3比較ハブCMP装置

CMP装置 · 基礎知識

CMP装置のしくみと構成|プラテン・研磨ヘッド・パッド・スラリー・ドレッサー・洗浄の役割【2026年版】

CMP(化学機械研磨)は、スラリーの化学作用とパッドによる機械的な研磨を組み合わせて、ウェーハや基板の表面を平らにする技術です。掲載会社の公式情報から、装置の構成要素と、各部の違いが性能にどう効くかを整理しました。

公開 2026年10月1日

CMPは、半導体の製造でウェーハ表面の凹凸をなくす工程として広く使われています。東京精密は、スラリー(化学研磨剤)と研磨パッドを使い、化学作用と機械的研磨の複合作用で凹凸を平坦化する装置と説明しています。

この記事では、CMP装置の構成と、各部の違いが結果にどう効くかを、掲載会社の公式情報で整理します。

CMP装置の主な構成要素

まず全体像です。どの装置も、回る定盤とパッド、ウェーハを押し付けるヘッド、スラリーの供給、パッドを整えるドレッサーでできています。

構成要素役割公式記載の例
プラテン(定盤)パッドを貼って回す台Mini-Lab CMP100: テーブル受径φ380mm、20〜100rpm
研磨パッドスラリーを保持し、ウェーハと擦り合わせるディスコ DFP8141: Φ300mm CMPパッド
研磨ヘッド(トップリング)ウェーハを保持して押し付ける東京精密: エアフロート式ヘッドSylphide
スラリー供給研磨剤を滴下するMini-Lab CMP100: ローラーポンプ(ノズル2本、ポンプは別途オプション)
ドレッサーパッドの表面を整える北川グレステック: CMP実験装置にドレス機構を搭載
洗浄ユニット研磨後のウェーハを洗って乾かす荏原製作所 F-REX型: ドライイン/ドライアウト、多段薬液洗浄

研究開発用の小型機では、このうち洗浄やウェーハの搬送を手作業で行います。量産機は、搬送と洗浄まで含めて自動で動きます。

化学と機械の両方で削る

CMPは、機械で削るだけの研磨とは違い、スラリーの成分で表面を溶かしながら削ります。北川グレステックは、研磨パッドにスラリーを滴下し、ヘッドに取り付けた加工物に力を与えて研磨すると説明しています。

  • ティ・ディ・シー: スラリーの組成を組み替えると、同一基板の異質物をまとめて研磨したり、研磨したい材料だけを選んで研磨したりできると説明
  • 北川グレステック: ベアウェーハのÅレベルの鏡面化、デバイス基板の平坦化、配線材の埋め込みなどで採用されると説明

化学の作用があるので、同じ装置でもスラリーを替えると結果が大きく変わります。装置を選ぶときは、使いたいスラリーに対応できるかも確かめてください。

研磨ヘッドの加圧方式が均一さを決める

ウェーハを均一な力で押し付けられるかが、面内の削れ方のばらつきを決めます。加圧の方式は各社が工夫している部分です。

会社・製品加圧の方式(公式記載)
東京精密 ChaMP332エアフィルムによる均一な加圧。独立したエアバッグで低圧領域での制御性と安定性が良好。ゾーン制御はオプション
東京精密 ChaMP211独立したリテーナ加圧エアバッグでエッジプロファイルを制御
Mini-Lab CMP100ダイアフラム式エアバック方式。加圧3kg〜50kg
ラップジャパン LM-15低摩擦シリンダーによる精密加圧制御。ヘッドはバキューム、バック、センター加圧式などをワンタッチで交換
ダイトロン MCP-302エア加圧方式のトップリングで、ウェーハごとに加工圧を設定

ウェーハの外周(エッジ)は削れ方が変わりやすい場所です。外周まで使いたいデバイスでは、エッジの制御について具体的に聞いてください。

ドレッサーとパッドの状態管理

パッドは研磨を続けると目が詰まり、削れる速さが落ちます。ドレッサーでパッドの表面を整えるのはそのためです。

  • ミクロ技研: 加工中にドレッシングするインドレスが可能な2軸タイプ
  • ラップジャパン LM-24-CMP: 2軸のヘッドの片側にドレッサーを付けたインラインドレッシング加工を選べる
  • Mini-Lab CMP100: 電着ダイヤモンドのコンディショナーリング、リング・ローラーアーム方式
  • ケメット・ジャパンMAT事業部: 研磨装置の定盤や研磨ヘッドをラップ加工で平面修正するサービス

研究開発では、ドレッシングの条件も実験の変数になります。ドレッサーの種類を替えられるか、条件を記録できるかを確かめてください。

終点検出と膜厚の測定

デバイスのCMPでは、削りすぎも削り残しも不良になります。研磨の終わりを見極める仕組みが量産機には載っています。

会社・製品公式記載の内容
荏原製作所 F-REX300XA型研磨加工終点検出モニタ(オプション)、インライン膜厚測定器(オプション)
東京精密 ChaMP211Optical End-Point Detection System。白色光源と特殊アルゴリズムで残膜変化を検出

研究開発用のマニュアル機では、時間を決めて研磨し、外の測定器で膜厚を測るのが一般的です。マイポックスは受託の設備として膜厚や表面形状の測定装置を挙げています。

研磨のあとは洗浄までが一続き

研磨直後のウェーハにはスラリーが残っています。洗浄が不十分だと、次の工程で欠陥の原因になります。

  • 荏原製作所: ドライイン/ドライアウト、多段薬液洗浄に対応
  • ディスコ DFP8141: 洗浄ステーションを備え、加工後のウェーハ洗浄・乾燥も自動
  • 北川グレステック: 研磨機と洗浄機が一体化されたDry-In/Dry-Out装置。ポストCMP洗浄も受託
  • ティ・ディ・シー: 研磨剤は固まりやすいため、研磨終了と同時に水→アセトン→アルコール→水の順で洗浄すると説明

ドライイン/ドライアウトは、乾いた状態で入れて乾いた状態で出てくるという意味です。研究室の手作業では、研磨から洗浄までの時間を空けないことが大事です。

構成を知ったうえで、装置の比べ方を決める

構成要素を知っておくと、カタログのどこを比べればよいかが分かります。最低限、次の点をそろえて比べてください。

  1. 対応ウェーハサイズと、プラテン(定盤)の大きさ
  2. ヘッドの加圧方式と、加圧・回転数の範囲
  3. ドレッサーの方式と、加工中のドレッシングの可否
  4. スラリーの供給方式と、酸性・アルカリ性への対応
  5. 洗浄と搬送が自動か手作業か

北川グレステックは、卓上型が酸性・アルカリ性のあらゆるスラリーに対応すると書いています。スラリーの種類を変えて実験する予定があるなら、この点も比べてください。

比べた結果は、表にして社内で共有しておくと、見積を取る会社を絞るときに役立ちます。記載のない項目は空欄のままにして、問い合わせで埋めてください。

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参照元

よくある質問

CMPと普通の研磨はどう違いますか?

CMPは、スラリーの化学作用と、パッドによる機械的な研磨を同時に使います。ティ・ディ・シーは、スラリーの組成を変えることで、異なる材料をまとめて研磨したり、特定の材料だけを選んで研磨したりできると説明しています。

研究開発用の装置にもドレッサーは要りますか?

パッドの状態を保つために使います。北川グレステックのCMP実験装置はドレス機構を搭載し、ミクロ技研の研究開発用CMPマシーンは加工中にドレッシングできる2軸タイプです。

研磨の終わりはどう判断しますか?

量産機には終点検出の仕組みがあります。荏原製作所のF-REX300XA型は研磨加工終点検出モニタをオプションで用意し、東京精密のChaMP211は白色光源で残膜の変化を検出するシステムを載せています。

【用途別】CMP装置メーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

研究開発用の装置を、受託でプロセスを試してから選ぶなら

北川グレステック株式会社

卓上型から3インチ〜300mmのCMP実験装置まで。SiC・TSV・ダマシンの受託CMPも同じ会社で

試験・量産用のCMP装置をウェハサイズに合わせて案内し、マニュアルローディングのCMP実験装置は3インチ〜150mm/200mm/300mmをドレス機構付きでそろえる。卓上型は酸性・アルカリ性のあらゆるスラリーに対応。CMP受託加工ではプロセス開発・試作・消耗品評価を請け負い、SiCパワーデバイス、SOI、MEMS、TSV、TGV、ダマシンプロセスの実績を公式に記載。

北川グレステック株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

SiC・MEMSなど8インチ以下のデバイスを、開発から量産まで同じ装置で

株式会社東京精密

小型CMP装置ChaMP211は2〜8インチの研磨ヘッドで、R&Dから試作、量産まで拡張可能。300mm機ChaMP332も

ChaMP211は量産ラインで培った技術を載せた小型のCMP装置で、SiCやMEMS、マイクロLED、SAWフィルター等のデバイスに最適と記載。2〜8インチの研磨ヘッドで同じ本体のまま異なるウェーハサイズを研磨でき、ウェーハローダと洗浄ユニットを積んでフルオート動作が可能。エアフロート式ヘッドSylphideと白色光の終点検出を備える。

株式会社東京精密の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

半導体工場の量産ラインに、スループット重視で入れるなら

株式会社荏原製作所

F-REX300XA型は1テーブル1ヘッドのデュアルモジュール方式。終点検出とインライン膜厚測定はオプション

F-REX型はウェーハ表面を化学的機械的に研磨するクリーンルーム設置型のCMP装置で、ドライイン/ドライアウト、多段薬液洗浄に対応。F-REX300XA型は新開発の高効率搬送機構とWPH最適化アルゴリズムを搭載し、1テーブル1ヘッド、デュアルモジュール方式、クロスコンタミ対策、改造が容易なモジュール構造を備え、F-REX300X型比で約10%の消費電力削減をうたう。

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