クーラント自動希釈・浄化装置 · 用途別
アルミ加工のクーラントのスラッジを取るには|サイクロン・フィルター・液面回収・集中クーラントを比較
マグネットが効かないアルミの切削・研削やアルミダイカスト部品の加工で、クーラントの非磁性スラッジを取りたい工場向けに、ニクニ・日本スピンドル製造のサイクロン、コニテク・濾過精工のろ過、永進テクノ・産機テクノスの回収装置、ユーベックの集中クーラントを公式情報で比較します。
アルミの切削や研削では、出てくる切粉やスラッジが磁石に付きません。鉄の加工で使うマグネットセパレータが効かないため、別の方式で取る必要があります。
このページでは、アルミ加工やアルミダイカスト部品の加工で、非磁性のスラッジを取る装置を公式情報で整理します。
アルミのスラッジに使える方式
非磁性のスラッジを取る方式は、サイクロン、フィルター、液面や沈殿の吸引の3つが中心です。各社の公式の説明を並べると、次のとおりです。
| 方式 | アルミへの対応についての公式の記載 | メーカー |
|---|---|---|
| サイクロン | アルミ(比重2.7)の20µmスラッジを90%除去 | ニクニ Nax-KK |
| サイクロン | 磁性体・非磁性体を問わず浄化、用途にアルミ研削 | 日本スピンドル製造 うずエコ |
| フィルター | 磁性体・非磁性体関係なくろ過 | コニテク |
| フィルター | 取付実績のある材質にアルミニウム | 濾過精工 |
| 液面の吸引 | アルミ加工の浮遊するスラッジの回収事例 | 永進テクノ |
| 組み合わせ | マシニングセンタでのアルミ切削、研削盤でのアルミの導入事例 | ブンリ |
アルミは比重が軽いため、鉄に比べて液の中を漂いやすく、液面に浮くこともあります。どこにスラッジがたまっているかで、選ぶ方式が変わります。
液面に浮くアルミのスラッジ
永進テクノは、機械の稼働中はタンク内の流れが速く、表面張力で液面に浮くスラッジがたくさんあると説明しています。こうした超微細スラッジは、オイルスキマーやサイクロン、フィルターでも回収が難しいとしています。
- 永進テクノ WD-A:エアー駆動の浮遊物・浮上油回収装置。液面の微細スラッジも回収し、導入事例にアルミ加工の浮遊スラッジを挙げる
- 永進テクノ SD-A・MS-A:液面微細スラッジを回収するエコイットのシリーズ
- 産機テクノス スラッジバキューマー:浮上スラッジも吸引できるフロート付きの機種を用意(SV-G101など)
- ワールドケミカル:フロート式で、浮いた油に加えて浮遊物も回収
液面に浮いたスラッジはクーラントポンプにたどり着きやすく、ポンプやフィルターを詰まらせると永進テクノは説明しています。液面の対策は、浮上油の対策と同じ装置で兼ねられる場合があります。
液中のスラッジはサイクロンで分ける
液中を漂うアルミのスラッジには、サイクロンが使われます。ニクニのNax-KKは、壁掛け型でアルミの細かいスラッジを取る機種です。
| 項目 | ニクニ Nax-KKの公式の記載 |
|---|---|
| 除去の目安 | アルミ(比重2.7)の20µmスラッジを90%除去 |
| 取り付け | 工作機械やタンクの壁面にマグネットで取り付け |
| 構成 | 壁掛けの濃縮分離部と、スラッジ回収部を分割 |
| 回収 | NSフィルタでスラッジを脱液して回収し、廃液とスラッジの量を減らす |
日本スピンドル製造のうずエコは、フィルター交換が不要なサイクロンで、用途にアルミ研削を挙げています。クロンエースはばっ気作用でクーラント液を長持ちさせる集中クーラント対応品です。移動式クロンエースなら、1台で複数のタンクに使えます。
仕上げの精度が要るならフィルターを足す
サイクロンで取り切れない細かい粒が問題になるときは、フィルターを組み合わせます。アルミでも使えると公式に書いているのは、次の装置です。
- コニテク マイクロキャッチ:フィルター5µ〜0.5µの5種類。磁性体・非磁性体を問わずろ過し、水溶性・油性のどちらにも対応
- 濾過精工 精密クーラントろ過システム:取付実績のある材質にアルミニウム。2〜5µで99%(保証値ではない)
- 産機テクノス SV-ZERO:移動式の吸引に0.5µのろ過を組み合わせる
- ブンリ:濾過精度5〜10マイクロメートルを実現している機種がある
フィルターを入れると消耗品の費用がかかるため、サイクロンで大部分を取ってからフィルターに通す順番にすると、交換の頻度を抑えられます。
ダイカスト部品の加工ラインを集中化する
アルミダイカスト部品を小型マシニングセンターで加工するラインでは、機械ごとのタンクをやめて集中クーラントにする方法もあります。ユーベックは、小型マシニングセンターによるダイカスト加工で、40〜50台の集中クーラント化が可能になったと書いています。
| 要素 | ユーベックの公式の説明 |
|---|---|
| ろ過 | 自動洗浄機能付の精密フィルター装置でクリーン液を作る |
| 供給 | 各機械のクーラント自動バルブで供給・停止 |
| 原液の補充 | 目盛付きの定量自動給水バルブで補充量を計算しやすくする |
| 浮上油 | チップコンベアに浮上油回収機能を付ける |
| 保証 | フィルターは1年補償(クーラント液の種類による) |
スピンドルスルーと外部洗浄ノズルを併用して、刃具寿命の延長とスラッジ除去を同時に行う提案もしています。ライン全体を見直す時期に相談すると、設備の配置から決められます。
タンク底にたまったアルミは吸い取る
大きめの切粉や重い粒は、機械が止まるとタンクの底にたまります。底のスラッジは、液を回すろ過装置では取り切れないため、定期的に吸い取ります。
- 永進テクノ ES-A:沈殿スラッジの掃除機。フィルターを使わず、キャスター付きで移動できる
- 産機テクノス スラッジバキューマー:エア駆動の移動式。液面・液中・沈殿をまとめて吸引
- ニクニ LAX:液中掃除機
永進テクノは、沈殿したスラッジがタンクの容積を占めると、加工に必要な量の液を掛けられなくなると説明しています。大型連休の前だけでなく、日常的に吸い取る仕組みがあると清掃の負担が減ります。
アルミ加工で起きやすい困りごと
アルミの加工現場では、鉄の加工とは違う困りごとが出やすくなります。スラッジの性質から考えると、次のような点に気をつける必要があります。
- 軽いスラッジが沈まずに液中や液面を漂い、ポンプやノズルまで流れていく
- マグネット式の切粉コンベヤやセパレータでは取れず、タンクにたまり続ける
- 細かい粒がワークに付いたまま、次の工程に持ち込まれる
- スラッジが腐敗の元になり、液の交換が早まる
どの困りごとが大きいかで、優先して入れる装置が変わります。現場の担当者に、困っている場面を具体的に聞いておくと選びやすくなります。
装置の組み合わせの例
アルミ加工では、1つの方式で全部のスラッジを取るのは難しいため、場所ごとに装置を組み合わせます。公式の記載をもとに、組み合わせの例を表にしました。
| スラッジの場所 | 軸になる装置 | 組み合わせの例 |
|---|---|---|
| 液面 | フロート式の回収 | 永進テクノ WD-A、ワールドケミカル クーラントセイバーポータブル |
| 液中 | サイクロン | ニクニ Nax-KK、日本スピンドル製造 うずエコ |
| 液中(仕上げ) | フィルター | コニテク マイクロキャッチ、濾過精工 |
| タンク底 | 吸引 | 永進テクノ ES-A、産機テクノス スラッジバキューマー |
| ライン全体 | 集中クーラント | ユーベック、ブンリ |
最初から全部をそろえる必要はありません。困りごとが大きい場所から1つずつ入れて、効果を確かめながら足していくのが現実的です。
アルミ加工の対策を決める手順
最後に、アルミ加工のスラッジ対策を決める手順をまとめます。上から順に進めると、必要な装置が絞り込めます。
- スラッジが液面・液中・タンク底のどこに多いかを確かめる
- 液面ならフロート式の回収、液中ならサイクロン、底なら吸引を軸に考える
- 仕上げ精度が要る工程は、フィルターを組み合わせる
- 加工ラインを組み直す時期なら、集中クーラントも比べる
- デモやテストで、自社の切粉で効果を確かめる
アルミ加工の対策でデモや試用を案内しているのは、永進テクノ(サブスク・現場訪問)、産機テクノス(1週間のデモ機宅配)、コニテク(約30日間のデモ)、濾過精工(デモ機貸出・濾過テスト)などです。
この記事に出てくるメーカー
- 株式会社ブンリ切粉処理と一次濾過の専門
- 永進テクノ株式会社月額で試せる浮上油回収
- コニテク株式会社機械ごとの微細ろ過
- 日本スピンドル製造株式会社消耗品なしのサイクロン
- 株式会社ニクニ機械ごとのサイクロンろ過
- 濾過精工株式会社µm単位の精密ろ過
- 産機テクノス株式会社デモ機宅配の移動式回収
- 株式会社ユーベック小型MCラインの集中化
- 株式会社ワールドケミカルフロート式スキマーの専業
参照元
よくある質問
アルミの切粉にマグネットセパレータは使えますか?
使えません。アルミは非磁性体のため、サイクロンやフィルター、吸引式の回収装置を使います。ニクニのNax-KKはアルミ(比重2.7)の20µmスラッジを90%除去すると説明しています。
液面に浮くアルミの粉はどう取りますか?
永進テクノは、表面張力で液面に浮く超微細スラッジは回収が難しいとして、液面の微細スラッジを回収するWD-Aなどの機種を出しています。導入事例にアルミ加工の浮遊スラッジを挙げています。
アルミダイカスト部品の加工ラインで集中クーラントは使えますか?
ユーベックは、小型マシニングセンターによるダイカスト加工で40〜50台の集中クーラント化が可能になったと書いています。接続台数や設置スペースに合わせて専用設計すると説明しています。
【用途別】クーラント自動希釈・浄化装置メーカーおすすめ3選
複数台の工作機械へ自動で希釈・供給し、機械ごとの濃度も直したいなら
中部クリーン株式会社
供給台数の目安1〜20台のFKMと、機械ごとに濃度を測って補正するクーラントコントローラ
FKMシリーズは混合槽350L・500Lで、供給台数の目安は1〜10台・1〜20台、希釈濃度1〜10%。FAMシリーズは設定濃度±0.5%以内とする。クーラントコントローラは工作機械1台ごとに置き、指定したタイミングで濃度を自動測定して補正し、液量も補給する。浮上油回収装置は試用機を1週間貸し出す(往復送料のみ負担)。
浮上油と細かい異物を取り、液の腐敗や臭いを減らしたいなら
株式会社スギノマシン
エアだけで動くマイクロバブル浄化。訪問デモと、液を送る浄化テストでレポートが返る
JCC-HMは直径1〜100µmのマイクロバブルで液中の油分や異物を浮かせて取る。動力はエアだけで電源不要、フィルタなどの消耗品も出ない。JCC-HM2は処理能力13L/min、タンク容量25L。担当者がデモ機を持参する浮上分離デモと、使用中の液30〜40L程度を送って実機で処理する浄化テストを案内し、結果をレポートにまとめて返す。
研削・研磨の細かいスラッジを、µm単位でろ過したいなら
濾過精工株式会社
不織布フィルターと特許の逆洗浄。2〜5µで99%の目安と、デモ機貸出・濾過テスト
精密クーラントろ過システムは不織布のフィルター・エレメントでスラッジを捕集する循環式で、2016年に特許を取得した逆洗浄で加工を止めずにフィルターを洗える。ろ過精度の目安は2〜5µで99%、1〜2µで86%(保証値ではない)。水溶性・油性の両方に使える。デモ機の現地貸出と、検体を預かっての濾過テストを実施し、粒度分布の測定結果とあわせて報告する。
自社の工場に合うクーラント管理装置を、無料で相談する
工作機械の台数と種類、使っている切削油(水溶性・油性、製品名)、タンク容量、困っていること(補充の手間・濃度のばらつき・浮上油・スラッジ・臭い)を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、デモや試用の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。