています。

  • 加工可否:回転軸を傾けたときに工具や主軸がワークや治具に当たらないか
  • 精度:寸法と面粗さ、熱による変化
  • サイクルタイム:1個あたりの加工時間と工具交換の回数
  • 切粉:たまり方と排出のしやすさ
  • 段取り:ワークの着脱と治具の作りやすさ

新日本工機は、導入前に検討機種で加工シミュレーションを行うタイムスタディも挙げています。テストカットの前にシミュレーションで候補を絞ると、試す機種の数を減らせます。

テストカットには、量産で使う予定の工具と治具をできるだけ持ち込んでください。条件が実際と違うと、サイクルタイムや面粗さの比較が意味を持たなくなります。

依頼の前にそろえる情報

テストカットと見積は、同じ情報で各社に依頼すると比べやすくなります。次の項目をまとめてから問い合わせてください。

  1. 図面(3Dデータがあれば添付)と材質
  2. 最大ワークの寸法と質量、治具の有無
  3. 月の生産数とロットの大きさ
  4. 今の工程(3軸機や旋盤の台数、段取り回数)
  5. 求める精度と面粗さ
  6. 設置場所の広さ、床、電源の条件
  7. 夜間運転やロボット連携の予定
  8. 導入の希望時期と予算の目安

DMG森精機のように、持ち込みのプログラムでテスト加工できる窓口もあります。CAMのデータがあれば一緒に用意すると、実際の量産に近い条件で比べられます。

見積を比べるときの注意点

5軸機の見積は、本体に何が含まれるかで金額が大きく変わります。今回の16社には、本体価格を公式サイトに載せている会社はありませんでした。

項目確認すること
本体主軸の仕様、工具本数、NC装置(同時5軸か割出しか)
オプションパレットチェンジャ、ロボットインターフェイス、計測プローブ
CAM・教育5軸CAMの有無、操作教育やスクールの回数
据付・保守搬入・据付・精度調整、保守の拠点
テストカット費用の有無と、導入後の現地試削りに別途契約が要るか

テストカットや試削りの扱いはメーカーで違います。新日本工機は、導入後に現地で実ワークを削る試削りを要望する場合、事前に別途契約等で確認すると書いています。費用と条件は最初に聞いておくと、後で揉めません。

見積は本体とオプション、CAM・教育、据付・保守に分けて出してもらうと、各社の金額を同じ土俵で比べられます。合計額だけで比べると、教育や保守の差が見えなくなります。

ショールームで一緒に見ておきたい周辺装置

テストカットで機械を見に行くときは、本体だけでなく周辺装置も確かめておくと、導入後の追加費用を減らせます。公式サイトに載っている周辺装置の例は次のとおりです。

  • パレット:松浦機械製作所MXシリーズのマルチパレットシステム、ヤマザキマザックのMPP(多段パレットストッカ、VARIAXIS i-700Tのみ対応)
  • ロボット:安田工業YBM Vi40 Ver.ⅢのロボットインターフェイスEROWA・System 3R(オプション)
  • 工具:ブラザー工業U500Xd2の100本マガジン仕様、キタムラ機械Mytrunnion-5Gの50本ATC(最大100本)
  • 計測:ヤマザキマザックの5軸高精度チューニング機能MAZA-CHECK(無線式タッチプローブはオプション)

テストカットの結果をまとめる表

複数社でテストカットをしたら、結果を同じ表にまとめて比べます。項目をそろえておくと、社内の稟議で説明しやすくなります。

加工時間は、工具交換や回転軸の割出しを含めた1個あたりの時間で記録してください。切削時間だけで比べると、5軸機の段取り削減の効果が見えなくなります。

項目記録すること
ワーク図番、材質、取り付け方法
機種メーカー、機種名、主軸の仕様
時間1個あたりの加工時間、工具交換の回数
品質寸法の測定結果、面粗さ、見た目
気づき干渉の有無、切粉のたまり方、段取りのしやすさ

テストカットから発注までの流れ

一般的には、相談からテストカット、見積、発注までを数社並行で進めます。各社の窓口の名前は違っても、流れは大きく変わりません。

  1. 図面と条件を2〜3社に送り、機種の提案を受ける
  2. シミュレーションや既存データで候補を絞る
  3. ショールームやテクニカルセンターで実ワークを削る
  4. 結果(時間・精度・切粉)を同じ表にまとめて比べる
  5. オプション・教育・保守を含めた見積で発注先を決める

導入後の教育も比較に入れてください。オークマは5軸・複合加工機の導入時教育として訪問スクールを、牧野フライス製作所はテクニカルスクールを公式に案内しています。

テストカットの段階で、教育の内容と回数、操作説明の担当者まで聞いておくと、立ち上げの遅れを防げます。5軸機は最初の数か月の使い方で稼働率が大きく変わるため、機械の性能と同じくらい支援の中身を重視してください。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

テストカットは無料ですか?

費用は各社の公式サイトに記載がありません。新日本工機は、導入後の現地での試削りは事前に別途契約等で確認するとしています。導入前のテストカットも含め、依頼の最初に費用と条件を確認してください。

図面がなくてもテストカットを頼めますか?

形状と材質が分かるものがないと条件を決められません。DMG森精機は持ち込み図面やプログラムでのテスト加工を案内しています。図面か3Dデータ、なければ現物のサンプルを用意してください。

テストカットができないメーカーは避けた方がよいですか?

記載がないだけで、相談すれば対応する会社もあります。問い合わせの最初に可否を聞き、難しい場合は同じ構造の機種を持つ他社でテストして比べる方法もあります。

【用途別】5軸マシニングセンタメーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

アルミ・鉄の小物部品を、省スペースで多面・5軸加工するなら

ブラザー工業株式会社

床面1,560×2,026mmの30番機。テクノロジーセンターで実機デモ

U500Xd1は治具エリア最大⌀500の傾斜ロータリーテーブル(A軸120〜−30度・C軸360度)を持つ30番の立形機で、テーブル作業面⌀260mm・最大積載100kg、主軸10,000min-1(オプション16,000)。所要床面は1,560×2,026mm。5AX仕様のCNC装置はCNC-D00v。東京・大阪などのブラザーテクノロジーセンターで実機デモとセミナーを行っている。

ブラザー工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

旋削も含めて1台に工程集約するなら

オークマ株式会社

両端支持トラニオンに旋削仕様。本社ショールームでテストカット

MU-V seriesは剛性の高い両端支持のトラニオンテーブルで、テーブルø500〜ø800×630幅、主軸10,000/6,000min-1。MU-5000V/6300V/8000Vには旋削仕様(L)があり、旋削能力の実績値(加工径ø164mm、MU-6300Vはø250mm)を公表している。本社にはテストカットを実施するショールームがある。

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3

難削材・重量物の中物〜大物を横形5軸で削るなら

株式会社ニイガタマシンテクノ

トラニオンの横形HN-5X。積載1,500kgまで、テックセンターで実ワークを試す

HN50E-5X〜HN80E-5Xは高剛性トラニオンテーブルを載せた5軸横型で、パレット500×500〜800×800mm、最大積載600〜1,500kg、最大ワークФ750×700〜Ф1,250×1,000mm。難削材部品の加工に適した剛性を打ち出す。テックセンターで実際のワークのテストカットができ、加工可否・精度・サイクルタイムを導入前に確認できる。

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