予実管理システム · 基礎知識
予実管理システムのExcel UI維持型と置き換え型の違い|画面・集計・運用で比べる【2026年版】
予実管理システムは、Excelの画面を残して裏側を整える型と、システムの画面に移す型に分かれます。掲載サービスの公式表記をもとに、両者の違いと選び方を整理しました。
予実管理システムを探し始めると、最初にぶつかるのがExcelをどうするかです。今の帳票を残したい人もいれば、Excelをやめたくて探している人もいます。
この記事では、掲載サービスの公式表記をもとに、Excel UI維持型と置き換え型の違いを整理します。
2つの型と、その中間
Excelとの関係は大きく3つに分けられます。どれが優れているかではなく、入力する人と集計する人の負担をどこに置くかの違いです。
| 型 | 考え方 | 掲載サービスの例 |
|---|---|---|
| Excel UI維持型 | Excelの画面や帳票を残し、データの保管と集計をシステムで行う | BizForecast、Sactona、fusion_place、IBM Planning Analytics(PAfE) |
| 中間型 | 部門の提出はExcelやスプレッドシートで受け、集約と比較をシステムで行う | Loglass、STRAVIS(Excel連携ツール) |
| 置き換え型 | 入力から分析までシステムの画面で行う | Diggle、Manageboard、Scale Cloud、bixid、YOJiTSU、Anaplan |
同じExcel UI維持型でも、Excelの中で動くのか、Excelに似た画面なのかで操作感は変わります。デモでは、実際に入力する部門の担当者に触ってもらってください。
Excel UI維持型の各社の書き方
Excel UI維持型の製品は、公式サイトでExcelとの関係をはっきり書いています。言い回しを並べると、狙いの違いが見えてきます。
- BizForecast: Excelの長所を活かしつつ効率化する考え方を「活Excel」と呼び、既存のExcel資産を活用できるとしている
- Sactona: Excel UIを採用しつつ、多次元データベースで整合性を自動確保すると記載。Googleスプレッドシートにも対応
- fusion_place: エクセルを生かしながらデータを統合し、レイアウト自由なエクセル連携を備えると説明
- IBM Planning Analytics: 使い慣れたExcelはそのままにTM1を加えるPAfEを紹介し、料金表でもExcelまたはWebの画面をプランごとに示している
どの製品も、数字そのものはExcelファイルではなくデータベースに置くのが共通点です。ファイルの版が分かれて最新が分からない、という問題はここで解消を狙います。
置き換え型が得意なこと
置き換え型は、システムの画面で入力から分析までを完結させます。Excelのファイルを配って回収する作業そのものをなくす考え方です。
| サービス | 公式の書き方 | Excelの扱い |
|---|---|---|
| Diggle | 予算策定から見込の更新、予実分析までをすべてシステム上で行える | エクセルやCSVのデータを自動でフォーマット変換して取り込む |
| Manageboard | 会計ソフトからAPI連携で仕訳データを取り込み、転記作業を削減 | Googleスプレッドシートの拡張機能で予算や非財務の実績を取込 |
| Scale Cloud | 予算・実績・見込を一元化し、PLとKPIをつなぐ | Excel・スプレッドシート中心の運用からの移行を想定 |
| bixid | 会計データをアップロードして実績を反映 | 会計データの取込が中心 |
置き換え型でも、Excelからの取り込み口は用意されています。完全にExcelを捨てるのではなく、入口を整えて手作業の転記をなくす、と考えると分かりやすいです。
中間型という選択肢
部門の担当者が多いと、全員に新しい画面を覚えてもらうのが一番の負担になります。そこで、提出はExcelのまま、集約はシステムという形があります。
- Loglass: 自社フォーマットのExcel・Google Spreadsheetファイルをそのまま連携でき、部門ごとの提出用ファイルを自動生成・自動送付する
- Loglass: Google SpreadsheetはAPI連携しており、Web上でワンクリック提出ができる
- STRAVIS: Excel連携ツールでSTRAVISとExcelの入出力をリアルタイムに行う
中間型は、経営企画の集計作業を減らしつつ、現場の入力のやり方はほぼ変えずに済みます。提出されたデータの履歴が残るかどうかも、あわせて確かめてください。
自社がどちらに向くかの見分け方
型を決めるときは、機能よりも社内の事情から考えると迷いにくくなります。次の表は、よくある状況と向く型の目安です。
| 社内の状況 | 向く型 | 最初に見るサービス |
|---|---|---|
| 部門の入力担当が多く、Excelに慣れている | Excel UI維持型・中間型 | BizForecast、Loglass、Sactona |
| Excelのマクロや関数が複雑で、作った人しか直せない | 置き換え型 | Diggle、Manageboard |
| まず少人数で試したい | Excel UI維持型(無償版) | fusion_place standard(3ユーザーまで無償) |
| 会計ソフトの数字から予実を始めたい | 置き換え型 | bixid、YOJiTSU、Manageboard |
どちらの型でも、最初の設定で勘定科目や部門の体系を作り直すことになります。今のExcelの科目体系が整理されているかを、先に見直しておくと導入が進めやすくなります。
Excel UI維持型で気をつけたいこと
Excel UI維持型は現場の抵抗が少ない反面、Excelの自由さをどこまで残すかの線引きが要ります。自由に列や式を足せるままだと、結局は人ごとの帳票に戻ってしまいます。
- 入力欄と計算式の欄を分け、計算式は管理者だけが変えられるようにする
- 部門ごとに独自のシートを作るのを認めるかどうかを、最初に決める
- 承認ワークフローや権限の機能を使い、誰がいつ数字を変えたかを残す
- Excelのバージョンや動作環境の条件を、情報システム部門と確かめる
Sactonaはリアルタイム更新、権限管理、承認ワークフローを標準搭載と書いています。Excelの見た目を残しても、こうした管理の機能が付くのがシステム化の利点です。
置き換え型で気をつけたいこと
置き換え型は、Excelの属人化を断ち切れる一方で、今の帳票の形をそのまま再現できないことがあります。経営会議で使っている資料の形が出せるかは、早めに確かめてください。
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 経営会議の資料に近いレポートを作れるか | 資料作りだけExcelに戻ると二重管理になる |
| CSVやExcelへの出力ができるか | 銀行や株主向けの資料で使うことがある |
| 独自の切り口(顧客別・商品別など)を足せるか | 事業ごとに見たい軸が違う |
Manageboardはカスタムレポートの作成数がプランで違い、スタンダードは100個、エッセンシャルは10個までと料金ページに書いています。必要なレポートの数を数えてから、プランを選んでください。
デモで画面を見るときのチェック項目
最後に、デモで確かめたいことをまとめます。型の違いは、実際に触ると一番よく分かります。
- 部門の担当者が、今の予算フォーマットに近い形で入力できるか
- 提出されたデータの履歴とバージョンの差分を後から追えるか
- 実績の取り込みが、会計ソフトからのAPI連携か、ファイルのアップロードか
- 組織変更のときに、過去の数字を新しい組織で並べ直せるか
- 閲覧と入力の権限を、部門ごとに分けられるか
組織変更への対応は、Loglassが複数の組織図の管理にも対応すると書いているように、製品ごとに差が出やすい項目です。自社で毎年どれくらい組織が変わるかを伝えて、デモで見せてもらってください。
この記事に出てくるサービス
- Anaplan(Anaplan Japan)財務以外の計画までつなぐなら
- bixid(株式会社YKプランニング)中小企業が公開価格で始めるなら
- BizForecast(プライマル株式会社)Excelの画面を残して連結まで広げるなら
- Diggle(ディグル株式会社)脱エクセルで見込管理まで一元化するなら
- fusion_place(株式会社フュージョンズ)無償版でまず動かしてみるなら
- IBM Planning Analytics(日本IBM)Excelから大規模モデルを動かすなら
- Loglass(株式会社ログラス)Excel提出のまま全社予算を集めるなら
- Manageboard(マネーフォワードコンサルティング株式会社)クラウド会計とAPIでつなぐなら
- Sactona(アウトルックコンサルティング株式会社)Excel UIで多次元管理をするなら
- Scale Cloud(株式会社Scale Cloud)KPIと予算をつなぐなら
- STRAVIS(株式会社電通総研)連結決算と連結予算を同じ基盤で回すなら
- YOJiTSU(株式会社シスプラ)会計データから低コストで始めるなら
参照元
よくある質問
Excel UI維持型と置き換え型、どちらがよいですか?
入力する人の数とExcelへの慣れで決めます。部門の担当者が多くExcelに慣れているならBizForecastやSactonaのようなExcel UI維持型か、Loglassのような中間型、Excelの属人化をなくしたいならDiggleやManageboardのような置き換え型が候補です。
Excelの画面のままでも、データは一元管理できますか?
できます。BizForecast、Sactona、fusion_place、IBM Planning Analyticsは、Excelの画面や連携を使いながらデータをデータベースで管理する考え方です。
Googleスプレッドシートにも対応していますか?
Loglassは提出をGoogle SpreadsheetのAPI連携で受けられ、Manageboardは拡張機能での取り込み、SactonaはGoogleスプレッドシート対応と記載しています。
【目的別】予実管理システムおすすめ3選
部門のExcel提出はそのままに、全社の予算・見込・実績をシステムで一元化するなら
Loglass(株式会社ログラス)
自社フォーマットのExcel・Googleスプレッドシートで予算を回収し、約2ヶ月の伴走で立ち上げる
予算策定では、自社フォーマットのExcelやGoogle Spreadsheetのファイルをそのまま連携でき、部門ごとの提出用ファイルを自動で作って送り、提出されたデータを全体予算に統合すると公式に記載。提出履歴はバージョンごとの差分をハイライト。導入支援は導入プロジェクト約1ヶ月+運用テスト約1ヶ月の約2ヶ月を標準的な目安としている。
Excelの画面を変えずにシステム化し、連結会計までグループで広げるなら
BizForecast(プライマル株式会社)
「活Excel」の予算管理BCと連結会計FCを同じシリーズで。SaaSのStandardから始めてEnterpriseへ
Excelの長所を活かす「活Excel」を掲げ、予算管理・管理会計のBC、連結決算・連結会計のFC、人事評価・目標管理のHRで構成。BCは単体PLの予算策定から連結ベースの計画・業績管理、人員計画・設備投資計画・PSI管理まで扱うと記載。予実管理特化のSaaS(Standard)と、要件に合わせて構築するEnterpriseの2エディションがある。
中小企業が、会計データから予算と資金繰りを公開価格で始めるなら
bixid(株式会社YKプランニング)
1社月10,000円・25,000円・50,000円(税抜)の3プラン。部門別の予実はプロフェッショナルで
会計データをアップロードすると実績が反映され、月次決算・予算管理・キャッシュフローをグラフや数表で見える化すると記載。料金は1社あたりシミュレーション10,000円、プランニング25,000円、部門別に予算と実績を管理するプロフェッショナル50,000円(いずれも月額・税抜)で、アカウント作成は無制限。freee会計・勘定奉行との組み合わせを紹介するページがある。