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削り出し部品を鋳造に置き換えたい|コストダウン事例・数量の分岐・設計変更の要点【2026年版】

アルミやステンレスの削り出し(切削)部品を、ロストワックス・ダイカスト・砂型などの鋳造に置き換えてコストや重量を下げたい方向けに、日本ダイカスト協会が示す機械加工品との比較、工法転換の事例を公式に挙げる会社(太陽パーツ、キャステム、FIRMS、キングパーツ、光軽金属工業、マルサン木型製作所)、数量の分岐、鋳造向けの設計変更、試作での検証手順を解説します。

公開 2026年10月1日

削り出しの部品は、1個から図面どおりに作れて寸法精度も高い一方、形が複雑になるほど加工時間と材料の無駄が増えます。数量が見えてきた段階で、鋳造に置き換えられないかという相談が出てきます。

このページでは、日本ダイカスト協会の資料と、今回調査した34社の公式記載から、置き換えの判断材料を順に整理します。

機械加工品とダイカストの比較(協会資料)

日本ダイカスト協会の資料「他の製造方法との比較」は、機械加工品とダイカストの利点を並べています。置き換えの向き不向きは、この表でおおよそ判断できます。

ダイカストの利点機械加工品の利点
複雑な形状のものも、一工程で作れる単純な形状では生産速度が非常に速い
加工による切り粉の発生が少ない小ロット製品の生産に向いている
複雑な形状でも生産速度が速いダイカストできない材料も加工でき、寸法精度が高い
溶解して材料の再利用ができる—

同じ資料は押出形材との比較も載せています。押出形材から削り出している部品では、こちらも判断の材料になります。

  • ダイカストの利点:複雑な形状のものができる、二次加工が少なくてすむ、薄肉部品を作ることができる
  • 押出形材の利点:金型費が安い、アルマイト・封孔処理・クリヤー塗装など簡単な処理で耐食性を持たせられる、押出形材の価格は安い

形が単純で数量が少ない部品は、削り出しのままが有利です。形が複雑で、数量がまとまる部品ほど、鋳造への置き換えで効果が出やすくなります。

工法転換の事例を公式に挙げる会社

今回調査した34社のうち、切削や他の工法からの置き換えを事例として公式に挙げている会社を並べます。

会社公式の事例・記載置き換え先の工法
太陽パーツ切削・板金からの工法転換で30〜70%のコストダウン、40以上の工法変換事例。計測機器用軸受けをAC4C-T6のロストワックスにしてコスト50%減。検査機器用ラックギア(ZDC2)でコスト30%削減ロストワックス・ダイカスト
キャステムSUS304精鋳・S45C精鋳などの切削→鋳造置換事例(アルミの事例は掲載なし)ロストワックス
FIRMS鉄の部品をダイカストに切り替え、軽量化・組立工程削減ダイカスト
キングパーツ複数部品一体化・軽量化部品、コストダウン実績30,000点ロストワックス
光軽金属工業工法・材質変更の提案、砂型鋳物化・ダイカスト化の提案事例砂型・金型重力鋳造・ダイカスト
マルサン木型製作所スプライン部の加工がいらない素材の事例砂型

太陽パーツは医療機器用ベース・スイッチパネル(ADC12)でも、切削やロストワックスからダイカストへの転換事例を挙げています。置き換え先は、ロストワックス・ダイカスト・砂型と会社で分かれます。

キャステムの事例は鉄系ですが、同社は3Dプリンターの樹脂模型を原型にするデジタルキャストで、1個から金型なし(0円金型)の鋳造も掲げています。置き換えを検討する最初の試作に使える方式です。

数量で変わる置き換えの分岐点

鋳造は型の費用がかかるため、数量が少ないと削り出しに負けます。公式に数量帯を示す会社を、置き換え先の工法別に並べます。

置き換え先公式の数量会社
3Dプリンター模型のロストワックス数個〜十数個レベルの試作鋳造に最適太陽パーツ
ロストワックス最少5個から、数十〜数百個の中量生産が得意キングパーツ
ロストワックス(アルミ簡易金型)100個程度から武杉製作所
簡易金型ダイカスト数十〜数百協和合金
ダイカスト(カセットシステム)50個/1ロットから太陽パーツ
ダイカスト(量産機)MIN100・MAX20,000光軽金属工業

費用の構造は、型や模型にかかる初度費と、1個あたりの単価に分かれます。共栄デザインは石膏鋳造のモデルケースとして「初度費:20万円」「製品単価:30,000円(10個時)」を公開しており、この形で削り出しの単価と比べると分岐点を試算できます。

鋳造に置き換えるときの設計変更

削り出しの形状をそのまま鋳造にすると、型が複雑になったり、鋳造しにくい箇所が残ったりします。協会の設計ガイドは、加工と鋳造の分担について次の指針を示しています。

  • 細い鋳抜ピンは避けた方がよい。小穴は機械加工する方が、細い鋳抜ピンを維持して鋳造するよりも一般に経済的(ただし鋳巣の発生には注意)
  • 機械加工を必要とする製品は、ひずみや加工基準を考慮して設計し、適切な仕上代(0.25〜0.8mm)を付ける
  • コスト低減が明らかなときは、後でねじを加工する代わりに、ダイカストでねじ(おねじ)を成形することもある
  • インサート(鋳込金具)は、鋳造時に移動しないよう確実に保持できる設計とし、固定はローレット及び段付加工による

マルサン木型製作所の「スプライン部の加工がいらない素材」は、加工で作っていた形を鋳造側に移した例です。どこまで鋳造に移せるかは、公差と工法の組み合わせで決まります。

置き換えでは、鋳造で作る形と、加工で仕上げる面を最初に分けることが出発点です。すべての面を鋳放しで狙うより、合わせ面や穴は加工に残す方が現実的な場合が多くあります。

加工を社内で持つ会社を選ぶ理由

置き換え後も、はめあい面や穴の加工は残ります。鋳造と加工を同じ会社で受けられると、加工代の設定と基準面の取り方を一度に決められます。

  • ニューテック:機械加工(DMG 5軸加工機)、熱処理、表面処理まで行い完成品で納品
  • JMC:5軸機械加工を含めて社内一貫
  • 寿金属工業:マシニングセンタ61台、NC旋盤
  • 光軽金属工業:横形MC16台、立形MC7台、熱処理炉2基
  • キングパーツ:社内に機械加工部門(横型MC5台、立型MC7台、複合加工機等)
  • 太陽パーツ:金型の設計から鋳造、仕上げ、機械加工、表面処理、品質検査まで一貫

削り出し品は「完成品」で受け取っていたはずです。鋳造に替えても同じ状態で受け取れるかを、見積の前提として確認します。

置き換えを試作で確かめる手順

置き換えは、いきなり量産型を作らず、試作で性能と費用を確かめてから進めます。公式記載を組み合わせると、次の順序で進められます。

  1. 現行の削り出し品の図面と年間数量を整理する
  2. 鋳造で作る形と加工で残す面を分け、仕上代を設定する
  3. 型を作らない工法で鋳造試作する(共栄デザインの石膏鋳造は1個から最短5日、ニューテックの消失鋳造は1〜5個・最短1.5週)
  4. 強度・寸法・組付け・重量を、削り出し品と並べて評価する
  5. 数量に合う量産工法を選び、型費と単価で最終比較する

光軽金属工業は「試作数量に合わせて砂型や削り出しなど適切な工法を提案」と記載しており、削り出しと鋳造の両方を比べる相談もできます。

置き換えの相談で渡す資料

置き換えの見積は、現行品の条件が分かるほど正確になります。現行の単価が分からないと、会社側も削減の見込みを示せません。

次の資料をそろえて依頼します。

  1. 現行品の図面と材質(A5052、A6061など)
  2. 現行の単価と年間数量(置き換え効果を比べる基準になる)
  3. 重要寸法と、鋳放しでよい寸法の区別
  4. 置き換え後の材質の希望(ADC12、AC4C-T6、ZDC2など)
  5. 強度・気密・外観など、変えてはいけない性能と、その確認方法

3選のうち、ニューテックとJMCは鋳造から5軸加工までの社内一貫、共栄デザインは1個からの石膏鋳造と価格のモデルケースを公式に記載しています。試作で比べる段階から相談できます。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

削り出し部品を鋳造に替えるとどれくらい安くなりますか?

部品と数量で変わります。公式の事例では、太陽パーツが切削・板金からの工法転換で30〜70%のコストダウン、計測機器用軸受けをAC4C-T6のロストワックスにしてコスト50%減、検査機器用ラックギア(ZDC2)で30%削減を挙げています。同じ条件で現行単価と比べて判断してください。

何個くらいから鋳造に置き換える意味がありますか?

日本ダイカスト協会の資料は、機械加工品の利点に「小ロット製品の生産に向いている」、ダイカストの利点に「複雑な形状のものも、一工程で作れる」を挙げています。公式の数量帯は、太陽パーツの3Dプリンター模型によるロストワックスが数個〜十数個、キングパーツが最少5個から、協和合金の簡易金型が数十〜数百個、光軽金属工業のダイカストがMIN100です。

鋳造に替えるとき、穴やねじはどうすればいいですか?

日本ダイカスト協会の設計ガイドは、細い鋳抜ピンは避け、小穴は機械加工する方が一般に経済的としています(鋳巣の発生には注意)。機械加工する面には0.25〜0.8mmの仕上代を付け、コスト低減が明らかな場合はダイカストでおねじを成形することもあるとしています。

【目的別】軽金属鋳造の試作会社おすすめ3選

※2026年9月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

量産と同じダイカスト材で、金型なしに評価したいなら

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ADC12でダイカスト同等品質の試作。試作実績1万件超、石膏鋳造は最短2.5週間

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株式会社ニューテックの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

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株式会社JMCの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

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