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CMP装置 · 基礎知識

CMPの受託研磨・テスト加工の頼み方|装置メーカーと受託研磨会社の違い、依頼の流れと準備【2026年版】

装置を買う前に、受託やテスト加工でCMPを試す方法があります。掲載会社の公式情報から、受託・テスト加工を行う会社の違い、依頼の流れ、伝えるべき条件を整理しました。

公開 2026年10月1日

CMPは、スラリー、パッド、圧力、回転数の組み合わせで結果が変わります。いきなり装置を買うより、まず受託やテスト加工で自社の材料を磨いてみるほうが、失敗が少なくなります。

この記事では、受託研磨とテスト加工の使い方を、掲載会社の公式情報で整理します。

受託・テスト加工を行う会社の一覧

受託やテスト加工を公式に案内している会社は、装置メーカーと受託研磨の会社に分かれます。目的によって向く会社が違います。

会社区分公式に挙げている内容
北川グレステック装置メーカーCMPのプロセス開発、試作、消耗品評価用加工。研削・ポストCMP洗浄も受託
ケメット・ジャパンMAT事業部装置メーカー研削、Lapping、Polishing、CMP、洗浄のテスト加工を当社ラボで実施
日本エンギス装置メーカーデモラボで加工条件を探し、システムとプロセスを提案
マイポックス受託研磨平面研磨から絶縁膜・メタル膜・樹脂膜のCMP。試作から少量〜中量の生産、技術移管
ティ・ディ・シー受託研磨CMP研磨加工を1点から量産まで。材料の提案・調達、試験片の製作

装置の購入を前提にした試しなら装置メーカー、製品として納めてほしいなら受託研磨の会社、と考えると選びやすくなります。

装置メーカーのテスト加工を使う

装置メーカーのテスト加工は、その会社の装置でどこまでできるかを確かめる場です。装置を選ぶ前の判断材料になります。

  • 北川グレステック: 千葉テクニカルセンターで実機を見られる。受託の保有設備としてCMP装置ARW-8C1MS(3インチ〜12インチ)、BC-15CN(チップ、2〜6インチ)、ARW-681MSⅡ(〜8インチ)、研削装置GYR-300(小片〜12インチ)を記載
  • ケメット・ジャパンMAT事業部: SiCパワーデバイス、SOI、MEMS、光学系デバイス、LEDサファイア、有機ELなどのテスト加工
  • ケメット・ジャパンMAT事業部: 研磨パッドやスラリー、洗浄剤、研削砥石などの消耗部材の開発・試作テストにも対応
  • 日本エンギス: 研磨後の評価を行う測定設備を完備したデモラボ

テスト加工の結果は、装置の型式と条件をセットで記録してもらってください。あとで自社の装置で同じ結果を出すための出発点になります。

受託研磨の会社に任せる

受託研磨のサービスは、自社の設備で磨いた製品を納めるのが仕事です。少量の生産を外に任せたい場合に向きます。

会社公式記載の内容
マイポックス保有設備の対応サイズは、CMP装置が12"〜4"(マニュアル対応で3"以下にも対応)、エッジ・ノッチ研磨装置が18"(450mm)〜2"・ハーフインチ、片面ポリシング・ラッピング装置が6"〜2"・ハーフインチ・小片(チップ)
マイポックス表面研磨装置MAT CMP 200mmなどの設備。測定装置も保有
ティ・ディ・シーCMPラップ機(日本エンギスほか)を3台。対応可能サイズ〜φ305mm程度
ティ・ディ・シーSiCウエハでRa0.1nm以下、LT&水晶基板でRa0.2nm以下・膜厚ばらつき150nm以下の事例

マイポックスは、研磨装置や研磨材一式を顧客の製造ラインへ移す技術移管にも対応すると書いています。最初は受託で始め、量が増えたら内製に切り替える進め方も取れます。

依頼の流れ

依頼の流れは、マイポックスが具体的に書いています。ほかの会社でも、おおむね同じ順番で進みます。

  1. 問い合わせフォームから相談する
  2. 営業担当か技術部門の担当が要望を聞き、案件に応じて機密保持契約を結ぶ
  3. 加工の仕様を打ち合わせる(試作・評価のあとに決める場合もある)
  4. 契約と仕様に沿って試作する
  5. 試作の結果を反映して、量産の仕様を決める

開発中の材料やデバイスを預けるときは、機密保持契約を先に結んでください。マイポックスは案件の内容や状況に応じて締結すると書いています。

納期と費用の目安

納期と費用は、材料、枚数、難しさで大きく変わります。公式に目安を書いている会社は多くありません。

  • マイポックス: デバイスウェーハのエッジトリミング加工はウェーハお預かり後数日で対応
  • マイポックス: セラミック基板の平面研磨は約1週間〜数週間
  • マイポックス: インゴットからのウェーハメイクは約1か月〜数か月
  • 費用: 今回調べた受託・テスト加工の会社で、料金を公式に載せている会社はなかった

納期は、案件の混み具合でも変わるとマイポックスは書いています。研究の発表や試作の締め切りがあるなら、最初の相談で伝えてください。

依頼のときに伝える条件

受託やテスト加工の結果は、最初に伝える条件の質で決まります。次の点を書いて送ってください。

伝えること例
材料と構造基板の材料、膜の材料と厚さ、パターンの有無
サイズと枚数ウェーハ径、小片の寸法、試作と量産の枚数
目標表面粗さ、平坦度、残膜の厚さ、厚みの公差
前後の工程研削、洗浄、接合、検査の有無
報告の形測定データ、写真、条件の記録の要否

マイポックスは、研磨加工の結果のレポートについて、要望に応じて対応すると答えています。必要な報告の形も、最初に決めておきましょう。

受託から装置導入へ進めるときの順番

受託で手応えがつかめたら、装置の導入を考える段階に進みます。次の順番で進めると、受託の結果を無駄にしません。

  1. 受託で、目標を満たす条件と消耗品を見つける
  2. その条件を再現できる装置の形とサイズを決める
  3. 受託先や装置メーカーに、条件の移管を相談する
  4. 自社の装置で同じ結果が出るかを確かめる

北川グレステックのように、受託と装置の両方を持つ会社なら、条件の移し替えがしやすくなります。マイポックスも技術移管に対応すると書いています。

受託先と装置メーカーが別の会社の場合は、条件の記録をどこまで共有できるかを最初に確かめてください。消耗品の型番や装置の設定まで分かれば、移し替えの手間が大きく減ります。

受託先を比べるときの見方

受託先が複数あるときは、同じ物差しで比べると決めやすくなります。公式の記載から読み取れる違いを、比べる観点として並べます。

  • 対応サイズ: マイポックスのCMP装置は12〜4インチ(3インチ以下はマニュアル対応)で片面ポリシングは小片・チップまで、ティ・ディ・シーのCMPラップ機は〜φ305mm程度
  • 研磨の対象: マイポックスは膜のCMP(絶縁膜・メタル膜・樹脂膜)も、ティ・ディ・シーはSiCやLT、ガラスの事例
  • 前後の工程: マイポックスはエッジ研磨、洗浄、接合も、北川グレステックは研削とポストCMP洗浄も受託
  • 量の幅: ティ・ディ・シーは1点から量産、マイポックスは試作から少量〜中量の生産

前後の工程までまとめて任せられると、工程の間の受け渡しで起きる傷や汚れを減らせます。自社の工程のどこからどこまでを外に出すかを決めて、比べてください。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

CMPの受託はどこに頼めますか?

受託研磨の会社ではマイポックスとティ・ディ・シー、装置メーカーでは北川グレステック(受託CMP)とケメット・ジャパンMAT事業部(テスト加工)が公式に案内しています。

1枚だけでも頼めますか?

ティ・ディ・シーは1点から量産まで対応すると書いています。マイポックスは試作や開発用途から少量〜中量の生産までを請け負います。

受託の結果を自社の装置に移せますか?

マイポックスは、研磨加工の技術(ノウハウ)を筆頭に、研磨装置や研磨材一式を顧客の製造ラインへ移管し、稼働開始まで手伝うとしています。

【用途別】CMP装置メーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

研究開発用の装置を、受託でプロセスを試してから選ぶなら

北川グレステック株式会社

卓上型から3インチ〜300mmのCMP実験装置まで。SiC・TSV・ダマシンの受託CMPも同じ会社で

試験・量産用のCMP装置をウェハサイズに合わせて案内し、マニュアルローディングのCMP実験装置は3インチ〜150mm/200mm/300mmをドレス機構付きでそろえる。卓上型は酸性・アルカリ性のあらゆるスラリーに対応。CMP受託加工ではプロセス開発・試作・消耗品評価を請け負い、SiCパワーデバイス、SOI、MEMS、TSV、TGV、ダマシンプロセスの実績を公式に記載。

北川グレステック株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

SiC・MEMSなど8インチ以下のデバイスを、開発から量産まで同じ装置で

株式会社東京精密

小型CMP装置ChaMP211は2〜8インチの研磨ヘッドで、R&Dから試作、量産まで拡張可能。300mm機ChaMP332も

ChaMP211は量産ラインで培った技術を載せた小型のCMP装置で、SiCやMEMS、マイクロLED、SAWフィルター等のデバイスに最適と記載。2〜8インチの研磨ヘッドで同じ本体のまま異なるウェーハサイズを研磨でき、ウェーハローダと洗浄ユニットを積んでフルオート動作が可能。エアフロート式ヘッドSylphideと白色光の終点検出を備える。

株式会社東京精密の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

半導体工場の量産ラインに、スループット重視で入れるなら

株式会社荏原製作所

F-REX300XA型は1テーブル1ヘッドのデュアルモジュール方式。終点検出とインライン膜厚測定はオプション

F-REX型はウェーハ表面を化学的機械的に研磨するクリーンルーム設置型のCMP装置で、ドライイン/ドライアウト、多段薬液洗浄に対応。F-REX300XA型は新開発の高効率搬送機構とWPH最適化アルゴリズムを搭載し、1テーブル1ヘッド、デュアルモジュール方式、クロスコンタミ対策、改造が容易なモジュール構造を備え、F-REX300X型比で約10%の消費電力削減をうたう。

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