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軽金属鋳造の試作 · 用途別

ヒートシンク・高熱伝導部品を鋳造で試作したい|HT-1・DMS系合金と薄肉フィンに対応する会社【2026年版】

ヒートシンクや放熱ケースなど高熱伝導部品の鋳造試作を依頼したい方向けに、高熱伝導アルミ(HT-1・DMS系)を公式に挙げる会社(共栄デザイン、日邦産業、アドバンス、プロテックジャパン、太陽パーツ)、ヒートシンクの事例を持つ会社(イナテック、モールドモデル、八百谷金属工業、光軽金属工業)、薄肉フィンと抜き勾配の考え方、削り出し・金属3Dプリントとの使い分けを公式記載で解説します。

公開 2026年10月1日

ヒートシンクは、薄いフィンを高く並べ、熱を逃がす面積を稼ぐ部品です。鋳造で試作するときは、材質の熱伝導と、フィンをどこまで薄く高くできるかの2点で会社が絞られます。

このページでは、高熱伝導合金とヒートシンク事例を公式に掲げる会社を、今回調査した34社の公式サイトの記載から整理します。

日本ダイカスト協会の資料は、プラスチック成形品と比べたダイカストの利点に「熱伝導率が大で、放熱性が良い」を挙げています。同じ資料のアルミニウム合金ダイカストの製品例には、ヒートシンクや油圧ポンプ用コントローラー筐体が並びます。

  • 放熱性:熱伝導率が大で、放熱性が良い(協会「他の製造方法との比較」)
  • 製品例:ヒートシンク、油圧ポンプ用コントローラー筐体、ファン用ケーシング(協会「電気機械・通信機器」)
  • 耐熱:耐熱性に優れ、燃えない(同上の比較表)

量産がダイカストでも、試作は石膏鋳造や砂型で行う例が多くあります。その場合は、合金と薄肉の条件を会社ごとに確認します。

放熱の評価は材質で結果が変わるため、まず合金、次にフィンの形、最後に数量という順で会社を絞ると迷いません。

高熱伝導アルミ(HT-1・DMS系)を公式に挙げる会社

今回調査した34社のうち、高熱伝導系の合金名を対応材質に書いている会社は次の5社です。

会社公式に挙げる高熱伝導系合金工法
共栄デザインHT-1、DMS1、DMS3(高熱伝導性アルミ)石膏鋳造(1個から、最短5日)
日邦産業DMS1、DMS3、DMS4、DMS5、DHT-1(特殊合金)石膏鋳造(CT6相当、最短3週間)
アドバンスHT-1(高熱伝導アルミ)、Sirafont 36石膏鋳造(最大450×450×150mm)
プロテックジャパンHT-1(簡易金型ダイキャストの対応材)簡易金型ダイキャスト(約20日)
太陽パーツHT-1(アルミ)ダイカスト(カセットシステム、50個/1ロットから)

HT-1は4社、DMS系は共栄デザインと日邦産業の2社が記載しています。会社独自や特定メーカーの合金は扱える会社が限られるため、量産で使う合金名をそのまま伝えて対応可否を確認します。

公式事例にヒートシンクがある会社

ヒートシンクそのものを事例や製品に挙げている会社を並べます。工法と数字が会社ごとに異なります。

会社公式の事例・記載工法と条件
イナテックパワーコンディショナ用ヒートシンク。フィン高さ80mm・製品長700mm精密砂型鋳造、CT6級、最小肉厚1.5mm、ロット1〜
共栄デザインヒートシンク・薄肉フィン(高放熱性合金DMSシリーズ)石膏鋳造、寸法公差±0.2〜0.7mm
モールドモデルヒートシンク(量産同等試作)、特殊形状ヒートシンク(小ロット)石膏鋳造、ダイカスト用インゴット使用、5〜100個程度
八百谷金属工業石膏鋳造は薄肉鋳物やヒートシンクに用いられ、抜き勾配が不要石膏鋳造・砂型、10g〜最大100kg
光軽金属工業ミッション・ヒートシンクの削り出し試作(A5052、A6061、ADC12)削り出し、3Dデータ受領後2週間程度

イナテックは製品長700mmのヒートシンクを公式に示しており、最大寸法400×400mmの記載と合わせて、長尺品の可否は形状で確認します。

薄肉・高いフィンで効く工法の条件

フィンの薄さは最小肉厚、フィンの高さと本数は抜き勾配の扱いで決まります。石膏鋳造は型を崩して取り出すため、抜き勾配ゼロを掲げる会社があります。

  • 最小肉厚:ニューテック0.8mm〜、日邦産業0.8mm〜、プロテックジャパン0.6mm、ジャノメダイカスト0.5mm実績(いずれも石膏鋳造)
  • 抜き勾配ゼロ:ニューテック、日邦産業、共栄デザイン、モールドモデル、八百谷金属工業
  • 精密砂型:イナテックは最小肉厚1.5mm・肉厚公差±0.3mm
  • 薄肉のダイカスト:STGはマグネシウムで薄肉0.35mmに対応

量産ダイカストでは抜き勾配が必要になるため、試作を勾配ゼロで作る場合は、量産図面で勾配を足す前提を最初に伝えます。

筐体と放熱部を一体にしたケースの試作

インバーターや電源のケースは、筐体そのものに放熱の役割を持たせる設計が多い部品です。公式にケース類の事例を挙げる会社を並べます。

会社公式に挙げるケース類の事例工法
共栄デザインインバーターケース/EV用PCUケース(先行開発事例)、自動車向け高放熱性合金DMS石膏鋳造
日邦産業インバータケース、モーターケース石膏鋳造(アルミ最大1,500×800×700mm)
クライム・ワークスEVインバーターケース、コントロールユニットダイカストスピード試作(ADC12材、10台以下)
モールドモデル電池ケース、ヒートシンク(量産同等試作)石膏鋳造
ニューテックEV部品、エンジン系機能部品石膏鋳造(ADC12でダイカスト同等品質)

ケースの大きさが石膏鋳造の上限を超える場合は、JMCの大型低圧鋳造炉(2,000×2,000mm・500kg)のような砂型系の設備が候補になります。放熱合金を使う場合は、その合金を砂型で扱えるかも合わせて確認します。

フィン部品の仕上げと検査

フィンの多い部品は、表面処理と寸法測定で手間が変わります。公式に記載のある設備と処理を整理します。

  • 表面処理:共栄デザイン(めっき・アルマイト・含浸・熱処理)、アドバンス(塗装・めっき・アルマイト処理)、JMC(化成処理・アルマイト・塗装)
  • 寸法測定:共栄デザイン(Carl Zeiss CONTURA G2)、ニューテック(三次元測定器2台、ATOS CS 5M)、イナテック(三次元測定機・非接触デジタイザ)
  • 内部の確認:ニューテック(X線CT XT H 320LC)、JMC(X線CT計6台)、イナテック(CT検査)

薄いフィンは測定の当て方で値が変わるため、測る箇所と方法を依頼時に決めておくと、検査報告の読み違いを防げます。

削り出し・金属3Dプリントとの使い分け

ヒートシンクの試作は、鋳造以外にも削り出しと金属3Dプリントが選択肢に入ります。目的で選び分けます。

方法向く目的公式記載の例
鋳造(石膏・砂型)量産に近い合金と鋳肌で放熱を評価する共栄デザイン(DMS・HT-1)、日邦産業(DMS系)、イナテック
削り出し1個で形状と熱の傾向を早く見る光軽金属工業(A5052・A6061・ADC12、2週間程度)
金属3Dプリント内部流路など鋳造しにくい形状を試す白銅(自動車の熱交換器 AlSi12の事例、最短4日の場合あり)

削り出しや積層造形の材料は、鋳造合金と熱伝導が同じとは限りません。放熱の数値を量産の判断に使うなら、量産と同じ合金で鋳造した試作品で評価します。

放熱部品の依頼で決めておくこと

放熱部品は、合金名とフィン形状の情報が見積の可否を左右します。次の項目を依頼文にそろえます。

  1. 合金名:HT-1、DMS1など量産予定の合金を指定する(対応会社は上表)
  2. フィン寸法:最も薄い箇所の厚さ、フィン高さ、ピッチ
  3. 抜き勾配:試作で勾配ゼロにするか、量産形状で作るか
  4. 数量:共栄デザインは1個から、モールドモデルは5〜100個程度、ニューテックは石膏鋳造5〜30個(100個まで相談可)
  5. 後加工:取付面の機械加工、アルマイトなど表面処理の要否

3選のうち、共栄デザインは高熱伝導合金とヒートシンク事例を公式に持ち、ニューテックは石膏鋳造で最小肉厚0.8mm、JMCは大型の砂型に対応します。部品の大きさとフィンの薄さに合わせて相談先を選んでください。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

ヒートシンクを鋳造で試作できる会社はどこですか?

公式にヒートシンクの事例を挙げているのは、イナテック(パワーコンディショナ用、精密砂型鋳造)、共栄デザイン(薄肉フィン、高放熱性合金DMSシリーズ)、モールドモデル(量産同等試作、石膏鋳造)、八百谷金属工業(石膏鋳造)、光軽金属工業(削り出し試作)です。

HT-1やDMSなどの高熱伝導アルミで試作できますか?

できます。HT-1は共栄デザイン、アドバンス、プロテックジャパン(簡易金型ダイキャスト)、太陽パーツが、DMS系は共栄デザイン(DMS1・DMS3)と日邦産業(DMS1・DMS3・DMS4・DMS5)が公式に対応材質として挙げています。

ヒートシンクのフィンはどこまで薄くできますか?

公式の最小肉厚は、石膏鋳造でジャノメダイカスト0.5mm実績、プロテックジャパン0.6mm、ニューテックと日邦産業0.8mm〜、精密砂型でイナテック1.5mmです。フィン高さとピッチでも可否が変わるため、最も薄い箇所の寸法を添えて相談してください。

【目的別】軽金属鋳造の試作会社おすすめ3選

※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

量産と同じダイカスト材で、金型なしに評価したいなら

株式会社ニューテック

ADC12でダイカスト同等品質の試作。試作実績1万件超、石膏鋳造は最短2.5週間

アルミ・マグネシウムの精密鋳造専門で試作実績10,000件以上。ADC12・AC4CH・A357などアルミ9種、ZE41A・AM60などマグネシウムに対応し、石膏鋳造はCT7級保証(CT5・6の実績)、消失鋳造はCT8級保証。最大800×800mm・35kg、最小肉厚0.8mm。5軸加工機・熱処理炉2基・X線CTを社内に持ち、完成品で納める。

株式会社ニューテックの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

大物・複雑形状・ギガキャスト級の砂型試作なら

株式会社JMC

3Dプリント砂型で木型を省き、2m角・500kgまで。熱処理から5軸加工・CT検査まで社内一貫

砂型3Dプリンター(造形800×500×400mm)と大型低圧鋳造炉(2,000×2,000mm・500kg)を持ち、アルミ専用9基・マグネシウム専用2基の溶解炉で試作・小ロット量産に対応。T4〜T7熱処理、5軸機械加工、化成処理・アルマイト・含浸・HIP、X線CT6台まで社内一貫。ISO9001・JIS Q 9100、鋳造公差CT7(形状によりCT6)。ギガキャスト試作で自動車分野30型・500台以上の実績。

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3

まず1個を、数日で手に取りたいなら

株式会社 共栄デザイン

石膏鋳造で最短5日。1個から月1個の少量生産まで、亜鉛や高熱伝導合金も

金型を使わない石膏鋳型で「最短5日で高精度な試作品」を製作し、1個からの試作・月1個の少量生産に対応。アルミ鋳物合金AC2A〜AC8A、ダイカスト用ADC12・ADC1・ADC6、亜鉛ZDC1・ZDC2、高熱伝導アルミHT-1・DMSに対応。寸法公差±0.2〜0.7mm、Carl Zeissの三次元測定機、社内マシニングで機械加工。5〜100個ならダイカスト相当の品質、小ロット製造は素材初品3週間〜。

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