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回転ドアの安全|JIS A 4721の廃止とJIS A 4722への統合、円形ドアとの違い【2026年版】

自動回転ドアの安全規格JIS A 4721は2017年9月20日に廃止され、内容は歩行者用自動ドアセットの安全規格JIS A 4722に統合されました。回転ドアと円形ドアの違い、規格の移り変わり、回転ドア・円形ドアを扱う会社、既設の回転ドアを持つ建物の管理者が確認することを整理しました。

公開 2026年10月1日

ホテルやオフィスビルの正面に見かける回転ドアは、引戸の自動ドアとは動きがまったく違う設備です。羽根が回り続けるため、通る人と扉の関係も、安全の考え方も独自のものがあります。

このページでは、回転ドアと円形ドアの違い、安全規格の移り変わり、JIS A 4722に統合された意味、回転ドアを扱う会社、既設の回転ドアを持つ建物で確認することを整理します。

回転ドアと円形ドアは別の仕組み

見た目が似ているため混同されますが、回転ドアと円形ドアは扉の動き方が違います。

種類動き方公式に記載のある製品・会社
回転ドア中心の軸のまわりを羽根(扉)が回転し、羽根で仕切られた区画に入って通る扶桑電機工業(世界初の回転ドアシステムを開発、東京ドームに採用)、ナブテスコ、ナブコドア、ナブコシステム、北陽オートドア(回転式)
円形ドア円弧状のレールに沿って曲面の扉が左右に開く引戸日本自動ドア(RD)、ナブテスコ、扶桑電機工業、寺岡オート・ドアシステム、オリエント産業(円形引戸)、ソリック(円形式エンジンDR)

円形ドアは引戸の一種で、扉が左右に開いて通路ができます。回転ドアは羽根が回り続けるため、通る人が羽根の動きに合わせて歩く必要があります。

この違いが、安全の考え方の違いになります。引戸は「開くとき」「閉じるとき」の局面で対策を考えますが、回転ドアは羽根が動き続ける間ずっと人が扉の中にいる点が異なります。

安全規格の移り変わり

回転ドアの安全規格は、独立した規格から、歩行者用自動ドア全体の規格へと統合されました。全国自動ドア産業振興会とナブテスコの解説に基づく年表です。

年月日出来事
2017年3月21日JIS A 4722「歩行者用自動ドアセット-安全性」制定
2017年9月20日JIS A 4721廃止。内容はJIS A 4722に統合
2021年6月25日消費者庁 消費者安全調査委員会が「自動ドアによる事故」の報告書を公表
2022年9月20日JIS A 4722改正。子どもへの配慮とバリアフリートイレ用の要求事項を追加

JIS A 4722の制定前、引戸の自動ドアには全国自動ドア協会の安全ガイドラインしかありませんでした。安全性のJISを持っていたのは回転ドア(JIS A 4721)で、引戸は協会のガイドラインに頼っていました。

統合によって、引戸も回転ドアも同じ規格の下に入ったことになります。

JIS A 4722に統合されたことの意味

統合によって、回転ドアも「歩行者用自動ドアセット」の一つとして扱われるようになりました。JIS A 4722の性格から読み取れる点を挙げます。

  • 対象は駆動装置単体ではなく「ドアセット」。扉・駆動装置・センサー・表示を組み合わせた状態で安全性を判断する
  • 製品設計から保全点検まで、全プロセスが対象
  • 共通の要求事項に、装置・センサー、案内・警告表示、保全点検/記録が含まれる
  • 2022年改正の「子どもへの配慮が必要な場合の追加要求事項」は、回転ドアを置く施設にもかかわる
  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)は平成31年版以降、JIS A 4722を反映

ナブテスコは、JIS A 4722の制定によってメーカー・設計者・建物所有者それぞれの取り組みが明確になったと説明しています。回転ドアも、設置した後の管理まで含めて規格の対象です。

回転ドアに固有の要求事項の細部は、規格本文で確認する必要があります。設計者や施工会社に、提案する回転ドアがJIS A 4722のどの項目に対応するかを書面で求めてください。

子どもと高齢者への配慮

消費者庁の消費者安全調査委員会は、自動ドアによる事故の被害が9歳以下の子どもと高齢者に多いと指摘しました。報告書は自動ドア全般を対象にしていますが、回転ドアを置く建物にも同じ配慮が求められます。

  • 全国自動ドア協会の7つのポイント:ドアが十分に開いてから通行する、かけ込まない、ドアの間に立ち止まらない、斜めから入らない、通行中のスマートフォン使用禁止、周りで遊ばない、小さな子どもは手をつなぐ
  • 報告書は、製造業者・保全業者・建物所有者・管理者・設計者に安全対策の取り組みを求めた
  • 竹中エンジニアリングの自動ドア用音声装置DSV-100のように、音声で注意を促す機器がある

回転ドアは羽根の動きに合わせて歩く必要があるため、「かけ込まない」「周りで遊ばない」「手をつなぐ」の掲示は特に意味を持ちます。回転ドアの横に引戸や開き戸を併設し、ベビーカーや車椅子、子ども連れの人がそちらを選べるようにする配置も考えられます。

既設の回転ドアを持つ建物で確認すること

2017年9月20日より前に設置された自動回転ドアは、JIS A 4721が有効だった時期の製品です。建物の所有者・管理者は、次の点を保守会社と確認してください。

  1. 設置年と、製造・施工した会社(ドアのステッカーや保証書で確認できると全国自動ドア協会は案内)
  2. 保守契約の点検項目に、回転ドアの安全装置の作動確認が含まれているか
  3. 全国自動ドア協会が推奨する3か月ごと(年4回)の点検に近い頻度で見ているか
  4. 点検の記録が残っているか(JIS A 4722は保全点検と記録を共通要求事項に含む)
  5. 併設の引戸・開き戸があるか、案内表示で誘導できているか
  6. 部品の供給が続いているか、更新の時期を保守会社がどう見ているか

回転ドアを扱う会社は、公式サイトの記載では扶桑電機工業・ナブテスコ・ナブコドア・ナブコシステム・北陽オートドアです。NABCO製は、東日本はナブコシステム、西日本はナブコドアが窓口になります。

保守の頻度は会社で違います。扶桑電機工業の定期保守点検は標準年4回(年2〜6回に変更可)、ナブコドアの従来機種プランは標準年2回で、ナブコドアはコールセンターで24時間・365日の修理受付を掲げています。

回転ドアを新しく入れる・替えるときの比べ方

回転ドアを新設するか、別の方式に替えるかを考えるときは、目的から比べます。

目的回転ドアで得られることほかの選択肢(公式記載の例)
意匠・エントランスの印象建物の正面の象徴になる円形ドア(日本自動ドアRD、ナブテスコ、扶桑電機工業)
広い通行幅羽根の区画の広さに左右されるダブルスライドドア(扶桑電機工業、有効開口幅が約1.5倍)、多重スライド(日本自動ドア)
非常時の開放製品ごとの仕様によるパニックシステム(扶桑電機工業)、ブレイクアウト(日本自動ドアBO-SS/MBO)
バリアフリー併設の扉が必要になる場合がある床レールなしのスライドドア(ユニフロー)。施行令第19条は出入口の幅80cm以上

回転ドアを選ぶ場合も、併設の扉とあわせて入口全体で安全と通行のしやすさを設計することが前提になります。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

回転ドアの安全規格はありますか?

あります。自動回転ドアの安全規格だったJIS A 4721は2017年9月20日に廃止され、内容は歩行者用自動ドアセットの安全規格JIS A 4722(2017年3月21日制定)に統合されました。現在は引戸も回転ドアも同じ規格の対象です。

回転ドアと円形ドアの違いは何ですか?

回転ドアは中心の軸のまわりを羽根が回転し、羽根で仕切られた区画に入って通ります。円形ドアは円弧状のレールに沿って曲面の扉が左右に開く引戸の一種です。扶桑電機工業・ナブテスコなどが両方を、日本自動ドアはRD(円形自動ドア)を製品に載せています。

回転ドアを扱っている会社はどこですか?

公式サイトで回転ドアを確認できたのは、扶桑電機工業(世界初の回転ドアシステムを開発、東京ドームに採用)、ナブテスコ、ナブコドア、ナブコシステム、北陽オートドア(回転式)です。

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