3比較ハブクーラント自動希釈・浄化装置

クーラント自動希釈・浄化装置 · 基礎知識

クーラント浄化装置の方式|浮上油回収・マイクロバブル・マグネット・サイクロン・精密ろ過の違い

切削油(クーラント)の浄化装置を、浮上油回収、マイクロバブル、マグネットセパレータ、サイクロン、フィルターろ過、沈殿スラッジの吸引に分け、ワールドケミカル・スギノマシン・住友重機械工業・ニクニ・濾過精工などの公式の数値で整理します。

公開 2026年10月1日

クーラントの浄化装置は、取りたい汚れによって方式が分かれます。液面に浮く油を取るのか、液中を漂う細かいスラッジを取るのか、タンクの底にたまった沈殿物を取るのかで、選ぶ装置が変わります。

このページでは、掲載20社の公式サイトに載っている浄化装置を、汚れの種類と方式ごとに整理します。

汚れの種類と浄化の方式の対応

取りたい汚れ主な方式公式に載っている例
液面の浮上油フロートや液面追従の吸込口で表層を吸い、分離槽で分けるワールドケミカル、永進テクノ、産機テクノス、中部クリーン、ジャパンセパレーター、広和エムテック
液中の油分・細かい異物マイクロバブルで浮かせて分離スギノマシン JCC-HM
鉄系のスラッジマグネットで吸着して掻き取る住友重機械工業 ファインマグ、ブンリ
磁性・非磁性を問わないスラッジ液体サイクロンで遠心分離日本スピンドル製造、ニクニ、ブンリ
µm単位の微細スラッジ不織布・ろ紙のフィルターでろ過濾過精工、コニテク、住友重機械工業
タンク底の沈殿スラッジエアで吸引して回収永進テクノ ES-A、産機テクノス スラッジバキューマー

実際の現場では、浮上油とスラッジが両方出ることがほとんどです。ブンリのように、マグネット・フィルター・サイクロンを組み合わせて提案するメーカーもあります。

浮上油回収はフロートで表層を吸う

浮上油は、機械の摺動面の潤滑油などがクーラントに混ざって液面に浮いたものです。中部クリーンは、油膜が長く滞ると液の劣化が早まり、放置するとバクテリアが発生して腐敗を招くと説明しています。

  • ワールドケミカル:オリジナルのフロート式で、液面が揺れても表層の油や浮遊物を回収。工作機械用は移動式・エアー駆動
  • 永進テクノ WD-A:エアー駆動、ポンプ吐出32L/min、分離槽約16L
  • 産機テクノス ミニモアムーブ:ペール缶一体型の2段分離槽、回収油があふれる前に自動停止
  • 広和エムテック ミニスキマーMS-S:液面自動追従のサクション機構、60リットル/hr
  • ジャパンセパレーター ぴゅあmini:フロート式、油を濃縮して排出する構造

エアー駆動の機種は電源が要らず、機械の間を移動させて使えます。回収した油を受ける缶があふれないよう、自動停止の機能があるかも確認してください。

液中の油分を浮かせるマイクロバブル

液面の油だけでなく、液中に混ざった油分や細かい異物を取る方式もあります。スギノマシンのJCC-HMは、直径1〜100µmのマイクロバブルに汚れを付着させて浮かせ、取り除きます。

項目JCC-HM2の公式の値
処理能力13L/min(供給エア圧0.15MPa)
動力圧縮エアのみ(電源不要)
タンク容量25L
寸法・質量幅550×奥行390×高さ370mm、35kg
適用外油性の液

フィルタなどの消耗品が出ないのが特徴です。導入事例には、研削盤のスラッジ除去や臭いの改善、洗浄機の高圧ポンプの寿命延長が並んでいます。

スラッジを分ける3つの方式

スラッジ(切粉や砥粒の細かい粒)を分ける方式は、マグネット、サイクロン、フィルターの3つが中心です。素材が磁性体か非磁性体か、粒の細かさでどれを使うかが決まります。

方式向く素材・粒公式の例と数値
マグネット鉄系(磁性体)住友重機械工業 ファインマグ:鋳物切削の100µ以下の泥状スラッジを90%以上(重量比)回収する2次ろ過タイプ
サイクロン磁性体・非磁性体を問わないニクニ Nax-KK:アルミ(比重2.7)の20µmスラッジを90%除去。日本スピンドル製造 うずエコ:フィルター交換不要
フィルターµm単位の細かい粒濾過精工:2〜5µで99%(保証値ではない)。コニテク:フィルター5µ〜0.5µの5種類。住友重機械工業:ろ紙で平均粒子10µ〜95µ

マグネットとろ紙を組み合わせると、ろ紙の消耗を減らせると住友重機械工業は説明しています。ブンリは、一次処理の濾過精度を高めて二次処理の負担を減らす考え方を示しています。

タンク底の沈殿スラッジは吸い取る

タンクの底にたまったスラッジは、液を循環させるろ過装置だけでは取り切れません。永進テクノは、沈殿したスラッジは大部分が動かずにタンクの容積を占め、必要な量の液を掛けられなくなると説明しています。

  • 永進テクノ ES-A:沈殿スラッジの掃除機。フィルターを使わず、完全エアー駆動
  • 産機テクノス スラッジバキューマー:エア駆動の移動式で、液面・液中・沈殿のスラッジを吸引。上位機のSV-ZEROは0.5µのろ過を組み合わせる
  • ニクニ LAX:液中掃除機
  • 日本スピンドル製造 移動式クロンエース:1台で複数のタンクに使える

電源と置き場所で絞り込む

浄化装置は、動力と取り付け方が機種ごとに違います。工場に圧縮エアがあるか、機械の周りに置き場所があるかで、候補が絞れます。

条件合う装置の例(公式の記載)
電源を引けないスギノマシン JCC-HM(エアのみ)、永進テクノ WD-A(エアー駆動)、産機テクノス(エア駆動の移動式)、ワールドケミカル(エアー駆動の移動式)
100Vで動かしたい広和エムテック ミニスキマーMS-S(単相AC100V)、山本金属製作所 COOL-i(家庭用100V)
床に置き場所がないニクニ Nax-KK(工作機械やタンクの壁面にマグネットで取付)、スギノマシン JCC-HM(タンクの上などに設置)
複数のタンクを1台で回したい日本スピンドル製造 移動式クロンエース、産機テクノスの移動式

移動式の装置は、1台を複数の機械で使い回せるのが利点です。一方で、常に付けておく装置より回収の頻度は下がるため、汚れの多い機械には専用で付けることも考えてください。

方式を組み合わせて考える

浄化装置は1台で全部の汚れを取るものではありません。汚れの順番に沿って、どこで何を取るかを決めると、装置の組み合わせが見えてきます。

  1. 切粉コンベヤやマグネットで、大きな切粉と鉄系スラッジを先に取る
  2. サイクロンやフィルターで、液中の細かいスラッジを取る
  3. 浮上油回収装置やマイクロバブルで、油分を取る
  4. 定期的に、タンク底の沈殿スラッジを吸い取る

どの方式が効くかは、加工材料と液の状態で変わります。デモ機や液を送るテストを使って、自社の液で確かめてから決めてください。

この記事に出てくるメーカー

参照元

よくある質問

浮上油回収装置とろ過装置は両方必要ですか?

取りたい汚れが違うため、浮上油とスラッジの両方が出る現場では組み合わせて使うのが一般的です。中部クリーン、ニクニ、ブンリのように、浮上油回収とろ過・スラッジ回収の両方を扱うメーカーもあります。

アルミのスラッジはマグネットで取れますか?

アルミは非磁性体なので、マグネットでは取れません。サイクロンやフィルターを使います。ニクニのNax-KKはアルミ(比重2.7)の20µmスラッジを90%除去すると説明し、日本スピンドル製造のうずエコは磁性体・非磁性体を問わず浄化するとしています。

消耗品のいらない浄化装置はありますか?

あります。スギノマシンのJCC-HMはフィルタなどの消耗品が出ないと説明し、日本スピンドル製造のうずエコはフィルター交換が不要と書いています。ブンリも消耗品を必要としない機構の開発に取り組んでいると書いています。

油性の切削油にも使えますか?

機種によります。濾過精工の精密ろ過システムとコニテクのマイクロキャッチは水溶性と油性のどちらにも対応すると書いています。スギノマシンのJCC-HMは油性の液は適用外です。

【用途別】クーラント自動希釈・浄化装置メーカーおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

複数台の工作機械へ自動で希釈・供給し、機械ごとの濃度も直したいなら

中部クリーン株式会社

供給台数の目安1〜20台のFKMと、機械ごとに濃度を測って補正するクーラントコントローラ

FKMシリーズは混合槽350L・500Lで、供給台数の目安は1〜10台・1〜20台、希釈濃度1〜10%。FAMシリーズは設定濃度±0.5%以内とする。クーラントコントローラは工作機械1台ごとに置き、指定したタイミングで濃度を自動測定して補正し、液量も補給する。浮上油回収装置は試用機を1週間貸し出す(往復送料のみ負担)。

中部クリーン株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

浮上油と細かい異物を取り、液の腐敗や臭いを減らしたいなら

株式会社スギノマシン

エアだけで動くマイクロバブル浄化。訪問デモと、液を送る浄化テストでレポートが返る

JCC-HMは直径1〜100µmのマイクロバブルで液中の油分や異物を浮かせて取る。動力はエアだけで電源不要、フィルタなどの消耗品も出ない。JCC-HM2は処理能力13L/min、タンク容量25L。担当者がデモ機を持参する浮上分離デモと、使用中の液30〜40L程度を送って実機で処理する浄化テストを案内し、結果をレポートにまとめて返す。

株式会社スギノマシンの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

研削・研磨の細かいスラッジを、µm単位でろ過したいなら

濾過精工株式会社

不織布フィルターと特許の逆洗浄。2〜5µで99%の目安と、デモ機貸出・濾過テスト

精密クーラントろ過システムは不織布のフィルター・エレメントでスラッジを捕集する循環式で、2016年に特許を取得した逆洗浄で加工を止めずにフィルターを洗える。ろ過精度の目安は2〜5µで99%、1〜2µで86%(保証値ではない)。水溶性・油性の両方に使える。デモ機の現地貸出と、検体を預かっての濾過テストを実施し、粒度分布の測定結果とあわせて報告する。

濾過精工株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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