契約書管理システム · 基礎知識
契約書管理システムと電子契約の違い|締結する仕組みと管理する仕組みを分けて選ぶ【2026年版】
電子契約は契約を締結する仕組み、契約書管理システムは締結した契約書を台帳にして期限を知らせ、探せるようにする仕組みです。掲載各社の公式情報から、両者の役割の違い、電子契約に管理機能が付いたサービスと管理専用のサービスの違い、組み合わせ方を整理しました。
契約書のデジタル化を考えるとき、電子契約と契約書管理システムが同じものとして語られることがあります。実際には役割が違い、どちらか一方だけでは解決しない課題もあります。
この記事では、両者の役割を分けたうえで、掲載各社のサービスがどちらに近いかを整理します。サービス名と料金は、調査日時点で各社の公式サイトに書かれている内容です。
これから電子契約を入れる会社と、すでに電子契約を使っていて締結後の管理に困っている会社の両方を想定しています。
電子契約と契約書管理の役割の違い
まず、2つの仕組みが受け持つ仕事を並べます。締結の前後で、担当する部分がはっきり分かれます。
| 比べる点 | 電子契約 | 契約書管理システム |
|---|---|---|
| 主な仕事 | 契約書を送り、相手と署名して締結する | 締結した契約書を台帳にし、期限を知らせ、探せるようにする |
| 扱う契約書 | そのサービスで締結した電子の契約書 | 紙で締結したもの、他社の電子契約で締結したものも含む |
| 中心になる機能 | 署名、タイムスタンプ、送信、承認 | 台帳、期限アラート、検索、権限、AIでの読み取り |
| 料金の決まり方 | 月額+送信件数が多い | 契約書の件数や利用者数に応じた個別見積が多い |
電子契約を入れても、過去の紙の契約書は残ります。取引先が別の電子契約サービスを指定することもあるため、締結の方法がばらばらな契約書をまとめる役が、契約書管理システムです。
電子契約に管理機能が付いたサービス
電子契約のサービスには、締結後の管理機能を備えたものがあります。掲載各社のうち、このタイプに当たるサービスを並べます。
| サービス | 管理の機能(公式の説明) | 料金の公開 |
|---|---|---|
| クラウドサイン | クラウドサイン カンリでAIが台帳を自動作成、書類インポート、クラウドサイン SCANで紙の取り込みを代行 | Light 月額11,000円(税込12,100円)など |
| WAN-Sign | 紙とデジタルの契約書の一元管理、文書ごとのリマインド通知 | 初期費用0円・月額費用0円(税抜き表示) |
| 電子印鑑GMOサイン | スキャンした紙の契約書を電子契約と一緒に保管・検索、契約更新通知、AI自動入力(ビジネス以上) | ライト 年間契約8,800円/月(税込9,680円)など |
| BtoBプラットフォーム 契約書 | 期限切れアラート、過去の契約書のスキャン代行 | シルバー月額¥10,000〜(税抜き) |
| マネーフォワード クラウド契約 | 紙や他社電子契約の契約書も一元管理、契約期間のアラート通知、AI-OCR | 法人向け2,480円/月〜(税抜) |
このタイプは料金を公開していることが多く、比べやすいのが利点です。ただし、AIでの台帳作成や紙の取り込みは、プランやオプションで範囲が変わります。
契約書の管理を中心にしたサービス
もう一つは、締結の仕組みを持たないか、持っていても管理を中心に据えたサービスです。電子契約で締結した契約書を取り込んで管理します。
- Hubble: AIで管理台帳を自動作成し、クラウドサイン・DocuSign・GMOサインと連携
- OPTiM Contract: 9項目をAIが台帳に自動入力し、電子契約で締結したファイルを一括で取り込み
- TOKIUM契約管理: 紙の契約書のスキャンと原本保管を代行し、AIで台帳を作成
- Contract One: 紙と電子の契約書をデータ化し、電子契約サービスと連携
- MNTSQ CLM、ContractS CLM: 相談や作成から締結後の管理までを扱う契約ライフサイクル管理(CLM)
このタイプは料金を個別に提案するところが多く、見積を取らないと比べられません。その分、紙の過去分の取り込みや、部署の多い会社の権限設計まで相談に乗ってもらいやすくなります。
AI契約審査や文書管理との境目
契約書を扱うサービスには、ほかにも審査(リーガルチェック)や、社内文書全体の管理を目的にしたものがあります。機能が重なるものは、区分を分けて考えると整理しやすくなります。
| 区分 | 掲載しているサービス | 契約書管理との重なり |
|---|---|---|
| AI契約審査+契約管理 | LegalOn | コントラクトマネジメントのモジュールで締結後の契約書を集約 |
| 法務案件管理+契約管理 | OLGA | 生成AIで台帳を作成し、期限の確認レポートを自動通知 |
| 文書管理システム | 楽々Document Plus | 期限の何日前かを指定したメール通知、督促メール、自動更新 |
審査だけを行うサービスは、締結後の台帳や期限管理を持たないことがあります。今回の比較では、管理機能を確認できなかった審査専業のサービスは外しています。
組み合わせ方の3つの型
電子契約と契約書管理をどう組み合わせるかは、会社の状況で変わります。よくある3つの型を並べます。
- 電子契約1つで済ませる: 締結の大半を自分たちで選んだ電子契約で行い、紙の過去分が少ない会社。電子契約の管理機能で足りることが多い
- 電子契約+管理専用サービス: 取引先の指定で複数の電子契約を使う、紙の過去分が多い会社。Hubbleのように複数の電子契約と連携できる管理サービスが向く
- CLMで一つにまとめる: 法務部門があり、相談や審査から管理までを一つにしたい会社。MNTSQ CLMやContractS CLM、LegalOnが候補
型を決めるときは、5年後に契約の件数や使う部署がどう増えそうかも考えておくと、あとで乗り換える手間を減らせます。
どの型でも、過去の紙の契約書をどう取り込むかは別に決める必要があります。代行の有無と費用は、見積の段階で確かめてください。
電子契約を選ぶ前に管理の要件を書き出す
電子契約を先に決めてしまうと、あとで管理の要件に合わないことに気づくことがあります。電子契約を選ぶ前に、次の要件を書き出しておいてください。
- 紙の契約書が何件あり、誰が取り込むか
- 期限の通知を、誰に、いつ届けたいか
- 取引先の指定で使う他社の電子契約があるか
- 部署やグループ会社ごとに見られる範囲を分けたいか
- 台帳に必ず入れたい項目(契約終了日、自動更新の有無、解約通知期限など)
台帳に入れたい項目は、社内の誰が何を探すときに困っているかから決めると漏れが少なくなります。法務、経理、営業で欲しい項目が違うことも多いので、関係する部署に一度聞いてみてください。
この一覧を持って電子契約と管理サービスの両方に問い合わせると、どの組み合わせが合うかが見えてきます。
この記事に出てくるサービス
- 弁護士ドットコム株式会社電子契約と紙の取り込みを一社で
- ContractS株式会社作成から保管まで流れで管理するなら
- Docusign, Inc.海外拠点と仕組みをそろえるなら
- GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社電子契約中心で紙も一緒に検索するなら
- GVA TECH株式会社少人数法務の依頼対応ごとなら
- 株式会社Hubble法務と事業部の共通台帳なら
- 株式会社インフォマート取引先とBtoBPでつながっているなら
- 株式会社LegalOn Technologies審査から管理まで同じ基盤なら
- MNTSQ株式会社相談から管理まで一気通貫なら
- 株式会社マネーフォワードマネーフォワード利用企業なら
- 株式会社オプティム社内スキャン+AI台帳なら
- Sansan株式会社過去分のデータ化から任せるなら
参照元
よくある質問
電子契約サービスだけで契約書管理はできますか?
サービスによってはできます。クラウドサイン、WAN-Sign、電子印鑑GMOサイン、BtoBプラットフォーム 契約書、マネーフォワード クラウド契約は、締結後の管理や紙の契約書の保管の機能を公式に案内しています。範囲はプランで変わるので確かめてください。
取引先ごとに違う電子契約を使っている場合は?
複数の電子契約から契約書を取り込める管理サービスが向きます。Hubbleはクラウドサイン・DocuSign・GMOサインとの連携、MNTSQ CLMはDocusignやクラウドサインとの連携、ContractS CLMは相手方の電子契約で締結した契約の一元管理を公式に説明しています。
AI契約審査のサービスとは何が違いますか?
審査は締結前に契約書のリスクを確かめる仕事で、契約書管理は締結後の台帳や期限を扱う仕事です。LegalOnのように両方のモジュールを持つサービスもありますが、審査専業のサービスは管理機能を持たないことがあります。
【用途別】契約書管理システムおすすめ3選
棚の紙の契約書を、スキャンから原本保管まで丸ごと任せるなら
株式会社TOKIUM
スキャン代行と原本保管が標準で追加費用なし。毎月1日に更新対象を担当者へメール
TOKIUM契約管理は、郵送された紙の契約書を非破壊でスキャンし、原本の保管まで代行すると公式に記載。FAQではスキャン代行は標準サービスに含まれ追加費用はないと答えている。AIが取引先名や契約期間、自動更新の有無を読み取って台帳を作り、毎月1日に更新対応が迫る契約の一覧を担当者にメールで送る。料金欄は基本利用料 月あたり1万円〜と件数に応じた従量。
法務と事業部門が、審査中から締結後まで同じ台帳で動くなら
株式会社Hubble
AIで台帳を自動作成し、期限は月1回メール。フォルダ・文書ごとの権限と主要な電子契約連携
Hubbleは、締結した契約書をアップロードするとAIが契約相手方名や自動更新の有無を読み取って台帳を作ると公式に記載。契約終了日や更新・解約通知期限が来る契約書を月1回メールで知らせる。料金ページには、フォルダ・ドキュメントごとの権限設定、クラウドサイン・DocuSign・GMOサインとの連携、Word・Slack・Teamsとの連携が並ぶ。
電子契約を始めながら、固定費をかけずに紙の契約書もまとめるなら
株式会社NXワンビシアーカイブズ
初期費用・月額費用0円から。紙の電子化代行は箱単位で料金を公開
WAN-Signの基本プランは初期費用0円・月額費用0円で、契約管理・内部統制・セキュリティ管理の機能に追加費用はないと公式に記載(追加オプション等を除く)。署名依頼送信は月10件まで0円、以降100円/件。書類電子化代行は全件電子化75,000円〜/箱、オンデマンド電子化30,000円〜/箱+1,000円/件(税抜き)。文書ごとのリマインド通知とユーザーごとの権限設定がある。