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原価計算方式の違いと原価管理システム|個別・総合・標準・実際・ころがし計算【2026年版】

原価管理システムは、個別原価か総合原価か、標準原価か実際原価かで向く製品が変わります。掲載製品の公式表記をもとに、方式の違いと製品の対応を整理しました。

公開 2026年10月1日

原価管理システムの資料には、個別原価、総合原価、標準原価、実際原価といった言葉が並びます。自社がどの方式で原価を計算しているかが分かると、候補を一気に絞れます。

この記事では、原価計算の方式ごとに、掲載製品が公式にどう対応を書いているかを整理します。

2つの軸で方式を整理する

原価計算の方式は、何を単位に集めるかと、どの金額を使うかの2つの軸で整理すると分かりやすくなります。

軸方式考え方向く生産形態・業種
何を単位に集めるか個別原価計算製番・工事・プロジェクトごとに原価を集める受注生産、建設、プロジェクト型
何を単位に集めるか総合原価計算一定期間の生産量全体で原価を集め、製品単位に割る同じ製品を繰り返し作る量産
どの金額を使うか実際原価実際にかかった金額で計算する業種を問わない
どの金額を使うか標準原価あらかじめ決めた標準の金額で計算し、実際との差を分析する原価低減活動をしたい製造業

2つの軸は組み合わせて使います。たとえば、受注生産で個別原価を実際原価で集める会社もあれば、量産品で総合原価を標準原価で管理する会社もあります。

方式ごとの掲載製品の対応

製造業向けの製品が、どの方式に対応すると公式に書いているかを並べます。書いていない方式は、対応しないとは限らないので問い合わせで確かめてください。

製品公式に書かれている方式
J-CCOREs実際原価、標準原価、個別原価。ころがし計算、相互配賦
テクノシステム標準原価計算・実際原価計算、個別原価計算・総合原価計算
ProSee標準原価計算と原価差額分析。全部原価と直接原価を同時算出
ProSCOPE-C実際原価のころがし計算(累加法・非累加法)。標準原価計算はオプション
UM原価標準原価・見積原価、実績原価、実際原価、製番別原価
Dr.原価PRO製番単位の個別原価。見積・計画・実績の対比

個別と総合の両方を持つ会社は、テクノシステムやJ-CCOREsのように複数の方式を扱える製品から見ると探しやすいです。

ころがし計算とは

プロセス製造業の資料でよく出てくるのが、ころがし計算です。工程ごとに原価を出し、それを次の工程に積み上げて最終製品の原価にする計算方法です。

  • J-CCOREs: 各工程の受払をもとに工程ごとの製造原価を算出し、最終製品まで積み上げる。同じ工程をループする生産形態にも対応
  • ProSCOPE-C: 上流工程から累加法により実際原価でころがし計算を行い、前工程の原価を変動費・固定費に分けることで非累加法にも対応
  • ProSCOPE-C: 少ない種類の原材料が多様な製品に変わる逆ツリー型の工程、連産品・副産物に対応

工程が多く、途中で副産物や屑が出る業種ほど、Excelでのころがし計算は複雑になります。鉄鋼・化学・食品などの工場が専用の製品を検討するのはこのためです。

標準原価計算と差異分析

標準原価計算は、原価を下げる活動の物差しになります。標準と実際の差を、材料の使いすぎか、作業時間のずれか、といった原因ごとに分けて見るためです。

  • ProSee: 標準原価計算、原価差額分析で原価管理活動の精度向上をうたう
  • テクノシステム: 部品表・標準工数から製品別の標準原価を作り、実績原価計算に組み込んで標準と実績を対比・差異分析
  • J-CCOREs: 差異分析や工場間の原価比較ができるようになった事例を掲載
  • UM原価: 実績原価と実際原価の差による、工場全体の原価低減活動への活用

標準原価を使うには、標準の単価や工数を決めて維持する手間がかかります。標準を誰が、いつ見直すかを決めてから導入すると、差異の数字が意味を持ちます。

全部原価と直接原価

もう一つの切り口が、固定費を製品の原価に含めるかどうかです。財務会計では全部原価を使い、採算の分析では直接原価を使うことがあります。

考え方固定費の扱い主な使い道
全部原価製造にかかった固定費も製品の原価に含める決算、在庫の評価
直接原価変動費だけを製品の原価にし、固定費は期間の費用とする製品別の採算、値決めの判断

ProSeeは、財務会計の全部原価と採算分析の直接原価を同時に算出できると書いています。決算用と管理用で別のExcelを作っている会社には、この機能が役に立ちます。

建設業とプロジェクト型の個別原価

建設業とプロジェクト型は、どちらも個別原価計算が基本です。ただし、原価の中身と管理の単位が製造業と違います。

業種集める単位原価の中心掲載製品の例
建設業工事実行予算、発注、出来高、外注費どっと原価、ガリバーシリーズ、PROCES.S、BEStPRO-原価C3
プロジェクト型案件・プロジェクト社員の工数(労務費)、外注費、経費ZAC、勘定奉行iクラウド[個別原価管理編]、マネーフォワード クラウド個別原価

建設業では実行予算と発注・出来高の管理、プロジェクト型では工数と配賦の管理が、製品選びの中心になります。業種専用の製品を選ぶのが近道です。

原価をどの切り口で見るか

方式とは別に、計算した原価をどの切り口で見られるかも製品で違います。公式に書かれている切り口を並べます。

製品原価を見る切り口(公式記載)
ProSee顧客別、製品別の原価・利益。実績原価推移表、在庫高増減表
UM原価品目単位、ロット単位のコスト内訳。MFCAにも対応
Dr.原価PRO製番別に加え、原価工程・担当者・機械・仕入外注先別
J-CCOREs工程別・製品別の製造原価、セグメント別損益

製品別の原価が出ても、顧客別の採算まで見られないと値決めには使いにくいことがあります。自社がどの切り口で判断したいかを先に決めておいてください。

原価のシミュレーション

原材料の値上がりが続く中で、単価が変わったら原価がどう動くかを試算したい会社は多いはずです。シミュレーションを公式に書いている製品をまとめます。

  • J-CCOREs: 予算・実績データをコピーし諸元を修正して、製造原価やセグメント別損益の変動を高速にシミュレーション。新製品原価、原料単価変動に伴うシミュレーション
  • ProSCOPE-C: 予算原価計算シミュレーション
  • Dr.原価PRO: 仕掛中の製番に今後発生が見込まれる費用を加味した原価予測・利益予測

シミュレーションを使うには、原価計算の結果が月次で安定して出ていることが前提です。まず実績の原価を正しく出し、その後に試算へ広げる順番が確実です。

自社の方式を確かめる手順

最後に、自社がどの方式に当てはまるかを確かめる手順をまとめます。経理と製造の両方の担当者で確認すると、食い違いが見つかりやすくなります。

  1. 製番・工事・案件ごとに原価を集めているか、期間でまとめて集めているかを確かめる
  2. 標準の単価や工数を決めているか、実際の金額だけで計算しているかを確かめる
  3. 決算用と管理用で、別々の原価計算をしていないかを確かめる
  4. 工程の数と、副産物や屑が出るかを確かめる
  5. 共通費をどう配っているか(配賦の基準)を書き出す

この5つが分かれば、資料請求のときに自社の条件を正確に伝えられます。デモでは、自社の前期の数字で同じ原価が出せるかを見せてもらってください。

この記事に出てくるサービス

参照元

よくある質問

個別原価計算と総合原価計算の違いは?

個別原価計算は製番・工事・プロジェクトごとに原価を集め、総合原価計算は一定期間の生産量全体で原価を集めて製品単位に割ります。テクノシステムの原価管理システムは両方に対応すると書いています。

標準原価計算に対応した製品は?

ProSee、テクノシステム、J-CCOREs、UM原価が標準原価に対応すると公式に書いています。ProSCOPE-Cは標準原価計算をオプションのモジュールとしています。

ころがし計算とは何ですか?

工程ごとに原価を出し、次の工程に積み上げて最終製品の原価を出す計算方法です。J-CCOREsとProSCOPE-Cがころがし計算に対応すると説明しています。

【業種別】原価管理システムおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

工程の多いプロセス製造業で、工程別・製品別の原価を積み上げるなら

J-CCOREs(JFEシステムズ株式会社)

鉄鋼業の原価計算ノウハウをパッケージ化。ころがし計算で実際・標準・個別原価に対応し、最短5ヶ月で導入

工程ごとの受払から製造原価を出し最終製品まで積み上げる「ころがし計算」や相互配賦に対応し、実際原価・標準原価・個別原価の各制度に合わせたモジュールを用意。原価計算単体のパッケージで、生産管理・会計・販売システムの有無や種類を問わず連携でき、オンプレミスとクラウド(IaaS)を選べる。最短5ヶ月での導入が可能と公式に記載。

J-CCOREs(JFEシステムズ株式会社)の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

建設業で、工事ごとの予算・原価・請求を料金を見ながら選ぶなら

どっと原価(株式会社建設ドットウェブ)

クラウド版どっと原価3は1ライセンス参考月額13,000円(税抜)から。オンプレミス版のセット価格も公開

建設業向けの原価管理システムで、予算履歴で原価を管理し、会計とは仕訳伝票データを双方向で連携できると記載。製品はクラウド版どっと原価3とオンプレミス版NEO LT・ST・EXの4種類。どっと原価3(ライト)は利用者1ライセンス参考月額13,000円、スタンダードは23,000円(いずれも税抜)、NEO LT LAN版Aセットはソフトウェア価格850,000円(税抜)と料金ページに掲載。

どっと原価(株式会社建設ドットウェブ)の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

IT・広告・コンサルなどプロジェクト型で、工数から原価と仕掛品を自動計算するなら

ZAC(株式会社オロ)

工数を労務費として案件別に自動集計し、配賦と仕掛品振替、原価比例法まで。初期設定費用10万円と料金構成を公開

プロジェクトごとに販売・購買・勤怠・工数・経費を一元管理し、個別原価計算を自動化すると記載。工数は案件別の直接作業・間接作業の労務費として集計され、共通費や販管費の配賦、仕掛品から売上原価への振替仕訳、原価比例法による売上・原価の自動計算に対応。料金は初期設定費用10万円、保守費用6万円~/月、機能×人数のライセンス費用の構成(税表記なし)。

ZAC(株式会社オロ)の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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