3比較ハブクーラント自動希釈・浄化装置

クーラント自動希釈・浄化装置 · 基礎知識

クーラント自動希釈の方式の違い|バルブ式・計量撹拌式・濃度補正式の仕組みと選び方

切削油(水溶性クーラント)の自動希釈装置を、水圧で吸い上げるバルブ式、量ってから混ぜる計量撹拌式、機械側の液を測って直す濃度補正式に分け、ケイエステック・中部クリーン・ジャパンセパレーター・ハイダックなどの公式の数値で整理します。

公開 2026年10月1日

クーラントの自動希釈装置は、水と原液をどう混ぜるかで大きく3つの考え方に分かれます。水の流れで原液を吸い上げるバルブ式、水と原液を量ってから撹拌する計量撹拌式、機械側の液を測って足りない分を補う濃度補正式です。

このページでは、掲載20社の公式サイトに書かれた方式と数値をもとに、それぞれの仕組みと向く現場を整理します。

自動希釈の3つの方式と代表的な装置

方式仕組み公式に載っている例
バルブ式(比例混合)水道の水圧と水流で原液を吸い上げ、流しながら混ぜるケイエステック 自動希釈バルブ(電気・エアー不要)
計量撹拌式水と原液をそれぞれ量ってタンクに入れ、羽根やポンプで撹拌する中部クリーン FKM・FAM・QSCS、ジャパンセパレーター デジタル式、クール・テック AquaBlend Pro、岩本工業 楽〜ラント
濃度補正式機械側の液の濃度を測り、原液か水を足して設定値に戻す中部クリーン クーラントコントローラ、ハイダック FCU 5000・PCS 2000

同じ会社が複数の方式を持つこともあります。中部クリーンは計量撹拌式の自動希釈供給装置と、濃度補正式のクーラントコントローラの両方を掲載しています。

バルブ式は電源工事なしで始められる

バルブ式は、水道をつないでバルブを開くと、水の勢いで原液が吸い上げられて希釈液が出てくる仕組みです。ケイエステックの自動希釈バルブは、電気やエアーを使わずに水圧と水流で原液を吸い上げると説明しています。

公式のFAQには、使う前に知っておきたい制約もはっきり書かれています。

  • 濃度は濃度調整グリップで合わせ、水圧が一定なら変わらない
  • 原液は温度で粘度が変わるため、温度が低いほど希釈濃度は低くなる
  • 希釈濃度10%なら動粘度(40℃)150mm²/s程度の原液まで希釈できる
  • 放出側のホースは分配・延長できず、1台から複数台へは分けられない

つまりバルブ式は、機械1台ごとに置いて使う方式です。季節で工場の温度が大きく変わる場合は、濃度の微調整が要ると考えてください。

計量撹拌式は量ってから混ぜる

計量撹拌式は、水と原液を先に量り、タンクの中で混ぜてから送り出します。中部クリーンはFAQで、一般的なエジェクター式は水道水の圧力や温度、原液の粘度で濃度が安定しないことが多いが、水と原液を計測してから混ぜるため濃度が安定すると説明しています。

装置量り方・混ぜ方公式の数値
中部クリーン FKM350・FKM500容積換算で水へ原液を滴下、タッチパネルのタイマーで撹拌混合槽350L・500L、希釈濃度1〜10%
中部クリーン FAMシリーズエジェクターを使わず撹拌プロペラで混合設定濃度±0.5%以内
ジャパンセパレーター デジタル式水10Lを計測し、原液をデジタルスイッチで計量0〜10%を0.1%単位
クール・テック AquaBlend Pro最大3種の液をポンプ循環で撹拌希釈精度±0.2%、約3600L/日

計量撹拌式の多くは、作った液をサブタンクに貯め、機械側の液面センサーで自動補充する構成です。台数の多い工場では、ここから配管で各機械へ送ります。

濃度補正式は使っている液を測る

希釈装置で正しい濃度の液を作っても、機械のタンクの中では水が蒸発し、液がワークや切粉と一緒に持ち出されて濃度が動きます。濃度補正式は、機械側の液そのものを測って直す考え方です。

  • 中部クリーン クーラントコントローラ:機械1台ごとに置き、指定したタイミングで濃度を自動測定して補正。液量の補給も行い、pH監視はオプション
  • ハイダック FCU 5000:最大10台の濃度・タンクレベル・消費量を監視し、油または水を足して補正
  • ハイダック PCS 2000:最大5台の濃度を同時に監視・調整し、フレキシブルホースで接続
  • 山本金属製作所 COOL-i:濃度・pH・汚染度を常時計測して記録する装置で、補正は行わない

測るだけの装置と、測って直す装置は役割が違います。まず今の濃度の動きをつかみたいならCOOL-iのような計測装置、直すところまで自動にしたいならコントローラ型を選びます。

水のつなぎ方で装置が変わる

自動希釈装置は水道や工業用水につなぐため、水の引き込み方も選定の条件になります。各社は水道との接続について、次のように説明しています。

メーカー水との接続についての公式の記載
岩本工業楽〜ラントは水道法性能基準適合品として飲料用の水道配管と接続できる。受水槽を内蔵して水道配管と縁切り
ME SYSTEMS水道法の要求事項をすべて満たしているため水道配管との接続が可能
ケイエステック法令により上水道配管に機器を直に接続できないため、水を一旦タンクに貯めてポンプで汲み上げる専用ポンプユニットを用意
ジャパンセパレーター水道水または工業用水のどちらでも使用可能

工業用水の配管が機械の近くにあれば、ケイエステックのソルマスターは大掛かりな分配管工事なしで使えると説明しています。水道水しかない工場は、接続の可否を最初に確認してください。

方式ごとの向き・不向き

方式向く現場気をつけたい点
バルブ式機械ごとに油剤や濃度を変えたい、まず1台から試したい水圧と原液の温度で濃度が動く。分配はできない
計量撹拌式台数が多く、同じ油剤を一括で配りたい配管工事とサブタンクの置き場所が要る
濃度補正式蒸発や持ち出しで機械ごとの濃度がずれる、無人運転をしたい機械ごとに装置やセンサーが要る

費用の面では、今回の20社で本体価格を公式に載せていたのはケイエステックとジャパンセパレーターの2社でした。ケイエステックの自動希釈バルブは90,000円(税込99,000円)から、ジャパンセパレーターの「下町のFA」FA50は本機98万円(税表記なし)です。ほかの計量撹拌式や濃度補正式は各社とも見積が前提です。

自社に合う方式を決めるための書き出し

方式は、台数・油剤の数・水の引き込み方でほぼ決まります。問い合わせの前に、次の項目をまとめてください。

  1. 水溶性クーラントを使う工作機械の台数と、機械ごとのタンク容量
  2. 使っている油剤の種類と数(機械ごとに違うか、同じか)
  3. 設定したい濃度と、今の濃度のばらつき
  4. 水道水か工業用水か、水道から機械までの距離
  5. 配管工事ができるか、電源(100V・200V)があるか

1種類の油剤を多くの機械で使うなら計量撹拌式の一括供給、機械ごとに条件が違うならバルブ式やコントローラ型が候補になります。迷ったら、両方を持つメーカーに条件を伝えて比べてもらうのが近道です。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

エジェクター式とバルブ式は同じものですか?

どちらも水の流れで原液を吸い込んで混ぜる仕組みです。ケイエステックの自動希釈バルブは水圧と水流で原液を吸い上げると説明し、広和エムテックのオートミックスⅡはミキシングエジェクターで混合します。中部クリーンは、エジェクター式は水圧や温度、原液の粘度で濃度が安定しないことが多いとして、量ってから混ぜる方式を採っています。

濃度の精度はどのくらいですか?

公式の数値では、中部クリーンのFAMシリーズが設定濃度±0.5%以内、クール・テックのAquaBlend Proが希釈精度±0.2%です。ジャパンセパレーターのデジタル式は0.1%単位で濃度を指定できます。

1台の希釈装置を複数の機械で共用できますか?

方式によります。ケイエステックの自動希釈バルブは放出側のホースを分配できないため、1台ごとの設置です。中部クリーンのFKMシリーズは供給台数の目安1〜20台、岩本工業の楽〜ラントは同時接続40台程度までと書いています。

【用途別】クーラント自動希釈・浄化装置メーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

複数台の工作機械へ自動で希釈・供給し、機械ごとの濃度も直したいなら

中部クリーン株式会社

供給台数の目安1〜20台のFKMと、機械ごとに濃度を測って補正するクーラントコントローラ

FKMシリーズは混合槽350L・500Lで、供給台数の目安は1〜10台・1〜20台、希釈濃度1〜10%。FAMシリーズは設定濃度±0.5%以内とする。クーラントコントローラは工作機械1台ごとに置き、指定したタイミングで濃度を自動測定して補正し、液量も補給する。浮上油回収装置は試用機を1週間貸し出す(往復送料のみ負担)。

中部クリーン株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

浮上油と細かい異物を取り、液の腐敗や臭いを減らしたいなら

株式会社スギノマシン

エアだけで動くマイクロバブル浄化。訪問デモと、液を送る浄化テストでレポートが返る

JCC-HMは直径1〜100µmのマイクロバブルで液中の油分や異物を浮かせて取る。動力はエアだけで電源不要、フィルタなどの消耗品も出ない。JCC-HM2は処理能力13L/min、タンク容量25L。担当者がデモ機を持参する浮上分離デモと、使用中の液30〜40L程度を送って実機で処理する浄化テストを案内し、結果をレポートにまとめて返す。

株式会社スギノマシンの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

研削・研磨の細かいスラッジを、µm単位でろ過したいなら

濾過精工株式会社

不織布フィルターと特許の逆洗浄。2〜5µで99%の目安と、デモ機貸出・濾過テスト

精密クーラントろ過システムは不織布のフィルター・エレメントでスラッジを捕集する循環式で、2016年に特許を取得した逆洗浄で加工を止めずにフィルターを洗える。ろ過精度の目安は2〜5µで99%、1〜2µで86%(保証値ではない)。水溶性・油性の両方に使える。デモ機の現地貸出と、検体を預かっての濾過テストを実施し、粒度分布の測定結果とあわせて報告する。

濾過精工株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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