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5軸マシニングセンタ · 基礎知識

5軸マシニングセンタの仕様表の読み方|最大ワーク・積載・ストローク・主軸回転数・工具本数

5軸マシニングセンタの仕様表で最初に見るべき最大ワーク寸法と積載質量、ストロークと回転軸の角度、主軸回転数、工具本数とパレットの読み方を、掲載メーカーの公式数値で解説します。

公開 2026年10月1日

5軸マシニングセンタのカタログには、ストローク、テーブル寸法、積載質量、最大ワーク寸法、主軸回転数、工具本数などが並びます。数字の意味を押さえると、自社のワークに合う機種を短時間で絞れます。

このページでは、掲載メーカーの公式の数値を例に、仕様表の読み方を項目ごとに解説します。

最初に見るのは最大ワーク寸法と積載質量

5軸機では、ストロークより先に最大ワーク寸法と積載質量を見ます。回転軸でワークを傾けると、ストロークの中でも干渉して削れない範囲が出るためです。

メーカー・機種最大ワーク寸法積載質量
ブラザー工業 U500Xd1治具エリア最大⌀500(テーブル⌀260mm)100kg
ニデックオーケーケー VC-X350パレットφ350mm200kg
三井精機工業 Vertex55X Ⅲφ750×525mm(一部制限あり)350kg
ヤマザキマザック VARIAXIS C-700Φ850mm×500mm700kg
ニイガタマシンテクノ HN80E-5XФ1,250×1,000mm1,500kg
キタムラ機械 Mytrunnion-7Gφ1,170×740mm2,000kg

三井精機工業や牧野フライス製作所は、最大ワーク寸法に制限ありと注記しています。工具長や回転軸の角度によって削れる範囲が変わるので、図面を渡して干渉を確認してもらうのが確実です。

ストロークと回転軸の角度

ストロークは直線3軸が動ける距離です。回転軸は傾けられる角度の範囲が書かれ、角度が広いほどワークの側面や下側まで刃物が届きます。

  • ブラザー工業 U500Xd1:X500・Y400・Z300mm、A軸120〜−30度、C軸360度
  • ニデックオーケーケー VC-X350:600/430/460mm、A軸−120〜30度、C軸360度
  • キタムラ機械 Mycenter-4XT:800×610×510mm、A軸−42〜+120度、C軸360度
  • 牧野フライス製作所 a500iR:B軸−110°〜+180°、C軸360°

ヤマザキマザックはVARIAXIS Cで、B軸を大きく傾けたときにワークの先端や下方まで刃先が届くよう、X軸とZ軸のストロークに余裕を持たせたと説明しています。角度とストロークはセットで見てください。

主軸回転数と主軸テーパ

主軸回転数は、アルミや小径工具の高速加工なら高い方が有利で、鋼の重切削ではトルクが重要になります。同じ機種で高速型と高トルク型を選べるメーカーもあります。

メーカー・機種主軸回転数テーパ
芝浦機械 VM-450A(5)最高40,000min-1HSK-E40
キタムラ機械 MedCenter5AX30,000回転HSK-E40
三井精機工業 Vertex55X Ⅲ15,000/25,000min-1No.40
安田工業 YBM Vi40 Ver.Ⅲ100〜24,000min-1BT40(オプションHSK-A63)
オークマ MU-5000V10,000、6,000min-1記載なし(今回確認範囲)
ブラザー工業 U500Xd110,000(OP 16,000)min-1No.30

ヤマザキマザックのVARIAXIS Cは、標準12,000min-1に加え、15,000・18,000・20,000min-1の主軸をオプションで選べます。材料と工具径から必要な回転数を出してから比べてください。

工具本数・パレット・機械の大きさ

5軸機は1台で多くの工程をこなすため、工具本数が足りないと段取りが増えます。夜間運転をするならパレットの数も見ます。

  • 工具本数:ブラザー工業U500Xd1は14/21/28本、安田工業YBM Vi40 Ver.Ⅲは60本(オプション100本)、オークマMU-5000Vは32本
  • パレット:松浦機械製作所MXシリーズはパレット仕様(PC10・PC4)、キタムラ機械SUPERCELL-800Gは最大21パレット仕様
  • 設置面積:三井精機工業Vertex55X Ⅲは2m×3m、ブラザー工業U500Xd1は所要床面1,560×2,026mm
  • 機械質量:ブラザー工業U500Xd1は2,650kg、コマツNTC CX500は18,000kg

機械質量は床の耐荷重や搬入経路に関わります。設置場所の条件は、見積と同時にメーカーへ伝えてください。

工場の扉の幅や天井の高さで搬入できない例もあるため、図面とあわせて伝えると安心です。

割出し精度と補正機能の数値

5軸機の精度は、直線軸の位置決めに加えて回転軸の割出し精度と、回転中心のずれを補正する機能で決まります。数値を公開しているメーカーは比べやすくなります。

  • オークマ MU-5000V:割出し精度の実績値はA軸±0.68秒、C軸±0.78秒。割出し復帰精度はA軸±0.40秒、C軸±0.14秒
  • キタムラ機械 Mytrunnion-4G/5G:全軸フルストロークで位置決め精度±2ミクロン、繰り返し精度は±1ミクロン(4G)・±0.5ミクロン(5G)
  • コマツNTC CX500:位置決め補正を空間で数値化して入れる空間精度補正
  • 三井精機工業 Vertex:機械固有の回転軸中心のずれ量をNC側で計算する5軸工具先端点制御

数値の定義は会社ごとに違い、実績値と保証値が混ざることもあります。比べるときは、どの条件で測った値かを見積の段階で確認してください。

仕様表を比べるときの手順

仕様表は項目が多いので、順番を決めて読むと迷いません。数値が公式ページにない項目は、カタログで確認が必要です。

  1. 最大ワークの寸法と質量で、載せられない機種を外す
  2. 回転軸の角度とストロークで、削りたい面に届くかを見る
  3. 材料と工具径から主軸の回転数とトルクを見る
  4. 工程数から工具本数、運転時間からパレット数を見る
  5. 設置面積と機械質量、電源を工場の条件と照らす

今回の16社でも、一覧ページに主軸回転数を載せていない会社がありました。比べる項目がそろわないときは、見積依頼の段階で同じ項目の数値をそろえて出してもらうのが確実です。

特に積載質量と最大ワーク寸法は、治具の重さと大きさを含めて考える必要があります。治具を載せた状態の質量で、各社の積載値と比べてください。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

ストロークが大きければ大きいワークを削れますか?

そうとは限りません。5軸機は回転軸でワークを傾けるため、最大ワーク寸法と積載質量の方が先に効きます。三井精機工業や牧野フライス製作所は最大ワーク寸法に制限ありと注記しています。

主軸は高回転の方がよいですか?

アルミや小径工具の加工では高回転が有利ですが、鋼の重切削ではトルクが重要です。三井精機工業のVertexは高速型25,000min-1と高トルク型15,000min-1を選べます。

工具は何本あれば足りますか?

1台で何工程を集約するかで決まります。ブラザー工業U500Xd1は14〜28本、安田工業YBM Vi40 Ver.Ⅲは60本(オプション100本)と、機種で大きく違います。夜間運転をするなら予備工具の分も見込んでください。

【用途別】5軸マシニングセンタメーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

アルミ・鉄の小物部品を、省スペースで多面・5軸加工するなら

ブラザー工業株式会社

床面1,560×2,026mmの30番機。テクノロジーセンターで実機デモ

U500Xd1は治具エリア最大⌀500の傾斜ロータリーテーブル(A軸120〜−30度・C軸360度)を持つ30番の立形機で、テーブル作業面⌀260mm・最大積載100kg、主軸10,000min-1(オプション16,000)。所要床面は1,560×2,026mm。5AX仕様のCNC装置はCNC-D00v。東京・大阪などのブラザーテクノロジーセンターで実機デモとセミナーを行っている。

ブラザー工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

旋削も含めて1台に工程集約するなら

オークマ株式会社

両端支持トラニオンに旋削仕様。本社ショールームでテストカット

MU-V seriesは剛性の高い両端支持のトラニオンテーブルで、テーブルø500〜ø800×630幅、主軸10,000/6,000min-1。MU-5000V/6300V/8000Vには旋削仕様(L)があり、旋削能力の実績値(加工径ø164mm、MU-6300Vはø250mm)を公表している。本社にはテストカットを実施するショールームがある。

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3

難削材・重量物の中物〜大物を横形5軸で削るなら

株式会社ニイガタマシンテクノ

トラニオンの横形HN-5X。積載1,500kgまで、テックセンターで実ワークを試す

HN50E-5X〜HN80E-5Xは高剛性トラニオンテーブルを載せた5軸横型で、パレット500×500〜800×800mm、最大積載600〜1,500kg、最大ワークФ750×700〜Ф1,250×1,000mm。難削材部品の加工に適した剛性を打ち出す。テックセンターで実際のワークのテストカットができ、加工可否・精度・サイクルタイムを導入前に確認できる。

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