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5軸マシニングセンタ · 用途別

難削材・重量物の大物を5軸で削るなら|積載1,500kg級の横形と主軸旋回型・門型の選び方

鋼の重量物やチタン・インコネルなど難削材の大物を5軸マシニングセンタで削りたい工場向けに、キタムラ機械・ニイガタマシンテクノ・ジェイテクト・新日本工機・牧野フライス製作所などの機種を、積載・最大ワーク・構造の公式情報で比べます。

公開 2026年10月1日

1トンを超える鋼の部品や、チタン・インコネルのような難削材を5軸で削るには、回転軸と機械本体の剛性、そして積載の余裕が要ります。小物向けの5軸機とは、選ぶ機種も見る数値もまったく違います。

このページでは、重量物と難削材に向く5軸機を、掲載メーカーの公式の数値で整理します。

重量物は積載と最大ワークから絞る

最初に見るのは、テーブルやパレットに載せられる質量と、回したときに干渉しない最大ワーク寸法です。公式に1トン級以上の積載を載せている機種を並べると次のとおりです。

メーカー・機種構造積載最大ワーク
キタムラ機械 Mytrunnion-7G大型同時5軸立形2,000kgφ1,170×740mm
ニイガタマシンテクノ HN80E-5X5軸横型・トラニオン1,500kgФ1,250×1,000mm
ジェイテクト FH630SX-5A横形・傾斜旋回式主軸1,500kgφ1,170×1,600mm
ニイガタマシンテクノ HN63E-5X/5XW5軸横型・トラニオン1,000kgФ950×800mm/Ф1,150×800mm
ヤマザキマザック VARIAXIS C-700両端支持チルト・ロータリー700kgΦ850×500mm

これより大きいワークは、テーブルではなく主軸や門型のヘッドを動かす機種が候補になります。新日本工機のRB-FⅡはテーブル作業面3,000×1,500〜6,000×3,500mmの門型5軸です。

横形5軸トラニオン:ニイガタマシンテクノ

ニイガタマシンテクノのHN-5Xシリーズは、高剛性トラニオンテーブルを載せた5軸横型で、難削材部品の加工に適した機械剛性を打ち出しています。パレットは500×500mmから800×800mmまで4機種あります。

  • HN50E-5X:パレット500×500mm、積載600kg、最大ワークФ750×700mm
  • HN63E-5X:パレット630×630mm、積載1,000kg、移動量X900/Y930/Z830mm、A軸110°(10°〜−100°)・B軸360°
  • HN63E-5XW:最大ワークФ1,150×800mm
  • HN80E-5X:パレット800×800mm、積載1,500kg

テックセンターでは実際のワークでテストカットができ、加工可否・精度・サイクルタイムを導入前に確認できると公式に書いています。高価な大型機ほど、この確認の価値が大きくなります。

主軸側で旋回する横形と門型

ワークが重いほど、ワーク側を傾けずに主軸側で角度をつける構造が有利になります。公式に主軸側の旋回を説明している機種は次のとおりです。

メーカー・機種公式に書かれた構造と特長
ジェイテクト FH630SX-5A傾斜旋回式主軸(C軸ユニット)で、パレット上に大きな工作物を積載可能。パレット条件は既存の□630機と共通
新日本工機 RB-FⅡ門型の連続5軸ヘッド。旋回軸にダブルピニオン構造と多段ギア駆動、旋回トルク最大6,600N・m
新日本工機 CMVテーブル回転・主軸ティルト型で、ワーク重量に影響を受けずに高精度加工が可能と説明
牧野フライス製作所 V80S〜V100SA軸(傾斜)・C軸(回転)で主軸を旋回。自動車関連の大物金型向け

新日本工機はRB-FⅡの紹介で、鉄の重切削加工(Φ160フライス)や大径タップ(M42×4.5)の高トルク加工を挙げています。主軸は標準を含めて6種類から選べるとしています。

難削材の航空機部品向けの機種

チタン合金やインコネルなどの難削材は、工具寿命と切りくずの量が課題になります。牧野フライス製作所は、航空機部品の難削材向けにTシリーズを分けて用意しています。

  • T1:チタン合金・インコネル・ステンレスなどの難削材に加え、アルミ合金の能率的な加工も可能。パレット1,000×1,000mm、主軸端HSK-A100
  • T2:難削材の大物部品加工に特化し、切りくず除去量と工具寿命を向上。パレット1,000×1,250mm、主軸端HSK-A125
  • T4:Tシリーズの最大機。パレット4,000×1,500mm
  • a630iT:50番主軸・トラニオンテーブルの横形5軸で、大型ワークや自動化に対応

同じ牧野フライス製作所でも、アルミの航空機構造部品にはMAGシリーズを分けています。材料が難削材か軽合金かで、選ぶ系列が変わる例です。

難削材では工具代が大きくなるため、テストカットで工具寿命も記録しておくと、導入後の費用を見積もりやすくなります。

回転軸の角度と加工範囲

大物ほど、回転軸をどこまで傾けられるかで、1回の段取りで削れる面の数が変わります。公式に角度の範囲を載せている大物向けの機種は次のとおりです。

  • 牧野フライス製作所 a500iR:傾斜軸(B軸)−110°〜+180°、回転軸(C軸)360°
  • ニイガタマシンテクノ HN63E-5X:A軸110°(10°〜−100°)、B軸360°
  • ジェイテクト FH630SX-5A:C軸−210〜+20度(主軸側の旋回軸)
  • ヤマザキマザック VARIAXIS C:B軸を大きく傾けた加工でもワークの先端・下方まで届くよう、X・Z軸のストロークに余裕

大物の自動化と段取りの考え方

大物は1個の加工時間が長いため、段取りの間に機械を止めない工夫が稼働率を左右します。パレットの外段取りや、既存設備との共通化を公式に説明している例があります。

  • 牧野フライス製作所:5軸制御横形はすべて自動化システムを付属でき、夜間や週末の無人運転が可能と説明
  • ジェイテクト FH630SX-5A:パレットや工作物制限が既存の□630機と共通で、4軸機と同様にシステムアップが可能
  • コマツNTC CX500:長時間無人運転向けの大容量マガジンとパレットシステムをオプションで用意
  • 牧野フライス製作所 a630iT:50番主軸・トラニオンテーブルで、大型ワークや自動化にも対応

重量物・難削材で確認しておくこと

大きく重いワークは、削る前の段取りと機械の据付条件でつまずきやすくなります。見積の前に、次の項目を確認してください。

確認項目見るポイント
積載と最大ワーク治具を含めた質量と、回転時に干渉しない寸法
主軸テーパの大きさ(50番、HSK-A100・A125など)とトルク
回転軸旋回トルクやクランプ力、割出し精度
段取りクレーンでの積み込み、パレットの外段取り
据付機械質量と基礎工事、床の耐荷重

コマツNTCのCX500のように機械質量18,000kgの横形もあり、大型機ほど基礎工事が必要になる場合があります。据付の条件はテストカットの段階で確認してください。

搬入の経路、天井クレーンの能力、電源容量も、大型機では早めに確認が必要です。

重量物で5軸機を選ぶ手順

重量物と難削材の5軸機は、価格も据付の手間も大きくなります。候補を急いで1社に絞らず、構造の違う2〜3社で比べてください。

  1. 最大ワークの寸法と質量、材料を書き出す
  2. 積載と最大ワークで、テーブル型か主軸旋回型・門型かを決める
  3. 材料に合わせて主軸のテーパとトルクを確認する
  4. 工場の床・クレーン・電源で据付の条件を確認する
  5. テストカットで加工可否とサイクルタイムを確かめる

入口としては、横形トラニオンで実ワークのテストカットができるニイガタマシンテクノ、主軸旋回の横形を持つジェイテクト、門型の新日本工機を並べると、構造の違いによる差が見えてきます。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

1トンを超えるワークを載せられる5軸機はどれですか?

公式の積載では、キタムラ機械のMytrunnion-7Gが2,000kg、ニイガタマシンテクノのHN80E-5XとジェイテクトのFH630SX-5Aが1,500kgです。さらに大きいワークは新日本工機の門型RB-FⅡなどが候補です。

難削材の加工に向く5軸機はありますか?

牧野フライス製作所はチタン合金やインコネルなどの航空機部品向けにTシリーズを用意しています。ニイガタマシンテクノはHN-5Xシリーズを難削材部品の加工に適した機械剛性と説明しています。

大型の5軸機もテストカットできますか?

ニイガタマシンテクノはテックセンターで実ワークのテストカットができると公式に書いています。新日本工機は導入前のタイムスタディとテスト加工を案内しています(導入後の現地での試削りは事前に別途契約等で確認)。

【用途別】5軸マシニングセンタメーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

アルミ・鉄の小物部品を、省スペースで多面・5軸加工するなら

ブラザー工業株式会社

床面1,560×2,026mmの30番機。テクノロジーセンターで実機デモ

U500Xd1は治具エリア最大⌀500の傾斜ロータリーテーブル(A軸120〜−30度・C軸360度)を持つ30番の立形機で、テーブル作業面⌀260mm・最大積載100kg、主軸10,000min-1(オプション16,000)。所要床面は1,560×2,026mm。5AX仕様のCNC装置はCNC-D00v。東京・大阪などのブラザーテクノロジーセンターで実機デモとセミナーを行っている。

ブラザー工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

旋削も含めて1台に工程集約するなら

オークマ株式会社

両端支持トラニオンに旋削仕様。本社ショールームでテストカット

MU-V seriesは剛性の高い両端支持のトラニオンテーブルで、テーブルø500〜ø800×630幅、主軸10,000/6,000min-1。MU-5000V/6300V/8000Vには旋削仕様(L)があり、旋削能力の実績値(加工径ø164mm、MU-6300Vはø250mm)を公表している。本社にはテストカットを実施するショールームがある。

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3

難削材・重量物の中物〜大物を横形5軸で削るなら

株式会社ニイガタマシンテクノ

トラニオンの横形HN-5X。積載1,500kgまで、テックセンターで実ワークを試す

HN50E-5X〜HN80E-5Xは高剛性トラニオンテーブルを載せた5軸横型で、パレット500×500〜800×800mm、最大積載600〜1,500kg、最大ワークФ750×700〜Ф1,250×1,000mm。難削材部品の加工に適した剛性を打ち出す。テックセンターで実際のワークのテストカットができ、加工可否・精度・サイクルタイムを導入前に確認できる。

株式会社ニイガタマシンテクノの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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