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ロストワックス・精密鋳造の会社 · 基礎知識

ロストワックスの寸法公差・肉厚・鋳肌の目安各社の一般公差を比べて図面に生かす

ロストワックス精密鋳造の寸法公差、最小肉厚、表面粗さを、公差表を公開している掲載各社の数字で比べました。特別公差や鋳物公差等級(CT)の指示、R・穴・溝など設計で気をつける形状、図面に公差を書く手順までまとめています。

公開 2026年10月4日

イラストはイメージです(特定の製品ではありません)

ロストワックスは精密鋳造と呼ばれますが、機械加工ほどの精度は出ません。どこまでを鋳肌のまま使い、どこを機械加工で仕上げるかを決めるには、会社が公開している公差を知っておく必要があります。

このページでは、掲載16社のうち公差表などを公式に載せている会社の数字を比べます。数字は各社の公式ページの記載どおりで、2026年10月4日に確認しました。

一般公差を公開している会社の比較

指示のない寸法に適用される一般公差(普通許容差)を、寸法の区分ごとに並べます。区分の切り方が会社で違うため、近い区分にそろえて載せています。

会社~10mm10~25mm25~50mm50~75mm大きい寸法
キャステム(並級)±0.15±0.25±0.40±0.60125mm~ ±1.5%
キングパーツ±0.25±0.3±0.6±0.8200mm~ ±1.5%
日本プレシジョンキャスチング~25未満 ±0.25(同左)±0.40±0.60200以上 ±1.00%
ハヤカワロストワックス0~25mm ±0.25(同左)±0.450~100mm ±0.8100mm以上 ±1%
JUKI会津±0.15±0.25±0.40±0.50100以上 ±1%
妙中鉱業±0.20±0.25±0.40±0.60100をこえるもの ±1%
加藤製作所(カトメ)±0.15±0.25±0.40±0.50100以上 ±1%
昭和鉄工10以下 ±0.25±0.30±0.4050~100 ±0.50150以上 ±1%

小さい寸法では±0.15~0.25mm、50mm前後で±0.4~0.6mmが各社の一般的な値です。大きい寸法は長さに対する比率で示され、多くの会社が±1%としています。

特別公差・限界公差を指定する場合

一般公差より厳しい値が要る寸法には、特別公差や限界公差を設けている会社があります。厳しくするほど修正や選別の手間が増えるため、必要な寸法だけに絞るのが基本です。

  • 日本プレシジョンキャスチング: ~25未満で特別公差±0.15、200以上で±0.50%
  • JUKI会津: 0~10未満で特別公差±0.10、100以上で±0.5%
  • 妙中鉱業: 0をこえ10以下で限界許容差±0.13
  • 昭和鉄工: 10以下で特別公差±0.15
  • ヒノデキャスティング&メタルワークス: ~10mmで特別公差±0.15

タカミは「極力一般交差を適用されるよう望みます」と書き、鋳研工業も一般公差の適用をすすめています。どちらも、公差を厳しくすると鋳物の単価が上がることを理由に挙げています。

鋳物公差等級(CT)で指示する方法

寸法ごとの数字ではなく、鋳物の公差等級で指示する方法もあります。ヒノデキャスティング&メタルワークスは、要求精度がない場合の設計検討公差として、JIS B-0403の鋳物公差等級CT8~CT10を示しています。

  • CT等級は数字が小さいほど厳しい公差になる
  • 等級で指示すると、寸法ごとに数字を書かなくてよい
  • 会社が保証できる等級を事前に確認し、図面と見積の条件をそろえる

最小肉厚の目安

薄い部分は湯が回りにくく、欠けや欠陥の原因になります。各社が公開している最小肉厚を並べます。

会社公式に書かれた最小肉厚
キングパーツ最少肉厚0.8mm
キャステム部分肉厚(最小)1mm程度
日本プレシジョンキャスチング鉄系1.5mm~、非鉄系1.0mm~、特殊合金系0.6mm~(個別の打合せ)
JUKI会津全体1.5mm(材質により1.2mm)、部分的に0.8mm
加藤製作所(カトメ)鉄系1.0~2.0mm、ステンレス系0.7~1.5mm
ヒノデキャスティング&メタルワークス肉厚2.5mm以上、尖端肉厚1mm以上
鋳研工業最少肉厚2.0mm程度

同じ会社でも、材質や形、面積で値は変わります。薄肉部が多い部品は、肉厚の分布がわかる3Dデータを渡して相談してください。

鋳肌と表面粗さ

ロストワックスの鋳肌は、砂型鋳造に比べて滑らかです。各社の公開値は次のとおりです。

  • キングパーツ: 3.2a~12.5a程度(滑らかな梨地肌)
  • 日本プレシジョンキャスチング: 3.2a~6.3a程度
  • ヒノデキャスティング&メタルワークス: Ra 8程度
  • JUKI会津: Rmax 12~25S
  • タカミ: 6~18S
  • 鋳研工業: 8S~25S程度

キングパーツは、鋳肌のままでボルトのザグリ穴の加工を省ける場合があると書いています。外観部品では、鋳肌のまま使うか、研磨やブラストで仕上げるかを先に決めておきましょう。

R・穴・溝の設計で気をつけること

日本プレシジョンキャスチングは、鋳物に適した設計の目安を具体的な数字で公開しています。主な項目を抜き出します。

  • 内角にはRを付ける(理想はR≧1.0mm)、シャープエッジは避ける(例: R≧0.5mm)
  • 肉厚はできるだけ均一にする
  • 溝の深さは幅に応じて制限する(幅1.0mm以下なら深さは幅以下)
  • 止まり穴は径2.0~5.0mmなら深さは径の1倍まで
  • 高精度なピッチ寸法には長円穴を使う

鋳研工業は、最小の鋳抜き穴をΦ3.0mmとし、盲穴は穴径の2倍、貫通穴は4倍の深さまでが望ましいとしています。JUKI会津は内角R≧0.5mmを目安に挙げています。

平面度・真直度の目安

平らな面は、面積や肉厚の差によって凹みやすくなります。平面度の目安を公開している会社の値を並べます。

会社公式に書かれた平面度・真直度
ハヤカワロストワックス0~25mm ±0.2mm、25~50mm ±0.4mm、50~100mm ±0.6mm、100mm以上 ±0.8mm
加藤製作所(カトメ)~25 0.2、25~50 0.4、50~100 0.6、100~150 0.8、150~ 個別の打ち合わせ
日本プレシジョンキャスチング~50 0.40、50~100 0.60、100~150 0.80、150~ 個別の打合せ
鋳研工業面積の大小や肉厚の変化で変動するため、修正・矯正も含めて別途打ち合わせ

平面度が厳しい面は、鋳造後に矯正するか、機械加工で仕上げるのが一般的です。どちらで仕上げるかで費用が変わるので、見積の前に決めておきましょう。

キャステムは、平面度が必要な底面に逃がし(凹)を付けて加工時間を短くした事例を載せています。加工する範囲そのものを小さくする工夫も、精度とコストの両方に効きます。

図面に公差を書くまでの手順

  1. 鋳肌のまま使う面と、機械加工で仕上げる面を分ける
  2. 機械加工する面には削り代を設ける(キングパーツは通常0.5mm程度と記載)
  3. 残りの寸法は依頼先の一般公差で足りるかを確かめる
  4. 足りない寸法だけ特別公差を指示する
  5. 最小肉厚・R・穴の深さが依頼先の目安に入っているかを見直す

公差は会社ごとに違うため、同じ図面でも依頼先によって追加の加工が必要になることがあります。見積を取るときは、どの公差表で判断したかもあわせて確認してください。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

ロストワックスの一般公差はどれくらいですか?

公開している会社の値では、10mm以下で±0.15~0.25mm、25~50mmで±0.4~0.6mmです。大きい寸法は比率で示され、ハヤカワロストワックスやJUKI会津は100mm以上で±1%としています。

ロストワックスの最小肉厚はどれくらいですか?

キングパーツは最少肉厚0.8mm、キャステムは部分肉厚1mm程度、日本プレシジョンキャスチングは鉄系1.5mm~・非鉄系1.0mm~としています。材質と形で変わるので、3Dデータで確認してください。

鋳物公差等級CTで指示してもよいですか?

指示できます。ヒノデキャスティング&メタルワークスは、要求精度がない場合の設計検討公差としてJIS B-0403のCT8~CT10を示しています。依頼先が保証できる等級を先に確認してください。

【目的別】ロストワックス精密鋳造の会社おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

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