3比較ハブ5軸マシニングセンタ

5軸マシニングセンタ · 用途別

金型・精密部品を5軸で仕上げるなら|高速主軸・超精密機と、精度・補正情報の比べ方

金型や精密部品を5軸マシニングセンタで加工したい工場向けに、牧野フライス製作所(D・V系列)、安田工業、芝浦機械(UVM・VM-450A(5))、三井精機工業、キタムラ機械などの金型向け機種を、用途・主軸・精度の公式情報で整理します。

公開 2026年10月1日

金型や精密部品の5軸加工では、削れるかどうかに加えて、面の品位と寸法の安定が問われます。高速の主軸、回転軸の精度、熱による変化への対策が、機種を選ぶ主な物差しになります。

このページでは、金型・精密部品向けを公式にうたう5軸機を、掲載メーカーの情報で整理します。

金型で5軸を使うと何が変わるか

金型は3軸機と放電加工の組み合わせで作ることが多い分野です。5軸で工具の向きを変えられると、短い工具で深い形状に届き、放電加工の工程を減らせる場合があります。

  • 三井精機工業は、最適な方向から工具をアプローチでき、従来放電加工機でしか加工できなかった金型が切削で加工可能になると説明
  • 同社は、段取り替えが必要なワークでもワンチャッキングで加工でき、金型製作のリードタイム短縮、省人化、無人化につながるとしている
  • 割出し2軸+同時3軸で金型のコアを削る使い方も紹介
  • オークマは、MU-6300Vによるヘッドライトカバー型加工で、曲面計測までを含む金型加工のリードタイム短縮を紹介

金型の5軸化は、まず割出し2軸+同時3軸から始め、自由曲面の仕上げに同時5軸を使う流れが入りやすい方法です。どちらが要るかは、基礎知識のページで見分け方を整理しています。

金型・精密部品向けを公式にうたう機種

掲載メーカーのうち、金型や精密部品を用途として明記している5軸機を並べると次のとおりです。

メーカー・機種公式に書かれた用途・特長主な数値
牧野フライス製作所 D500複雑形状部品や金型加工に最適な立形5軸テーブルΦ500mm、最大ワークΦ650×500mm
牧野フライス製作所 D800Z大物工作物に対応、金型および航空宇宙関連部品向けテーブルΦ800mm、最大ワークΦ1,000×550mm
牧野フライス製作所 D2金型形状部(上面)と構造部(側面)の加工を1台で両立テーブル1,600×1,200mm
牧野フライス製作所 V80S〜V100S主軸旋回のA/C軸。自動車関連の大物部品用金型テーブル1,300×1,000〜2,000×2,500mm
安田工業 YBM Vi40 Ver.Ⅲ部品や金型の複雑化・高硬度化・高面品位化に応える5軸機主軸100〜24,000min-1、ATC60本
芝浦機械 UVM-700E(5AD)自由度の高い鏡面加工を実現した5軸仕様のUVM車載用照明部品金型、大型精密金型

牧野フライス製作所は、立形5軸のラインナップの中で、金型・精密部品の加工に最適な5軸機を一つの区分として挙げています。金型の大きさと形状部・構造部のどちらが多いかで、系列を選び分けられます。

鏡面や微細形状なら超精密・高速主軸の機種

レンズ金型や医療部品のように、鏡面や微細な形状を仕上げる用途では、主軸の回転数と送りの滑らかさが効いてきます。公式に高い回転数を載せている機種は次のとおりです。

  • 芝浦機械 VM-450A(5):主軸最高40,000min-1のベアリング主軸、直線3軸にリニアモータ(最高送り50m/min)、回転2軸にDDモータ。主なターゲットは自動車光学部品と医療部品で、プレス金型や精密部品加工にも展開
  • キタムラ機械 MedCenter5AX:30,000回転主軸(HSK-E40)、0.002mm/フルストロークの高精度位置決め
  • 三井精機工業 Vertex55X Ⅲ:高速型25,000min-1と高トルク型15,000min-1から選択
  • 安田工業 YBM Vi40 Ver.Ⅲ:主軸100〜24,000min-1

芝浦機械のVM-450A(5)は2026年9月30日に発表された新機種で、2026年10月26日〜31日のJIMTOFで実機を初公開するとしています。テーブル寸法などの仕様は今回確認したページでは分からなかったため、展示会や問い合わせで確認してください。

寸法を安定させる精度と補正の情報

金型や精密部品では、長時間の加工で寸法がずれないことが重要です。各社は熱変位や回転軸のずれの補正機能を公式に説明しています。

メーカー公式に書かれた精度・補正の情報
オークマMU-5000Vの割出し精度の実績値はA軸±0.68秒・C軸±0.78秒、割出し復帰精度はA軸±0.40秒・C軸±0.14秒
キタムラ機械Mytrunnion-4G/5Gは全軸フルストロークで位置決め精度±2ミクロン、繰り返し精度±1ミクロン・±0.5ミクロン
ヤマザキマザック5軸高精度チューニング機能MAZA-CHECKで回転軸のズレや傾きを自動計測・補正
三井精機工業機械固有の回転軸中心のずれ量をNC側で計算する5軸工具先端点制御
コマツNTC位置決め補正を空間で数値化して入れる空間精度補正

精度の数値は、実績値か保証値か、どの条件で測ったかが会社ごとに違います。同じ条件で比べたいときは、テストカットで自社の部品の寸法を測るのが確実です。

金型工場で見ておきたい自動化

金型の仕上げ加工は時間が長く、夜間に回したい工程です。電極や部品の段取りを自動化する周辺装置も、機種と一緒に確認してください。

  • 安田工業 YBM Vi40 Ver.Ⅲ:ロボットインターフェイス(EROWA・System 3R)、ATC100本をオプションで用意
  • キタムラ機械 Mytrunnion-4G/5G:加工時間が100時間を越すような大容量プログラムでも一括処理
  • 牧野フライス製作所:パレット交換やロボット搬送などのオートメーションを製品情報に掲載
  • DMG森精機:金型のデモ加工事例で、複数工程を段取り替えなしで加工(DMU 85 monoBLOCK)

医療部品のような微細な精密部品

人工関節や医療機器の部品は、小さく複雑な形状を同時5軸で削ることが多い分野です。医療部品を公式に用途として挙げている機種や事例を並べると次のとおりです。

メーカー・機種公式に書かれた内容
牧野フライス製作所 N2-5XA医療部品加工用の横形。パレットΦ200mm、最大ワークΦ300×270mm、主軸端HSK-A40
ヤマザキマザック VARIAXIS i-500膝関節人工骨の多数個取加工の動画を公開
松浦機械製作所 MXシリーズサンプルワークに人工心臓(SUS303)を掲載
芝浦機械 VM-450A(5)主力ターゲットに医療部品を挙げる

医療部品は材料にステンレスやチタンが多く、小径工具を長く使う加工になります。主軸の回転数と工具の本数、長時間運転での精度をあわせて確認してください。

金型・精密部品で5軸機を選ぶ手順

金型・精密部品の5軸機は、仕上がりの差が導入後の品質を決めます。必ず自社の材料と形状でテストカットをしてから決めてください。

  1. 金型の大きさと材料(硬さ)、求める面粗さを書き出す
  2. 割出し2軸+同時3軸で足りるか、同時5軸の仕上げが要るかを分ける
  3. 主軸の回転数と工具径の範囲で候補を絞る
  4. 精度と熱変位の補正の情報を比べる
  5. テストカットで面品位と寸法、加工時間を確かめる

テストカットの窓口を公式に明記しているのは、オークマ、DMG森精機、ニデックオーケーケー、新日本工機、ニイガタマシンテクノの5社でした。金型向けの専用系列を持つ牧野フライス製作所や安田工業、芝浦機械には、問い合わせの最初に試し削りの可否を確認してください。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

5軸にすると放電加工は不要になりますか?

形状によります。三井精機工業は、最適な方向から工具を当てられることで、従来放電加工機でしか加工できなかった金型が切削で加工可能になると説明しています。すべての形状が置き換わるわけではないため、テストカットで確かめてください。

鏡面加工ができる5軸機はありますか?

芝浦機械は超精密マシニングセンタUVMシリーズに5軸仕様のUVM-700E(5AD)を用意し、自由度の高い鏡面加工を実現したと説明しています。2026年9月30日には主軸40,000min-1のVM-450A(5)も発表しています。

金型向けの5軸機で夜間運転はできますか?

できます。安田工業のYBM Vi40 Ver.ⅢはEROWA・System 3Rのロボットインターフェイスをオプションで用意し、キタムラ機械のMytrunnion-4G/5Gは100時間を越す大容量プログラムを一括処理できると説明しています。

【用途別】5軸マシニングセンタメーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

アルミ・鉄の小物部品を、省スペースで多面・5軸加工するなら

ブラザー工業株式会社

床面1,560×2,026mmの30番機。テクノロジーセンターで実機デモ

U500Xd1は治具エリア最大⌀500の傾斜ロータリーテーブル(A軸120〜−30度・C軸360度)を持つ30番の立形機で、テーブル作業面⌀260mm・最大積載100kg、主軸10,000min-1(オプション16,000)。所要床面は1,560×2,026mm。5AX仕様のCNC装置はCNC-D00v。東京・大阪などのブラザーテクノロジーセンターで実機デモとセミナーを行っている。

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2

旋削も含めて1台に工程集約するなら

オークマ株式会社

両端支持トラニオンに旋削仕様。本社ショールームでテストカット

MU-V seriesは剛性の高い両端支持のトラニオンテーブルで、テーブルø500〜ø800×630幅、主軸10,000/6,000min-1。MU-5000V/6300V/8000Vには旋削仕様(L)があり、旋削能力の実績値(加工径ø164mm、MU-6300Vはø250mm)を公表している。本社にはテストカットを実施するショールームがある。

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3

難削材・重量物の中物〜大物を横形5軸で削るなら

株式会社ニイガタマシンテクノ

トラニオンの横形HN-5X。積載1,500kgまで、テックセンターで実ワークを試す

HN50E-5X〜HN80E-5Xは高剛性トラニオンテーブルを載せた5軸横型で、パレット500×500〜800×800mm、最大積載600〜1,500kg、最大ワークФ750×700〜Ф1,250×1,000mm。難削材部品の加工に適した剛性を打ち出す。テックセンターで実際のワークのテストカットができ、加工可否・精度・サイクルタイムを導入前に確認できる。

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自社のワークに合う5軸機を、無料で相談する

削りたいワークの材質・最大寸法・質量、今の工程(3軸機や旋盤の台数)、月の生産数、置ける場所の広さを送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、テストカットやショールームの窓口をおつなぎします。費用はかかりません。

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