3Dマシンビジョン · 用途別
インライン外観検査に使う3Dマシンビジョン|凹凸・傷・高さを全数で見る方式と会社の選び方【2026年版】
2Dのカメラでは見分けにくい凹凸や欠け、高さの違いは、3Dで見るとはっきりします。掲載会社の公式情報から、インライン外観検査に使う3D製品の方式、視野と精度、事例、事前評価の窓口を整理しました。
外観検査の自動化では、色や明るさの違いだけでなく、へこみや盛り上がりを見たい場面が増えています。2Dのカメラだと、照明の当たり方で傷が見えたり見えなかったりします。
この記事では、生産ラインの中で外観を3Dで全数検査する製品を、掲載会社の公式情報で比べます。
インライン外観検査に使える製品の一覧
まず、外観検査を用途に挙げている3D製品を並べます。エリアを一度に撮るものと、ラインの動きに合わせて断面を重ねるものがあります。
| 会社 | 製品 | 方式・特長(公式記載) |
|---|---|---|
| キーエンス | 3D Vision シリーズ | 4投光プロジェクター+テレセントリックレンズ。視野60mm、検査間隔0.6秒、繰り返し精度1μm |
| キーエンス | LJ-S8000/LJ-X8000 | 光切断。LJ-S8000は最速撮像0.2sec・繰り返し精度0.3μm |
| OptoComb | OptoComb SA/AIC S/AIC R | 光コム3次元センサー。AIで欠陥候補を見つけて光コムで測る構成も |
| リンクス | Gocator、3DPIXAなど | 光切断、縞投影、共焦点ライン、3Dラインスキャン |
| Mech-Mind | 3Dインラインプロファイル測定器 | 4K超高解像度、15kHzの高速スキャン |
| YOODS | VGK | 複雑形状物の全数検査 |
小さな部品の細かい欠陥を見るのか、大きなパネルのうねりを見るのかで、選ぶ製品が変わります。最初に検査したい欠陥の大きさを決めてください。
エリアで撮るか、ラインで重ねるか
検査の方式は、止まったワークを一度に撮るエリア型と、流れるワークを断面ごとに測るライン型に分かれます。ラインの流れ方で向き不向きがあります。
| 型 | 向くライン | 掲載会社の例 |
|---|---|---|
| エリア型(一度に撮る) | ワークが一瞬止まる、または間欠送り | キーエンス 3D Vision シリーズ |
| ライン型(断面を重ねる) | コンベアで連続して流れる | キーエンス LJ-X8000、リンクス Gocator 2000、Mech-Mind 3Dインラインプロファイル測定器 |
| 装置型(ステージで動かす) | ラインの横で抜き取り、または専用の検査工程 | OptoComb SA(XYZステージ)、OptoComb 360(回転ステージ) |
キーエンスのLJ-S8000は、レーザ光源とスキャン機構を内蔵し、駆動ステージやエンコーダなしで測れると説明しています。止まったワークでも光切断を使える例です。
欠陥の大きさから、必要な細かさを決める
見つけたい傷やへこみが小さいほど、細かく測れる製品が要ります。公式に出ている精度や分解能を並べると、次のとおりです。
- キーエンス WI-5000(白色干渉): 繰り返し精度0.1μm、最大10×10mm
- キーエンス LJ-S8000(光切断): 繰り返し精度0.3μm
- キーエンス 3D Vision シリーズ: 繰り返し精度1μm、視野60mm
- OptoComb 光コム3次元センサー: 高さ分解能1μm
細かさと視野は引き換えになることが多く、WI-5000は最大10×10mmと視野が小さい製品です。大きなワークの一部だけを細かく見るのか、全体をそこそこの細かさで見るのかを決めておいてください。
2DとAIを組み合わせる検査
3Dの測定は時間がかかることがあるため、2Dのカメラで怪しい場所を先に見つけ、そこだけ3Dで測る組み合わせがあります。
- OptoComb AIC S: 画像カメラとAIで欠陥候補を高速に検出し、光コム3次元センサーで測定。ルールベースで3次元定量化
- OptoComb AIC R: ロボットアームに画像カメラ、光コム3次元センサー、AIを搭載し、大型複雑形状ワークの多面検査に対応
- リンクス: 2D+3Dのデータで寸法計測や外観検査などを一度に検査する3次元インライン検査を紹介
- Mech-Mind Mech-DLK: ディープラーニングで高難度の欠陥検査に対応すると記載
AIは、良品と不良品のばらつきを学ばせる画像の量と質で結果が変わります。3Dで測った高さの数字を合否に使える点が、2Dだけの検査との違いです。
業界ごとの事例
3Dの外観検査の事例は、建材、自動車、半導体などで公開されています。自社に近い事例を探す手がかりにしてください。
| 会社 | 公開している事例・用途 |
|---|---|
| リンクス | 繊維強化セメント板のインライン外観検査、ALC建材の寸法測定、自動車塗装工程の治具測定、半導体のウェハ外観検査 |
| リンクス(業界別適用事例) | カップヨーグルトの蓋の密閉検査、リードフレームの曲がり・コプラナリティ検査、タイヤの外観検査 |
| OptoComb | 凹凸のある鋳造製品の加工面の外観・形状・寸法検査 |
| キーエンス | 全産業の約90%をカバーと会社紹介に記載 |
リンクスの事例では、人手で行っていた検査をインライン化したと書いています。人の目の検査を置き換える場合は、今の検査基準を言葉と数字にしておくことが出発点です。
導入前に試せる窓口
外観検査は、実物のワークで欠陥が見えるかを試さないと始まりません。公式に案内されている窓口を使ってください。
- キーエンス: 無料テスト機貸出しサービス
- リンクス: 無料3Dセンサー計測評価サービス。サンプルワークを送ると機器選定・計測評価を行い、レポートで報告
- リンクス: Gocatorのデモ機を無償で貸出
評価には、良品だけでなく、見つけたい不良品のサンプルを必ず入れてください。不良品が手元にない場合は、わざと傷を付けた見本を作る方法もあります。
材質ごとの見え方の違い
3Dの外観検査は、ワークの材質で見え方が大きく変わります。黒い樹脂は光を吸い、磨いた金属は光を強く返すため、どちらも測りにくい材質です。
| 材質 | 起きやすいこと | 公式に書かれている対応の例 |
|---|---|---|
| 黒い樹脂・斜面 | 反射が弱く点が欠ける | キーエンス LJ-V7000: 反射率の低い黒や斜面でも誤検知なく測定と記載 |
| 磨いた金属 | 反射が強く、偽の点が出る | Mech-Mind UHP-140: 高反射耐性と記載 |
| 透明体・鏡面体 | 光が透ける・映り込む | キーエンス WI-5000: 透明体や鏡面体にも対応と記載 |
| 色が混在するワーク | 部分ごとに反射が違う | キーエンス WI-5000: 異なる材質・色が混在するワークも一括で測定と記載 |
同じ製品でも、材質が変わると設定を変える必要があります。複数の材質の製品を同じラインで流すなら、すべての材質のサンプルで評価してください。
検査データを工程の改善につなげる
3Dの外観検査は、不良を外すだけでなく、不良が出る原因を探す材料にもなります。高さや大きさの数字が残るのが、目視検査との大きな違いです。
- 欠陥の位置と大きさを記録し、金型や工具の傷みの傾向を見る
- 不良の増え方から、加工条件の変化に早く気づく
- 検査の画像とデータを、取引先への品質の説明に使う
記録を残す場合は、データの保存先と保存期間を最初に決めておいてください。3Dのデータは容量が大きくなりやすいので、残す範囲を絞るのも一つの方法です。
検査を立ち上げる手順
インライン外観検査は、カメラを付けただけでは動きません。合否の基準とライン側の仕組みまで含めて準備します。
- 見つけたい欠陥の種類と最小の大きさを決める
- ラインの速さと、ワークが止まるかどうかを確かめる
- エリア型・ライン型・装置型のどれが合うかを絞る
- 良品と不良品のサンプルで評価してもらう
- 合否の基準を決め、不良品を外す仕組みと記録の残し方を決める
最後の記録の残し方も大事です。3Dのデータを残しておけば、あとで不良の原因を調べるときに役立ちます。
この記事に出てくるメーカー
- 株式会社キーエンスインライン3D検査なら
- 株式会社リンクス方式を実ワークで比べるなら
- Mech-Mind株式会社カメラとソフトを一社でそろえるなら
- 株式会社OptoComb(旧社名 株式会社XTIA)鋳物・内面の3D検査なら
- 株式会社YOODS自社開発の会社に個別相談なら
参照元
よくある質問
3Dの外観検査は2Dとどう違いますか?
高さの情報が取れるので、へこみや盛り上がり、欠けを数字で判定できます。リンクスは2Dと3Dのデータを組み合わせて寸法計測や外観検査を一度に行う3次元インライン検査を紹介しています。
流れているワークを止めずに検査できますか?
光切断の製品なら連続で測れます。キーエンスのLJ-X8000は搬送中の位置ズレやバタつきを補正する全方向位置補正機能を持つと説明しています。
大きなワークの外観を3Dで検査できますか?
OptoCombのAIC Rはロボットアームにカメラと光コム3次元センサーを載せ、大型複雑形状ワークの多面検査に対応するとしています。OptoComb XLは470〜2000mm幅を一度にスキャンできます。
【用途別】3Dマシンビジョンメーカーおすすめ3選
ラインの中で外観と寸法を3Dで全数検査するなら
株式会社キーエンス
3D Visionシリーズは視野60mm・繰り返し精度1μm。光切断の3Dセンサや白色干渉まで同じ窓口で比べられる
3次元画像処理システム「3D Vision シリーズ」は4投光プロジェクターとテレセントリックレンズで視野全域を検査し、視野60mm、検査間隔0.6秒、繰り返し精度1μmと製品ページに記載。光切断法の3Dセンサ(LJ-S8000は繰り返し精度0.3μm)や白色干渉3D変位計WI-5000(繰り返し精度0.1μm)もそろえ、無料テスト機貸出しサービスを案内している。
部品箱に入った部品をロボットで次工程へ供給するなら
キヤノン株式会社
RVシリーズは計測範囲と繰り返し精度を型式ごとに公開。部品の大きさで3機種から選べる
部品箱内の部品のピックアップに向けて開発された3DマシンビジョンRVシリーズ(RV300・RV500・RV1100)。測定方法はパターン投影法、認識方式は3D CADマッチングで、RV300は計測範囲最大340×340×100mm・繰り返し精度±0.1mm、RV1100は最大1,160×1,160×600mm・±0.5mmと仕様表に記載。干渉チェックやキャリブレーションの機能を持ち、IP54相当。
どの方式が合うか、実際のワークを測ってから決めるなら
株式会社リンクス
4メーカー約60製品から計測方式を選ぶ無料の計測評価サービス。窓口はマシンビジョンの技術者
3Dセンサー計測評価サービスでは、送ったサンプルワークを4メーカー約60製品の中から計測手法を選んで評価し、結果をスライド形式で報告すると公式に記載。Gocator(レーザー光切断・縞投影・共焦点ライン)や3Dラインスキャンカメラ3DPIXAを扱い、Gocatorのデモ機は無償で貸し出す。東京オフィスではロボットや1軸ステージでの撮影も可能。
自社の工程に合う3Dマシンビジョンを、無料で相談する
やりたいこと(ピッキング・外観検査・寸法計測など)、ワークの大きさ・材質・色、必要な視野と精度、タクトタイム、使っているロボットのメーカー、設置場所の条件を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、評価やデモの窓口をおつなぎします。費用はかかりません。