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EV・モーターケースの試作をしたい|量産材ADC12・水冷ジャケット・気密検査まで対応する会社の選び方【2026年版】

EVのモーターケース・インバーターケース・PCUケースの鋳造試作を依頼したい方向けに、公式事例にEV関連部品を挙げる会社(クライム・ワークス、共栄デザイン、日邦産業、ニューテック、東京鋳造所、JMC)、量産材ADC12で評価する工法、水冷ジャケット付き大型ケースの砂型・低圧鋳造、リーク・耐圧・X線CTの検査体制、試作から量産までの進め方を国内34社の公式記載で解説します。

公開 2026年9月30日

EVのモーターケースやインバーターケースは、薄肉で大きく、内部に冷却流路を持ち、気密が求められる部品です。量産はダイカストが主流のため、試作で「量産材で作るか」「形状を先に確かめるか」の判断が要ります。

このページでは、公式サイトにEV・モーター関連の事例を挙げる会社と、工法・検査の選び方を整理します。

モーターケース・インバーターケース試作の要求事項

モーターケース類の試作で確認する項目は、形状・寸法だけでは終わりません。各社の公式記載と日本ダイカスト協会の設計ガイドから、要求事項を整理します。

要求事項内容関係する公式記載
量産材での評価量産のADC12と同じ材質で鋳肌・寸法・組付けを確認するニューテック「ADC12材でダイカスト同等品質の試作」、日邦産業「ADC1・ADC6・ADC10・ADC12・ADC14他」
薄肉協会の一般肉厚はアルミニウムダイカストの大物で2.0〜6.0mm、小物で0.8〜3.0mmニューテック最小肉厚0.8mm、日邦産業0.8mm、JMC平均肉厚2.5mm・最小1.5mm
大きさケースは数百mm角になることが多い日邦産業1,500×800×700mm・50kg程度、JMC 2,000×2,000mm・500kg
冷却流路水冷ジャケットの中子形状三和軽合金製作所「一体型水冷ジャケット」、JMCの3Dプリント砂型
気密冷却水や油の漏れがないことクライム・ワークス(リーク試験機)、光軽金属工業(差圧式・水没式リーク検査)

協会の設計ガイドは「できる限り均一な肉厚にする」「大きく平らな表面については、梨地にすることが望ましい」「リブや中子の使用により、駄肉を除去する」と、ケース形状に直接関わる指針を示しています。試作の前に、この指針に沿って肉厚とリブを整理しておくと工法の選択肢が広がります。

公式事例にEV・モーター関連部品を挙げる会社

今回調査した34社のうち、公式サイトの事例や製品にEV・モーター・インバーター関連を明記している会社を並べます。工法が異なる点に注目してください。

会社公式に挙げる事例・製品工法本社
クライム・ワークスEVインバーターケース(設計検証の歩留まり改善)、モーターユニット、コントロールユニットダイカストスピード試作(ADC12材、10台以下)東京都大田区
共栄デザインインバーターケース/EV用PCUケース(先行開発事例)、高放熱性合金DMS石膏鋳造(最短5日、1個から)東京都八王子市
日邦産業インバータケース、モーターケース(エレクトロニクス・モビリティ向け)石膏鋳造(CT6相当、1個〜最大1,000個/年)愛知県名古屋市
ニューテックEV部品、エンジン系機能部品、トランスミッションケース、ドローン開発部品石膏鋳造・消失鋳造(ADC12でダイカスト同等品質)長野県長野市
東京鋳造所ハウジングモーター(水素自動車用モーターケース、トヨタMIRAI搭載)低圧鋳造・重力金型(AC4C-T6、AC4A-T6)群馬県高崎市
JMCギガキャスト試作(自動車分野で30型・500台以上、協働ロボット用部品も)、自動車・産業機械3Dプリント砂型・低圧鋳造長野県飯田市(本社横浜)
三和軽合金製作所一体型水冷ジャケット、大型アルミ砂型鋳造品砂型・重力金型大阪府摂津市
モールドモデル電池ケース、ヒートシンク(量産同等試作)石膏鋳造(ダイカスト用インゴット使用)山梨県都留市

ダイカスト試作ならクライム・ワークス、石膏鋳造なら共栄デザイン・日邦産業・ニューテック、大型・低圧なら東京鋳造所・JMCと、同じ「モーターケース」でも工法が分かれます。試作の目的が形状確認か、量産プロセスの再現かで選び方が変わります。

量産材ADC12で評価する工法(石膏鋳造・簡易金型)

量産がダイカストなら、試作も量産材のADC12で評価しないと、鋳肌・寸法・機械的性質の評価がずれます。金型を起こさずにADC12で試作する方法は2つあります。

  1. 石膏鋳造でADC12を鋳る:ニューテック(CT7級保証、5〜30個・100個まで相談可、最短2.5週間)、日邦産業(CT6相当、最短3週間)、共栄デザイン(5〜100個程度でダイカスト相当の品質)、アドバンス(ADC12、最大450×450×150mm)
  2. 簡易金型で実際にダイカストする:クライム・ワークス(DC鋳造品を石膏鋳造品並みの納期で、CT6(T1レベル)/CT7)、協和合金(3CDプロセス、データ完成から最短1週間、数十〜数百個)、プロテックジャパン(約20日、ロット50〜100程度、ADC12・ADC6・ADC3ほか)

協和合金は「開発試作からダイキャスト品で評価しておけば量産時の不具合を未然に防ぐことができます」としています。石膏鋳造は圧入をしないため、ダイカストの圧入プロセスに起因する内部品質まで見たい場合は簡易金型を選びます。

ニューテックは金型製造不要でコスト60%ダウン・納期50%短縮の事例を公開しており、形状確認と組付け評価を早く回す段階では石膏鋳造が使われます。両者を段階で使い分けるのが、EV部品の先行開発で見られる進め方です。

大型・水冷ジャケット付きの場合の砂型・低圧鋳造

モーターケースが石膏鋳造の最大寸法を超える場合や、水冷ジャケットのような複雑な中子を持つ場合は、砂型・3Dプリント砂型・低圧鋳造が候補になります。協会資料は砂型鋳物の利点として「アンダーカット形状が容易に成形できる」「大物が作れる」を挙げています。

会社設備・対応寸法(公式)関連する記載
JMC砂型3Dプリンター800×500×400mm、大型低圧鋳造炉2,000×2,000mm・500kg、低圧鋳造炉3基、溶解炉11基平均肉厚2.5mm・最小1.5mmの薄肉、T4〜T7熱処理、5軸機械加工、X線CT6台を社内一貫
東京鋳造所低圧鋳造工法を主力に高耐圧鋳物を製造、T5・T6処理炉、5軸マシニング2台水素自動車用モーターケースの製品例、IATF 16949:2016準拠
三和軽合金製作所生砂型・CO2・有機自硬性・フラン・シェル・金型・ダイカスト・ロストワックス一体型水冷ジャケット、鋳ぐるみ製品の実績
前橋橋本合金砂型 最大200kg・最大寸法2,000mm、積層砂型3Dプリンター最小ロット1個、ヘリウムリークディテクター2台
マルサン木型製作所大型低圧鋳造機、砂型アルミ鋳造10台未満の試作から500台程度の小ロット量産、X線CT装置
光軽金属工業砂型700×700mm・150kg(MIN1個)、金型重力鋳造700×700mm・20kg(MIN40個)産業機械のエンジン・トランスミッション部品、リーク検査NG対策の提案事例

東京鋳造所は「低圧鋳造工法を主力に高耐圧鋳物を製造」と明記しており、耐圧が要るケース類の量産工法として低圧鋳造を位置づけています。試作から量産まで低圧で通すなら、試作段階で同じ工法の会社に相談する選択があります。

気密・リーク・耐圧の検査設備

冷却水路を持つケースは、鋳巣による漏れが不良の原因になります。公式にリーク試験・耐圧試験・X線CTを記載している会社を整理します。

  • リーク試験:クライム・ワークス(リーク試験機)、光軽金属工業(差圧式・水没式)、前橋橋本合金(ヘリウムリークディテクター2台)、キングパーツ(ヘリウムリーク試験装置1台)、寿金属工業(耐圧試験(水没)・圧漏れ検査)
  • X線CT:JMC(計6台)、ニューテック(XT H 320LC)、東京鋳造所(X線CT/X線透過装置)、マルサン木型製作所、寿金属工業、三協ダイカスト(内部巣を監視・分析)
  • 含浸(鋳巣の封止):JMC、共栄デザイン、コイワイ(内製)
  • 三次元測定:クライム・ワークス(ミツトヨ Crysta-Apex 4台)、共栄デザイン(Carl Zeiss CONTURA G2)、東京鋳造所(東京精密1台、ミツトヨ1台)

試作段階でリーク試験を通しておくと、量産で漏れが出たときに設計と工程のどちらの問題かを切り分けやすくなります。検査報告書の要否は見積時に指定してください。

試作から量産までの進め方の例

各社の公式記載を組み合わせると、EV用ケースの試作は次のような段階で進められます。会社の名前は、その段階を公式に掲げる例です。

  1. 形状・組付けの確認(1〜数個):共栄デザイン(最短5日、1個から)、ジャノメダイカスト(3Dデータから最短7日、アルミ・マグネシウムダイカスト製品の石膏鋳造試作)
  2. 量産材ADC12での評価(5〜30個):ニューテック(CT7級保証)、日邦産業(CT6相当、1個〜1,000個/年)
  3. ダイカストプロセスでの評価(10台以下〜数百個):クライム・ワークス(10台以下)、協和合金(数十〜数百個)、プロテックジャパン(ロット50〜100)
  4. 大型・低圧の先行量産:JMC(試作・小ロット量産)、東京鋳造所(低圧鋳造)、マルサン木型製作所(500台程度まで)
  5. 量産金型:光軽金属工業(ダイカストMIN100、3.5ヶ月〜)、寿金属工業(ダイカスト125〜800t)

寿金属工業は「ダイカスト・重力・砂型・石膏の4工法を保有」し、自動車用アルミニウム合金鋳造部品の製造を主事業としています。試作から量産まで同じ会社で通したい場合は、複数工法を持つ会社が候補になります。

発注前に決めておく仕様項目

モーターケース類の見積依頼では、次の項目を先に決めておくと、工法の提案と見積が早く返ってきます。

  • 材質と質別:ADC12(量産材)か、AC4C-T6のような鋳物合金か
  • 数量と段階:今回の個数と、次の段階の想定数量
  • 最大外形と重量:石膏鋳造の上限(日邦産業1,500×800×700mm、ニューテック800×800mm・35kg)に収まるか
  • 肉厚と抜き勾配:協会の一般肉厚(大物2.0〜6.0mm)に対する設計値、石膏鋳造は抜き勾配0°対応(日邦産業、ニューテック、共栄デザイン)
  • 冷却流路の有無:中子形状と気密要求(リーク試験の圧力条件)
  • 後加工と検査:機械加工・熱処理・表面処理の範囲、三次元測定・X線CT・リーク試験の要否

クライム・ワークスは「製品企画・開発から試作品の制作、検証用治具の提供まで一貫して支援」と記載しています。仕様が固まっていない段階でも、上記の項目を「未定」と明示して相談すれば、工法から提案を受けられます。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

EVのモーターケースの試作はどこに頼めますか?

公式サイトにEV・モーター関連の事例を挙げているのは、クライム・ワークス(EVインバーターケース、モーターユニット、ダイカストスピード試作)、共栄デザイン(インバーターケース/EV用PCUケース、石膏鋳造)、日邦産業(インバータケース、モーターケース、石膏鋳造)、ニューテック(EV部品、石膏鋳造)、東京鋳造所(水素自動車用モーターケース、低圧鋳造)、JMC(ギガキャスト試作、3Dプリント砂型)です。

モーターケースの試作を量産と同じADC12で作れますか?

作れます。ニューテックは「ADC12材でダイカスト同等品質の試作」を石膏鋳造でCT7級保証、日邦産業はADC12を含むダイカスト合金でCT6相当を掲げています。実際にダイカストマシンで鋳造したい場合は、クライム・ワークス(ADC12材、10台以下、CT6(T1レベル)/CT7)や協和合金(簡易金型、数十〜数百個)、プロテックジャパン(簡易金型、ロット50〜100)があります。

水冷ジャケット付きのケースは試作できますか?

砂型系の工法が候補です。日本ダイカスト協会の資料は砂型鋳物の利点にアンダーカット形状の成形が容易なことを挙げています。JMCは3Dプリント砂型(800×500×400mm)と大型低圧鋳造炉(2,000×2,000mm・500kg)、三和軽合金製作所は一体型水冷ジャケットの実績、東京鋳造所は低圧鋳造で高耐圧鋳物を公式に記載しています。

モーターケースの気密検査まで試作会社で頼めますか?

頼めます。クライム・ワークスはリーク試験機、光軽金属工業は差圧式・水没式リーク検査、前橋橋本合金はヘリウムリークディテクター2台、寿金属工業は耐圧試験(水没)・圧漏れ検査を公式に記載しています。内部の巣はJMC(X線CT6台)やニューテック(X線CT XT H 320LC)などがX線CTで確認できます。

【目的別】軽金属鋳造の試作会社おすすめ3選

※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

量産と同じダイカスト材で、金型なしに評価したいなら

株式会社ニューテック

ADC12でダイカスト同等品質の試作。試作実績1万件超、石膏鋳造は最短2.5週間

アルミ・マグネシウムの精密鋳造専門で試作実績10,000件以上。ADC12・AC4CH・A357などアルミ9種、ZE41A・AM60などマグネシウムに対応し、石膏鋳造はCT7級保証(CT5・6の実績)、消失鋳造はCT8級保証。最大800×800mm・35kg、最小肉厚0.8mm。5軸加工機・熱処理炉2基・X線CTを社内に持ち、完成品で納める。

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2

大物・複雑形状・ギガキャスト級の砂型試作なら

株式会社JMC

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砂型3Dプリンター(造形800×500×400mm)と大型低圧鋳造炉(2,000×2,000mm・500kg)を持ち、アルミ専用9基・マグネシウム専用2基の溶解炉で試作・小ロット量産に対応。T4〜T7熱処理、5軸機械加工、化成処理・アルマイト・含浸・HIP、X線CT6台まで社内一貫。ISO9001・JIS Q 9100、鋳造公差CT7(形状によりCT6)。ギガキャスト試作で自動車分野30型・500台以上の実績。

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3

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