予実管理システム · 基礎知識
予実管理システムの導入の進め方と期間|デモ・トライアル・導入支援の使い方【2026年版】
予実管理システムの導入は、デモやトライアルで試し、導入支援を受けて設定し、予算編成の時期に間に合わせる流れです。掲載サービスの公式表記をもとに、期間の目安と各段階の進め方をまとめました。
予実管理システムは、契約した日から使えるわけではありません。勘定科目や部門の設定、実績の取り込み、入力ルールづくりが必要です。
この記事では、掲載サービスが公式に書いている導入期間や支援の内容をもとに、進め方を整理します。
公式に書かれている導入期間の目安
導入期間を数字で書いているサービスは多くありません。今回確認できたものを並べます。
| サービス | 期間の書き方(公式記載) |
|---|---|
| Loglass | 導入プロジェクト約1ヶ月+運用テスト約1ヶ月で約2ヶ月。標準的な導入スケジュールの場合の目安と注記 |
| Workday Adaptive Planning | デプロイメント期間は世界最大級の企業であっても平均で4.5か月(FAQ) |
| Anaplan | 事例として、富士通株式会社が複雑な損益管理業務を3カ月でシステム化 |
どれも条件つきの目安で、要件や範囲で変わると書かれています。自社の予算編成の開始月から逆算して、間に合うかを最初の打ち合わせで聞いてください。
試す段階の窓口
契約の前に、自社の数字で試せるかどうかは大きな差です。各社が用意している窓口を種類ごとにまとめます。
- 無料トライアル・試用: YOJiTSU(30日間・自動課金なし)、Workday Adaptive Planning(申込窓口)、IBM Planning Analytics(無料評価版・期間の記載なし)、Diggle(料金ページで相談を受付)
- 無償版: fusion_place standard(3ユーザーまで・機能や期間の制限なし)
- 無料デモ: Loglass、Manageboard、bixid(製品デモ)、BizForecast(デモ依頼)、Anaplan(デモのリクエスト)
- 体験セミナー: fusion_placeは毎月無料のウェビナーを開催
デモは営業担当が操作するので、使いやすく見えがちです。トライアルや無償版が使えるなら、実際に入力する担当者に触ってもらってください。
導入支援の中身を比べる
導入支援と一口に言っても、中身はさまざまです。公式に書かれている範囲を並べます。
| サービス | 導入支援の内容(公式記載) |
|---|---|
| Diggle | 契約後に担当コンサルタントがキックオフと初期設定を支援。利用開始後も定期的に活用状況を確認 |
| Loglass | 構築から運用テストまで専任チームが伴走。部門向け操作トレーニング |
| Manageboard | 専任担当が導入・運用を支援。会計ソフトとの連携や各種設定を支援 |
| BizForecast | Standardはコーチング形式の標準導入サポート |
| bixid | 有償の初期導入サポート(Zoom、300,000円~・税抜) |
| Scale Cloud | KPI設計までプロが伴走支援 |
コーチング形式は社内で手を動かす分が多く、伴走型は相手に任せられる分が多い傾向です。社内の担当者がどれだけ時間を割けるかで選んでください。
導入の流れ
多くのサービスに共通する流れを、順番に並べます。各段階で社内の誰が関わるかを先に決めておくと、遅れにくくなります。
- 現状の整理: 今のExcelの予算フォーマット、科目、部門、締めの日程を洗い出す
- 試す: デモやトライアルで、自社の数字を入れて操作感を確かめる
- 設計: 科目体系、部門の階層、配賦のルール、権限を決める
- 設定と連携: 会計ソフトなどからの実績の取り込みを設定する
- 運用テスト: 前期の実績や今期の予算で、実際の月次を回してみる
- 本番: 予算編成や月次の予実報告で使い始める
設計の段階で、共通費の配賦をどうするかは揉めやすい点です。Manageboardのように売上高比や人数比などの配賦ロジックを設定できる製品もあるので、今のやり方を整理して持っていってください。
間に合わせるための逆算
予算編成の時期に間に合わせたいなら、そこから逆算して動き始めます。Loglassの約2ヶ月という目安を例に、ざっくりした段取りを示します。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 予算編成の4〜5か月前 | 情報収集、資料請求、デモ |
| 3か月前 | トライアル、見積比較、社内承認 |
| 2か月前 | 契約、導入プロジェクト開始(設計・設定) |
| 1か月前 | 運用テスト、部門向けの操作説明 |
| 予算編成の開始 | 本番利用 |
年契約のサービスでは、契約開始から費用がかかります。導入プロジェクトの開始と契約の開始をどう合わせるかも、見積のときに相談してください。
社内の体制づくり
導入の成否は、社内で誰が旗を振るかで大きく変わります。少人数でも、役割をはっきり分けておくと進みが違います。
| 役割 | 主な担当 | 関わる時期 |
|---|---|---|
| 推進役(経営企画・経理) | 要件の整理、ベンダーとの窓口、社内調整 | 全期間 |
| 部門の代表 | 入力画面の確認、運用テストへの参加 | 試す段階・運用テスト |
| 情報システム部門 | 会計ソフトとの連携、権限、セキュリティの確認 | 設計・設定の段階 |
| 経営層 | 見たいレポートの決定、最終承認 | 要件整理・本番前 |
経営層が見たいレポートを最初に決めておくと、科目や部門の設計がぶれにくくなります。逆に後から決めると、設定のやり直しが増えます。
トライアルで試すデータの選び方
トライアルや無償版では、架空の数字ではなく自社の数字で試してください。少ない量でも、自社の癖が出る部分を選ぶのがこつです。
- 前期の月次の実績を、会計ソフトから実際に取り込んでみる
- 部門を2〜3つ選び、今の予算フォーマットで入力してみる
- 共通費の配賦を1つだけ設定して、結果が今のExcelと合うか確かめる
- 経営会議で使っている資料を1枚、システムで作ってみる
fusion_placeの無償版は3ユーザーまで使えるので、推進役と部門の代表で試す形に向いています。YOJiTSUの30日間は、月次の締めを1回またぐように始めると、実績の取り込みまで確かめられます。
失敗しやすいポイントを先に潰す
最後に、導入でつまずきやすい点をまとめます。どれも、製品の機能より社内の準備で防げるものです。
- 今のExcelの科目体系をそのまま持ち込み、システム上でも複雑なままになる
- 経営企画だけで決め、入力する部門の意見を聞かない
- 組織変更のときの扱いを決めずに始める
- 実績の取り込みを手作業のまま残してしまう
- 使い始めた後の問い合わせ先と、社内の担当者を決めていない
Diggleは利用開始後もコンサルタントが活用状況を確認すると書き、Manageboardはチャットサポートを案内しています。導入後の支援の窓口がどこにあるかも、契約前に確かめておくと安心です。
この記事に出てくるサービス
- Anaplan(Anaplan Japan)財務以外の計画までつなぐなら
- bixid(株式会社YKプランニング)中小企業が公開価格で始めるなら
- BizForecast(プライマル株式会社)Excelの画面を残して連結まで広げるなら
- Diggle(ディグル株式会社)脱エクセルで見込管理まで一元化するなら
- fusion_place(株式会社フュージョンズ)無償版でまず動かしてみるなら
- IBM Planning Analytics(日本IBM)Excelから大規模モデルを動かすなら
- Loglass(株式会社ログラス)Excel提出のまま全社予算を集めるなら
- Manageboard(マネーフォワードコンサルティング株式会社)クラウド会計とAPIでつなぐなら
- Scale Cloud(株式会社Scale Cloud)KPIと予算をつなぐなら
- Workday Adaptive Planning(Workday)海外拠点を含む全社計画なら
- YOJiTSU(株式会社シスプラ)会計データから低コストで始めるなら
参照元
よくある質問
導入にはどれくらいかかりますか?
Loglassは標準的な場合で約2ヶ月(導入プロジェクト約1ヶ月+運用テスト約1ヶ月)を目安としています。Workday Adaptive PlanningはFAQで、世界最大級の企業でもデプロイ期間は平均4.5か月と答えています。どちらも要件で変わります。
契約前に試せますか?
YOJiTSUは30日間の無料試用、fusion_placeは3ユーザーまで無償のstandard版があります。Workday Adaptive Planningは無料トライアルの申込窓口、IBM Planning Analyticsは無料評価版の窓口、Loglass・Manageboardは無料デモを用意しています。
導入支援は無料ですか?
サービスによります。bixidの初期導入サポートは有償で300,000円~(税抜)です。BizForecast Standardは初期設定支援費用、Diggleは初期費用の中に初期設定の支援を含むと料金ページに書いています。
【目的別】予実管理システムおすすめ3選
部門のExcel提出はそのままに、全社の予算・見込・実績をシステムで一元化するなら
Loglass(株式会社ログラス)
自社フォーマットのExcel・Googleスプレッドシートで予算を回収し、約2ヶ月の伴走で立ち上げる
予算策定では、自社フォーマットのExcelやGoogle Spreadsheetのファイルをそのまま連携でき、部門ごとの提出用ファイルを自動で作って送り、提出されたデータを全体予算に統合すると公式に記載。提出履歴はバージョンごとの差分をハイライト。導入支援は導入プロジェクト約1ヶ月+運用テスト約1ヶ月の約2ヶ月を標準的な目安としている。
Excelの画面を変えずにシステム化し、連結会計までグループで広げるなら
BizForecast(プライマル株式会社)
「活Excel」の予算管理BCと連結会計FCを同じシリーズで。SaaSのStandardから始めてEnterpriseへ
Excelの長所を活かす「活Excel」を掲げ、予算管理・管理会計のBC、連結決算・連結会計のFC、人事評価・目標管理のHRで構成。BCは単体PLの予算策定から連結ベースの計画・業績管理、人員計画・設備投資計画・PSI管理まで扱うと記載。予実管理特化のSaaS(Standard)と、要件に合わせて構築するEnterpriseの2エディションがある。
中小企業が、会計データから予算と資金繰りを公開価格で始めるなら
bixid(株式会社YKプランニング)
1社月10,000円・25,000円・50,000円(税抜)の3プラン。部門別の予実はプロフェッショナルで
会計データをアップロードすると実績が反映され、月次決算・予算管理・キャッシュフローをグラフや数表で見える化すると記載。料金は1社あたりシミュレーション10,000円、プランニング25,000円、部門別に予算と実績を管理するプロフェッショナル50,000円(いずれも月額・税抜)で、アカウント作成は無制限。freee会計・勘定奉行との組み合わせを紹介するページがある。