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めっきの種類は目的で選ぶ|防錆・耐摩耗・導電・外観の早見表【2026年版】

亜鉛、亜鉛ニッケル、溶融亜鉛、無電解ニッケル、硬質クロム、金・銀・すず、三価クロムなど、めっきの種類を目的(防錆・耐摩耗・導電・外観)から選ぶ手順を整理します。掲載27社の公式情報から、めっき種ごとの依頼先の例も載せています。

公開 2026年10月1日

めっきの種類は、名前から選ぶより、部品に何をさせたいかから選ぶ方が失敗しません。このページでは、防錆・耐摩耗・導電・外観の4つの目的から、候補になるめっきと依頼先の例をまとめます。

依頼先の例は、掲載27社の公式サイトに書かれている内容だけを使っています。

目的から逆算する4つの軸

最初に、部品の不具合や要求を4つの目的のどれに当たるかで分けます。目的が決まると、候補のめっきは2〜3種類まで絞れます。

目的主な候補掲載社の例
防錆(さびを防ぐ)亜鉛+クロメート、亜鉛ニッケル合金、溶融亜鉛、無電解ニッケル湖東電鍍工業所、山陽メッキ工業所、鉄被膜工業所
耐摩耗・摺動硬質クロム、無電解ニッケル、PTFE複合の無電解ニッケルフジコー、杉戸技研工業、八幡鍍金工業
導電・はんだ付け金、銀、すず、パラジウムコダマ、三ツ矢、大和電機工業
外観・装飾装飾三価クロム、ニッケル、金色・古美、樹脂へのめっき植田鍍金工業、梅本鍍金、塚田理研工業

1つの部品に2つ以上の目的がある場合は、優先する方を先に決めます。たとえば防錆と外観の両方なら、ニッケルの上に三価クロムを重ねるような組み合わせを相談します。

さびを防ぐなら亜鉛系から比べる

鉄の部品の防錆では、亜鉛系のめっきが第一候補です。亜鉛が先に腐食して鉄を守る性質があり、日本バレル工業はこれを犠牲防食作用と説明しています。

  • 電気亜鉛+三価クロメート: 山陽メッキ工業所は縦1700×幅500mmまで、部品1つから受けると記載
  • 亜鉛ニッケル合金: 湖東電鍍工業所はニッケル共析率15%で、三価クロメートで亜鉛めっきの4倍以上の耐食性と説明
  • 溶融亜鉛: 鉄被膜工業所は膜厚30〜77μm以上、2300×700×700mm以内、1個から
  • アルミ上の亜鉛ニッケル: 丸長鍍金は三価クロムを使うラインでRoHS対応と記載

屋外で長く使う鋼材や金物は溶融亜鉛、寸法や外観を気にする小物は電気亜鉛、と分けて考えると選びやすくなります。クロメートの色(ユニクロ・有色・黒)は外観と耐食性で変わるので、図面に指定します。

摩耗と摺動には硬質クロムか無電解ニッケル

擦れて減る部品には、硬い皮膜をつけるめっきを選びます。代表は硬質クロムと無電解ニッケルで、形と大きさで向き不向きが分かれます。

めっき向く部品公式に書かれている特徴
硬質クロムロール、シャフト、シリンダー、定盤日本電鍍工業は電気めっきの中で最も硬い皮膜と説明。フジコーは最大Φ3,000mm×10m・10tに対応
無電解ニッケル穴や溝のある複雑形状、アルミ部品日本バレル工業はくぼみ・穴・内面にも均一につくと説明。八幡鍍金工業は膜厚精度±1.0μm
PTFE複合の無電解ニッケル金型、摺動部品八幡鍍金工業は撥水性・離型性・摺動性を付与できると説明

長尺で外径の精度が要る部品は、めっきの後に研削できる会社を選びます。フジコーは研削からバフ研磨まで、浅下鍍金はL1,000mmまでの円筒研削盤を持つと書いています。

電気を通す・はんだ付けする部品のめっき

端子・接点・電極では、導電性や接触の安定、はんだ付けのしやすさでめっきを選びます。金・銀・すずが中心で、下地にニッケルを入れる構成がよく使われます。

  • 金: コダマは純金(膜厚の目安0.05〜30μm)と硬質金(0.05〜10μm)を用途で使い分けると説明
  • 銀: コダマは硬質・光沢・無光沢の3種類、シルベックはバレルで2×2mm程度の製品から
  • すず: 大和電機工業は鉛フリー化の代替としてのSnめっき、ニシハラ理工はフープ材への錫めっき
  • パラジウム・ロジウム: 三ツ矢はパラジウム、ロジウム、白金などの貴金属めっきを掲載

同じ金めっきでも、ボンディング用と接点用では求める硬さが違います。用途を伝えて、どの種類の金かを会社に選んでもらうのが確実です。

見た目を整える装飾めっき

外観が目的のめっきは、色と光沢、傷の目立ち方で選びます。金属部品か樹脂部品かで、依頼先が分かれる点に注意してください。

  • 装飾三価クロム・漆黒調三価クロム: 植田鍍金工業はバフ研磨からの一貫体制
  • 金色・古美・ロジウム: 梅本鍍金は10K色〜24K色の金めっきを1点の色校正から
  • 樹脂への加飾めっき: 塚田理研工業はサテン・黒色・ブルーなど、平和工業は金属光沢とサテン調
  • カラーアルマイト(アルミ): ゴトー理研は白・黒・金・青・赤

装飾めっきは、見本と比べて合否を決めることが多い分野です。色見本や限度見本を、試作の段階でそろえておきます。

素材によっては選べないめっきがある

めっきは素材との相性があり、同じめっきでも素材で前処理が変わります。素材を伝えずに無電解ニッケルでとだけ頼むと、見積の段階で止まることがあります。

素材公式に対応を書いている掲載社の例
アルミ・アルミダイカスト八幡鍍金工業、丸長鍍金、シルベック、黒坂鍍金工業所、植田鍍金工業
ステンレスコダマ(金のSUS直付け)、梅本鍍金、日本電鍍工業
チタン三ツ矢、日本電鍍工業、清川メッキ工業
鋳物(鋳鉄など)高橋電化工業所(電気亜鉛)、八幡鍍金工業、杉戸技研工業(FC250の事例)
樹脂塚田理研工業、平和工業、日本バレル工業(無電解ニッケル)

素材は、JISの材料記号や合金番号まで書いて伝えるのが基本です。表面処理済みの部品や、塗装が残る部品は、その旨も添えます。

現場で使われる呼び名の読み替え

めっきは、正式な名前と現場の呼び名が違うことがよくあります。図面や見積書で呼び名が混ざると、違う処理を頼んだと誤解されます。

現場の呼び名中身
ユニクロ亜鉛めっき+光沢クロメート(今は三価が主流)
ハードクロム硬質クロムめっき
カニゼン日本カニゼンの無電解ニッケルめっきの名称
アロジンアルミの化成処理
ドブめっき溶融亜鉛めっき
テフロンめっきPTFEを含む複合の無電解ニッケル

呼び名で頼むときは、正式な名前も併記します。三価か六価か、リンの量(低・中・高リン)など、呼び名に含まれない条件も書き添えてください。

決めきれないときの進め方

目的と素材を書き出しても決まらないときは、めっき会社に目的を伝えて提案を受けます。次の順で進めると、試作の回数を減らせます。

  1. 目的を1つに絞って書く(例: 屋外で2年さびないこと)
  2. 素材・寸法・数量・使用環境を一覧にする
  3. 候補のめっきを2つ挙げ、両方の見積と試作を依頼する
  4. 試作品で外観・膜厚・密着を確かめてから量産に進む

八幡鍍金工業の無料試作(1点まで)のように、試作の条件を公式に出している会社から始めると費用を抑えられます。比較の基準は、1社に絞る前に紙に書いておくと迷いません。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

さび止めにはどのめっきがいいですか?

鉄の部品なら亜鉛系が第一候補です。小物は電気亜鉛+三価クロメート、より高い耐食性が要るなら亜鉛ニッケル合金(湖東電鍍工業所は亜鉛めっきの4倍以上と説明)、屋外の鋼材や金物は溶融亜鉛(鉄被膜工業所)を比べてください。

硬質クロムと無電解ニッケルはどう使い分けますか?

ロールやシャフトのような長尺・大物の耐摩耗には硬質クロム、穴や溝のある複雑な形や、膜厚を均一にしたい部品には無電解ニッケルが向きます。日本バレル工業は無電解ニッケルがくぼみ・穴・内面にも均一につくと説明しています。

端子の金めっきは純金と硬質金のどちらがいいですか?

用途で変わります。コダマは、純金めっきを金スズはんだの濡れ性やリードフレーム向けに、硬質金めっきを接点部の耐久性向上向けに使い分けると説明しています。部品の用途を伝えて提案を受けてください。

【用途別】めっき加工会社おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

無電解ニッケルを、まず1個だけ試作したいなら

八幡鍍金工業株式会社

無料試作は1点まで費用なし。膜厚±1.0μm、アルミ・鋳物も、通常1〜2営業日

無電解ニッケルと無電解ニッケルテフロンの専門工場で、無料試作は1点まで費用がかからないとFAQに明記している。対応サイズは鉄で深さ800×奥行500×横幅500mm、最大80kg。素材はアルミ・鉄・ステンレス・銅・真鍮・鋳物、膜厚は1〜50μmで精度±1.0μm、ロットは1〜数万個と、試作に必要な条件が公式に数字で出ている。

八幡鍍金工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

端子・接点・電極に、金や銀をめっきするなら

株式会社コダマ

純金・硬質金・部分金を試作1個から1日8万個規模まで。最短1日、ISO9001/14001

金メッキは純金・硬質金・部分金・SUS直付けに対応し、数量は試作1個から1日8万個規模の量産までと公式に書いている。最大対応サイズは400×400×深さ600mm。対応素材は銅・ベリリウム銅・真鍮・ステンレス・インコネル・コバールなど17種類以上。銀・すず・無電解ニッケルも同じ会社で扱い、ISO9001とISO14001を取得している。

株式会社コダマの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

ロール・シャフトなど、大物・長尺に硬質クロムをかけるなら

フジコー株式会社

最大Φ3,000mm×10m・10t。70,000Lの槽と研削・バフ研磨まで社内一貫

大型・長尺の硬質クロムめっきは最大径Φ3,000mm、最大長さ10m、最大重量10tと公式の仕様表にある。MEGAクロムメッキ槽はΦ3,000×10,000H・70,000Lで、クロムめっき槽は27槽。研削・めっき・バフ研磨・品質検査まで社内一貫で、ロッド300本/日などの量産実績も載せている。ISO9001とISO14001を取得。

フジコー株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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