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軽金属鋳造の試作 · 用途別

ギガキャスト級の大物・複雑形状を試作したい|2m角・500kgクラスに対応する砂型・低圧鋳造の会社【2026年版】

ギガキャスト(型締力3,000〜6,000tクラスのダイカスト)向けの大物・複雑形状のアルミ試作を依頼したい方向けに、砂型で大物を試作する理由、2,000mm・500kgクラスに対応する設備を持つ会社(JMC、前橋橋本合金、木村鋳造所、日邦産業、光軽金属工業)、3Dプリント砂型の造形サイズ上限、熱処理・加工・CT検査の体制、初品までの期間を公式記載で解説します。

公開 2026年9月30日

ギガキャストは、車体の大きな構造部品を1つのダイカストで作る手法で、型締力3,000〜6,000tクラスのマシンを使います。この量産金型を起こす前に、同じ形状を砂型で試作するのが国内での進め方のひとつです。

このページでは、大物・複雑形状の試作を受ける会社の設備と条件を整理します。

ギガキャストとは何か:型締力3,000〜6,000tクラス

JMCは「ギガキャスト試作」を「型締力3,000〜6,000tクラスのダイカストを想定した試作」と定義し、サスペンションメンバーやアンダーボディを中心に自動車分野で30型・500台以上の製造実績を公式に挙げています。

  • 対象:型締力3,000〜6,000tクラスのダイカスト(メガキャストクラスも含む)
  • 実績:自動車分野で30型・500台以上(協働ロボット用部品も多数)
  • 初品:大型製品でも1.5〜2か月で立ち上げ
  • 生産能力:7〜8台/日、月産最大100台

日本ダイカスト協会の資料では、ダイカストは「1つの金型で数万回は繰り返し使用可能」で、ダイカスト金型は固定型と可動型に大別され熱間工具鋼SKD61などで作られます。ギガキャスト級の金型は規模が大きいため、金型を起こす前の形状検証に砂型試作が使われます。

大物試作を砂型で行う理由(協会の砂型の利点)

日本ダイカスト協会「他の製造方法との比較」は、ダイカストとの比較における砂型鋳物の利点を6つ挙げています。大物試作に直接関わるものを整理します。

協会資料の砂型鋳物の利点大物試作での意味
少量の生産には経済的である金型を起こさず数台〜数十台を作れる
アンダーカット形状が容易に成形できる中子で複雑な内部形状を再現できる
大物が作れるダイカストマシンの型締力に縛られない
溶接が容易にできる試作品の補修・改造がしやすい
試作期間が短い金型製作の期間を省ける

一方、協会の比較図では砂型鋳造の寸法精度・鋳肌・薄肉はダイカストより低い位置にあります。JMCは砂型でCT7(形状によってはCT6)、平均肉厚2.5mm・最小1.5mmを目安に掲げており、この差を試作専門の工程管理で詰めています。

2m角・500kgクラスに対応する設備を持つ会社

大物試作は、溶解炉の容量・鋳造炉のサイズ・砂型の造形サイズで上限が決まります。公式に大型の寸法・重量を出している会社を並べます。

会社公式の最大寸法・重量工法材質(公式)
JMC(長野県飯田市)大型低圧鋳造炉2,000×2,000mm・500kg、砂型3Dプリンター800×500×400mm3Dプリント砂型・低圧鋳造・砂型AC2A〜AC8A、ADC12、マグネシウム(AZ91D、ZE41A、EV31、WE54A)
前橋橋本合金(群馬県前橋市)最大重量200kg、最大寸法2,000mm砂型・3Dプリント砂型AC2A、AC2B、AC4A、AC4C、AC4CH、AC7A、マグネシウムAZ91(MC2)
木村鋳造所(静岡県)DMPボックスサイズ1,800×1,000×700mm程度、アルミニウム合金は20kg以下3Dプリント砂型(DMP)アルミニウム合金(事例はAC4C)
日邦産業(愛知県名古屋市)アルミ1,500×800×700mm、重量50kg程度まで石膏鋳造AC2A〜AC8A、ADC1・ADC6・ADC10・ADC12・ADC14ほか、DMS系
光軽金属工業(岡山県)砂型鋳造700×700mm・150kg砂型(MIN1個、納期1.5ヶ月〜)AC2A・AC3A・AC4A・AC4C・AC4CH・AC7Aほか
プロテックジャパン(東京都板橋区)石膏鋳造1,000×1,000×300mm石膏鋳造AC4C、AC7A、ADC12、AZ91Dほか
八百谷金属工業(兵庫県明石市)最大100kgの鋳物砂型・石膏鋳造AC2A〜AC7A、ADC12
ニューテック(長野県長野市)800×800mm(最長1,000mm実績)、35kg石膏鋳造ADC12、AC4CHほか

2m角・数百kgに達するギガキャスト級は、JMCの大型低圧鋳造炉と前橋橋本合金の砂型(2,000mm・200kg)が公式の対応範囲に入ります。三和軽合金製作所も「大型アルミ砂型鋳造品」と「自硬性砂型は大物で少量の生産品にも向いています」を掲げていますが、最大寸法の数値は公式に記載がありません。

3Dプリント砂型の造形サイズ上限と分割

3Dプリント砂型は木型を省けますが、装置の造形サイズに上限があります。造形サイズを超える砂型は、分割して造形し組み合わせるか、木型砂型と併用することになります。

  • JMC:砂型3Dプリンター S-Print 造形サイズL800×W500×H400mm。鋳造は大型低圧鋳造炉2,000×2,000mm・500kg
  • 木村鋳造所:DMPボックスサイズ1,800×1,000×700mm程度。CTスキャン検査の最大サンプル重量50kg
  • コイワイ:EOSINT S 2台・ExOne S-Max 2台(造形サイズの記載なし)、1個から対応
  • 前橋橋本合金:積層砂型3Dプリンター(造形サイズの記載なし)、砂型全体では2,000mm・200kg

JMCの造形サイズ(800×500×400mm)と鋳造炉のサイズ(2,000×2,000mm)に差があることから、ギガキャスト級では砂型を分割造形して組み立てる前提と読めます。分割の方法と精度への影響は、公式に記載がないため見積時に確認してください。

大物の熱処理・加工・CT検査の体制

大物は鋳造後の熱処理炉・加工機・検査装置にも寸法の制約があります。公式に大物向けの設備を記載している会社を整理します。

工程公式記載
熱処理JMC:T4/T5/T6/T7を社内一貫。前橋橋本合金:T6処理炉(九州工場)。光軽金属工業:熱処理炉2基
機械加工JMC:5軸機械加工。前橋橋本合金:横形マシニングセンタ3台・CNC旋盤2台。木村鋳造所:マシニングセンタ多数・5軸アタッチメント。光軽金属工業:横形MC16台・立形MC7台
X線CTJMC:phoenix v|tome|x c450ほか計6台。木村鋳造所:CTスキャン(最大50kg)・非接触3次元スキャナー
三次元測定木村鋳造所:東京精密製三次元座標測定機(900×1,200×800mm)・アーム式3次元測定機。前橋橋本合金:XYZAX NEX 9/6/6
後処理JMC:化成処理・アルマイト・塗装・含浸・HIP。光軽金属工業:リークテスト・塗装・表面処理
認証JMC:ISO9001・JIS Q 9100。木村鋳造所:ISO9001(全工場)・船級(ClassNK、LR、DNV GL、ABS、CCS)。光軽金属工業:ISO9001・ISO14001

木村鋳造所の三次元座標測定機は測定範囲900×1,200×800mmと公式に記載があり、大物の全体寸法を接触式で測れる範囲の目安になります。それを超える寸法は、非接触3次元スキャナーやアーム式測定機の対象です。

初品までの期間と台数の目安

大物試作の納期は、会社と工法で大きく異なります。公式に日数や台数を出している会社を並べます。

  • JMC:ギガキャスト試作は初品製造まで1.5〜2か月、7〜8台/日・月産最大100台の生産能力、30型・500台以上の実績
  • 光軽金属工業:砂型鋳造1.5ヶ月〜(MIN1個・MAX2,000個)、金型重力鋳造2ヶ月〜(MIN40個)
  • 木村鋳造所:DMP通常納期7日から(試作品目・工事内容による)、アルミは20kg以下
  • マルサン木型製作所:10台未満の試作から500台程度の小ロット量産まで(国内で試鋳・検査後、ベトナム工場で量産)
  • 前橋橋本合金:納期の記載なし、「図面をいただければすぐに担当者より御見積」

JMCの「初品まで1.5〜2か月」は、砂型3Dプリント・鋳造・熱処理・加工・CT検査を社内一貫で行う前提の数字です。協力会社を経由する工程が入ると、この目安より延びる可能性があります。

大物試作の相談で伝えるべき内容

大物は「作れるか」の判断自体に設備の照合が要るため、最初の相談で寸法と重量を明示します。各社の公式記載に合わせて、次の項目を用意してください。

  1. 最大外形寸法と概算重量:JMC(2,000×2,000mm・500kg)、前橋橋本合金(2,000mm・200kg)、光軽金属工業(700×700mm・150kg)のどの範囲に入るか
  2. 肉厚:JMCは平均肉厚2.5mm・最小1.5mmを目安と公開。協会の一般肉厚(アルミニウムダイカストの大物2.0〜6.0mm)との差を伝える
  3. 中子の複雑さ:内部流路・アンダーカットの有無(協会資料は砂型の利点に「アンダーカット形状が容易」を挙げる)
  4. 材質と質別:AC4C-T6のような鋳物合金か、ADC12のような量産材か(JMCは砂型用アルミ合金に加えADC12・マグネシウムも対応材料に掲載)
  5. 台数と段階:初品1台か、月産数十台の先行量産まで見込むか
  6. 検査:X線CT・三次元測定の要否と、測定範囲を超える場合の非接触測定の可否

JMCは対応材料ページに「当社の参考値であり規定値ではありません」と注記しています。材質の保証範囲は、相談の際に別途確認してください。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

ギガキャストの試作はどこに頼めますか?

JMC(長野県飯田市の鋳造拠点)が「ギガキャスト試作」を公式に掲げ、型締力3,000〜6,000tクラスのダイカストを想定した砂型試作で自動車分野30型・500台以上の実績、初品まで1.5〜2か月、大型低圧鋳造炉2,000×2,000mm・500kgを公開しています。砂型で2,000mm・200kgまでなら前橋橋本合金も公式に対応範囲としています。

なぜギガキャストの試作を砂型で作るのですか?

日本ダイカスト協会の資料は、ダイカストとの比較における砂型鋳物の利点として、少量生産に経済的、アンダーカット形状が容易、大物が作れる、試作期間が短い、を挙げています。ダイカスト金型は熱間工具鋼で作り数万回の使用を前提とするため、金型を起こす前の形状検証に砂型が使われます。

大物のアルミ鋳物は何kgまで試作できますか?

公式記載では、JMCが大型低圧鋳造炉で500kg、前橋橋本合金が砂型で最大200kg・2,000mm、光軽金属工業が砂型で150kg・700×700mm、八百谷金属工業が最大100kg、日邦産業が石膏鋳造で50kg程度・1,500×800×700mm、ニューテックが石膏鋳造で35kg・800×800mmです。木村鋳造所のDMPはアルミニウム合金20kg以下と記載しています。

大物の鋳造試作の納期はどれくらいですか?

JMCはギガキャスト試作の初品製造まで1.5〜2か月、光軽金属工業は砂型鋳造1.5ヶ月〜と公式に記載しています。木村鋳造所のDMPは通常納期7日からですが、アルミは20kg以下が対象です。熱処理・加工・CT検査を社内一貫で行うかどうかで日数が変わるため、完成品の納期は見積時に確認してください。

【目的別】軽金属鋳造の試作会社おすすめ3選

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2

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