クーラント自動希釈・浄化装置 · 用途別
1台からクーラントの自動希釈を始めるには|価格公開の自動希釈バルブと小型装置を比較
まず1台の工作機械からクーラントの自動希釈・自動補充を試したい工場向けに、ケイエステックの自動希釈バルブ(税込価格公開)とソルマスター、中部クリーンFAM、ジャパンセパレーターのデジタル式、山本金属製作所COOL-iのレンタルを公式情報で比較します。
自動希釈を工場全体に入れる前に、まず1台か2台で試したいという現場は少なくありません。配管工事や大きな投資をせずに始められる装置もあります。
このページでは、機械1台ごとに置ける装置や、小さな設置スペースで使える装置を、公式の価格・寸法・条件で比べます。
1台から始められる装置の一覧
| メーカー・装置 | 特徴 | 公式の数値 |
|---|---|---|
| ケイエステック 自動希釈バルブ | 電気・エアー不要、水圧で原液を吸い上げる | 本体90,000円(税込99,000円)から |
| ケイエステック ソルマスター | 電磁弁とフロートで機械のタンクへ自動補充 | 工作機械1台ごとに設置 |
| 中部クリーン FAMシリーズ | 撹拌プロペラで混合し、サブタンクから自動給油 | 設定濃度±0.5%以内、50cm×60cm |
| ジャパンセパレーター デジタル式 | 0.1%単位で濃度を指定 | 幅400×奥行400×高さ950mm |
| 広和エムテック オートミックスⅡ | 移動できる混合装置 | 切削液タンク有効110L、400×920×1140h |
| クール・テック AquaBlend Pro | 濃度とpHを同時に設定 | 535×500×1400mm、100V |
この中で本体価格を公式に載せているのは、ケイエステックだけでした。ほかの装置は問い合わせて見積を取る必要があります。
寸法は公式の製品ページに載っている値です。原液のドラム缶やペール缶を置く場所も、あわせて確保してください。
ケイエステックの自動希釈バルブは価格が見える
ケイエステックの自動希釈バルブは、水道につないでバルブを開くと希釈液が出てくる装置です。電気やエアーを使わないため、電源工事なしで始められます。
| 型式 | 取り付け方 | 本体価格(税込) |
|---|---|---|
| KS-ADV2 | 金属配管や壁に固定 | 90,000円(99,000円) |
| KS-ADV2S | ペール缶・一斗缶に固定 | 95,000円(104,500円) |
| KS-ADV2D | ドラム缶に固定 | 95,000円(104,500円) |
| KS-ADV2P | 原液タンク付き(30L) | 107,000円(117,700円) |
| KS-ADV2P-60L | 原液タンク付き(60L) | 125,000円(137,500円) |
原液の残量が見えるタンク付きのタイプは、缶が空になったことに気づかず水だけを流すトラブルを避けられると説明しています。1台のバルブから複数台への分配はできないため、使う機械の近くに1台ずつ置く前提です。
補充まで自動にするならソルマスター
希釈だけでなく、機械のタンクが減ったら自動で足したい場合は、ケイエステックのソルマスターが候補です。自動希釈バルブに電磁弁とフロートスイッチを組み合わせ、タンクの残量が下がると一定量を補充します。
- 設備のタンクの上面に穴を3か所あけ、付属のフロートスイッチとホースを付ける
- 設定したタイマーの時間がたつと電磁弁が閉まり、供給を止める
- 水位が上がりすぎると強制停止し、アラームランプが点灯する
- 原液タンクが空になると自動供給を止め、水だけが入るのを防ぐ
- 上水道しかない場合は、専用のポンプユニットKS-JPU1Aをオプションで用意
工作機械の近くに工業用水の配管があれば、大掛かりな分配管工事なしで使えると説明しています。機械ごとに油剤や濃度を変えたい工場にも合う方式です。
小さなスペースで量ってから混ぜる装置
濃度の安定を重視するなら、水と原液を量ってから混ぜる計量撹拌式も小型の機種があります。設置スペースと濃度の決め方を比べると、次のとおりです。
| 装置 | 設置スペース | 濃度の決め方 |
|---|---|---|
| 中部クリーン FAMシリーズ | 50cm×60cm | タッチパネルで設定、設定濃度±0.5%以内 |
| ジャパンセパレーター デジタル式 | 幅400×奥行400mm | デジタルスイッチで0〜10%を0.1%単位 |
| クール・テック AquaBlend Pro | 535×500mm | タッチパネルで濃度とpHを設定 |
ジャパンセパレーターのデジタル式は、自動補充に必要なセンサー、リレー装置、モーターバルブを標準で備えると書いています。中部クリーンのFAMは、自動希釈に加えて半自動での液の取り出しもできると説明しています。
移動して使える混合装置という選び方
配管を引かずに、液を作って運ぶ方式もあります。広和エムテックのオートミックスⅡは、少ないスペースで設置でき、移動も可能と説明している切削液混合装置です。
- FMSや無人運転の機械向けに、設定濃度でミキシングして自動供給する
- 原液タンク12L、切削液タンクは有効110L
- 混合濃度は0〜25%で、水圧や原液の濃度により変動すると記載
- オプションで複数台のマシンにも自動供給できる
1台を置いて、まわりの数台に液を補給する使い方もできます。混合にエジェクターを使う方式のため、水圧の安定した場所に置けるかを確かめてください。
1台用の装置を比べる観点
1台から始める装置は、価格だけでなく、電源・水・補充の自動化の範囲で選びます。公式の記載をもとに、比べる観点を並べました。
| 観点 | ケイエステック | 中部クリーン FAM | ジャパンセパレーター | クール・テック |
|---|---|---|---|---|
| 電源 | 不要(バルブ)、ソルマスターは電磁弁あり | AC200V(1kva、FAM50Aは3kva) | 単相100V・300W | 100V・700W |
| 濃度の決め方 | 濃度調整グリップ | 設定濃度±0.5%以内 | 0.1%単位で指定 | 希釈精度±0.2%、pHも設定 |
| 機械への補充 | ソルマスターで自動 | サブタンクから自動給油 | SUBタンクから自動補充 | 記載なし |
| 価格の記載 | あり(税込併記) | なし | なし | なし |
表の記載なしは、公式ページで確認できなかった項目です。問い合わせのときに、電源と補充の方式をまとめて確認してください。
まず今の濃度を測るところから始める
装置を入れる前に、今の濃度がどれだけばらついているかを知りたい場合は、計測の装置を借りる方法もあります。山本金属製作所のCOOL-iは、販売とレンタルの両方で使えると書いています。
- タンクにホースを差し入れるだけで設置でき、家庭用100V電源で動く
- 濃度(Brix)・汚染度・液温・室温・pHを自動で計測する
- 記録頻度は1・5・10分から選び、WEBアプリで時系列表示とアラートを出す
- 濃度の測定範囲は0〜30%、測定精度は±0.5%
1台で数週間測ると、補充の前後でどれだけ濃度が動くかが見えます。その結果を持って希釈装置のメーカーに相談すると、必要な機能を絞り込みやすくなります。
1台目に選ぶ機械の決め方
最初の1台は、効果が見えやすい機械を選ぶと、その後の判断がしやすくなります。次のような機械が候補です。
- 液の減りが早く、補充の回数がいちばん多い機械
- 濃度のばらつきで、工具の摩耗や仕上がりの不具合が出ている機械
- 夜間や休日も動かしていて、補充のために人が来ている機械
- 水道や工業用水の配管が近く、設置工事が少なくて済む機械
効果を比べるために、同じ油剤を使う別の機械を1台、手作業のまま残しておくと前後の差がはっきりします。
小さく始めるときの順番
- 補充の手間か濃度のばらつきが大きい機械を1台選ぶ
- その機械の濃度と補充量を1〜2週間記録する
- 水道・工業用水・電源の条件を確かめて、バルブ式か計量撹拌式かを決める
- 1台分の装置を導入し、同じ記録を続けて前後を比べる
- 効果が出たら、同じ油剤の機械に広げるか、一括供給に切り替えるかを決める
小さく始めた結果は、そのまま全体導入の判断材料になります。2台目以降は、一括供給の装置と機械ごとの装置の両方で見積を取って比べてください。
記録は、補充にかかった時間、原液の使用量、濃度とpHの3つがあれば十分です。数字がそろっていると、メーカーからの提案も具体的になります。
この記事に出てくるメーカー
- 中部クリーン株式会社希釈供給から濃度補正・浮上油まで
- クール・テック株式会社濃度とpHを同時に設定
- ジャパンセパレーター株式会社0.1%単位のデジタル希釈
- 広和エムテック株式会社混合装置と浮上油回収の両方
- 株式会社ケイエステック価格公開の水圧式バルブ
- 株式会社山本金属製作所濃度とpHを常時記録
参照元
よくある質問
いちばん手軽に始められる自動希釈の方法は?
電源工事が要らない方法として、ケイエステックの自動希釈バルブがあります。水道につないでバルブを開くと、水圧と水流で原液を吸い上げて希釈液を作ります。本体価格はKS-ADV2が90,000円(税込99,000円)です。
1台用の装置をあとで増やすことはできますか?
機械ごとに置く方式なので、台数分を追加する形になります。ケイエステックの自動希釈バルブは1台から複数台へ分配できないと書いています。台数が増えたら、中部クリーンのFKMシリーズや岩本工業の楽〜ラントのような一括供給の装置も比べてください。
希釈装置を買う前に濃度を測っておきたいのですが?
山本金属製作所のCOOL-iは販売とレンタルの両方で使えると書いており、タンクにホースを差し入れるだけで濃度・pH・汚染度などを常時計測できます。
【用途別】クーラント自動希釈・浄化装置メーカーおすすめ3選
複数台の工作機械へ自動で希釈・供給し、機械ごとの濃度も直したいなら
中部クリーン株式会社
供給台数の目安1〜20台のFKMと、機械ごとに濃度を測って補正するクーラントコントローラ
FKMシリーズは混合槽350L・500Lで、供給台数の目安は1〜10台・1〜20台、希釈濃度1〜10%。FAMシリーズは設定濃度±0.5%以内とする。クーラントコントローラは工作機械1台ごとに置き、指定したタイミングで濃度を自動測定して補正し、液量も補給する。浮上油回収装置は試用機を1週間貸し出す(往復送料のみ負担)。
浮上油と細かい異物を取り、液の腐敗や臭いを減らしたいなら
株式会社スギノマシン
エアだけで動くマイクロバブル浄化。訪問デモと、液を送る浄化テストでレポートが返る
JCC-HMは直径1〜100µmのマイクロバブルで液中の油分や異物を浮かせて取る。動力はエアだけで電源不要、フィルタなどの消耗品も出ない。JCC-HM2は処理能力13L/min、タンク容量25L。担当者がデモ機を持参する浮上分離デモと、使用中の液30〜40L程度を送って実機で処理する浄化テストを案内し、結果をレポートにまとめて返す。
研削・研磨の細かいスラッジを、µm単位でろ過したいなら
濾過精工株式会社
不織布フィルターと特許の逆洗浄。2〜5µで99%の目安と、デモ機貸出・濾過テスト
精密クーラントろ過システムは不織布のフィルター・エレメントでスラッジを捕集する循環式で、2016年に特許を取得した逆洗浄で加工を止めずにフィルターを洗える。ろ過精度の目安は2〜5µで99%、1〜2µで86%(保証値ではない)。水溶性・油性の両方に使える。デモ機の現地貸出と、検体を預かっての濾過テストを実施し、粒度分布の測定結果とあわせて報告する。
自社の工場に合うクーラント管理装置を、無料で相談する
工作機械の台数と種類、使っている切削油(水溶性・油性、製品名)、タンク容量、困っていること(補充の手間・濃度のばらつき・浮上油・スラッジ・臭い)を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載メーカーへ匿名で概要を伝え、デモや試用の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。