予実管理システム · 基礎知識
導入事例から見る予実管理システムの選び方悩みの型・短縮した時間・導入期間を公式事例で比べる【2026年版】
予実管理システムの公式導入事例から、導入前の悩み、集計時間の変化、段階的な導入の進め方、立ち上げ期間を並べました。事例の数字を読むときの条件と、自社の比較に使う手順も整理しています。

予実管理システムの導入事例は、各社の公式サイトに数多く載っています。ただ、事例ごとに会社の規模も、導入した範囲も、数字の測り方も違います。
この記事では、掲載15社の公式事例から拾った課題と成果を並べ、事例を自社の選び方に使うための読み方を整理します。社名と数字は、各社の事例ページに載っているものだけを使っています。
事例に多い導入前の悩み
事例の導入前の様子を並べると、悩みはおおむね4つの型に分かれます。自社がどれに近いかを先に決めると、読むべき事例が絞れます。
| 悩みの型 | 公式事例の例 |
|---|---|
| Excelの配布・回収・合算に時間がかかる | 日本調剤(夜間バッチで集計)、村田製作所(100ファイル超を手作業で統合)、リーフラス(約50支店のExcelをメールで回収) |
| ファイルが重く、属人化している | トヨタカスタマイジング&ディベロップメント(1,000を超えるエクセルシート)、Sun Asterisk(1,000以上のKPIをスプレッドシートで管理) |
| 既存システムが高い・遅い | キッツ(旧システムの保守費・改修費)、ダイキン工業(海外EPM製品のランニング費用)、ニフティ(ライセンス料と動作の遅さ) |
| グループや拠点が増えて集約できない | LIXIL(海外M&Aでグローバル化)、JMDC(M&Aで増えたグループ会社の決算データ)、イワモトグループ(7社の予算と資金繰り) |
集計の時間がどれだけ縮んだか
数字が書かれている成果で一番多いのは、集計や資料づくりの時間です。導入前と導入後の時間を、事例の記載どおりに並べます。
| 製品 | 事例 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|---|
| BizForecast | 日本調剤 | 月初の集計業務に毎月6時間ほど | 15分程度 |
| Loglass | 村田製作所 | 予算集計に2週間 | 15分 |
| Loglass | リーフラス | 集計作業に2週間 | 2営業日 |
| Loglass | 味の素(食品研究所) | 月次定例の報告準備に約1週間 | 2日 |
| bixid | イワモトグループ | 予算・資金管理の作業に4日 | 1日 |
| Diggle | 住友重機械工業(ICT本部) | 予実比較表の作成に2人で1週間 | 1人で半日 |
| Manageboard | 時之栖 | 月次報告作成に2日間 | ワンクリック |
短縮の幅は、元のExcel運用がどれだけ手作業だったかで大きく変わります。自社の今の作業時間を測っておくと、事例の数字と比べやすくなります。
数字を読むときに外せない条件
事例の数字は、同じ条件で測ったものではありません。比べる前に、次の点を確かめてください。
- 時点: BizForecastの事例には「2023年10月現在」「2024年10月現在」のように時点が書かれています。今の運用と同じとは限りません。
- 範囲: 村田製作所はIT投資管理、味の素は食品研究所、住友重機械工業はICT本部のIT費用管理と、全社ではなく一部門の業務です。
- 測り方: Sun Asteriskの約70%は「感覚的には」と前置きされた体感の数字です。
- 原因: monoglobeの売上201%・利益296%は導入後2年間の業績全体の数字で、システムだけの効果とは書かれていません。
条件をそろえずに数字だけを並べると、製品の差を読み違えます。事例の数字は、自社で同じ効果が出るかを確かめるための目安として使ってください。
段階的に広げた事例が多い
大きな会社の事例には、最初から全部を入れずに段階を分けたものが目立ちます。最初の範囲の決め方は、選び方そのものに関わります。
- J-オイルミルズ(BizForecast): 予算の稼働をStep1、実績・見込の稼働をStep2に分けた
- 味の素(Loglass): 3つのフェーズに分け、第1フェーズは月次の実績管理
- アイセイ薬局(fusion_place): 予実管理から着手し、第2フェーズで予算作成と来局数などのデータへ拡大
- 荏原製作所(Anaplan): 固定費予算から始め、子会社約100社のPL・BS・CFを集める全社管理連結へ拡大
- ニフティ(fusion_place): 予算・実績管理から始め、KPI・人件費・グループ連結へ拡張
最初の範囲が小さく済む製品か、後から広げられる製品かを、デモの段階で確かめておくと安心です。拡張の費用が別になるかも見積で聞いてください。
立ち上げにかかった期間
導入期間を書いている事例もあります。いずれもその会社の範囲での期間なので、自社の目安にするときは範囲をそろえて読んでください。
| 製品 | 事例 | 公式に書かれた期間 |
|---|---|---|
| Loglass | 村田製作所 | キックオフから本番稼働まで3ヶ月 |
| Sactona | LIXIL | 検討開始から2か月でシステム稼働 |
| Sactona | 日本製鋼所 成形機事業部 | 39帳票への適用を約2か月で完了 |
| STRAVIS | 沖電気工業 | 制度連結を約6ヶ月、計画業務を約9ヶ月 |
| Anaplan | アモーヴァ・アセットマネジメント | 構想とルール定義に8ヶ月、システム構築に9ヶ月 |
| IBM Planning Analytics | Solar Coca-Cola社 | 5カ月強で設計・実装 |
組織の大きさで事例の顔ぶれが変わる
事例に出てくる組織の大きさは、製品ごとに偏りがあります。自社に近い組織の事例がある製品を候補に残すと、運用の姿を想像しやすくなります。
| 組織の目安 | 事例が載っている製品と会社 |
|---|---|
| 事務所・少人数の会社 | YOJiTSU(社名非掲載の社労士事務所・従業員4名、平野会計事務所) |
| グループ数社 | bixid(イワモトグループ・7社)、Manageboard(SHONAI・7社50チーム、nobitel・4社100店舗以上) |
| 多くの支店・店舗・子会社を持つ組織 | Loglass(リーフラス・約50支店)、fusion_place(アイセイ薬局・300店舗超)、BizForecast(日本調剤)、Anaplan(荏原製作所・子会社約100社) |
| 海外の企業 | IBM Planning Analytics(Solar Coca-Cola社、Jettime社)、Oracle Cloud EPM(Lion、Eaton)、Workday Adaptive Planning(HubSpot社) |
海外製品の事例は、決算・連結や要員計画など予算以外の業務も多く含みます。予算の事例だけを探すなら、国内製品の事例ページのほうが近い話を見つけやすいでしょう。
事例を自社の比較に使う手順
事例は読み物で終わらせず、候補を絞る材料にすると役に立ちます。次の順で進めると、営業の説明を聞く前に質問が固まります。
- 自社の悩みが4つの型のどれに近いかを決める
- 今の集計・資料づくりの時間を、担当者と作業ごとに書き出す
- 同じ悩みと近い規模の事例を、候補の製品ごとに1〜2件選ぶ
- 事例の導入範囲・期間・時点を表にそろえ、自社と違う点に印をつける
- デモでは、選んだ事例と同じ作業を自社のデータで再現してもらう
事例の会社名や数字は掲載当時のものなので、検討の時点で各社の公式サイトを開いて確かめ直してください。
この記事に出てくるサービス
- Anaplan(Anaplan Japan)財務以外の計画までつなぐなら
- bixid(株式会社YKプランニング)中小企業が公開価格で始めるなら
- BizForecast(プライマル株式会社)Excelの画面を残して連結まで広げるなら
- Diggle(ディグル株式会社)脱エクセルで見込管理まで一元化するなら
- fusion_place(株式会社フュージョンズ)無償版でまず動かしてみるなら
- IBM Planning Analytics(日本IBM)Excelから大規模モデルを動かすなら
- Loglass(株式会社ログラス)Excel提出のまま全社予算を集めるなら
- Manageboard(マネーフォワードコンサルティング株式会社)クラウド会計とAPIでつなぐなら
- Oracle Cloud EPM(日本オラクル)資金予測や高度な予測まで扱うなら
- Sactona(アウトルックコンサルティング株式会社)Excel UIで多次元管理をするなら
- STRAVIS(株式会社電通総研)連結決算と連結予算を同じ基盤で回すなら
- Workday Adaptive Planning(Workday)海外拠点を含む全社計画なら
参照元
- BizForecast 導入事例 株式会社キッツ
- BizForecast 導入事例 株式会社J-オイルミルズ
- BizForecast 導入事例 日本調剤株式会社
- Loglass 導入事例 株式会社村田製作所
- Loglass 導入事例 味の素株式会社
- Loglass 導入事例 リーフラス株式会社
- Diggle 導入事例 住友重機械工業株式会社
- Manageboard 導入事例 株式会社時之栖
- bixid 導入事例 イワモトグループ
- bixid 導入事例 合同会社monoglobe
- Scale Cloud 導入事例 株式会社Sun Asterisk
- fusion_place お客様の声 株式会社アイセイ薬局
- Sactona 導入事例 株式会社LIXIL
- STRAVIS 導入事例 沖電気工業株式会社
- Anaplan お客様事例 荏原製作所
よくある質問
導入事例の数字はそのまま自社にも当てはまりますか?
当てはまるとは限りません。村田製作所はIT投資管理、味の素は食品研究所の業務など、事例ごとに範囲が違います。BizForecastの事例のように、いつ時点の内容かが書かれている場合もあります。
少人数の会社やグループ数社の事例はどの製品にありますか?
今回確認した範囲では、YOJiTSUに社労士事務所(従業員4名)や会計事務所の事例があります。bixidにはイワモトグループ(7社)、ManageboardにはSHONAI(7社50チーム)の事例があります。
導入までどのくらいかかった事例がありますか?
村田製作所(Loglass)はキックオフから本番稼働まで3ヶ月、LIXIL(Sactona)は検討開始から2か月で稼働と書かれています。沖電気工業(STRAVIS)は制度連結に約6ヶ月、計画業務に約9ヶ月でした。
【目的別】予実管理システムおすすめ3選
部門のExcel提出はそのままに、全社の予算・見込・実績をシステムで一元化するなら
Loglass(株式会社ログラス)
自社フォーマットのExcel・Googleスプレッドシートで予算を回収し、約2ヶ月の伴走で立ち上げる
Excelの画面を変えずにシステム化し、連結会計までグループで広げるなら
BizForecast(プライマル株式会社)
「活Excel」の予算管理BCと連結会計FCを同じシリーズで。SaaSのStandardから始めてEnterpriseへ
中小企業が、会計データから予算と資金繰りを公開価格で始めるなら
bixid(株式会社YKプランニング)
1社月10,000円・25,000円・50,000円(税抜)の3プラン。部門別の予実はプロフェッショナルで