契約書管理システム · 用途別
M&Aや監査の前に契約書を棚卸しする|検索・関連契約の紐付け・一覧の出力で選ぶ【2026年版】
M&Aの準備や監査、事業の見直しの前には、社内の契約書を集めて中身を一覧にする棚卸しが必要になることがあります。掲載各社の公式情報から、棚卸しに役立つ検索、条項の検索、関連契約の紐付け、一覧の出力、閲覧範囲の管理の機能を整理しました。
買収や出資の検討、監査、事業の切り出しなどの場面では、短い期間で社内の契約書を集め、どんな条件の契約があるかを一覧にする必要が出てきます。契約書が部署ごとに散らばっていると、この棚卸しだけで大きな負担になります。
この記事では、契約書の棚卸しを前提に、契約書管理サービスのどの機能が役立つかを整理します。各機能は、調査日時点で各社の公式サイトに書かれている内容です。
M&Aや監査そのものの進め方は、担当の専門家や監査法人の指示に従ってください。ここで扱うのは、契約書を集めて探しやすくする部分です。
棚卸しで求められること
契約書の棚卸しでは、ふだんの契約管理とは違う使い方が求められます。まず、棚卸しで求められやすいことを並べます。
| 求められること | 中身 |
|---|---|
| 網羅 | 有効な契約を漏れなく集める |
| 検索 | 特定の条項(解除、譲渡の制限、独占など)を含む契約を探す |
| つながり | 本契約と覚書・変更契約を一緒に見る |
| 一覧 | 相手方、期間、金額などを表にして渡す |
| 閲覧の管理 | 見せてよい人にだけ、見せてよい範囲を見せる |
ふだんから契約書を一か所で管理していれば、棚卸しはその台帳を出力して補うだけで済みます。散らばったままなら、まず集める作業から始めることになります。
集める段階で役立つ取り込みの機能
棚卸しの最初の山は、部署の棚、担当者のPC、電子契約サービスに散らばった契約書を集めることです。取り込みに関わる機能を公式の説明で並べます。
- Contract One: 紙と電子の契約書をデータ化し、初期費用に過去の契約書のデータ化と紙の契約書のスキャン代行を含む
- TOKIUM契約管理: 郵送した紙の契約書のスキャンと原本保管を代行
- MNTSQ CLM: SharePoint、Google Drive、Boxに保管された契約書や関連ファイルを取り込み、Docusignやクラウドサインで締結した契約書も取り込む
- OPTiM Contract: 電子契約で締結した契約書ファイルを連携機能で一括取り込み
- ContractS CLM: 過去の契約書をドラッグアンドドロップで取り込み、契約管理台帳の情報もCSVで取り込める
期限の決まった棚卸しでは、代行を使って取り込みの期間を短くできるかが大事になります。取り込み完了までの期間を、見積の段階で確かめてください。
条項まで探せる検索
棚卸しでは、相手方や期間だけでなく、特定の条項を含む契約を探す場面があります。本文や条項まで検索できるかを確かめてください。
| サービス | 検索の機能(公式の説明) |
|---|---|
| Hubble | 条項分割・条項検索、変更点の検知 |
| ContractS CLM | 締結済みの契約書を全文検索。法律改正時の条文変更対応のための抽出にも活用でき、台帳の項目とかけ合わせた検索も可能 |
| OPTiM Contract | 契約書本文からの全文検索、AI検索 |
| MNTSQ CLM | メールに添付されたドキュメントも全文検索 |
| Contract One | AIチャット型検索、AI要約、企業別のAI契約サマリー |
条項の言い回しは契約ごとに違うため、キーワードだけでは拾いきれないことがあります。AIによる検索や要約の機能があると、候補を絞る手間が減ります。
本契約と覚書をつなげて見る
契約の条件は、本契約のあとに覚書や変更契約で変わっていることがあります。本契約だけを見て一覧にすると、実際の条件とずれます。
- Hubble: 関連契約書の紐付け
- OPTiM Contract: 関連契約書の紐付けで、関連する契約を素早く参照
- TOKIUM契約管理: 2026年1月26日の機能アップデートで、AIが関連する契約を自動で紐付けできるようにしたと告知
- ContractS CLM: 契約の経緯や会話、親子関係などの関連情報を一元化
紐付けを人が手で行う形か、AIが候補を出す形かで、件数が多いときの手間が変わります。デモでは、覚書の多い契約で紐付けを試してください。
一覧を出力して渡す
棚卸しの結果は、表にして社内外の関係者に渡すことが多くあります。台帳を出力できる形式を確かめておきます。
| サービス | 出力の機能(公式の説明) |
|---|---|
| OPTiM Contract | 検索結果をCSV形式で出力 |
| TOKIUM契約管理 | データ化した項目を、ほかのシステムに取り込める形式のCSVで出力 |
| Contract One | リース契約台帳をエクスポート。外部の生成AIサービスとの接続にも触れている |
| Hubble | ダッシュボード機能、リンク共有機能 |
出力する項目は、渡す相手が求める様式に合わせる必要があります。項目を追加できるか(OPTiM Contractの項目のカスタマイズ、TOKIUM契約管理の任意の項目のデータ化など)も合わせて確かめてください。
見せる範囲を絞って共有する
棚卸しでは、社内の限られた人や、社外の専門家に契約書を見せることがあります。見せる範囲を絞る機能と、記録の残し方を確かめます。
- Hubble: フォルダ・ドキュメントごとの権限設定、リンク共有機能、オプションでIPアドレス制限
- OPTiM Contract: 部署ごとのアクセス権限、閲覧のみを許可する操作権限、書類情報の編集履歴の保存
- MNTSQ CLM: 閲覧・操作権限の制御
- クラウドサイン: 料金表でCorporate以上のプランに監査ログを掲載
社外の人に見せる場合は、アカウントを発行するのか、共有のリンクで見せるのか、運用の決まりを先に作っておきます。見せた範囲と期間の記録も残してください。
棚卸しのあとも台帳を生かす
急いで集めた契約書と台帳は、棚卸しが終わったあとも日々の管理に使えます。むしろ、棚卸しは契約書を一か所にまとめるよい機会です。
- 期限の通知: Hubbleは月1回のメール、TOKIUM契約管理は毎月1日の一覧メール、OPTiM Contractは担当者と責任者への通知
- リスクの把握: LegalOnのコントラクトマネジメントは、締結後の契約書を集約して契約リスクを自動で把握するとしている
- 新しい契約の登録: 電子契約との連携で、締結した契約を自動で台帳に入れる
棚卸しのためだけの一時的な表で終わらせず、ふだんの管理に移れるサービスを選ぶと、次の棚卸しが楽になります。
料金と期間の見積で確かめること
棚卸しは、取り込む件数が一時的に大きく増えます。料金の決まり方によって、棚卸しの時期の費用の出方が違います。
| サービス | 料金の決まり方(公式の説明) |
|---|---|
| Contract One | 1カ月あたりの契約書の取り込み数と利用内容で提案。初期費用に過去の契約書のデータ化を含む |
| TOKIUM契約管理 | 基本利用料 月あたり1万円〜、契約書の件数に基づく従量課金制(税表記なし) |
| ContractS CLM | 初期費用+月額基本料金+オプション(契約書アップロード代行はオプション) |
| Hubble | 月額基本料金+オプション(過去の契約書のアップロードはオプション) |
棚卸しのための取り込みと、その後の月々の利用を分けて見積もってもらうと、予算の説明がしやすくなります。取り込みの完了日も、見積書に書いてもらってください。
棚卸しの期限から逆算する段取り
棚卸しには、たいてい締め切りがあります。締め切りから逆算して、次の順で段取りを組んでください。
- 対象の範囲(会社、部署、期間、契約の種類)を決める
- 契約書の置き場所と、おおよその件数を洗い出す
- 取り込みの方法(代行か社内か)と、完了までの期間を決める
- 一覧に入れる項目と、探したい条項の一覧を作る
- 見せる相手と範囲、共有の方法を決める
取り込みの代行には時間がかかるため、締め切りが近い場合は、件数の多い部署から先に取り込むと進みが見えやすくなります。
この記事に出てくるサービス
- 弁護士ドットコム株式会社電子契約と紙の取り込みを一社で
- ContractS株式会社作成から保管まで流れで管理するなら
- Docusign, Inc.海外拠点と仕組みをそろえるなら
- 株式会社Hubble法務と事業部の共通台帳なら
- 株式会社LegalOn Technologies審査から管理まで同じ基盤なら
- MNTSQ株式会社相談から管理まで一気通貫なら
- 株式会社オプティム社内スキャン+AI台帳なら
- Sansan株式会社過去分のデータ化から任せるなら
- 株式会社TOKIUM紙の契約書をまるごと預けるなら
参照元
よくある質問
契約書の中から特定の条項を探せますか?
Hubbleは条項分割・条項検索、ContractS CLMは締結済みの契約書の全文検索、OPTiM Contractは本文の全文検索とAI検索、Contract OneはAIチャット型検索を公式に案内しています。条項の言い回しは契約ごとに違うので、AIの検索も合わせて試してください。
本契約と覚書をまとめて見られますか?
HubbleとOPTiM Contractは関連契約書の紐付け、ContractS CLMは親子関係などの関連情報の一元化に対応しています。TOKIUM契約管理は、2026年1月26日の機能アップデートでAIが関連する契約を自動で紐付けできるようにしたと告知しています。
棚卸しの結果を一覧で渡せますか?
OPTiM Contractは検索結果のCSV出力、TOKIUM契約管理はほかのシステムに取り込める形式のCSV出力、Contract Oneはリース契約台帳のエクスポートを案内しています。渡す相手の様式に合わせて、出力の項目を確かめてください。
【用途別】契約書管理システムおすすめ3選
棚の紙の契約書を、スキャンから原本保管まで丸ごと任せるなら
株式会社TOKIUM
スキャン代行と原本保管が標準で追加費用なし。毎月1日に更新対象を担当者へメール
TOKIUM契約管理は、郵送された紙の契約書を非破壊でスキャンし、原本の保管まで代行すると公式に記載。FAQではスキャン代行は標準サービスに含まれ追加費用はないと答えている。AIが取引先名や契約期間、自動更新の有無を読み取って台帳を作り、毎月1日に更新対応が迫る契約の一覧を担当者にメールで送る。料金欄は基本利用料 月あたり1万円〜と件数に応じた従量。
法務と事業部門が、審査中から締結後まで同じ台帳で動くなら
株式会社Hubble
AIで台帳を自動作成し、期限は月1回メール。フォルダ・文書ごとの権限と主要な電子契約連携
Hubbleは、締結した契約書をアップロードするとAIが契約相手方名や自動更新の有無を読み取って台帳を作ると公式に記載。契約終了日や更新・解約通知期限が来る契約書を月1回メールで知らせる。料金ページには、フォルダ・ドキュメントごとの権限設定、クラウドサイン・DocuSign・GMOサインとの連携、Word・Slack・Teamsとの連携が並ぶ。
電子契約を始めながら、固定費をかけずに紙の契約書もまとめるなら
株式会社NXワンビシアーカイブズ
初期費用・月額費用0円から。紙の電子化代行は箱単位で料金を公開
WAN-Signの基本プランは初期費用0円・月額費用0円で、契約管理・内部統制・セキュリティ管理の機能に追加費用はないと公式に記載(追加オプション等を除く)。署名依頼送信は月10件まで0円、以降100円/件。書類電子化代行は全件電子化75,000円〜/箱、オンデマンド電子化30,000円〜/箱+1,000円/件(税抜き)。文書ごとのリマインド通知とユーザーごとの権限設定がある。
あなたの会社に合う契約書管理システムを、無料で相談する
紙の契約書のおおよその件数、毎月の新しい契約の件数、使っている電子契約サービス、管理する部署の数、期限の通知を誰に届けたいかを送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、デモや見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。