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T5・T6などの熱処理記号(質別記号)の読み方と鋳造試作での指定方法【2026年版】

AC4C-T6のように材質記号の後ろに付くT5・T6などの質別記号について、規格(JIS H 0001 アルミニウム,マグネシウム及びそれらの合金-質別記号)の位置づけ、日本ダイカスト協会の資料が示すダイカスト品とT6熱処理の関係、国内各社が公式に記載する熱処理の対応範囲(T4〜T7)と試験設備、図面と見積での指定方法を解説します。

公開 2026年10月1日

鋳造品の図面や見積で「AC4C-T6」のように書かれる「-T6」の部分が、質別記号です。熱処理の状態を表し、同じ合金でも質別が違えば機械的性質が変わります。

試作で強度を評価する場合、材質記号だけを指定して質別を書き忘れると、熱処理なしの状態で届くことがあります。

このページでは、質別記号の位置づけと、鋳造試作で熱処理を指定するときの実務を、規格と各社の公式記載から整理します。

質別記号を定める規格と書き方

質別記号は、JIS H 0001「アルミニウム,マグネシウム及びそれらの合金-質別記号」で定められています。日本産業標準調査会(JISC)の規格一覧に、この規格名で掲載されています。

  • 書き方:合金記号の後ろにハイフンを付けて質別を書く(例:AC4C-T6、AC4A-T6)
  • 対象:アルミニウム、マグネシウム及びそれらの合金
  • JIS H 5202(アルミニウム合金鋳物)では、F、O、T4、T5、T6などの質別が使われる
  • 試作会社の公式記載には、T4〜T7の範囲の記号が登場する
  • 各記号が表す処理の内容は、JIS H 0001の本文で定義されている

記号の意味を社内で確かめるときは、規格本文を参照してください。ここでは、試作の発注で質別をどう扱うかに絞って説明します。

質別まで書いて材質を示す会社の例

今回調査した34社の公式サイトには、対応材質を質別まで含めて書いている会社があります。書き方の実例として並べます。

会社公式の材質表記工法
キングパーツAl-Cu-Mg系 AC1B-T6、Al-Si-Mg系 AC4C-T6、Al-Mg系 AC7Aロストワックス
東京鋳造所AC4C-T6、AC4A-T6低圧鋳造・重力鋳造、試作は砂型
太陽パーツ計測機器用軸受け(AC4C-T6)の事例ロストワックス

キングパーツの表記では、AC7Aには質別が付いていません。合金によって熱処理を前提にするものとしないものがあるため、図面では合金と質別をセットで指定します。

社内で熱処理できる範囲(各社の公式記載)

熱処理を社内の炉で行うか、協力会社で行うかは、納期と責任の範囲に影響します。公式に熱処理の対応を記載する会社を並べます。

会社公式の記載
JMC熱処理(T4/T5/T6/T7)を社内一貫
ニューテックT5・T6・T7処理、熱処理炉2基
東京鋳造所T5・T6処理炉
前橋橋本合金T6処理炉(九州工場)
光軽金属工業熱処理炉2基
ハヤカワロストワックスアルミニウム合金の熱処理炉1基
コイワイ熱処理を内製
共栄デザインめっき・アルマイト・含浸・熱処理に対応(石膏鋳造)
日邦産業精密鋳造から二次加工、熱処理まで一貫対応(石膏鋳造)
キングパーツ各種熱処理や表面処理にも対応(ロストワックス)
キャステム熱処理は協力会社との連携により一気通貫

工法で見ると、石膏鋳造(ニューテック、共栄デザイン、日邦産業)、砂型(JMC、東京鋳造所、前橋橋本合金、コイワイ)、ロストワックス(キングパーツ、ハヤカワロストワックス、キャステム)のいずれにも、熱処理まで受ける会社があります。

質別の記号まで公式に書いているのは、JMC(T4〜T7)、ニューテック(T5〜T7)、東京鋳造所(T5・T6)、前橋橋本合金(T6)です。ほかの会社には、指定したい質別に対応できるかを確認します。

ダイカスト品とT6の関係(協会資料)

日本ダイカスト協会の資料は、普通ダイカスト法について、高速で射出し短時間で凝固するため製品内部に鋳巣(巻き込み巣、ひけ巣)を発生させ、気密性や熱処理性(T6)など品質的に十分とは言えないとしています。

  • 高真空ダイカスト法:ガスの巻き込みが極めて少ないため、T6熱処理や溶接が可能
  • PFダイカスト法:耐圧性に優れ、T6熱処理や溶接が可能
  • スクイズダイカスト法:T6熱処理や溶接が可能で高品質なダイカストが得られる
  • セミソリッドダイカスト法:効果の表でT6の可否に○

表のとおり、T6に効く方法は巻き込み巣を減らす方法と重なっています。熱処理の可否は、鋳巣の少なさと結び付けて考える必要があるということです。

量産がダイカストでT6を前提にする部品は、量産でこうした方法を使えるかが先に問題になります。試作が石膏鋳造や砂型でT6を実現できても、量産品で同じ質別を指定できるとは限りません。

熱処理の結果を確かめる試験設備

質別を指定したら、機械的性質や硬さで結果を確かめます。公式に試験設備を記載する会社を並べます。

  • 引張試験:JMC(引張試験)、東京鋳造所(引張試験機)、ヒノデキャスティング&メタルワークス(引張・硬さ試験)
  • 硬さ試験:東京鋳造所(ブリネル硬度計)、キングパーツ(硬さ試験機5台)
  • 成分分析:JMC(分光分析)、東京鋳造所(発光分光分析器)、キングパーツ(真空型発光分析装置2台)、光軽金属工業(発光分析装置)
  • 検査成績書:白銅は引張・硬さ・密度・寸法・成分分析の検査成績書を発行できると記載(金属3Dプリント)
  • 金属3Dプリントの熱処理:白銅(アニール処理・時効硬化処理・析出硬化処理)、J・3D(電気炉による熱処理)、NTTデータザムテクノロジーズ(熱処理条件の開発)

試験片を製品と同じ炉で処理するか、製品から切り出すかで結果の意味が変わります。どちらで確認するかを、見積の前に決めておきます。

図面と見積で熱処理を指定するときの手順

熱処理の指定があいまいだと、見積の前提がずれます。熱処理の工程は納期にも加わるため、試作の日程にも関わります。

次の順で指定します。

  1. 材質と質別をセットで書く(例:JIS H 5202 AC4CH-T6)。規格番号も併記すると解釈がぶれない
  2. 熱処理と機械加工の順番を決める(熱処理後に仕上げ加工する面を指示)
  3. 確認方法を決める(硬さ・引張試験の有無、試験片の取り方)
  4. 量産の工法でも同じ質別を指定できるかを、量産の方法とあわせて確認する
  5. 社内炉か協力会社かを確認し、完成までの日数を見積に含めてもらう

3選のうち、JMCはT4〜T7、ニューテックはT5〜T7を社内で行うと公式に記載しています。共栄デザインも熱処理への対応を記載しており、質別の範囲は問い合わせで確認できます。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

AC4C-T6の「T6」は何を表していますか?

熱処理の状態を表す質別記号です。質別記号はJIS H 0001「アルミニウム,マグネシウム及びそれらの合金-質別記号」で定められ、合金記号の後ろにハイフンを付けて書きます。各記号の処理内容は規格本文で定義されています。キングパーツはAC4C-T6、東京鋳造所はAC4C-T6・AC4A-T6のように質別まで含めて対応材質を記載しています。

T6の熱処理まで社内でできる鋳造試作会社はどこですか?

公式に質別まで記載しているのは、JMC(T4/T5/T6/T7を社内一貫)、ニューテック(T5・T6・T7処理、熱処理炉2基)、東京鋳造所(T5・T6処理炉)、前橋橋本合金(T6処理炉、九州工場)です。光軽金属工業(熱処理炉2基)やハヤカワロストワックス(アルミ合金の熱処理炉1基)も熱処理炉を記載しています。

ダイカスト品にT6熱処理はできますか?

日本ダイカスト協会の資料は、普通ダイカスト法では製品内部に鋳巣が発生するため熱処理性(T6)が十分とは言えないとしています。一方、高真空ダイカスト法、PFダイカスト法、スクイズダイカスト法はT6熱処理や溶接が可能と説明しています。量産の方法を確認したうえで質別を指定してください。

【目的別】軽金属鋳造の試作会社おすすめ3選

※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

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2

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株式会社JMCの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

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