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原価管理システム · 基礎知識

導入事例から見る原価管理システムの選び方導入前の状態・短縮した時間・業種別の顔ぶれを公式事例で比べる【2026年版】

原価管理システムの公式導入事例から、導入前の状態、原価計算や決算の時間の変化、費用面の変化、業種ごとの事例の顔ぶれを並べました。事例の数字を読むときの前提と、候補の絞り込みに使う手順も整理しています。

公開 2026年10月3日

イラストはイメージです(特定の製品ではありません)

原価管理システムの公式事例には、建設会社、金型メーカー、化学メーカー、IT企業と、さまざまな業種の会社が登場します。業種が違えば原価の計算方法も違うため、事例は自社に近いものを選んで読む必要があります。

この記事では、掲載15社の公式事例から導入前の状態と成果を並べ、事例を製品選びに使うための読み方を整理します。社名と数字は、各社の事例ページに載っているものだけを使っています。

導入前によくある3つの状態

事例に書かれた導入前の様子は、大きく3つの状態に分かれます。自社の今の状態に近い事例を探すと、導入後の姿を具体的に想像できます。

導入前の状態公式事例の例
Excelや電卓で原価を集計している高野工業(原価日報をExcel、集計は電卓)、スガワラ技研(製番別の原価を手で計算)、三協電機(手書きの日報から電卓で集計)
オフコンや古いシステムを使い続けている飛鳥(カスタマイズしたオフコン)、花本建設(オフコンの会計システム)、宮下電設(VBベースの原価システム)、タイカ(老朽化した原価管理システム)
データが複数のシステムやExcelに分かれているハイバーテック(部品表・在庫・発注・販売が別々)、新和(財務・売上・原価が別々)、サンハヤト(棚卸しはExcel、在庫は別システム)

原価計算の時間が縮んだ事例

原価計算そのものにかかる時間は、数字で書かれている事例が多い成果です。事例の記載どおりに並べます。

製品事例導入前導入後
J-CCOREsタイカ月次の実際原価1回の計算に2時間程度2分
Previsionハイバーテック原価計算に90時間15秒
ZAC北海道ジェイ・アール・システム開発エクセルへの手作業の取り込みと原価計算ひと月あたり約70時間の工数削減
マネーフォワード クラウド個別原価Brushup1年分をまとめて丸2日程度1か月分を3時間ほど
Dr.原価PRO創世エンジニアリング仕掛品の在庫金額の集計は年1回毎月集計

このうちBrushupと創世エンジニアリングは、作業時間の短縮というより、年1回だった集計を毎月できるようになった事例です。短縮の幅は、元の作業がどれだけ手作業だったかで大きく変わります。自社の今の原価計算の時間を測っておくと、事例と比べやすくなります。

決算や集計が早まった事例

原価のデータが一か所に集まると、月次決算や会議資料も早く出せるようになります。原価計算以外で時間が変わった事例を並べます。

  • サンハヤト(UM原価など): 月次決算の確定が約2週間から3日へ
  • 飛鳥(PROCES.S): 年次決算入力業務が2週間から3日程度へ
  • 日本セミラボ(アラジンオフィス): 月次レポート作成が2,3日から数時間へ
  • 新和(PROCES.S): 財務・売上・原価を一元化し、入力作業の工数が半減
  • 横浜鉄工建設(どっと原価3): データの正確性が上がり、決算処理の早期化が図れたと記載

この種の成果は、会計や販売管理とのつながり方で決まります。原価だけを見る独立型か、会計や生産管理と一体の型かも、あわせて比べてください。

費用の面で変わった事例

システムの維持費が下がったという事例もあります。ただし金額の比較は旧システムとの比べ方に左右されるため、条件とあわせて読む必要があります。

  • 日清紡マイクロデバイス やしろ事業所(J-CCOREs): システムの年間の保守費用が半分以下に。導入コストは旧システムのバージョンアップ費用に比べて約半分
  • 青山機工(ガリバーシリーズ): 前システムの関連費用が年間780万円かかっており、移行後はシステム運用の間接経費を削減
  • 花本建設(PROCES.S): オフコン時代は法改正のたびに改修費用がかかっていたが、法改正に対応した製品で改修費用がかからなくなった

保守費用や改修費用は、製品の価格表には出てこないことが多い費用です。見積の段階で、法改正対応やバージョンアップの費用の扱いを聞いておくと安心です。

業種ごとに事例の顔ぶれが違う

原価管理システムは、業種ごとに事例の顔ぶれがはっきり分かれます。自社と同じ業種の事例がある製品から見ていくのが近道です。

業種事例が載っている製品と会社
建設・工事業どっと原価(高野工業、横浜鉄工建設、宮下電設)、ガリバーシリーズ(小田急エンジニアリング、橋本店)、PROCES.S(飛鳥、新和、花本建設)
化学・素材・飲料などの製造業J-CCOREs(タイカ、積水化学工業 環境・ライフラインカンパニー)、ProSee(社名非掲載の飲料メーカー)
金型・受注生産の製造業Dr.原価PRO(創世エンジニアリング、オギハラ)、Prevision(ハイバーテック、スガワラ技研)
IT・広告などのプロジェクト型ZAC(北海道ジェイ・アール・システム開発、ピーエーシー)、マネーフォワード クラウド個別原価(Brushup、オプティマインド)

BEStPRO-原価C3、勘定奉行iクラウド[個別原価管理編]、ProSCOPE-C、テクノシステムは、今回の確認では製品に合う公式事例の中身を確かめられませんでした。事例が見つからない製品は、問い合わせの際に近い業種の導入先を聞いてみてください。

事例の数字で確かめたい前提

事例の数字は、どれも同じ条件で測ったものではありません。比べる前に、次の点を確かめてください。

  • 時点: J-CCOREsの事例には取材日が書かれており、タイカは2025年3月、日清紡マイクロデバイスは2018年09月です。
  • 見込みか実績か: 積水化学工業の年間500時間は「削減できる見込み」と書かれています(目標は290時間)。
  • 範囲: 日清紡マイクロデバイスや積水化学工業は、事業所やカンパニー単位の導入です。
  • 社名の有無: ProSeeの事例は「A社」など社名を出さない形で書かれています。

事例を候補の絞り込みに使う手順

事例は読むだけでなく、候補を比べる表に落とすと役に立ちます。次の順で進めると、デモで聞くことがはっきりします。

  1. 自社が3つの状態のどれに近いかを決める
  2. 今の原価計算・月次決算・資料づくりの時間を書き出す
  3. 同じ業種で近い状態の事例を、候補の製品ごとに1〜2件選ぶ
  4. 事例の導入範囲・時点・数字の測り方を表にそろえる
  5. デモでは、事例と同じ計算を自社のデータで試してもらう

事例の会社名や数字は掲載当時のものなので、検討の時点で各社の公式サイトを開いて確かめ直してください。

この記事に出てくるサービス

参照元

よくある質問

原価計算の時間が大きく縮んだ事例はありますか?

タイカ(J-CCOREs)は月次の原価計算が2時間から2分に、ハイバーテック(Prevision)は90時間から15秒になったと公式事例に書かれています。北海道ジェイ・アール・システム開発(ZAC)は、ひと月あたり約70時間の工数削減でした。

建設業の事例が多いのはどの製品ですか?

今回確認した範囲では、どっと原価、ガリバーシリーズ、PROCES.Sに建設・工事業の事例がそれぞれ複数載っていました。土木、電気、総合建設など、会社の業態も事例ごとに違います。

事例の数字はそのまま自社に当てはまりますか?

当てはまるとは限りません。積水化学工業の年間500時間は削減の見込みで、日清紡マイクロデバイスの事例は2018年09月の取材です。導入範囲が事業所単位の事例もあります。

【業種別】原価管理システムおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

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