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ベンディングロール · 基礎知識

ベンディングロールの能力表の読み方|板厚×板幅・材質の前提・ロール径と見積で伝える項目

ベンディングロールの仕様表にある加圧能力、板厚(端曲・中央)、板幅、ロール径、材質の前提(SS400など)の読み方を、栗本鐵工所・マツモト機械・エスカディア・MIYAiの公式の数値で解説し、仕様非公開の会社への聞き方と見積の前提をまとめます。

公開 2026年10月1日

ベンディングロールの見積を取る前に、各社の能力表を正しく読めるようにしておくと、候補を早く絞れます。能力表の数字には、材質や板幅の前提があるからです。

このページでは、掲載9社の公式サイトに載っている仕様の書き方を例に、能力表の読み方と問い合わせで伝える項目をまとめます。

能力表に並ぶ主な項目

項目意味公式の例
加圧能力上ロールで板を押す力栗本鐵工所 MJシリーズ25〜65ton
板厚(端曲・中央)曲げられる板の厚さ。端曲げは中央より小さい栗本鐵工所 MJ 25tonで板幅1500mmのとき端曲6mm・中央8mm
板幅・ロール有効幅ロールに通せる板の幅エスカディア SRSH 550・1050・1250mm
ロール径上下のロールの太さ。最小の仕上がり径に関わるマツモト機械 MBR-1050-3B 上ロールφ112mm
材質の前提能力を計算した材料栗本鐵工所はSS400相当(降伏点255N/mm²)で計算

同じ板厚でも、板幅が広くなると曲げられる厚さは小さくなります。栗本鐵工所の表では、同じ機種でも板幅ごとに板厚が分けて書かれています。

たとえばMJシリーズの25tonは、板幅1500mmで端曲6mm・中央8mmです。板幅2000mmになると、端曲・中央とも小さな値が並んでいます。

材質の前提を必ず確かめる

能力表の板厚は、多くの場合SS400のような一般構造用の鋼材を前提にしています。各社の表記を並べると、次のとおりです。

  • 栗本鐵工所:曲げ能力は降伏点255N/mm²(JIS SS400規格相当品)で計算
  • マツモト機械:曲げ加工板厚を(SS400)として表記
  • エスカディア:SRSHはSS材9mmまで。2本ロールの最大板厚はSPCCで記載
  • MIYAi:トップロール径の最小可能径はSS3.2mm時で、材質や条件により変わると記載

ステンレスや高張力鋼のように硬い材料は、同じ板厚でも曲げに大きな力が要ります。実際に曲げる材質を伝えて、その材質での能力を確認してください。

最小の仕上がり径はロール径で決まる

どこまで小さな径に曲げられるかは、上ロールの太さで決まります。MIYAiは、最小可能径をトップロール径の約1.1倍からと書いています。

メーカー・機種公式のロール径
MIYAi MR-Sトップロール径Φ65〜
マツモト機械 MBR-1050-3B上ロールφ112mm、下ロールφ81mm
マツモト機械 MUR-550標準上ロール径φ80〜110
エスカディア SRSH標準トップロール径160mm

細い円筒を曲げたいのに上ロールが太すぎると、目的の径まで曲げられません。仕上がりの最小径を最初に伝えると、ロール径の合う機種を提案してもらえます。

仕様が公開されていない会社への聞き方

今回の9社のうち、日本酸素G&W、神埼工業、大同マシナリー、富士機工は、板厚・板幅の数値を製品ページに載せていませんでした。日本酸素G&Wは、曲げる板の長さと厚みに合わせて製作するとしています。

  • 日本酸素G&W:最大能力での板厚・長さ・最小曲げ径を知らせるよう案内
  • 栗本鐵工所:加工ワークに合わせて機種を決めるとして、主な加工材料の詳細を知らせるよう案内
  • 富士機工:製品ページで見積依頼とサンプル加工の相談を受付
  • エスカディア:常設展示場で、持ち込んだテスト材料をテスト加工機で加工して体験できる(来場は事前連絡)
  • 大同マシナリー:数値の仕様は製品ページになく、問い合わせが前提

数値がない会社は、条件を伝えると個別に設計して提案する会社が多いと考えられます。条件を書き出してから問い合わせると、話が早く進みます。

置き場所と電源の条件

能力が合っても、工場に置けなければ導入できません。公式に寸法・質量・電源が載っている機種を並べました。

機種寸法・質量電源
マツモト機械 MBR-1050-3BW1800×D460×H912mm、400kg200V 0.75kw、プラグ付き電源ケーブル3m
エスカディア SRSH3-125W2800×D570×H990mm3相200Vコンセントプラグ付
MIYAi MR-550S幅1600×奥行1080×高920mm、920kg三相200-220V 30A

大型機は基礎工事が必要になることがあります。栗本鐵工所は、トップロール押し下げ加圧構造で下部フレームをコンパクトにし、基礎工事を簡素化したと説明しています。

数字を比べるときの注意

  • 材質の前提がそろっているか(SS400、SS材、SPCCなど)
  • 板厚が端曲げの値か、中央の値か
  • 板幅がいくつのときの板厚か
  • 仕様一覧が機種の一部だけではないか(栗本鐵工所は一部のみと注記)
  • 予告なく仕様が変わることがあるため、見積の時点で最新の値を確認したか

表の数字だけで決めず、最後は自社の品物の条件を伝えて、メーカーに能力を確かめてもらうのが確実です。

条件を伝えるときは、図面か寸法を書いたメモを添えると、聞き違いを防げます。

価格と見積の前提

今回の9社で、ベンディングロールの本体価格を公式に載せていたのはMIYAiだけでした。公式オンラインストアで、MR-550Sを7,150,000円、MR-1000Sを10,230,000円(いずれも税込)としています。ほかの会社の見積の金額は、次の要素で変わります。

要素変わり方
板厚×板幅大きいほど機械が大型になる
ロール本数2本・3本・4本で構造が変わる
駆動・加圧手動・電動・油圧・サーボで構成が変わる
制御手動、表示、NC、CNC、ティーチングの有無
オプション円錐曲げ装置、ロールの焼入れ、跳ね上げ機構など

神埼工業のように、円錐曲げ装置やロールの高周波焼入をオプションにしている会社もあります。必要なオプションを先に決めておくと、見積を比べやすくなります。

問い合わせのときに伝える項目

  1. 材質(SS400、ステンレス、アルミなど)と板厚・板幅
  2. 仕上がりの径(最小と最大)、円錐なら大径・小径と高さ
  3. 端曲げの要否と、許せるストレート部分の長さ
  4. 月の生産数と、同じ形をくり返すかどうか
  5. 置ける場所の広さ、電源(200V・三相など)、床の基礎工事の可否

能力表は、いちばん厳しい条件(いちばん厚い板、いちばん小さい径)で選ぶのが基本です。普段の品物だけで選ぶと、たまに来る厚板の仕事が受けられなくなることがあります。

逆に、まれな仕事に合わせて大きすぎる機械を選ぶと、置き場所と費用が膨らみます。年に数回の厚板は外注にするなど、仕事の分け方もあわせて考えてください。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

能力表の板厚はステンレスにもそのまま使えますか?

そのままは使えません。栗本鐵工所は曲げ能力をSS400相当(降伏点255N/mm²)で計算しており、マツモト機械もSS400で表記しています。硬い材料は同じ板厚でも大きな力が要るため、材質を伝えて確認してください。

どれくらい小さい径まで曲げられますか?

上ロールの太さで決まります。MIYAiは最小可能径をトップロール径の約1.1倍からとし、MR-Sのトップロール径はΦ65〜です。マツモト機械のMBR-1050-3Bは上ロールφ112mmです。

仕様が公開されていない会社にはどう問い合わせればいいですか?

材質・板厚・板幅・仕上がり径・端曲げの要否をそろえて伝えてください。日本酸素G&Wは最大能力での板厚・長さ・最小曲げ径を、栗本鐵工所は主な加工材料の詳細を知らせるよう案内しています。

【用途別】ベンディングロールメーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

圧力容器・タンク・造船部品の厚板を、真円に近く曲げたいなら

株式会社栗本鐵工所

加圧能力25ton〜490ton以上、板厚110mm・板幅8mの製作実績。NCとCNCで端曲げまで

トップロールを前後に動かして端曲げを行う、トップロール水平移動式の3本ロール。材質・板厚・板幅・内径を入れるとロールの位置が演算され、半自動NC(TNC)と全自動NC(CNC)を選べる。MJシリーズ25〜65ton、MPシリーズ75〜430ton、Mシリーズ490ton〜で、製作は板厚110mm・板幅8mまで実績がある。

株式会社栗本鐵工所の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

ホッパーやダクトの円錐と端曲げを、1台で自動化したいなら

株式会社MIYAi

油圧4本ロールMR-S。円筒・円錐・オーバル・多角形を1台で、完成径と板厚を入れて自動運転

MR-Sは油圧4本ロール式で、最大曲げ幅550mm・1000mm、曲げ能力0.3〜9.0mm(MR-550S)。端曲げ円筒・円錐・オーバル・多角形状を1台で加工でき、円錐曲げ用の支点軸を持つ。自動円筒曲げ機能AutoRollerは完成径・板厚・曲げ幅を入れてスタートするだけで円筒を曲げる。公式サイトに円錐の可否を判定するツールも載せている。

株式会社MIYAiの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

ステンレスやカラー鋼板の薄板を、傷とストレート残りを抑えて曲げたいなら

株式会社エスカディア

ウレタンロールの2本・3本・4本ロールベンダー。鉄芯ロールならSS材9mmまで

ウレタンロールは材料とロール軸がスリップしないため、加工の開始位置を材料端に近づけられ、ストレートの残りが少ないと説明する。傷を付けにくく、ステンレス・アルミ・カラー鋼板に対応。3本ロールにスタンダード・加圧電動・端曲げタイプがあり、4本ロールは同一工程で端曲げと円筒成形ができる。鉄芯ロールのSRSHシリーズはSS材9mmまで。

株式会社エスカディアの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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