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ロストワックス・精密鋳造の会社 · 基礎知識

精密鋳造の材質の選び方ステンレス・耐熱鋼・超合金・チタン・アルミ・銅合金と対応する会社

ロストワックス精密鋳造で使える材質を、ステンレス鋳鋼、耐熱鋼、ニッケル基・コバルト基の耐熱合金、チタン合金、アルミ合金、銅合金に分けて整理しました。記号の読み方、真空溶解が要る材質、鋳造材と鋼材の性質の違い、材質を決めるときに伝えることまで、掲載16社の公式情報でまとめています。

公開 2026年10月4日

イラストはイメージです(特定の製品ではありません)

ロストワックスは、溶かせる金属ならほとんど鋳造できるのが強みです。妙中鉱業は、機械加工が難しい材質でも大気溶解が可能ならあらゆる材質が鋳造可能と書いています。

ただし、材質によって必要な設備や得意な会社が変わります。このページでは、掲載16社の公式サイトに載っている材質を系統ごとに整理しました。

材質の系統と公開している会社

系統主な記号・名称公式に挙げている会社の例
炭素鋼・低合金鋼S25C、S45C、SCM415、SCM440、SNCM220キャステム、キングパーツ、妙中鉱業、タカミ
ステンレス鋳鋼SCS13、SCS14、SCS16、SCS24などほぼ全社(ヒノデキャスティング&メタルワークス、昭和鉄工ほか)
耐熱鋼SCH13、SCH22など昭和鉄工、妙中鉱業、キングパーツ、加藤製作所(カトメ)
Ni基・Co基耐熱合金INCO713C、INCO718、ハステロイX、FSX-414、ステライトハヤカワロストワックス、キングパーツ、新潟精密鋳造、IHIキャスティングス
チタン合金TC340、TAC6400、β型チタン合金JUKI会津、ヨネダアドキャスト、IHIキャスティングス
アルミ合金AC4C、AC7A、356.0(AC4CH相当)キャステム、キングパーツ、ハヤカワロストワックス、日本プレシジョンキャスチング
銅合金CAC403、CAC502A、CAC702などキャステム、キングパーツ、鋳研工業

ステンレス鋳鋼の記号の読み方

鋳造品のステンレスは、JISの鋳鋼の記号(SCS)で書かれることが多く、圧延材の記号(SUS)と並べて示す会社が多くあります。各社の表記から、主な対応をまとめます。

  • SCS13: SUS304相当(オーステナイト系、一般用途)
  • SCS14: SUS316相当(モリブデンを含むオーステナイト系)
  • SCS16: SUS316L相当
  • SCS24: SUS630相当(析出硬化系、17-4PH)
  • SCS1: SUS410相当、SCS2A: SUS420J2相当(マルテンサイト系)

同じ「SUS304相当」でも、鋳造材は圧延材と組織が違います。新潟精密鋳造は、鋼材に比べ鋳造材は組織が粗いため引張強度は若干落ちると説明しています。

耐熱鋼と耐熱合金の違い

高温で使う部品には、鉄を主成分とする耐熱鋼と、ニッケルやコバルトを主成分とする耐熱合金があります。使う温度と求める強さで選び分けます。

種類代表例公式に書かれた用途の例
耐熱鋼(鉄基)SCH13、SCH22、SCH20熱処理治具(鋳研工業)、ターボチャージャーなど自動車関係(戸畑鉄工。素材はステンレスや耐熱鋼などと記載)
Ni基耐熱合金INCO713C、INCO718、ハステロイXタービンブレード・ノズル、航空機エンジン(ハヤカワロストワックス)
Co基耐熱合金FSX-414、X-45、WI-52タービンノズル(ハヤカワロストワックス)

新潟精密鋳造は、自社で研究開発した材質で発電所などの重要保安部品も手がけると書いています。同社は熱処理治具も最大2000mmまで製作しています。

チタン・特殊合金は真空溶解の会社へ

チタンは溶けた状態で空気や耐火物と反応しやすく、真空中で溶かす設備が要ります。公式に真空溶解でチタンや特殊合金を扱うと書いている会社は次のとおりです。

  • JUKI会津: 真空溶解炉による真空鋳造で、チタン合金・耐熱合金・コバルト合金
  • ヨネダアドキャスト: 石灰るつぼの真空溶解で、チタン・チタン合金、ニッケル合金、純クロムなど。医療用Co-Cr-Mo合金も材質に挙げる
  • IHIキャスティングス: チタン合金精密鋳造品を取り扱い製品に挙げる
  • ハヤカワロストワックス: 真空鋳造溶解炉でINCO713C・INCO718など

アルミ・銅合金を精密鋳造する場合

アルミ合金や銅合金もロストワックスでつくれますが、扱う会社は鉄系より少なくなります。用途に合わせて、公開している材質を確かめてください。

会社アルミ合金銅合金
キャステムAC4C、AC7A、A6061(精鋳)、A7075(精鋳)CAC102(純銅)、CAC403、CAC703、クロム銅ほか
キングパーツAC1B-T6、AC4C-T6、AC7A黄銅、高力黄銅、青銅、リン青銅、アルミ青銅
日本プレシジョンキャスチング356系(SCプロセス)、特許合金A201HP記載なし
ヨネダアドキャストAC2A、AC2B、AC4Cなど(試作用途に限る)無酸素銅

日本プレシジョンキャスチングは、356系合金の引張強度をJIS規格値220 N/㎟に対し、SCプロセスの実績値で330~370 N/㎟としています。アルミの構造部品で強度が要る場合の選択肢になります。

鋳造材と鋼材の性質の違い

  • 新潟精密鋳造: 鋳造材は鋼材より組織が粗く引張強度は若干落ちるため、希望強度を満たす1~2ランク上の材質を提案
  • タカミ: SCM4の比較例で、引張り強さはほぼ同じ、伸び・絞りは圧延方向ではやや低いが直角方向では鋳造品がはるかに優れると記載
  • 新潟精密鋳造: 切削性は鋼材と鋳造材で大きな差はない

鋳造品は方向性がないため、形によっては鋼材より有利になります。強度が要る部品は、熱処理の条件まで含めて依頼先と相談してください。

材質ごとの試作と量産の選択肢

材質によって、金型なしの試作に対応する会社が変わります。公式に書かれた範囲で、材質ごとの選択肢をまとめます。

材質金型なし試作を公式に挙げる会社の例
ステンレス・炭素鋼キャステム、ヒノデキャスティング&メタルワークス、今西製作所
耐熱合金ハヤカワロストワックス、JUKI会津、ヨネダアドキャスト
チタン合金JUKI会津、ヨネダアドキャスト
アルミ合金キャステム、日本プレシジョンキャスチング、今西製作所
銅合金キャステム、今西製作所

ヨネダアドキャストは、アルミとマグネシウム合金の精密鋳造品を試作用途に限っています。量産まで同じ材質で続けたい場合は、量産にも対応する会社かを確かめてください。

材質を決めるときに伝えること

  1. 使用温度と、腐食させる環境(水・薬品・塩分など)
  2. 必要な強度・硬さ(引張強さ、硬度)
  3. 指定の規格(JIS・ASTM・AMSなど)があるか
  4. 熱処理の要否と条件
  5. 同じ形で材質違いを試す予定があるか

新潟精密鋳造はJISのほかASTMやAMS規格、指定の特殊材にも対応すると書いています。規格の指定がある場合は、図面に記号と規格名を明記してから見積を依頼してください。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

ロストワックスで使えるステンレスは何ですか?

SCS13(SUS304相当)、SCS14(SUS316相当)、SCS16(SUS316L相当)、SCS24(SUS630相当)などが多くの会社で公開されています。キャステムはオーステナイト系からマルテンサイト系、析出硬化系、フェライト系、二相系まで載せています。

ロストワックスの鋳造材は鋼材より弱いですか?

新潟精密鋳造は、鋳造材は組織が粗いため引張強度は若干落ちると説明し、1~2ランク上の材質を提案しています。タカミは、圧延方向と直角の方向では鋳造品の伸び・絞りが優れる例を載せています。

アルミ合金のロストワックスはどこに頼めますか?

キャステム(AC4C、AC7A、A6061・A7075の精鋳)、キングパーツ(AC1B-T6、AC4C-T6、AC7A)、ハヤカワロストワックス(356.0)、日本プレシジョンキャスチング(356系、A201HP)が公式にアルミを挙げています。

【目的別】ロストワックス精密鋳造の会社おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

金型をつくらずに、1個から試作したいなら

株式会社キャステム

デジタルキャストは「0円金型」で1個から。最短二週間の実例、量産のロストワックスも同じ会社で

株式会社キャステムの公式サイトへ特徴・対応条件を見る

ステンレス・耐熱鋼の部品を、国内の工場で量産したいなら

キングパーツ株式会社

全工程を国内で。最少5個から月産42万個の実績、真空鋳造炉で耐熱合金まで100種類以上

キングパーツ株式会社の公式サイトへ特徴・対応条件を見る

鋳造から機械加工まで済ませた完成品で受け取りたいなら

株式会社加藤製作所(株式会社カトメ)

グループで「金型製作→精密鋳造→機械加工」を一貫。5軸MCを含め、汎用機込みで約200基の加工機・設備

株式会社加藤製作所(株式会社カトメ)の公式サイトへ特徴・対応条件を見る

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