CMP装置 · 用途別
ベアウェーハ・基板の鏡面研磨に使う装置と受託|片面研磨・枚葉研磨・ラッピングの選び方【2026年版】
シリコンなどのベアウェーハや、セラミックス・ガラスの基板を鏡面に仕上げる工程では、片面研磨装置、枚葉研磨装置、ラッピング装置が使われます。掲載会社の公式情報から、装置と受託の選び方を整理しました。
ベアウェーハや基板の研磨は、デバイスを作る前の、材料そのものを仕上げる工程です。膜を平らにするデバイスのCMPと違い、基板全体の厚さ、平坦度、表面の粗さをそろえることが目的になります。
この記事では、ベアウェーハや基板の鏡面研磨に使う装置と受託を、掲載会社の公式情報で整理します。
基板研磨に使う装置と受託の一覧
まず、ベアウェーハや基板の研磨を公式に挙げている会社を並べます。装置の形がCMP装置とは少し違います。
| 会社 | 装置・サービス | 公式記載の内容 |
|---|---|---|
| スピードファム | 片面研磨装置FAMシリーズ、両面研磨装置 | シリコンベアウェーハ向け自動片面研磨、汎用・卓上機 |
| 岡本工作機械製作所 | ポリッシングマシン、ラッピングマシン | 材料ウエーハ用全自動ポリッシャー、450mm用ファイナルポリッシャー |
| ダイトロン | MCP-302 | φ300mmウェーハの枚葉研磨。一次・二次・仕上げ |
| 日本エンギス | ラッピング・ポリッシング装置 | ダイヤモンドラッピングシステム |
| ムサシノ電子 | 精密研磨装置 | 荒削りから鏡面仕上げ、CMPまで |
| マイポックス | 受託(ウェーハメイキング) | インゴットからの基板化、平面研磨 |
量産でベアウェーハを研磨するならスピードファム、岡本工作機械製作所、ダイトロン、試料や小ロットならムサシノ電子や受託、という分け方が目安です。
片面研磨装置でまとめて磨く
大きな定盤の上で、プレートに貼ったウェーハを複数枚まとめて磨くのが片面研磨装置です。スピードファムは定盤径の違う機種をそろえています。
| 機種 | 公式記載の内容 |
|---|---|
| FAM59SPAW/FAM50SPAW | シリコンベアウェーハ向け自動片面研磨装置。セラミックプレート自動搬送、超低熱膨張定盤、定盤冷却、研磨ヘッドの単独強制駆動、精密エアー加圧 |
| FAM48BAW/SPAW | 定盤径48インチの汎用機。ラップ、ハードポリッシュ、ポリッシュに対応。耐蝕仕様などのオプション |
| FAM32BTAW/GPAW | 定盤径32インチの汎用機。ラップ、ハードポリッシュ、ポリッシュに対応 |
| 卓上片面研磨装置 | 定盤径12インチ。小さな加工対象の量産から実験用途まで |
スピードファムは、サイトに載せていないモデルも多数あると書いています。シリコンのほか、金属やサファイアの研磨にも対応するとしています。
枚葉で1枚ずつ磨く
1枚ずつ磨く枚葉の研磨装置は、ウェーハごとに条件を管理しやすいのが特長です。ダイトロンのMCP-302は300mmの枚葉研磨装置です。
- φ300mmウェーハを高精度に能率よくポリッシング
- カセットからのウェーハ取出し、ポリッシング、別カセットへの収納まで全て自動
- エア加圧方式のトップリングで、ウェーハごとに加工圧を設定
- オプションの変更で一次、二次、仕上げの各工程に対応
一次から仕上げまでを同じ型式で組めると、保守や消耗品の管理がまとまります。工程ごとのオプションの違いを確かめてください。
研削・ラップ・ポリッシュを組み合わせる
基板の仕上げは、研削やラップで厚さと平坦度を出し、ポリッシュで鏡面にする流れで進みます。各工程の装置をそろえるメーカーがあります。
| 会社 | 公式記載の装置 |
|---|---|
| 岡本工作機械製作所 | バックグラインダー(GNX200B・GNX300B、脆性材用SVG401MKⅡ)、ラッピングマシンSPL(卓上〜10mの超大型)、ポリッシングマシン |
| スピードファム | 片面・両面研磨装置、エッジポリッシャー、ドライ平坦化装置(DCP)、ウェーハ面取装置 |
| 日本エンギス | 卓上・据置型ラッピング装置(ラボスケールからプロダクションスケール)、研削装置 |
| 東京精密 | エッジグラインディングマシンW-GMシリーズ(ウェーハ外周部の面取り) |
外周の面取りも、割れや欠けを防ぐ大事な工程です。表面の研磨と合わせて、外周の仕上げも相談してください。
鏡面の目安と、平坦度の考え方
鏡面と一口にいっても、求められる粗さと平坦度は用途で違います。公式に出ている数字を手がかりにします。
- ムサシノ電子: ダイヤモンドラッピング方式で平坦度λ/10以下、表面の荒さ0.01μm以下の仕上がりが可能
- 日本エンギス: DLCのラッピング・ポリッシュで平面度0.3μm、表面粗さ<1nmRa
- ティ・ディ・シー: SiCウエハで表面粗さRa0.1nm以下(接合用基板)
- 北川グレステック: CMPはベアウェーハのÅレベルの鏡面化で採用されると説明
粗さだけでなく、厚さのばらつきや反りも用途によっては大事です。測る項目と測り方を、最初に依頼先とそろえておいてください。
インゴットからの基板化を任せる
新しい材料の研究では、インゴットを切って基板にするところから外に頼みたいこともあります。マイポックスは、こうした基板化を受託しています。
| マイポックスの公式記載 | 内容 |
|---|---|
| ウェーハメイキング | インゴットのお預かりから全工程をカバーしたウェーハメイク |
| 対象の素材 | シリコンウェーハ、化合物半導体、酸化物材料、セラミックス、ガラス、有機結晶、複合材料など |
| 納期の目安 | インゴットからのウェーハメイクで約1か月〜数か月 |
| サイズ | SEMI規格以外の特殊サイズ、四角形やチップ形状、扇形、小片も |
工程ごとに別の会社へ頼むと、見積や日程の調整が大変になります。マイポックスは、各製造工程を一括で管理するワンストップの形をうたっています。
片面研磨と両面研磨
基板の研磨には、片面ずつ磨く片面研磨と、上下を同時に磨く両面研磨があります。スピードファムは両方の装置を製造・販売しています。
| 方式 | 特長 | 掲載会社の例 |
|---|---|---|
| 片面研磨 | プレートに貼った面を磨く。鏡面仕上げに使う | スピードファム FAMシリーズ |
| 両面研磨 | 上下の定盤で同時に磨く。厚さと平行度をそろえやすい | スピードファム(両面研磨装置) |
| 枚葉研磨 | 1枚ずつ自動で磨く | ダイトロン MCP-302 |
厚さと平行度を先に両面研磨でそろえ、最後に片面で鏡面にする組み合わせもあります。目標の厚さの精度と表面の状態から、組み合わせを相談してください。
研究用・小ロットの基板研磨
研究や試作で数枚の基板を磨くだけなら、量産用の大型機は要りません。小型の装置や受託が向きます。
- スピードファム: 定盤径12インチの卓上片面研磨装置(量産から実験用途まで)
- 日本エンギス: 卓上型のラッピング装置(ラボスケールからプロダクションスケール)
- ムサシノ電子: 研究開発分野向けの精密研磨装置。特注の治具にも対応
- マイポックス: 試作・開発用途の受託研磨
研究で決めた研磨の条件を、あとで量産に移すこともあります。研究の段階から、条件と結果を記録する習慣をつけておいてください。
基板研磨を相談するときの準備
基板の研磨を相談するときは、次の情報をそろえると、装置か受託かの判断まで早く進みます。
- 材料と、基板のサイズ・形(円・角・小片)
- 今の厚さと仕上げたい厚さ、許されるばらつき
- 目標の表面粗さと平坦度、外周の仕上げ
- 1か月あたりの枚数と、量産か試作か
- 前後の工程(切断、研削、洗浄、検査)
量産で装置を入れる場合も、まず受託で目標の面が出るかを確かめると安心です。受託の結果を、装置の選定と条件出しの出発点にしてください。
基板の研磨は、材料の性質で条件が大きく変わります。新しい材料ほど、装置メーカーや受託先が持つ近い材料の経験が頼りになるので、取扱い実績を最初に聞いてください。
研磨のあとの洗浄と検査の方法も、あわせて確かめておいてください。
この記事に出てくるメーカー
- 株式会社東京精密SiC・MEMSを開発から量産まで
- ダイトロン株式会社300mmベアウェーハの枚葉研磨
- 日本エンギス株式会社化合物半導体の薄化なら
- 北川グレステック株式会社開発用装置と受託を一社で
- マイポックス株式会社受託でまず試すなら
- ムサシノ電子株式会社研究室の試料研磨なら
- 株式会社岡本工作機械製作所研削から仕上げポリッシュまで
- スピードファム株式会社ベアウェーハの片面研磨なら
- 株式会社ティ・ディ・シー接合前の平滑化を1点から
参照元
よくある質問
ベアウェーハの研磨に使う装置は?
スピードファムのFAM59SPAW・FAM50SPAW(シリコンベアウェーハ向け自動片面研磨装置)、ダイトロンのMCP-302(φ300mmの枚葉研磨装置)、岡本工作機械製作所の材料ウエーハ用全自動ポリッシャーがあります。
小さな基板や角形の基板も研磨してもらえますか?
マイポックスは、SEMI規格以外の特殊サイズのウェーハや、四角形、チップ形状、扇形、小片、ハーフインチにも対応すると書いています。
インゴットから基板を作ってもらえますか?
マイポックスは、インゴットのお預かりから全工程をカバーしたウェーハメイクを受託しています。納期の目安は約1か月〜数か月と書いています。
【用途別】CMP装置メーカーおすすめ3選
研究開発用の装置を、受託でプロセスを試してから選ぶなら
北川グレステック株式会社
卓上型から3インチ〜300mmのCMP実験装置まで。SiC・TSV・ダマシンの受託CMPも同じ会社で
試験・量産用のCMP装置をウェハサイズに合わせて案内し、マニュアルローディングのCMP実験装置は3インチ〜150mm/200mm/300mmをドレス機構付きでそろえる。卓上型は酸性・アルカリ性のあらゆるスラリーに対応。CMP受託加工ではプロセス開発・試作・消耗品評価を請け負い、SiCパワーデバイス、SOI、MEMS、TSV、TGV、ダマシンプロセスの実績を公式に記載。
SiC・MEMSなど8インチ以下のデバイスを、開発から量産まで同じ装置で
株式会社東京精密
小型CMP装置ChaMP211は2〜8インチの研磨ヘッドで、R&Dから試作、量産まで拡張可能。300mm機ChaMP332も
ChaMP211は量産ラインで培った技術を載せた小型のCMP装置で、SiCやMEMS、マイクロLED、SAWフィルター等のデバイスに最適と記載。2〜8インチの研磨ヘッドで同じ本体のまま異なるウェーハサイズを研磨でき、ウェーハローダと洗浄ユニットを積んでフルオート動作が可能。エアフロート式ヘッドSylphideと白色光の終点検出を備える。
半導体工場の量産ラインに、スループット重視で入れるなら
株式会社荏原製作所
F-REX300XA型は1テーブル1ヘッドのデュアルモジュール方式。終点検出とインライン膜厚測定はオプション
F-REX型はウェーハ表面を化学的機械的に研磨するクリーンルーム設置型のCMP装置で、ドライイン/ドライアウト、多段薬液洗浄に対応。F-REX300XA型は新開発の高効率搬送機構とWPH最適化アルゴリズムを搭載し、1テーブル1ヘッド、デュアルモジュール方式、クロスコンタミ対策、改造が容易なモジュール構造を備え、F-REX300X型比で約10%の消費電力削減をうたう。
自社の材料に合うCMP装置・受託先を、無料で相談する
研磨したい材料(基板・膜)、ウェハや試料のサイズ、目標の表面粗さや平坦度、処理枚数、装置の購入か受託か、使う場所(研究室・クリーンルーム)を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、見積やテスト加工の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。