CMP装置 · 用途別
Cu配線・TSV・ダマシンのCMP|金属膜の除去と層間の平坦化に使う装置と受託【2026年版】
配線の金属膜を溝に埋めて余分を削るダマシン、シリコンやガラスを貫く電極(TSV・TGV)の平坦化、層間絶縁膜の平坦化は、デバイスのCMPの中心となる用途です。掲載会社の公式情報から、使える装置と受託の実績を整理しました。
配線の工程でのCMPは、削る量の管理が厳しい用途です。削りすぎれば配線が細くなり、削り残せば隣の配線とつながってしまいます。
この記事では、Cu配線、TSV、ダマシン、層間の平坦化に使うCMPを、掲載会社の公式情報で整理します。
配線まわりのCMPを一覧で比べる
まず、配線まわりのCMPを公式に挙げている会社を並べます。装置の量産機と、受託の実績が中心です。
| 用途 | 公式に挙げている会社 | 内容 |
|---|---|---|
| ダマシン(埋め込み配線) | 北川グレステック | 不要な膜をCMPで除去。Au、Cu、Tiなどの膜材料 |
| TSV・TGV | 北川グレステック | Si貫通電極、ガラス貫通電極の平坦化の実績 |
| 層間膜の平坦化 | 北川グレステック | SiO2、SiN、樹脂、セラミックなどの膜 |
| メタル膜・絶縁膜のCMP受託 | マイポックス | 絶縁膜、メタル膜、樹脂膜のCMP |
| 量産ラインのCMP | 荏原製作所、東京精密 | F-REX型・F-REX300XA型、ChaMP332 |
開発段階では受託で条件を探し、量産では量産機を入れる、という分担になることが多い用途です。両方の窓口を早めに持っておくと進めやすくなります。
ダマシンでは余分な金属だけを除く
ダマシンは、絶縁膜に掘った溝に金属を埋め、表面にはみ出した金属をCMPで除く方法です。北川グレステックは、埋め込み配線を形成するプロセスで不要な膜をCMPで除去すると説明しています。
- 北川グレステックが挙げる金属等の膜材料: Au、Cu、Ti、樹脂、PSG、P-Siなど
- 北川グレステックが挙げる基板: Si、セラミック、樹脂、ガラス
- マイポックス: メタル膜のCMPを受託
金属と絶縁膜は削れる速さが違うため、どこで研磨を止めるかが大事です。受託を頼むときは、残したい絶縁膜の厚さと、許される段差を数字で伝えてください。
TSV・TGVの平坦化
TSVはシリコンを、TGVはガラスを貫く電極です。穴に金属を詰めたあと、表面を平らにしてから次の配線や接合に進みます。
| 会社 | 公式記載の内容 |
|---|---|
| 北川グレステック | 基板に形成されたビアに金属が充填された表面を平坦化し、高密度実装を実現。基板はSi、セラミック、ガラスなど |
| 北川グレステック | TSV(Si貫通電極)、TGV(ガラス貫通電極)の実績 |
| 東京精密 | ポリッシュ・グラインダが、積層メモリやFO/2.5D/3Dの先端アドバンスドパッケージの研削・研磨加工に貢献と記載 |
貫通電極の工程では、ウェーハを薄くする研削とCMPが組み合わさります。研削とCMPの両方を見られる会社に相談すると、工程の順番から考えやすくなります。
層間絶縁膜の平坦化
配線を何層も重ねると、下の層の形が上の層の段差になって残ります。北川グレステックは、段差や層間膜の高精度な平坦化は多層配線に必要不可欠だと説明しています。
- 北川グレステック: 初期段差・層間膜の平坦化。膜材料はSiO2、SiN、樹脂、セラミックなど
- 北川グレステック: Cu、SiO2、SiNなどの平滑化も受託
- マイポックス: 絶縁膜、樹脂膜のCMPを受託
層間の平坦化は、下の配線の密度によって削れ方が変わります。密な部分と疎な部分の両方を含むテストパターンで評価してもらってください。
量産では終点検出と洗浄が鍵になる
量産のラインでは、1枚ずつ削り終わりを判断し、スラリーを残さず洗う必要があります。量産機の製品ページには、そのための機能が並んでいます。
| 会社・製品 | 公式記載の機能 |
|---|---|
| 荏原製作所 F-REX300XA型 | 研磨加工終点検出モニタ(オプション)、インライン膜厚測定器(オプション)、ドライイン/ドライアウト、多段薬液洗浄 |
| 荏原製作所 F-REX300XA型 | フレキシブル搬送機構と更なるクロスコンタミ対策 |
| 東京精密 ChaMP332 | 300mmウェーハ対応。エアフロート式ヘッドで低圧領域の制御性。ゾーン制御はオプション |
| 東京精密 ChaMP211 | 白色光源で残膜変化を検出するOptical End-Point Detection System |
金属膜と絶縁膜を同じ装置で扱うと、異なる材料が混ざる心配があります。荏原製作所はクロスコンタミ対策を強めたと書いていて、量産ではこの点も比べてください。
周辺の工程とつながる装置
配線の工程では、CMPの前にめっきで金属を埋め、CMPのあとにウェーハの外周を整えることがあります。同じ会社が前後の装置も持つ例があります。
- 荏原製作所: UFP600AS型(高スループット、高速めっきと面内均一性の両立をうたうめっき装置)
- 荏原製作所: EAC型(固定砥粒、エッジコントロール機能を備えたベベル研磨装置)
- 北川グレステック: ポストCMP洗浄、研削加工の受託
めっきとCMPは、埋め込む量と削る量の関係でつながっています。めっきの条件を変えたら、CMPの条件も見直す前提で計画してください。
開発と量産で頼み先を分ける
配線まわりのCMPは、開発の段階と量産の段階で、頼む先が変わることが多い用途です。公式の記載から、段階ごとの候補を整理します。
| 段階 | 候補(公式記載) | 見ておきたい点 |
|---|---|---|
| 条件を探す開発 | 北川グレステック(受託CMP・プロセス開発)、マイポックス(膜のCMP受託) | 膜の種類の実績、報告の形 |
| 消耗品の評価 | 北川グレステック(消耗品評価用加工)、ケメット・ジャパンMAT事業部(消耗部材の試作テスト) | 装置と条件の記録 |
| 量産 | 荏原製作所(F-REX型・F-REX300XA型)、東京精密(ChaMP332) | 終点検出、洗浄、クロスコンタミ対策 |
開発で見つけた条件を量産機に移すときは、スラリーとパッドの型番、圧力、回転数を必ず記録しておいてください。装置が変わっても、条件の出発点になります。
ウェーハサイズと受託の対応範囲
配線まわりのCMPでは、開発中のウェーハが小片だったり、量産と同じ300mmだったりします。受託と装置の対応サイズを並べます。
- 北川グレステック: 受託で使う装置ARW-8C1MSは3インチ〜12インチ(300mm)、ARW-681MSⅡは〜8インチ(200mm)、卓上型のBC-15CNはチップ、2〜6インチ(150mm)
- マイポックス: CMP装置は12"〜4"(マニュアル対応で3"以下にも対応)。片面ポリシング・ラッピングは小片(チップ)にも対応
- 東京精密: ChaMP332は300mm、ChaMP211は2〜8インチの研磨ヘッド
小片で条件を出しても、300mmでは面内の削れ方が違ってきます。量産のサイズでの確認を、開発の計画に入れておいてください。
配線のCMPを相談するときの準備
配線まわりのCMPは、試料の構造が分からないと条件を考えられません。相談の前に、次の情報をそろえてください。
- 膜の構成(金属の種類、バリア膜、絶縁膜)と各膜の厚さ
- パターンの密度と、配線の幅・深さ
- 残したい膜の厚さと、許されるへこみや段差
- ウェーハのサイズと枚数、開発か量産か
- 前後の工程(めっき、研削、洗浄、接合)
開発中の構造を預けるときは、機密保持契約を先に結んでください。マイポックスは案件に応じて機密保持契約を結ぶと書いています。
受託の結果を受け取ったら、膜厚の分布と表面の写真を必ず確かめてください。数字と見た目の両方がそろって初めて、条件の良し悪しを判断できます。
配線の構造は、世代が進むたびに材料や寸法が変わります。新しい構造に移るときは、前の条件をそのまま使わず、受託や評価で確かめ直してください。
評価用のウェーハは、本番と同じ膜の構成で用意するのが理想です。
この記事に出てくるメーカー
- 株式会社東京精密SiC・MEMSを開発から量産まで
- 株式会社荏原製作所量産ラインのCMPなら
- ケメット・ジャパン株式会社 MAT事業部(エム・エー・ティ)チップ・小片からの実験なら
- 北川グレステック株式会社開発用装置と受託を一社で
- マイポックス株式会社受託でまず試すなら
参照元
よくある質問
ダマシンのCMPを受託できる会社は?
北川グレステックは、埋め込み配線を形成するプロセスで不要な膜をCMPで除去する受託を行い、ダマシンプロセスの実績を書いています。マイポックスもメタル膜や絶縁膜のCMPを受託しています。
TSVの平坦化の実績がある会社は?
北川グレステックは、TSV(Si貫通電極)とTGV(ガラス貫通電極)の実績があると公式に書いています。
量産ラインで削りすぎを防ぐには?
量産機の終点検出を使います。荏原製作所のF-REX300XA型は研磨加工終点検出モニタとインライン膜厚測定器をオプションで用意し、東京精密のChaMP211は白色光源で残膜の変化を検出します。
【用途別】CMP装置メーカーおすすめ3選
研究開発用の装置を、受託でプロセスを試してから選ぶなら
北川グレステック株式会社
卓上型から3インチ〜300mmのCMP実験装置まで。SiC・TSV・ダマシンの受託CMPも同じ会社で
試験・量産用のCMP装置をウェハサイズに合わせて案内し、マニュアルローディングのCMP実験装置は3インチ〜150mm/200mm/300mmをドレス機構付きでそろえる。卓上型は酸性・アルカリ性のあらゆるスラリーに対応。CMP受託加工ではプロセス開発・試作・消耗品評価を請け負い、SiCパワーデバイス、SOI、MEMS、TSV、TGV、ダマシンプロセスの実績を公式に記載。
SiC・MEMSなど8インチ以下のデバイスを、開発から量産まで同じ装置で
株式会社東京精密
小型CMP装置ChaMP211は2〜8インチの研磨ヘッドで、R&Dから試作、量産まで拡張可能。300mm機ChaMP332も
ChaMP211は量産ラインで培った技術を載せた小型のCMP装置で、SiCやMEMS、マイクロLED、SAWフィルター等のデバイスに最適と記載。2〜8インチの研磨ヘッドで同じ本体のまま異なるウェーハサイズを研磨でき、ウェーハローダと洗浄ユニットを積んでフルオート動作が可能。エアフロート式ヘッドSylphideと白色光の終点検出を備える。
半導体工場の量産ラインに、スループット重視で入れるなら
株式会社荏原製作所
F-REX300XA型は1テーブル1ヘッドのデュアルモジュール方式。終点検出とインライン膜厚測定はオプション
F-REX型はウェーハ表面を化学的機械的に研磨するクリーンルーム設置型のCMP装置で、ドライイン/ドライアウト、多段薬液洗浄に対応。F-REX300XA型は新開発の高効率搬送機構とWPH最適化アルゴリズムを搭載し、1テーブル1ヘッド、デュアルモジュール方式、クロスコンタミ対策、改造が容易なモジュール構造を備え、F-REX300X型比で約10%の消費電力削減をうたう。
自社の材料に合うCMP装置・受託先を、無料で相談する
研磨したい材料(基板・膜)、ウェハや試料のサイズ、目標の表面粗さや平坦度、処理枚数、装置の購入か受託か、使う場所(研究室・クリーンルーム)を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、見積やテスト加工の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。