3比較ハブベンディングロール

ベンディングロール · 基礎知識

ベンディングロールの端曲げとは|ストレート残りの理由と、水平移動・金型・4本ロールの方式比較

ベンディングロールで円筒を曲げるときに板の端にまっすぐな部分が残る理由と、トップロール水平移動式(栗本鐵工所・神埼工業)、端曲げ金型方式(神埼工業)、4本ロール(アイセル・MIYAi)、油圧式(日本酸素G&W)、ウレタンロールの端曲げを公式の説明で比べます。

公開 2026年10月1日

ベンディングロールで円筒を曲げるとき、仕上がりを大きく左右するのが板の端の処理です。端がまっすぐ残ると、溶接で突き合わせたときに角ができ、真円になりません。

このページでは、端曲げ(はしまげ)がなぜ要るのか、各社がどんな方式で端を曲げているのかを、公式の説明で比べます。

端にまっすぐな部分が残る理由

3本ロールでは、板は下の2本のロールの間で押されて曲がります。板の端が下のロールを越えてしまうと、それ以上押せないため、端の部分は曲がらずに残ります。

  • 日本酸素G&W:標準型の3本ロールで曲げると、曲げ始めと曲げ終わりの部分が折れ曲がり、Rにならないと説明
  • 栗本鐵工所:一般的な4本ロールでも板材の両端に平坦部が残り、熟練者でも真円に近い端曲げは難しいと説明
  • エスカディア:鉄芯ロールは材料とロールがスリップするため、加工の開始位置が材料端から遠くなり、ストレート部分が多く残ると説明

端曲げをしないと、別にプレスで端を曲げる工程が要ります。アイセルは、4本ロールのBS-Bならプレスによる端曲げが不要になると書いています。

端曲げの方式と各社の機種

方式しくみ(公式の説明)機種の例
トップロール水平移動NCでトップロールを前後に動かし、板の両端を成形する栗本鐵工所 MJ・MP・M、神埼工業 TPB
端曲げ金型油圧で板の先端を上ロールと端曲用金型で挟み、加圧して曲げる神埼工業 TAH-O3At
4本ロール(ピンチ)ピンチロールで板をはさみ、同じ工程で端曲げと円筒成形を行うアイセル BS-B、MIYAi MR-S、エスカディア SRF-55
油圧式端曲げ端曲げ時の大きな加圧力を油圧で得る日本酸素G&W SR-DOH
ウレタンロールスリップしないため材料端の近くから曲げ始められるエスカディア、マツモト機械 MUR

方式は、扱う板厚の範囲とも関係します。薄板ではウレタンロール、中厚板では4本ロールや油圧式、厚板ではトップロール水平移動式や金型方式が多く使われています。

トップロール水平移動式のしくみ

栗本鐵工所は、NC制御でトップロールを前後に動かして鋼板の両端を成形し、プレス作業と同様に端に近い部分まで曲げられると説明しています。端曲げ部では最後に加圧するため、材料を圧延する心配がないとしています。

  • 端曲げ部のクランプの長さを自由に設定できる
  • 加圧と材料送りをくり返さず、ワークの端だけを加圧する
  • クリモト式端曲げ機構で真円度の高い成形を安定して行えると説明
  • 成形精度が上がると、溶接や修正などの後工程を減らせる

神埼工業も、端曲げ式上ロール水平移動のTPBシリーズを掲載しています。厚板の円筒を真円に近づけたい場合の代表的な方式です。

金型で挟む方式と油圧式

神埼工業は、1967年6月に端曲げ式ベンディングロールを開発して全国に販売したと沿革に書いています。現在のTAH-O3Atは、強力な油圧で板の先端を上ロールと端曲用金型で挟み、加圧して端を曲げる方式です。

機種公式の標準装備・オプション
神埼工業 TAH-O3At上下ロール3本駆動・ブレーキ付きが標準。オプションに上下ロールの高周波焼入、上ロールのデジタル表示、円錐曲げ装置
日本酸素G&W SR-DH標準型で折れ曲がる曲げ始めと終わりまできれいに曲がる。ただし1回では曲げられないと説明
日本酸素G&W SR-DOH油圧式の端曲げタイプ。厚板には油圧式が良いと説明

日本酸素G&Wは、端曲げにはかなりの加圧力がいるため、厚板では油圧式が良いと書いています。端曲げの能力は、中央部の曲げ能力より小さくなる点にも注意が必要です。

ウレタンロールで端の残りを減らす

薄板では、ロールの材質で端の残りを減らす方法もあります。エスカディアは、ウレタンロールは材料とロール軸がスリップしないため、加工の開始位置を材料端に近づけられ、ストレートの残りが少なくなると説明しています。

  • エスカディア:鉄芯ロールはスリップするため開始位置が端から遠くなり、ストレートが多く残ると比較している
  • エスカディア:ウレタンロールは一般鋼板のほか、ステンレス・アルミ・カラー鋼板に対応
  • マツモト機械 MUR:油圧式2本ウレタンロールで、高精度な端曲げが可能と説明
  • 富士機工:ロールにウレタンをコーティングし、ノンスリップで材料に傷を付けないと説明

ウレタンロールで扱える板厚は、マツモト機械のMURでSS400の2.3mmと公式に書かれています。厚い板の端曲げには、ほかの方式を選んでください。

4本ロールで1工程にまとめる

4本ロールは、ピンチロールで板をはさんだまま端を曲げ、そのまま円筒まで仕上げます。各社は、1工程で仕上げるための工夫を次のように説明しています。

機種公式の説明
アイセル BS-Bサイドロールは上昇後に完全にロックされ、真円度に優れる。ロールバランスの調整で太鼓状・鼓状を防ぎ、ダイヤル式セットメーターでくり返し成形
MIYAi MR-SAutoRollerで完成径・板厚・曲げ幅を入れて円筒を一発成型(筒のみの機能で、最終の追い込みが要る場合があると注記)。円錐でも端曲げが可能
エスカディア SRF-55加工の条件出しにより一発成型が可能。ただし板厚・加工径・加工幅によってはできない場合もある

一発成型ができるかどうかは、板厚と仕上がり径の組み合わせで変わります。量産品の条件を伝えて、何工程で仕上がるかを確認してください。

端曲げの能力は中央より小さい

能力表を見ると、同じ機械でも端曲げできる板厚は、中央部で曲げられる板厚より小さく書かれています。栗本鐵工所の仕様表は、板厚を端曲と中央に分けて載せています。

機種(板幅1500mm)端曲の板厚中央の板厚
栗本鐵工所 MJシリーズ 25ton6mm8mm

栗本鐵工所の曲げ能力は、降伏点255N/mm²(JIS SS400相当)で計算した値です。ステンレスや高張力鋼を曲げる場合は、同じ板厚でも能力が足りないことがあるため、材質を伝えて確認してください。

端曲げを確かめるための依頼項目

  1. 材質と板厚、板幅
  2. 仕上がりの内径(または外径)
  3. 端のまっすぐな部分をどこまで許すか(溶接の開先や後工程との関係)
  4. 真円度の要求と、検査の方法
  5. 月にどれだけ曲げるか(プレスでの端曲げを別工程にできるか)

端曲げは方式ごとに得意な板厚が違うため、同じ条件を複数のメーカーに伝えて、方式ごとの提案を比べるのが確実です。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

端曲げをしないとどうなりますか?

板の両端にまっすぐな部分が残り、溶接で突き合わせたときに真円になりません。別にプレスで端を曲げる工程が必要になります。アイセルは4本ロールのBS-Bならプレスでの端曲げが不要になると説明しています。

厚板の端曲げに向く方式は?

公式の説明では、栗本鐵工所のトップロール水平移動式、神埼工業の端曲げ金型方式(TAH-O3At)、日本酸素G&Wの油圧式端曲げタイプ(SR-DOH)が厚板向けです。日本酸素G&Wは、厚板の端曲げには油圧式が良いと書いています。

端曲げできる板厚は能力表のどこを見ればいいですか?

栗本鐵工所の仕様表のように、板厚を端曲と中央に分けて載せているものがあります。端曲げの板厚は中央より小さいため、端曲げが必要な製品は端曲の欄で比べてください。

【用途別】ベンディングロールメーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

圧力容器・タンク・造船部品の厚板を、真円に近く曲げたいなら

株式会社栗本鐵工所

加圧能力25ton〜490ton以上、板厚110mm・板幅8mの製作実績。NCとCNCで端曲げまで

トップロールを前後に動かして端曲げを行う、トップロール水平移動式の3本ロール。材質・板厚・板幅・内径を入れるとロールの位置が演算され、半自動NC(TNC)と全自動NC(CNC)を選べる。MJシリーズ25〜65ton、MPシリーズ75〜430ton、Mシリーズ490ton〜で、製作は板厚110mm・板幅8mまで実績がある。

株式会社栗本鐵工所の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

ホッパーやダクトの円錐と端曲げを、1台で自動化したいなら

株式会社MIYAi

油圧4本ロールMR-S。円筒・円錐・オーバル・多角形を1台で、完成径と板厚を入れて自動運転

MR-Sは油圧4本ロール式で、最大曲げ幅550mm・1000mm、曲げ能力0.3〜9.0mm(MR-550S)。端曲げ円筒・円錐・オーバル・多角形状を1台で加工でき、円錐曲げ用の支点軸を持つ。自動円筒曲げ機能AutoRollerは完成径・板厚・曲げ幅を入れてスタートするだけで円筒を曲げる。公式サイトに円錐の可否を判定するツールも載せている。

株式会社MIYAiの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

ステンレスやカラー鋼板の薄板を、傷とストレート残りを抑えて曲げたいなら

株式会社エスカディア

ウレタンロールの2本・3本・4本ロールベンダー。鉄芯ロールならSS材9mmまで

ウレタンロールは材料とロール軸がスリップしないため、加工の開始位置を材料端に近づけられ、ストレートの残りが少ないと説明する。傷を付けにくく、ステンレス・アルミ・カラー鋼板に対応。3本ロールにスタンダード・加圧電動・端曲げタイプがあり、4本ロールは同一工程で端曲げと円筒成形ができる。鉄芯ロールのSRSHシリーズはSS材9mmまで。

株式会社エスカディアの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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