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部品箱のバラ積みピッキングに使う3Dビジョン|計測範囲・認識方式・ロボット連携で選ぶ【2026年版】

部品箱にばらばらに入った部品をロボットで取り出す工程には、3Dビジョンが欠かせません。掲載会社の公式情報から、計測範囲と精度、ワークの登録方法、ロボットとの組み合わせ、取り残し対策の違いを整理しました。

公開 2026年10月1日

部品箱にばらばらに入って届く部品を、人が一つずつ並べ直している工程は少なくありません。2Dのカメラでは、箱の中で高さが不定の部品の位置や姿勢をとらえきれないのが理由の一つです。

この記事では、バラ積みピッキングに使う3Dビジョンを、掲載会社の公式情報で比べます。

バラ積みピッキングに使える製品の一覧

まず、バラ積みピッキングを用途として公式に挙げている製品を並べます。カメラ単体で買うものと、ロボットまで一式のものが混ざっています。

会社製品・サービス提供の形
キヤノンRVシリーズ(RV300・RV500・RV1100)3Dマシンビジョン(ヘッド+認識ソフト)
ファナックiRVision+3Dビジョンセンサ3DVシリーズファナックのロボット制御装置に標準搭載
三菱電機MELFA-3D Vision 3.0MELFA向けソフト(カメラヘッドはENSENSO社製を別手配)
ニコンロボットビジョンシステム2D/3Dセンサー+制御PC(ハンドアイ型)
MujinPickWorker パッケージ3Dビジョン、コントローラ、ロボット、ハンドの一式
日立オートメーションバラ積みピッキングソリューションロボットソリューション(単体販売は終了)
Mech-MindMech-Eye+Mech-Vision+Mech-Viz3Dカメラとソフト
東京貿易テクノシステムCoPick3D構造化光の3Dマシンビジョンシステム

社内やSIerでロボットを組めるならカメラとソフト、組めないならロボットまで一式、と考えると候補が絞れます。ロボットメーカーのビジョンは、自社ロボットとの組み合わせが前提です。

日立オートメーションは、3Dビジョンセンサ装置の単体販売サービスを終了したとお知らせに書いています。センサーだけを買いたい場合は、販売の形を最初に確かめてください。

箱の大きさから、計測範囲と精度を決める

最初に決めるのは、部品箱の内寸と、掴むために必要な精度です。計測範囲を型式ごとに公開している会社で比べると、考え方がつかめます。

製品計測範囲(公式記載)精度などの記載
キヤノン RV300最大340×340×100mm繰り返し精度±0.1mm
キヤノン RV500最大540×540×200mm繰り返し精度±0.15mm
キヤノン RV1100最大1,160×1,160×600mm繰り返し精度±0.5mm
ファナック 3DV/200123×123×190mm(W1×D1×H)3次元点数1060×950点
ファナック 3DV/600575×499×500mm(W1×D1×H)3次元点数1104×950点

箱の深さも大事です。キヤノンのRV300は高さ100mmまで、RV500は200mmまでで、深い箱なら型式を上げる必要があります。

キヤノンは計測時間と計測周期を、同社所定の評価部品と計測条件(撮影モードは速度優先)での値と注記しています。自社の部品で同じ値が出るかは、実物で確かめてください。

ワークの登録方法で、運用の手間が変わる

バラ積みの部品を見つける方法は、大きく分けて、部品のCADデータと照らし合わせる方式と、登録なしで掴める場所を探す方式があります。

  • キヤノン: 3D CADマッチング。部品の3D CADデータの入力と撮影を5回行うだけで登録でき、登録品種は200種類
  • ニコン: ワークの認識にはCADモデル(stl)が必要
  • 日立オートメーション: CADデータを基に輪郭マッチングと点群マッチングで認識。次工程で精度が求められる工程向け
  • 三菱電機: ハンドの爪や吸着パッドの形状を登録し、把持できる箇所を探すモデルレス認識。ワークの形状登録が不要

掴んだ部品を次の機械に正しい向きで置く必要があるなら、CADを使う方式が向きます。とにかく箱から出せばよい工程なら、登録のいらない方式で立ち上げを早められます。

取り残しとチョコ停を減らす工夫

バラ積みピッキングで一番困るのは、箱の隅に残った部品や、掴めずに止まる時間です。各社がそれぞれの工夫を書いています。

  • ニコン: カメラの姿勢を変えて複数の角度から計測するリトライ機能で、箱内の取り残しを低減
  • ニコン: 掴んだワークの位置ずれを同じカメラで計測・補正し、追加のカメラを不要に
  • Mujin: ワークへのハンドの最終アプローチを非直線で行い、取り残しを減らす
  • Mujin: 誤って複数個取り上げたときの検知、突き指などのエラーの自動リトライ
  • キヤノン: 空パレット判定、ハンドと部品・パレットの干渉チェック

取り残しの対策は、カメラだけでなくハンドの形と動かし方の問題でもあります。デモでは、箱の最後の数個まで取り切れるかを見せてもらってください。

ロボットとの組み合わせを確かめる

すでにロボットがある工場では、そのロボットにつながるかが最初の条件です。新しく入れる場合も、将来の入れ替えを考えて選んでください。

会社ロボットとの組み合わせ(公式記載)
ファナック全ての制御装置に見る機能を標準搭載。3DVはR-30iB Plusなどに対応
三菱電機MELFAロボット向け。ハンドアイ・固定設置の双方に対応
ニコンYASKAWA、FANUC、川崎重工業、Universal Robots、デンソーウェーブ
Mujin主要10社の産業用アームロボットに対応
Mech-Mind全カメラをロボットハンドに取り付け可能。経路計画ソフトMech-Viz

Mujinは、ロボットメーカーごとに異なっていた操作方法をMujinに統一すると書いています。複数のメーカーのロボットが混在する工場では、この点も比べる価値があります。

三菱電機は、専用トレイやパーツフィーダを使わない部品供給を実現するとしています。今あるトレイやフィーダの費用と比べると、導入の効果を説明しやすくなります。

自動車部品とボルトの事例

バラ積みピッキングの事例は、自動車部品が多く見られます。公式に書かれているワークを並べます。

  • Mujin: ギヤ部品、クランクシャフト、カムシャフト、コンロッド、各種アルミダイカスト品
  • YOODS(重量物の移載): パレット上のクランクシャフト、バンパー、エンジンブロック、シリンダーライナー、トランスミッションケースの位置・姿勢のずれを補正して製品供給・デパレ
  • YOODS: 車体板金部品の位置・姿勢を認識し、ピッキング前に異種判定
  • 東京貿易テクノシステム: 容器内のボルトを一度のスキャンで指定したn個まで検出し、ナットランナのカートリッジへピッキング

似たワークの事例を持つ会社なら、ハンドの形や掴む位置のノウハウを持っている可能性があります。問い合わせの最初に、近い事例があるかを聞いてください。

事例のワークが自社と違っても、形や重さ、材質が近ければ参考になります。似ている点と違う点を書き出してから問い合わせると、話が早く進みます。

導入までの段取り

バラ積みピッキングの導入は、評価から立ち上げまで段階を踏んで進めます。急いで一式を買うより、確かめながら進めるほうが結局早く終わります。

  1. 部品箱の内寸、部品の大きさと重さ、必要なサイクルを書き出す
  2. CADデータの有無と、置き方の精度が要るかを決める
  3. 使うロボットに対応する候補を2〜3社に絞る
  4. 実物の部品と箱で、認識と取り切りを試してもらう
  5. ハンドと周辺設備の設計、立ち上げ、教育の範囲を見積で確かめる

Mujinは高精度シミュレーションで購入前に能力を判断できるとし、ニコンはワークの認識トライが可能とFAQで答えています。こうした窓口を使って、買う前に数字で確かめてください。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

バラ積みピッキングの3Dビジョンはどう選べばいいですか?

部品箱の内寸と必要な精度、ワークのCADデータの有無、使うロボットの3点から絞ってください。キヤノンのRVシリーズは計測範囲と繰り返し精度を型式ごとに公開していて、比べやすいです。

CADデータがない部品でもピッキングできますか?

できる製品があります。三菱電機のMELFA-3D Vision 3.0はハンドの形状を登録するモデルレス認識で、ワークの形状登録が不要です。

箱の中の取り残しを減らすには?

ニコンはカメラの姿勢を変えて複数の角度から計測するリトライ機能、Mujinはハンドの最終アプローチを非直線で行う機能を紹介しています。ハンドの形と合わせて検討してください。

【用途別】3Dマシンビジョンメーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

ラインの中で外観と寸法を3Dで全数検査するなら

株式会社キーエンス

3D Visionシリーズは視野60mm・繰り返し精度1μm。光切断の3Dセンサや白色干渉まで同じ窓口で比べられる

3次元画像処理システム「3D Vision シリーズ」は4投光プロジェクターとテレセントリックレンズで視野全域を検査し、視野60mm、検査間隔0.6秒、繰り返し精度1μmと製品ページに記載。光切断法の3Dセンサ(LJ-S8000は繰り返し精度0.3μm)や白色干渉3D変位計WI-5000(繰り返し精度0.1μm)もそろえ、無料テスト機貸出しサービスを案内している。

株式会社キーエンスの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

部品箱に入った部品をロボットで次工程へ供給するなら

キヤノン株式会社

RVシリーズは計測範囲と繰り返し精度を型式ごとに公開。部品の大きさで3機種から選べる

部品箱内の部品のピックアップに向けて開発された3DマシンビジョンRVシリーズ(RV300・RV500・RV1100)。測定方法はパターン投影法、認識方式は3D CADマッチングで、RV300は計測範囲最大340×340×100mm・繰り返し精度±0.1mm、RV1100は最大1,160×1,160×600mm・±0.5mmと仕様表に記載。干渉チェックやキャリブレーションの機能を持ち、IP54相当。

キヤノン株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

どの方式が合うか、実際のワークを測ってから決めるなら

株式会社リンクス

4メーカー約60製品から計測方式を選ぶ無料の計測評価サービス。窓口はマシンビジョンの技術者

3Dセンサー計測評価サービスでは、送ったサンプルワークを4メーカー約60製品の中から計測手法を選んで評価し、結果をスライド形式で報告すると公式に記載。Gocator(レーザー光切断・縞投影・共焦点ライン)や3Dラインスキャンカメラ3DPIXAを扱い、Gocatorのデモ機は無償で貸し出す。東京オフィスではロボットや1軸ステージでの撮影も可能。

株式会社リンクスの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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