3比較ハブCMP装置

CMP装置 · 用途別

300mm量産ラインのCMP装置|スループット・稼働率・終点検出・洗浄で比べる量産機の選び方【2026年版】

半導体工場の量産ラインに入れるCMP装置は、研究用とは比べる観点が大きく違います。掲載会社の公式情報から、量産向けCMP装置と全自動ポリッシャーの特長、比べ方の観点を整理しました。

公開 2026年10月1日

量産ラインのCMP装置は、1時間あたりの処理枚数、止まらずに動く時間、ウェーハ間と面内のばらつき、洗浄後の欠陥で評価されます。どれも、研究室の装置選びではあまり問われない観点です。

この記事では、量産向けのCMP装置と全自動ポリッシャーを、掲載会社の公式情報で比べます。

量産向けの装置を一覧で比べる

まず、量産での使用を前提にした装置を並べます。デバイスのCMP向けと、ウェーハやベア基板の研磨向けが混ざっています。

会社装置公式記載の特長
荏原製作所F-REX300XA型/F-REX型1テーブル1ヘッド、デュアルモジュール方式。ドライイン/ドライアウト
東京精密ChaMP332300mmウェーハ対応。量産工場の要求にも応える
ディスコDFP8141硬脆材料向けのフルオートCMPポリッシャ(Φ200mm対応)
ダイトロンMCP-302φ300mmの枚葉研磨装置。カセットtoカセット
岡本工作機械製作所PNX1200/PNX332B/SPP600S450mmウェハー用ファイナルポリッシャーほか
スピードファムFAM59SPAW/FAM50SPAWシリコンベアウェーハ向け自動片面研磨装置

デバイスの膜を平らにするなら荏原製作所や東京精密、基板や材料ウェーハの研磨ならダイトロン、岡本工作機械製作所、スピードファム、と用途で分けて見てください。

処理量を上げる工夫

量産では、1時間に何枚処理できるかが装置の価値を大きく左右します。各社は搬送やヘッドの構成で処理量を上げています。

  • 荏原製作所 F-REX300XA型: 新開発の高効率搬送機構とWPH最適化アルゴリズムを搭載
  • 荏原製作所 F-REX型: 高稼働率かつ高スループットで高い生産性を実現と記載
  • ダイトロン MCP-302: 2軸のトップリングで同時に2枚のポリッシング
  • 岡本工作機械製作所: 材料ウエーハ用全自動ポリッシャーで、材料・用途に応じた専用機を提案

処理量の数字は、研磨時間や洗浄の条件で変わります。自社の研磨条件を伝えたうえで、処理量の見込みを出してもらってください。

止まらずに動くための構造

量産では、故障や保守で止まる時間を減らすことが大事です。保守のしやすさや信頼性をうたう記載を並べます。

会社・製品公式記載の内容
荏原製作所 F-REX300XA型改造やメンテナンスが容易なモジュール構造。将来の機能拡張も時間を抑えて導入
荏原製作所 F-REX300XA型高信頼性構造(1テーブル1ヘッド、デュアルモジュール方式)
東京精密 ChaMP332研磨ヘッドのリテーナ交換の手順を公開し、メンテナンスの容易さをうたう
東京精密 ChaMP211リテーナ・メンブレンのワンタッチ交換でダウンタイムを低減
ダイトロン MCP-302研磨クロスや吸着ヘッドを簡単に交換でき、稼働率が向上

消耗品の交換にかかる時間は、毎日の稼働率に直結します。デモのときに、交換作業を実際にやって見せてもらうと違いが分かります。

品質を保つための機能

量産では、全部のウェーハを同じ品質で仕上げることが求められます。研磨の終点と洗浄、異なる材料の混ざりを防ぐ機能が量産機の要です。

  • 荏原製作所: 研磨加工終点検出モニタとインライン膜厚測定器(いずれもオプション)
  • 荏原製作所: 多段薬液洗浄、フレキシブル搬送機構と更なるクロスコンタミ対策
  • 東京精密 ChaMP332: エアフィルムによる均一な加圧、低圧領域での制御性、ゾーン制御(オプション)
  • ディスコ DFP8141: 洗浄ステーションで加工後のウェーハ洗浄・乾燥も自動
  • ダイトロン MCP-302: 定盤用ブラッシング装置と吸着面洗浄装置。研磨定盤は工場冷却水で一定の温度

研磨の温度は、削れる速さに影響します。ダイトロンが定盤の温度を一定に保つ仕組みを書いているように、温度の管理方法も比べる観点になります。

安全規格と環境への配慮

量産ラインに入れる装置は、安全規格への対応も求められます。海外の工場に展開する予定があるなら、早めに確かめてください。

会社・製品公式記載の内容
荏原製作所 F-REX300XA型SEMI-S2/CEマーキング対応
荏原製作所 F-REX300XA型F-REX300X型比で約10%消費電力を削減。部品点数も削減し、サプライチェーン上でのCO2排出も削減

消費電力の削減は、電気代だけでなく、工場の環境目標にも関わります。前の型式との比べ方を、メーカーに具体的に聞いてみてください。

450mmや大型基板への対応

300mmより大きな基板や、大型のガラス基板を磨く装置もあります。量産の対象が大きい場合の候補です。

  • 岡本工作機械製作所: 450mmウェハー用ファイナルポリッシャーPNX1200/PNX1200S
  • 岡本工作機械製作所: 角テーブル形ポリッシングマシンSPH3000
  • スピードファム: 定盤径1700mmの揺動タイプ片面研磨装置(主に730×920サイズのLCDガラス基板)
  • マイポックス: 受託のエッジ・ノッチ研磨装置が18"(450mm)まで対応(CMP装置は12"まで)

大型の装置は重く、床の強さや搬入経路も問題になります。設置場所の条件を早い段階でメーカーに伝えてください。

評価で比べる数字をそろえる

量産機の評価では、比べる数字を先に決めておかないと、各社の報告が比べられなくなります。少なくとも次の項目をそろえてください。

項目見る理由
1時間あたりの処理枚数ラインの能力と装置の台数が決まる
面内のばらつきウェーハの外周まで使えるかが決まる
ウェーハ間のばらつき毎回同じ品質で仕上がるかが分かる
洗浄後の欠陥の数次の工程の歩留まりに効く
消耗品の寿命と交換時間稼働率と運用の費用が決まる

東京精密がエッジプロファイルの制御を、荏原製作所がクロスコンタミ対策を挙げているように、各社が強調する点は違います。自社にとって大事な項目から順に比べてください。

開発の結果を量産に移す

量産機を入れる前に、開発用の装置や受託で条件を決めていることが多いはずです。その条件を量産機に移す道筋を考えておきます。

  • 北川グレステック: 試験用と量産用のCMP装置をウェハサイズに合わせて案内
  • 東京精密 ChaMP211: R&Dから試作、量産まで拡張可能
  • マイポックス: 研磨装置や研磨材一式を顧客の製造ラインへ移管し、稼働開始まで手伝う

開発と量産で装置のメーカーが変わる場合は、条件の移し替えに時間がかかります。量産機のメーカーに、開発の条件と結果を早めに見せて相談してください。

量産機の選定を進める手順

量産機の選定は、評価に時間がかかります。次の順番で進めると、比較の材料がそろいます。

  1. 研磨対象、ウェーハサイズ、目標の処理量を決める
  2. 候補の装置で、自社のウェーハを使った評価を依頼する
  3. 処理量、面内とウェーハ間のばらつき、洗浄後の欠陥を同じ条件で比べる
  4. 消耗品の交換頻度と保守の体制を確かめる
  5. 安全規格、消費電力、設置の条件をそろえて見積を比べる

今回調べた量産機のメーカーで、製品ページに価格を載せている会社はありませんでした。装置の価格だけでなく、消耗品と保守を含めた費用で比べてください。

評価の段階から、装置を動かす人と保守をする人にも加わってもらうと、導入後の立ち上げが速くなります。教育や保守の体制も、見積の条件にそろえて入れてください。

海外の工場に同じ装置を展開する予定があるなら、現地での保守の体制も聞いておきましょう。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

300mm対応のCMP装置はどこのものがありますか?

今回の調査では、東京精密のChaMP332が300mmウェーハ対応と明記しています。荏原製作所のF-REX型・F-REX300XA型は量産向けのCMP装置ですが、対応ウェーハサイズの数値は今回確認したページにありませんでした。

量産機で削りすぎを防ぐ機能は?

荏原製作所のF-REX300XA型は研磨加工終点検出モニタとインライン膜厚測定器をオプションで用意しています。東京精密のChaMP211は白色光源で残膜の変化を検出するシステムを載せています。

ベアウェーハの量産研磨に使う装置は?

スピードファムのFAM59SPAW・FAM50SPAW(シリコンベアウェーハ向け自動片面研磨装置)、ダイトロンのMCP-302(φ300mm枚葉研磨装置)、岡本工作機械製作所の材料ウエーハ用全自動ポリッシャーがあります。

【用途別】CMP装置メーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

研究開発用の装置を、受託でプロセスを試してから選ぶなら

北川グレステック株式会社

卓上型から3インチ〜300mmのCMP実験装置まで。SiC・TSV・ダマシンの受託CMPも同じ会社で

試験・量産用のCMP装置をウェハサイズに合わせて案内し、マニュアルローディングのCMP実験装置は3インチ〜150mm/200mm/300mmをドレス機構付きでそろえる。卓上型は酸性・アルカリ性のあらゆるスラリーに対応。CMP受託加工ではプロセス開発・試作・消耗品評価を請け負い、SiCパワーデバイス、SOI、MEMS、TSV、TGV、ダマシンプロセスの実績を公式に記載。

北川グレステック株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

SiC・MEMSなど8インチ以下のデバイスを、開発から量産まで同じ装置で

株式会社東京精密

小型CMP装置ChaMP211は2〜8インチの研磨ヘッドで、R&Dから試作、量産まで拡張可能。300mm機ChaMP332も

ChaMP211は量産ラインで培った技術を載せた小型のCMP装置で、SiCやMEMS、マイクロLED、SAWフィルター等のデバイスに最適と記載。2〜8インチの研磨ヘッドで同じ本体のまま異なるウェーハサイズを研磨でき、ウェーハローダと洗浄ユニットを積んでフルオート動作が可能。エアフロート式ヘッドSylphideと白色光の終点検出を備える。

株式会社東京精密の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

半導体工場の量産ラインに、スループット重視で入れるなら

株式会社荏原製作所

F-REX300XA型は1テーブル1ヘッドのデュアルモジュール方式。終点検出とインライン膜厚測定はオプション

F-REX型はウェーハ表面を化学的機械的に研磨するクリーンルーム設置型のCMP装置で、ドライイン/ドライアウト、多段薬液洗浄に対応。F-REX300XA型は新開発の高効率搬送機構とWPH最適化アルゴリズムを搭載し、1テーブル1ヘッド、デュアルモジュール方式、クロスコンタミ対策、改造が容易なモジュール構造を備え、F-REX300X型比で約10%の消費電力削減をうたう。

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研磨したい材料(基板・膜)、ウェハや試料のサイズ、目標の表面粗さや平坦度、処理枚数、装置の購入か受託か、使う場所(研究室・クリーンルーム)を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、見積やテスト加工の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。

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