ロストワックス・精密鋳造の会社 · 用途別
鋳造から機械加工まで一貫で頼む完成品で受け取れるロストワックスの会社
ロストワックスの鋳造品を機械加工まで済ませた完成品で受け取りたい人向けに、社内で機械加工を行う会社の比較、削り代と加工範囲の考え方、熱処理・表面処理・検査の範囲、一貫発注のメリットと注意点、依頼書に書く項目を公式サイトの記載から整理します。

ロストワックスの鋳造品は、そのままでは精度が足りない面があり、多くの部品で機械加工が必要です。鋳造と加工を別の会社に頼むと、運搬や手配の手間がかかり、不具合の原因の切り分けも難しくなります。
このページでは、鋳造から機械加工までを一貫して頼める会社と、頼むときの注意点をまとめます。情報は2026年10月4日に各社の公式サイトで確認しました。
機械加工を社内やグループで行う会社
公式サイトで機械加工の設備や一貫生産を明記している会社を並べます。
| 会社 | 公式に書かれた体制 | 主な加工設備 |
|---|---|---|
| 加藤製作所(カトメ) | 「金型製作 → 精密鋳造 → 機械加工」の一貫生産(グループ) | 約200基の加工機・設備、多面同時5軸MC、CNC3次元測定機 |
| キングパーツ | 金型製作・鋳造・機械加工の部門を社内に持つ | 横型MC5台、立型MC7台、複合加工機ほか。主要協力工場30社 |
| JUKI会津 | 加工、塗装等完成品での納入が可能 | 本社工場に5軸複合加工機 |
| 戸畑鉄工 | 素材から加工完成までの一貫生産体制 | ターニングセンタ、五面加工機、横中ぐり盤、NC旋盤 |
| 昭和鉄工 | 最新の機械加工設備で完成品まで | マシニングセンター5台、NC旋盤4台、門型5面加工機 |
| 日本プレシジョンキャスチング | 機械加工をはじめとする加工を加え完成品で納品 | 設備の詳細は記載なし |
| 妙中鉱業 | 金型から2次加工・検査まで社内一貫 | 設備の詳細は記載なし |
キャステムは各拠点工場で機械加工まで対応し、表面処理・熱処理・組立は協力会社との連携としています。どこまでを社内で行うかは会社ごとに違うので、工程ごとに確かめてください。
削り代と加工箇所を減らす考え方
ロストワックスは最終形状に近い素材にできるため、加工する面を絞れます。キングパーツは、削り代は通常0.5mm程度で、必要な箇所を最小限だけ加工すると書いています。
- 寸法精度が厳しい箇所に座を設け、切削範囲を減らす(キングパーツの加工削減事例)
- 穴やボルト落し面を鋳造で仕上げ、穴あけ加工を省く(タカミの重機部品の事例)
- 平面度が必要な底面に逃がし(凹)を付けて加工時間を短くする(キャステムの事例)
- 鋳肌のまま使える面は、外観の要求に合わせて加工しない
加工する面が少ないほど、加工費と納期を抑えられます。鋳造と加工を同じ会社に頼むと、こうした形状の工夫を最初から一緒に考えてもらえます。
熱処理・表面処理・検査の範囲
完成品で受け取るには、機械加工のほかに熱処理や表面処理、検査が必要なことがあります。各社の公式な記載を比べます。
| 会社 | 熱処理 | 表面処理・仕上げ | 検査 |
|---|---|---|---|
| 加藤製作所(カトメ) | 光輝焼鈍炉 | 記載なし | X線検査、発光分析、磁粉探傷、CNC3次元測定 |
| 新潟精密鋳造 | 固溶化・焼鈍・調質・焼入・戻し | 酸洗・ブラスト・メッキ・黒染・塗装 | PT/RT/MTの非破壊検査、気密検査 |
| ヒノデキャスティング&メタルワークス | 真空・大気の熱処理炉 | 茨城事業所で表面処理・組立まで | 三次元測定機、X線透視装置ほか(会社として) |
| キングパーツ | 各種熱処理に対応 | 各種表面処理に対応 | 三次元座標測定機、X線探傷、ヘリウムリーク試験 |
| 日本プレシジョンキャスチング | 熱処理(Nadcap認証) | 記載なし | 非破壊検査(Nadcap認証) |
一貫で頼むメリットと注意点
- メリット: 鋳造と加工の会社の間で運搬や受け渡しが要らない
- メリット: 加工で見つかった鋳造欠陥の原因を、同じ会社で調べられる
- メリット: 加工しやすい鋳造の形を、設計の段階から提案してもらえる
- 注意: 社内で行う工程と協力会社に出す工程を確認する
- 注意: 加工の精度と測定の方法を、図面と見積で一致させる
鋳造品の加工は、鋳肌の硬さや位置決めの基準のとり方に工夫が要ります。加藤製作所は、ロストワックス精密鋳造後の精度が必要な部分の機械加工に、さまざまなノウハウを持つと書いています。
加工の公差と測定をそろえる
- 鋳肌のまま使う面と、加工する面を図面で分ける
- 加工面には加工の公差、鋳肌の面には鋳造の一般公差を使う
- 加工の基準面(位置決めに使う面)を依頼先と決める
- 測定方法(三次元測定機など)と、成績書の要否を決める
鋳造と加工で基準がずれると、加工しろが足りない部品が出ます。試作の段階で、基準面と削り代を依頼先と確認しておくと量産での手戻りが減ります。
組立や塗装まで任せたい場合
部品単体ではなく、組み立てた状態で納めてほしい場合もあります。公式に組立や塗装まで書いている会社は次のとおりです。
- JUKI会津: 加工、塗装等完成品での納入が可能
- ヒノデキャスティング&メタルワークス: 茨城事業所で組立までワンストップ
- キャステム: 組立は協力会社との連携で一気通貫
- 鋳研工業: 会社概要に組立加工の記載
一貫で頼める会社を規模と地域で見る
機械加工まで一貫で頼める会社は、規模も所在地もさまざまです。近くの会社を選ぶと、打合せや立会いがしやすくなります。
| 会社 | 本社・工場の所在地 | 公式に書かれた規模など |
|---|---|---|
| 加藤製作所(カトメ) | 新潟県新潟市 | 約200基の加工機・設備 |
| キングパーツ | 広島県福山市 | 従業員317名、月産42万個の実績 |
| JUKI会津 | 福島県喜多方市 | 従業員197名(2024年12月末時点) |
| 戸畑鉄工 | 福岡県北九州市 | 1983年からロストワックス |
| 昭和鉄工 | 福岡県糟屋郡宇美町 | 従業員392名(2026年3月31日現在) |
| 日本プレシジョンキャスチング | 千葉県長生郡長南町 | 従業員113名(2026/4/1現在) |
大きな会社ほど設備はそろっていますが、少量の部品では小回りの利く会社のほうが早いこともあります。数量と納期の条件を伝えて、両方に見積を依頼するのも一つの方法です。
加工まで含めた試作の進め方
- 鋳造品の素材形状(削り代を含む)を依頼先と決める
- 試作の鋳造品を加工し、加工しろや基準面に問題がないか確かめる
- 加工後の寸法を測定し、量産の検査方法を決める
- 量産の金型と加工の治具を準備する
鋳造と加工を別々に試作すると、量産で初めて問題が見つかることがあります。試作の段階から加工まで通して確かめるのが、一貫発注の利点を生かす方法です。
鋳造だけを頼み、加工は別に手配する場合
社内に加工の協力先がある場合などは、鋳造だけを頼む選択もあります。その場合に確かめておきたい点をまとめます。
- 鋳造品の素材図(削り代を含む形)を、加工先と共有する
- 加工の基準になる面や突起を、鋳造の段階で設けてもらう
- 鋳造品の検査記録(寸法・成分)を加工先へ渡す
- 加工で鋳造欠陥が見つかったときの扱いを、事前に取り決める
日本プレシジョンキャスチングは、熱処理・機械加工・非破壊検査の工程だけを単独で利用できるとしています(ラインの繁忙状況に依存)。工程の一部だけを外部に頼みたい場合の選択肢になります。
一貫発注では、窓口が一つになる分、図面の変更や品質の問い合わせも一か所で済みます。鋳造と加工のどちらで起きた問題かを依頼側で切り分ける必要がなくなるのも、大きな利点です。
一方で、すべてを一社に任せると、その会社の設備や繁忙の状況に納期が左右されます。量産で供給を止められない部品は、加工の一部を別の会社でもできるように図面と治具を整えておくと安心です。
一貫発注の依頼書に書く項目
- 図面(鋳造の形と、加工後の形の両方があれば理想)
- 材質と熱処理の条件
- 加工面と加工の公差、表面粗さ
- 表面処理・塗装・組立の要否
- 検査の項目と成績書の要否、数量と納期
項目がそろっていると、鋳造と加工を合わせた総額で見積を比べられます。素材価格と加工費を分けて書いてもらうと、どこにコストがかかっているかもわかります。
この記事に出てくる会社
- 株式会社キャステム3Dプリント原型で1個から試作
- 鋳研工業株式会社関東の多品種少量
- ヒノデキャスティング&メタルワークス株式会社ステンレス小物と3Dプリント試作
- JUKI会津株式会社チタン・耐熱合金の真空鋳造
- 株式会社加藤製作所(株式会社カトメ)鋳造から機械加工まで一貫
- キングパーツ株式会社国内一貫・5個から量産
- 新潟精密鋳造株式会社大物と特殊合金
- 日本プレシジョンキャスチング株式会社航空宇宙の品質と高強度アルミ
- 昭和鉄工株式会社九州・耐熱鋼と蛍光探傷
- 妙中鉱業株式会社(精密鋳造部)PED認証と社内一貫
- 株式会社タカミ金型を内製した短納期
- 戸畑鉄工株式会社耐熱鋼の自動車部品と全品検査
参照元
よくある質問
ロストワックスの鋳造と機械加工を一社に頼めますか?
頼めます。加藤製作所はグループ会社カトメと「金型製作 → 精密鋳造 → 機械加工」の一貫生産を行い、キングパーツは金型製作・鋳造・機械加工の部門を社内に持っています。
ロストワックス品の削り代はどれくらいですか?
キングパーツは、削り代は通常0.5mm程度で、必要な箇所を最小限だけ加工すると書いています。形状や材質で変わるので、依頼先と確認してください。
熱処理や表面処理まで頼めますか?
新潟精密鋳造は熱処理と酸洗・ブラスト・メッキ・黒染・塗装を、ヒノデキャスティング&メタルワークスは茨城事業所で熱処理・表面処理・組立までを請け負うと公式に書いています。
【目的別】ロストワックス精密鋳造の会社おすすめ3選
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