3比較ハブ5軸マシニングセンタ

5軸マシニングセンタ · 用途別

小物の量産部品を5軸で多面加工するなら|30番の小型機から40番機まで、床面と積載で選ぶ

アルミや鉄の小物部品を5軸マシニングセンタで多面加工・工程集約したい工場向けに、ブラザー工業・キタムラ機械・ニデックオーケーケー・三井精機工業・松浦機械製作所・ホーコスの小物向け機種を、テーブル・積載・主軸・設置面積の公式数値で比べます。

公開 2026年10月1日

アルミや鉄の小物部品を量産していて、3軸機の段取り替えが多いなら、小型の5軸機で多面加工にまとめる方法があります。テーブルを小さくした機種は、機械全体も小さく、既存のラインに入れやすいのが特長です。

このページでは、小物量産に向く5軸機を、掲載メーカーの公式の数値で比べます。

小物部品こそ段取り替えの削減が効く

小物部品は1個の加工時間が短いぶん、段取り替えや付け替えの時間が全体に占める割合が大きくなります。5軸機で複数の面を一度に削れば、その時間をまとめて減らせます。

  • ヤマザキマザックは、全工程を1台で完結させると段取り工程が減り、取付治具費用や設備費用、機械設置スペースも減らせると説明
  • 三井精機工業は多面割り出しの効果として、段取り工数の大幅な削減、治具の簡素化・不要化、加工精度の向上を挙げる
  • ブラザー工業はU500Xd1を、傾斜ロータリーテーブルと28本マガジンの組み合わせで多面加工を行う機種と紹介

曲面のない部品なら、割出し5軸(3+2)で十分な効果が出ます。同時5軸が要るかどうかは、基礎知識のページで見分け方を整理しています。

小物向け5軸機の候補と公式の数値

小物向けの機種は、テーブルや最大ワークが小さい代わりに、床面や機械幅が抑えられています。公式サイトの数値を並べると次のとおりです。

メーカー・機種テーブル・最大ワーク積載主軸大きさ
ブラザー工業 U500Xd1テーブル⌀260mm(治具エリア最大⌀500)100kg10,000(OP 16,000)min-1・No.30所要床面1,560×2,026mm
キタムラ機械 MedCenter5AX最大ワークφ230×175mm記載なし30,000回転・HSK-E401.2m×2.0m
ニデックオーケーケー VC-X350パレットφ350mm200kg12,000(OP 20,000)min-1・No.40記載なし(今回確認範囲)
三井精機工業 Vertex55X Ⅲテーブルφ400、最大φ750×525mm(制限あり)350kg15,000/25,000min-1・No.40設置スペース2m×3m
松浦機械製作所 MX-330 / MX-420最大ワークΦ330×H300mm/Φ420×H300mm記載なし記載なし(一覧ページ)パレット仕様PC10
ホーコス NJ35-5AX記載なし記載なし記載なし機械幅990mm

積載が100kgのブラザー工業から350kgの三井精機工業まで、同じ小物向けでも幅があります。治具を含めた質量で比べてください。

30番か40番かで機械の性格が変わる

主軸のテーパの大きさは、使える工具の太さと切削の強さに関わります。小物の量産では、30番の小型機と40番の機種のどちらを選ぶかが最初の分かれ道です。

区分公式の機種例向く使い方
30番ブラザー工業 U500Xd1(MAS-BT30、工具14/21/28本)アルミや小径工具の小物を短いタクトで量産
40番ニデックオーケーケー VC-X350、三井精機工業 Vertex55X Ⅲ、安田工業 YBM Vi40 Ver.Ⅲ(BT40)鉄・ステンレスや少し大きな部品も削る
HSK-E40キタムラ機械 MedCenter5AX30,000回転で小径工具を使う小物(最大ワークφ230×175mm)

三井精機工業はVertexで高速型25,000min-1と高トルク型15,000min-1の主軸を選べるとしています。材料が決まっているなら、主軸の種類から先に絞る方法もあります。

ラインに入れるなら幅と床面を先に測る

量産ラインに5軸機を並べる場合は、機械の幅と保守のための空きスペースが効いてきます。公式に寸法を出している機種から比べると、置ける台数の見当がつきます。

  • ホーコス NJ35-5AX:機械幅990mm。両サイドのメンテナンススペースが不要なベッドレス構造
  • ブラザー工業 U500Xd1:所要床面1,560×2,026mm(制御装置扉開口時は奥行2,864mm)、機械質量2,650kg
  • キタムラ機械 MedCenter5AX:1.2m×2.0m(幅×奥行)のコンパクトなデザイン
  • 三井精機工業 Vertex55X Ⅲ:設置スペース2m×3m

機械質量は床の耐荷重に、電源容量は工場の受電設備に関わります。設置候補の場所の寸法と条件を、見積の依頼と一緒に伝えてください。

量産なら工具本数とパレットも見る

5軸機で工程をまとめるほど、1台で使う工具の本数が増えます。夜間も回すなら、ワークを入れ替えるパレットやストッカの有無も比べてください。

メーカー・機種工具パレット・自動化
ブラザー工業 U500Xd1 / U500Xd214/21/28本。U500Xd2は100本マガジン仕様あり記載なし(今回確認範囲)
松浦機械製作所 MXシリーズ記載なし(一覧ページ)マルチパレットシステムで省フロアスペースの無人運転
ニデックオーケーケー VC-X35020本(OP 30・40・60・80本)記載なし(今回確認範囲)
キタムラ機械 SUPERCELL-800G記載なし最大21パレット仕様等のFMS対応

工具本数は、量産品の工程数に予備工具を足した数が目安です。パレットは、夜間に流したいワークの数から必要な枚数を逆算します。

買う前に実機を見られる窓口

小物の量産では、サイクルタイムの差がそのまま生産能力の差になります。実機で自社の部品を削って比べるのが確実です。

  • ブラザー工業:ブラザーテクノロジーセンター(東京・大阪ほか)で実機デモとセミナー
  • ニデックオーケーケー:テクニカルセンター(滋賀県栗東市)で加工デモ、加工テスト、試作。見学は申込制
  • DMG森精機:ソリューションセンタで持ち込み図面やプログラムのテスト加工。DMU 40は同時5軸加工が初めての方にもおすすめと紹介
  • ホーコス:工作機械のオンラインショールームで展示機を紹介

小物でも同時5軸が要る部品

小物の中にも、医療部品や小型の曲面部品のように、同時5軸でないと削れない形状があります。メーカーが公式に挙げている小物の用途を見ると、どの機種が向くかの手がかりになります。

  • キタムラ機械 MedCenter5AX:同時5軸制御の立形で、最大ワークφ230×175mm、30,000回転主軸
  • 牧野フライス製作所 N2-5XA:医療部品加工用の横形で、パレットΦ200mm、最大ワークΦ300×270mm
  • ヤマザキマザック VARIAXIS i-500:膝関節人工骨の多数個取加工の動画を公開
  • 三井精機工業 Vertex:インペラーなど同時5軸制御でなければ加工できない部品の加工例を紹介

小物量産で5軸機を選ぶ手順

最後に、小物の量産部品で5軸機を選ぶ順番をまとめます。条件をそろえて2〜3社に同時に相談すると、比較の手間が減ります。

  1. 量産品の図面を集め、面の数と段取り回数を数える
  2. 最大ワークと治具を含めた質量で、積載を満たす機種に絞る
  3. 材料と工具径から30番か40番か、主軸の種類を決める
  4. 置き場の幅と床面、電源で台数を決める
  5. 工具本数とパレットの要否を決める
  6. テストカットや実機デモでサイクルタイムを比べる

小物量産の入口としては、30番で床面を抑えたブラザー工業と、40番で積載に余裕のあるニデックオーケーケーや三井精機工業を並べて比べると、自社に合う方向が見えてきます。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

小物部品なら3軸機に回転テーブルを足すのと何が違いますか?

5軸機は回転軸と機械本体を一体で設計し、ブラザー工業のU500Xd1のように傾斜ロータリーテーブルと工具マガジンを組み合わせて多面加工を前提にしています。精度と段取りの手間は、テストカットで比べてください。

小物向けの5軸機はどれくらいの広さに置けますか?

公式の数値では、ホーコスのNJ35-5AXが機械幅990mm、ブラザー工業のU500Xd1が所要床面1,560×2,026mm、キタムラ機械のMedCenter5AXが1.2m×2.0mです。

初めての5軸機でも量産に使えますか?

使えます。DMG森精機はDMU 40を同時5軸加工が初めての方にもおすすめと紹介し、松浦機械製作所はMXシリーズを、はじめてでも安心・簡単の5軸機としています。立ち上げの教育内容も比べてください。

【用途別】5軸マシニングセンタメーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

アルミ・鉄の小物部品を、省スペースで多面・5軸加工するなら

ブラザー工業株式会社

床面1,560×2,026mmの30番機。テクノロジーセンターで実機デモ

U500Xd1は治具エリア最大⌀500の傾斜ロータリーテーブル(A軸120〜−30度・C軸360度)を持つ30番の立形機で、テーブル作業面⌀260mm・最大積載100kg、主軸10,000min-1(オプション16,000)。所要床面は1,560×2,026mm。5AX仕様のCNC装置はCNC-D00v。東京・大阪などのブラザーテクノロジーセンターで実機デモとセミナーを行っている。

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2

旋削も含めて1台に工程集約するなら

オークマ株式会社

両端支持トラニオンに旋削仕様。本社ショールームでテストカット

MU-V seriesは剛性の高い両端支持のトラニオンテーブルで、テーブルø500〜ø800×630幅、主軸10,000/6,000min-1。MU-5000V/6300V/8000Vには旋削仕様(L)があり、旋削能力の実績値(加工径ø164mm、MU-6300Vはø250mm)を公表している。本社にはテストカットを実施するショールームがある。

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3

難削材・重量物の中物〜大物を横形5軸で削るなら

株式会社ニイガタマシンテクノ

トラニオンの横形HN-5X。積載1,500kgまで、テックセンターで実ワークを試す

HN50E-5X〜HN80E-5Xは高剛性トラニオンテーブルを載せた5軸横型で、パレット500×500〜800×800mm、最大積載600〜1,500kg、最大ワークФ750×700〜Ф1,250×1,000mm。難削材部品の加工に適した剛性を打ち出す。テックセンターで実際のワークのテストカットができ、加工可否・精度・サイクルタイムを導入前に確認できる。

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自社のワークに合う5軸機を、無料で相談する

削りたいワークの材質・最大寸法・質量、今の工程(3軸機や旋盤の台数)、月の生産数、置ける場所の広さを送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、テストカットやショールームの窓口をおつなぎします。費用はかかりません。

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