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5軸マシニングセンタ · 用途別

5軸機で夜間無人運転をするなら|パレット・FMS・ロボットの自動化を公式情報で比べる

5軸マシニングセンタで夜間・休日の無人運転をしたい工場向けに、松浦機械製作所(マルチパレット)、ヤマザキマザック(MPP・PALLETECH)、牧野フライス製作所、キタムラ機械(SUPERCELL)、安田工業(ロボットインターフェイス)などの自動化の仕組みを公式情報で整理します。

公開 2026年10月1日

5軸機は1台で多くの工程をこなすため、1個あたりの加工時間が長くなりがちです。夜間や休日に機械を回せると、5軸化の投資効果が大きく変わります。

このページでは、5軸機の無人運転・自動化について、掲載メーカーが公式に載せている仕組みを整理します。

無人運転に必要な3つの要素

5軸機を人がいない時間に回すには、ワークの入れ替え、工具の補充、異常時の止め方の3つがそろっている必要があります。どれか一つが欠けると、夜間に機械が止まったまま朝を迎えます。

要素仕組みの例公式の機種例
ワークの入れ替えパレットチェンジャ、パレットストッカ、ロボットヤマザキマザック MPP、松浦機械製作所 マルチパレット、安田工業 ロボットインターフェイス
工具の補充大容量の工具マガジン安田工業 YBM Vi40 Ver.Ⅲ(ATC100本)、ブラザー工業 U500Xd2(100本マガジン仕様)
プログラムと監視大容量プログラムの一括処理、運転管理ソフトキタムラ機械(100時間超のプログラムを一括処理)、ヤマザキマザック PMC NEO

まずは自社の部品で、1個あたりの加工時間と、夜間に流したい個数を出してください。そこから必要なパレットの枚数と工具の本数が決まります。

加工時間が長い部品ほど、少ないパレット枚数で一晩を埋められます。

パレットで回す:立形5軸の自動化

立形の5軸機でも、パレットを複数持つ仕様にすると夜間運転ができます。公式に載っている例は次のとおりです。

  • 松浦機械製作所 MXシリーズ:独自開発のマルチパレットシステムで省フロアスペースの無人運転。MX-420 PC10で小ロットの夜間無人運転、100個〜200個の部品生産を動画で紹介
  • ヤマザキマザック VARIAXIS i:2パレットチェンジャ、MPP(多段パレットストッカシステム、i-700Tのみ)、PALLETECH SYSTEMに対応
  • ヤマザキマザック VARIAXIS j:2パレットチェンジャをオプション展開
  • オークマ MU-6300V:昇降2段式APCによる省スペースでの機械稼働率向上を紹介

ヤマザキマザックは、PALLETECHシステムの自動運転・管理ソフトウェアとしてPMC NEOを用意し、作業リストと工具リストを時系列で表示して段取りを支援すると説明しています。複数台をまとめて管理するなら、このようなソフトの有無も比べてください。

FMS・セルで回す:横形5軸の自動化

横形の5軸機は、パレットで自動化することを前提に作られている機種が多くあります。複数台をつないだFMSに広げやすいのも横形の利点です。

メーカー・機種公式に書かれた自動化の内容
牧野フライス製作所 5軸制御横形すべて自動化システムを付属でき、夜間や週末の完全無人運転が可能
キタムラ機械 SUPERCELL-800G(同時5軸FMC。立形・横形の別は今回確認範囲に記載なし)多品種少量生産を実現する長時間無人化対応FMC、最大21パレット仕様等のFMS対応
コマツNTC CX500長時間無人運転向けの大容量マガジンとパレットシステムをオプションで用意
ジェイテクト FH630SX-5Aパレット条件が既存の□630機と共通で、4軸機と同様にシステムアップが可能

既に横形の4軸機でFMSを組んでいる工場なら、ジェイテクトのように既存機とパレットをそろえられる5軸機を選ぶと、ラインに足しやすくなります。

新しくセルを組む場合は、将来の増設を見込んでパレットの規格と通路の幅を決めておくと、2台目以降をつなぎやすくなります。

ロボットで回す:ワークと電極の自動交換

パレットに載らない形のワークや、金型の電極のように数が多いものは、ロボットで入れ替える方法があります。工作機械側にロボットとつなぐ口があるかを確認してください。

  • 安田工業 YBM Vi40 Ver.Ⅲ:ロボットインターフェイス(EROWA・System 3R)をオプションで用意
  • 牧野フライス製作所:製品情報のオートメーションに、ロボット搬送システム、ローダ搬送システム、製造支援モバイルロボットなどを掲載
  • DMG森精機:製品の周辺機器として、5軸加工機向けのセンタリングバイスや3Dクイックセットを案内

ロボットを入れる場合は、機械メーカーとロボットの導入会社の役割分担を、見積の段階で決めておくと進めやすくなります。

ワークの置き方や治具の形が決まらないとロボットの動きも決まらないため、治具の設計を誰が担うかも早めに決めてください。

夜間に止めないための確認事項

無人運転で止まる原因は、工具の折損や摩耗、切りくずのたまり、ワークの付け間違いなどです。機械を選ぶときに、次の点を確認してください。

確認項目見るポイント
工具予備工具を含めた本数が入るか、工具の監視機能があるか
切りくずコマツNTC CX500のように切りくずが直下に落ちる構造か
プログラム長時間のプログラムを分割せずに流せるか
異常時止まったときに知らせる仕組みがあるか
精度長時間運転での熱変位の補正があるか

キタムラ機械は、Mytrunnion-4G/5Gで加工時間が100時間を越すような大容量のプログラムでも一括処理できると説明しています。長い金型の仕上げなどでは、プログラムを分割せずに流せることが無人運転の前提になります。

小さく始める自動化の例

最初から大きなFMSを組む必要はありません。1台の5軸機にパレットや工具を足すだけでも、夜間の数時間を生産に回せます。

  • パレットを足す:オークマMU-6300Vの昇降2段式APC、ヤマザキマザックVARIAXIS jの2パレットチェンジャ
  • パレットを増やす:松浦機械製作所MX-420 PC10のマルチパレット
  • 工具を増やす:ブラザー工業U500Xd2の100本マガジン仕様、キタムラ機械Mytrunnion-5Gの50本ATC(最大100本)
  • ロボットにつなぐ口を用意する:安田工業YBM Vi40 Ver.Ⅲのロボットインターフェイス

小さく始めて、稼働のデータがたまってからパレットストッカやロボットを足す進め方もあります。後から足せる仕様かどうかを、最初の見積で確認しておいてください。

無人運転の効果を見積もる表

自動化の投資を社内で説明するときは、増える稼働時間と生産数を表にすると伝わりやすくなります。次の項目を自社の数字で埋めてみてください。

項目記入する内容
今の稼働時間1日の有人運転の時間
増やす稼働時間夜間・休日に回したい時間
1個あたりの時間テストカットで測った加工時間
増える生産数増やす稼働時間を1個あたりの時間で割った数
必要な設備パレット枚数、工具本数、ロボットの有無

自動化まで含めた見積の取り方

自動化は機械本体より後から足すと、配置や安全柵の作り直しが必要になることがあります。最初の見積の段階で、将来の自動化も含めて相談するのが安全です。

  1. 夜間・休日に流したい部品と個数を決める
  2. 1個あたりの加工時間から、必要なパレット枚数と工具本数を出す
  3. パレット、ロボット、FMSのどれで回すかを決める
  4. 床面と安全柵、段取りの作業スペースを含めた配置図を出してもらう
  5. テストカットで、無人で流す条件(工具寿命・切りくず・寸法の変化)を確かめておく

立形で始めるならパレット仕様のある松浦機械製作所やヤマザキマザック、横形のセルなら牧野フライス製作所、FMCで多品種少量を回すならキタムラ機械、既存の横形ラインに足すならジェイテクトが入口になります。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

立形の5軸機でも夜間運転はできますか?

できます。松浦機械製作所はMXシリーズのマルチパレットシステムで省フロアスペースの無人運転をうたい、ヤマザキマザックはVARIAXIS iで2パレットチェンジャやMPP(多段パレットストッカ、i-700Tのみ)に対応しています。

横形の5軸機は自動化しやすいですか?

牧野フライス製作所は、5軸制御横形はすべて自動化システムを付属でき、夜間や週末の完全無人運転が可能と説明しています。キタムラ機械のSUPERCELL-800Gは最大21パレット仕様等のFMSに対応します。

工具は何本あれば夜間に回せますか?

部品の工程数と予備工具の数で決まります。安田工業のYBM Vi40 Ver.ⅢはATC60本(オプション100本)、ブラザー工業のU500Xd2には100本マガジン仕様があります。

【用途別】5軸マシニングセンタメーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

アルミ・鉄の小物部品を、省スペースで多面・5軸加工するなら

ブラザー工業株式会社

床面1,560×2,026mmの30番機。テクノロジーセンターで実機デモ

U500Xd1は治具エリア最大⌀500の傾斜ロータリーテーブル(A軸120〜−30度・C軸360度)を持つ30番の立形機で、テーブル作業面⌀260mm・最大積載100kg、主軸10,000min-1(オプション16,000)。所要床面は1,560×2,026mm。5AX仕様のCNC装置はCNC-D00v。東京・大阪などのブラザーテクノロジーセンターで実機デモとセミナーを行っている。

ブラザー工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

旋削も含めて1台に工程集約するなら

オークマ株式会社

両端支持トラニオンに旋削仕様。本社ショールームでテストカット

MU-V seriesは剛性の高い両端支持のトラニオンテーブルで、テーブルø500〜ø800×630幅、主軸10,000/6,000min-1。MU-5000V/6300V/8000Vには旋削仕様(L)があり、旋削能力の実績値(加工径ø164mm、MU-6300Vはø250mm)を公表している。本社にはテストカットを実施するショールームがある。

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3

難削材・重量物の中物〜大物を横形5軸で削るなら

株式会社ニイガタマシンテクノ

トラニオンの横形HN-5X。積載1,500kgまで、テックセンターで実ワークを試す

HN50E-5X〜HN80E-5Xは高剛性トラニオンテーブルを載せた5軸横型で、パレット500×500〜800×800mm、最大積載600〜1,500kg、最大ワークФ750×700〜Ф1,250×1,000mm。難削材部品の加工に適した剛性を打ち出す。テックセンターで実際のワークのテストカットができ、加工可否・精度・サイクルタイムを導入前に確認できる。

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