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ロストワックス・精密鋳造の会社 · 用途別

航空宇宙・ガスタービンの耐熱合金を精密鋳造するJIS Q 9100・Nadcapを持つ会社の選び方

ジェットエンジンや発電用ガスタービンの部品を精密鋳造で調達したい人向けに、JIS Q 9100とNadcapを公式に挙げる3社の比較、耐熱合金の種類と鋳造できる会社、一方向凝固・単結晶・中空翼、航空機のアルミ・マグネシウム部品、認証の範囲の読み方を公式サイトの記載から整理します。

公開 2026年10月4日

イラストはイメージです(特定の製品ではありません)

航空機のエンジンや発電用のガスタービンには、高温でも強さを保つ耐熱合金の精密鋳造品が使われます。こうした部品では、材質や形だけでなく、工場の品質管理が認証で求められることが多くあります。

このページでは、航空宇宙の品質規格を公式に挙げる会社と、耐熱合金の鋳造に対応する会社をまとめます。情報は2026年10月4日に各社の公式サイトで確認しました。

JIS Q 9100とNadcapを公式に挙げる3社

掲載16社のうち、航空宇宙の品質マネジメント規格であるJIS Q 9100を公式に挙げていたのは3社でした。3社とも、特殊工程の認証であるNadcapも持っています。

会社JIS Q 9100Nadcapの範囲(公式の記載)主な製品
ハヤカワロストワックスJIS Q 9100:2016NonDestructive Testing(蛍光浸透探傷、放射線透過検査)ガスタービン部品、航空機部品
日本プレシジョンキャスチングJIS Q9100溶接工程、非破壊検査、熱処理航空・宇宙機器部品(アルミ・鉄系)
IHIキャスティングスJIS Q 9100:2016RT・PT・CRタービン動翼・静翼、過給機用翼車

日本プレシジョンキャスチングは、2017年にGEAEの特殊工程認証(鋳造・熱処理・非破壊検査)も取得したと書いています。同社は会社沿革で、国内の重工メーカーやボーイング社の工程認定の履歴も公開しています。

耐熱合金の種類と鋳造できる会社

ニッケル基やコバルト基の耐熱合金は、材質によって真空中で溶かす設備が必要です。公式に挙げられている材質と会社を並べます。

材質公式に挙げている会社公式に書かれた用途
INCO713Cハヤカワロストワックス(真空溶解)、キングパーツ(真空鋳造)タービンブレード・タービンノズル
INCO718ハヤカワロストワックス、キングパーツ水素関連、航空機エンジン
ハステロイXハヤカワロストワックス、キングパーツ、昭和鉄工、タカミ排気フレーム、ガスタービン構造部品
FSX-414、X-45ハヤカワロストワックス、キングパーツタービンノズル
ステライト6キングパーツ、昭和鉄工、タカミ記載なし
Ni基・Co基特殊合金新潟精密鋳造発電所などの重要保安部品

昭和鉄工は、インベストメント精密鋳造がジェットエンジン部材や原子炉部品に採用されていると書いています。ただし同社は品質規格を公式に記載していないため、認証が条件なら事前に確認が必要です。

一方向凝固・単結晶と中空冷却翼

高温にさらされるタービン翼では、結晶の向きを制御する鋳造や、中を空洞にして冷やす構造が使われます。IHIキャスティングスは、この分野の製品を公式に紹介しています。

  • 普通鋳造(CC: 等軸晶)、一方向凝固(DS)、単結晶(SC)の3種類のニッケル基合金精密鋳造品
  • セラミックコア(中子)を使った中空冷却翼
  • 動翼・静翼・タービン翼車・構造物
  • 3次元CADモデルから光造形模型をつくり、鋳造品にする技術

一方向凝固や単結晶は、設備と技術が限られる高度な工程です。今回の16社の中で、これらを公式に挙げていたのはIHIキャスティングスだけでした。

航空機のアルミ・マグネシウム部品

耐熱合金のほか、機体や電装品にはアルミやマグネシウムの精密鋳造品も使われます。日本プレシジョンキャスチングとハヤカワロストワックスが公式に挙げています。

  • 日本プレシジョンキャスチング: アルミ合金とマグネシウム合金で重工メーカーの工程認定を取得した履歴を掲載。SCプロセスで356系の引張強度を実績値330~370 N/㎟に
  • 日本プレシジョンキャスチング: 特許合金A201HPは鍛造品や板材に迫る強度と記載
  • ハヤカワロストワックス: 電装品用のアルミニウム合金を鋳造。356.0(AMS 4260)を公開

認証の範囲を読むときの注意

  • 認証には対象の範囲がある(IHIキャスティングスは航空・宇宙関連の精密鋳造品の製造と、一般産業用部品の精密鋳造品の製造)
  • Nadcapは工程ごとの認証で、会社によって対象の工程が違う
  • ISO14001は対象の事業所が限られることがある(IHIキャスティングスは相馬地区)
  • 顧客ごとの工程認定は、公式サイトの沿革に一部が載っている程度

自社の部品に必要な工程が、依頼先の認証の範囲に入っているかを確かめてください。認証の写しや、工程認定の状況は問い合わせで確認できます。

発注前に用意する資料

  1. 図面と、材質の規格(AMS・ASTM・JISなど)
  2. 要求される非破壊検査の種類(X線・蛍光浸透探傷など)
  3. 熱処理の条件と、機械的性質の試験の要否
  4. トレーサビリティと検査記録の要求
  5. 数量(開発段階の試作か、量産か)

ハヤカワロストワックスは材質ごとにAMSなどの適用規格を公開しており、図面の規格と照らし合わせやすくなっています。規格の指定は、見積の前に必ず伝えてください。

認証以外に見ておきたい設備と検査

航空宇宙やエネルギーの部品では、内部の欠陥や表面のキズを見つける検査が欠かせません。各社が公式に挙げている設備を比べます。

会社溶解・鋳造の設備検査の設備
ハヤカワロストワックス真空鋳造溶解炉50kg×2、高周波大気溶解炉150kgX線検査装置、蛍光浸透探傷試験装置、三次元測定機
日本プレシジョンキャスチング真空溶解炉(1992年新設)非破壊検査(Nadcap)
IHIキャスティングス記載なし(DS・SCの鋳造品を製造)RT・PT(Nadcap)
昭和鉄工高周波溶解炉5基蛍光探傷装置(ASTM E-1417規格対応)

どの検査を社内で行い、どれを外部に出すかで、納期と費用が変わります。図面で求められる検査の規格を伝え、社内で対応できるかを確かめてください。

ハヤカワロストワックスは得意な大きさを約10~30kgの中型品としています。部品の大きさが会社の得意な範囲に入っているかも、あわせて確認すると安心です。

開発段階の試作と量産で相談先を分ける

航空宇宙やエネルギーの部品でも、開発の初期は試作の速さが優先されることがあります。試作と量産で、公式に書かれた対応を整理します。

  • 試作: ハヤカワロストワックスは3Dプリンタ樹脂模型・光造形模型で金型なしの試作に対応
  • 試作: 日本プレシジョンキャスチングは1~5個程度の少量品を金型なしで製品化
  • 試作: IHIキャスティングスは3次元CADモデルから光造形模型をつくり鋳造品にする技術を紹介
  • 量産: 日本プレシジョンキャスチングは1~10万個/ロットに対応

試作で評価した会社にそのまま量産を頼めると、工程の条件を引き継げます。認証が必要な量産品は、試作の段階から認証を持つ会社に相談しておくと移行がスムーズです。

耐熱合金は材料そのものが高価なため、削る量を減らせる精密鋳造の効果が大きくなります。ニアネットシェイプでつくり、必要な面だけを加工する前提で形を考えてください。

航空宇宙案件で相談先を絞る順番

  • まず、求められる認証(JIS Q 9100・Nadcap)を持つ会社に絞る
  • 次に、材質を真空溶解できるかで絞る
  • 部品の種類(タービン翼か、構造部品か、アルミの電装部品か)で得意な会社を選ぶ
  • 最後に、試作の方法と数量、納期を確認する

認証のない会社でも耐熱合金を鋳造できる場合はありますが、航空宇宙の量産部品では認証が前提になることが多くあります。開発段階の試作か量産かで、相談先を分けて考えるのも一つの方法です。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

JIS Q 9100を持つロストワックスの会社はどこですか?

掲載16社では、ハヤカワロストワックス、日本プレシジョンキャスチング、IHIキャスティングスの3社がJIS Q 9100を公式に挙げており、3社ともNadcapの認証も持っています。

タービンブレードの耐熱合金はどこで鋳造できますか?

ハヤカワロストワックスはINCO713Cをタービンブレード・タービンノズルの用途で公開し、IHIキャスティングスは一方向凝固や単結晶の翼も製造しています。キングパーツも真空鋳造でInco713C/718/738を扱います。

Nadcapの認証範囲は会社で違いますか?

違います。ハヤカワロストワックスは非破壊検査、日本プレシジョンキャスチングは溶接工程・非破壊検査・熱処理、IHIキャスティングスはRT・PT・CRと公式に書いています。

【目的別】ロストワックス精密鋳造の会社おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

金型をつくらずに、1個から試作したいなら

株式会社キャステム

デジタルキャストは「0円金型」で1個から。最短二週間の実例、量産のロストワックスも同じ会社で

株式会社キャステムの公式サイトへ特徴・対応条件を見る

ステンレス・耐熱鋼の部品を、国内の工場で量産したいなら

キングパーツ株式会社

全工程を国内で。最少5個から月産42万個の実績、真空鋳造炉で耐熱合金まで100種類以上

キングパーツ株式会社の公式サイトへ特徴・対応条件を見る

鋳造から機械加工まで済ませた完成品で受け取りたいなら

株式会社加藤製作所(株式会社カトメ)

グループで「金型製作→精密鋳造→機械加工」を一貫。5軸MCを含め、汎用機込みで約200基の加工機・設備

株式会社加藤製作所(株式会社カトメ)の公式サイトへ特徴・対応条件を見る

部品に合うロストワックスの会社を、無料で相談する

図面または3Dデータ、材質、最大寸法と重さ、数量(試作の個数と量産の見込み)、必要な寸法公差、熱処理・機械加工・表面処理の要否、希望納期を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社を整理し、ご承認いただいた内容だけを共有して、見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。

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