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鋳造公差CT等級(JIS B 0403)と各社の保証の見方【2026年版】

鋳造品の鋳放し寸法公差を定めるJIS B 0403「鋳造品-寸法公差方式及び削り代方式」の鋳造公差等級CT(CT1〜CT16)の仕組みと、CT6・CT7・CT8を公式に掲げる会社、±mmで公差を示す会社の読み方を解説します。日本ダイカスト協会の設計ガイドが示す寸法許容差の考え方、工法・後加工との関係、図面の公差指示で見積を早くする方法まで。

公開 2026年9月30日

鋳造試作の図面で「この公差で作れますか」という質問に答えるための共通言語が、JIS B 0403の鋳造公差等級CTです。このページでは、CT等級の仕組みと、各社が公式に掲げる保証の読み方を整理します。

JIS B 0403 とは:鋳造公差等級CTの仕組み

JIS B 0403の規格名は「鋳造品-寸法公差方式及び削り代方式」で、JISCの規格一覧に掲載されています。JMCの解説では、鋳造公差等級はJIS B 0403:1995で定められている鋳造製品の鋳放し寸法公差と説明されています。

  • 鋳造公差等級はCT1〜CT16まで規定されている
  • 数字が大きくなるほど公差の許容値も大きくなる(CT6はCT7より厳しい)
  • 「鋳放し」とは、鋳造したままで機械加工をしていない状態を指す
  • 削り代方式も同じ規格で扱われ、機械加工で削る余肉の考え方が含まれる

CT等級は寸法公差の「幅」を等級で示す仕組みなので、同じCT7でも基準寸法が大きくなれば公差の絶対値は広がります。各社の等級表示を比べるときは、対象の寸法範囲も合わせて確認してください。

CT等級を公式に掲げる会社(CT6・CT7・CT8)

今回調査した34社のうち、公式サイトにCT等級を明記している会社は次の通りです。工法によって掲げる等級が異なります。

会社工法公式のCT等級備考
イナテック精密砂型鋳造CT6級面粗さRz=40μm、肉厚公差±0.3mm、最小肉厚1.5mm
日邦産業石膏鋳造CT6相当アルミダイカストと同等の精度や鋳肌、抜き勾配0°対応
クライム・ワークスダイカストスピード試作CT6(T1レベル)/CT7ADC12材、10台以下の試作
ニューテック石膏鋳造CT7級保証(CT5・CT6級実績)鋳肌Ra6.4相当
ニューテック消失鋳造CT8級保証1〜5個向け、最短1.5週
JMC砂型・3Dプリント砂型CT7(形状によってはCT6)一般的な砂型鋳物よりも高精度と位置づけ

「保証」と「実績」は区別して読みます。ニューテックは石膏鋳造でCT7級を保証としつつ、CT5・CT6級は実績と書き分けています。

図面でCT6を要求する場合は、保証範囲か実績範囲かを見積時に確認してください。

±mmで公差を示す会社の読み方

CT等級ではなく、寸法範囲ごとの±mmで精度を示す会社もあります。こちらは公差表の形で公開されているため、部品の寸法を当てはめて読みます。

会社工法公式の精度表示
モールドモデル石膏鋳造±0.1mm(0〜25mm)〜±2.5mm(500mm超)
プロテックジャパン石膏鋳造25mm以下はPLに対し直角方向±0.1・平行方向±0.15、500mm超±1.2
共栄デザイン石膏鋳造寸法公差±0.2mm〜±0.7mm(サイズによる)
ハヤカワロストワックスロストワックス一般公差:0〜25mm時±0.25mm、100mm以上時±1%
武杉製作所ロストワックス寸法公差±0.2〜0.3mm実績
白銅金属3Dプリント精度±0.2〜0.3mm
STGマグネシウムダイカスト素材寸法公差±0.03mmまで実現

プロテックジャパンの表は「PL(パーティングライン)に対し直角方向」と「平行方向」で値を分けています。鋳造品は型の合わせ方向で精度が変わるため、図面の重要寸法がどちらの方向かを意識すると、公差表を正しく読めます。

協会の設計ガイドが示す寸法許容差の考え方

日本ダイカスト協会の設計ガイドには、ダイカストの長さに対する寸法許容差のグラフが掲載されています。グラフは「精密寸法許容差」と「一般寸法許容差」の2系統で、銅合金・アルミニウム合金・亜鉛合金ごとに線が引かれています。

  • グラフの横軸はダイカストの長さ0〜400mm、縦軸は±1.4mmまでの許容差
  • 長さが大きくなるほど許容差は広がる(CT等級と同じ考え方)
  • 協会は「標準以上のきびしい寸法許容差を指定しないことが望ましい」と明記している(DCS E1参照)

試作でも同じで、全寸法に厳しい公差を付けると型や工程の負担が増えます。機能上必要な寸法だけに厳しい公差を付け、それ以外は工法の標準等級に任せるのが、費用と納期を抑える設計です。

公差と工法・後加工の関係

協会の比較図では、寸法精度は砂型鋳造 < 重力金型鋳造 ≒ 低圧鋳造 < ダイカストの順に優れるとされています。試作専門会社が掲げるCT6〜CT8は、この一般的な序列の中で「試作工法としては高精度」の位置にあります。

状況考え方公式記載の例
鋳放しでCT等級内に収めたいCT6〜CT7を公式に掲げる会社を選ぶイナテックCT6級、日邦産業CT6相当、JMC CT7(CT6)
重要寸法は機械加工で仕上げる協会ガイドの仕上代0.25〜0.8mmを設計に織り込むJMC 5軸機械加工、ニューテック DMG 5軸加工機、イナテック「加工精度±0.005mm」
肉厚のばらつきを抑えたい肉厚公差を別に確認するイナテック 肉厚公差±0.3mm
形状全体を測りたい三次元測定・非接触測定の保有を確認する共栄デザイン Carl Zeiss CONTURA G2、コイワイ ATOS TripleScan、JMC X線CT6台

協会の設計ガイドは、機械加工を必要とする製品では「製品のひずみ、加工基準などを考慮して設計を行い、適切な仕上代をつけること」とし、仕上代の目安を0.25〜0.8mmとしています。鋳放し公差と加工後公差を図面で分けて書くと、どこまで鋳造で、どこから加工で保証するかが明確になります。

図面の公差指示で見積を早くする方法

公差の書き方が曖昧だと、会社側は最も厳しい解釈で見積もるか、確認の往復が発生します。各社の公式表示に合わせた指示をすると、見積が早く返ってきます。

  1. 一般公差はCT等級で指定する(例:JIS B 0403 CT7)。CT等級を掲げる会社(イナテック、日邦産業、クライム・ワークス、ニューテック、JMC)はそのまま照合できる
  2. 重要寸法だけ±mmで個別指定し、鋳放しか加工後かを明記する
  3. ±mm表示の会社(モールドモデル、プロテックジャパン、共栄デザイン)には、部品の最大寸法を伝えて該当する範囲の値を確認する
  4. 肉厚・面粗さ(イナテックRz=40μm、ニューテックRa6.4相当)は寸法公差とは別項目として指示する
  5. 測定方法(三次元測定機かCTスキャンか)と測定報告書の要否を見積条件に含める

ニューテックのように「保証」と「実績」を分けて公開している会社に対しては、要求等級がどちらに当たるかを最初に確認すると、後の手戻りを防げます。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

鋳造公差等級CTとは何ですか?

JIS B 0403「鋳造品-寸法公差方式及び削り代方式」で定められた、鋳造製品の鋳放し寸法公差の等級です。JMCの解説によるとCT1〜CT16まで規定され、数字が大きくなるほど公差の許容値も大きくなります。

CT6やCT7を保証している会社はどこですか?

公式サイトの記載では、イナテックが精密砂型鋳造でCT6級、日邦産業が石膏鋳造でCT6相当、クライム・ワークスがダイカストスピード試作でCT6(T1レベル)/CT7、ニューテックが石膏鋳造でCT7級保証(CT5・CT6級実績)と消失鋳造でCT8級保証、JMCが砂型でCT7(形状によってはCT6)を掲げています。

CT等級ではなく±mmで書いてある会社はどう読めばいいですか?

寸法範囲ごとの公差表として読みます。モールドモデルは±0.1mm(0〜25mm)〜±2.5mm(500mm超)、プロテックジャパンは25mm以下±0.1〜0.15(PLに対し直角方向か平行方向かで異なる)〜500mm超±1.2、共栄デザインは±0.2〜0.7mm(サイズによる)、ハヤカワロストワックスは0〜25mmで±0.25mm・100mm以上で±1%です。部品の最大寸法を当てはめて該当する値を確認してください。

鋳造試作の図面で公差はどこまで厳しくしていいですか?

日本ダイカスト協会の設計ガイドは「標準以上のきびしい寸法許容差を指定しないことが望ましい」としています。機能上必要な寸法だけに厳しい公差を付け、鋳放しで保証する範囲と機械加工(協会ガイドの仕上代目安0.25〜0.8mm)で仕上げる範囲を図面で分けると、見積と納期のずれを防げます。

【目的別】軽金属鋳造の試作会社おすすめ3選

※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

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2

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