3比較ハブ金属3Dプリントの受託造形

金属3Dプリントの受託造形 · 用途別

大型部品・肉盛り・補修を金属3Dプリントで頼む|DEDと大型PBFの受託先を造形サイズで比べる【2026年版】

パウダーベッド方式の装置に入らない大きな部品や、既存の部品への肉盛り・形状追加・補修を金属3Dプリントで頼みたいときの受託先を、DEDの設備と大型PBFの造形サイズで整理しました。

公開 2026年10月1日

金属3Dプリントの装置は、250mm角前後の造形エリアのものが多く、大きな部品はそのままでは作れません。メートル級の部品や、既にある部品に形を追加したい場合は、別の方式や大型の装置が必要です。

このページでは、DED方式の設備と、大型のPBF装置を持つ受託先を、公式の造形サイズで比べます。

大きな部品を造形できる受託先

公式に書いている最大の造形サイズを、大きい順に並べます。方式によって得意な形が違う点に注意してください。

会社方式公式の最大造形サイズ
明楽粉末DED+五面加工機3000×1500×1100(高さ)
JFEエンジニアリング鶴見製作所DED(芝浦機械 ZK-T2010)φ1320×H1150
日本積層造形PBF(Concept Laser X-Line)800×400×500mm
東金属産業PBF(アルミ)600×600×500
JFEエンジニアリング鶴見製作所DED(LAMDA500)500×500×500
フジDED(LASERTEC 65 DED hybrid)φ500×400
ライト製作所PBF(アルミ)W420×D420×H500㎜

メートルを超える大物はDED、数百mmで細かい形が要るなら大型PBFという分け方が目安です。

DEDとは何が違うのか

DEDは、粉末などを吹き付けながらレーザーで溶かし、肉を盛るように造形する方式です。粉末を敷き詰める箱が要らないため、装置の大きさに合わせて大きな部品を作れます。

項目DEDPBF
大きさ大きな部品に向く造形エリアの箱で決まる
細かさ粗め。切削の仕上げが前提細かい形、中空・格子が得意
既存部品への追加得意(母材に盛る)基本的に新規の造形
造形の速さ速い大きいほど時間がかかる

明楽は、DEDは造形エリアの制約が少なく、PBF方式では難しい大型部品の造形が可能と書いています。

明楽:最大3000×1500×1100のハイブリッド

明楽は三重県員弁郡東員町の金属加工会社で、粉末DEDと五面加工機のハイブリッド機を持っています。切削主軸を積んでいるため、積層造形と切削を複合で行えます。

  • ハイブリッド機(LAMDA2000): 最大3000×1500×1100(高さ)。同じ段取りで加工するときは2000×1500×1100
  • 傾斜CNC円テーブル: 最大Φ750×高さ500、Φ640×高さ600
  • 同時五軸の粉末DED: 最大200×200×200
  • 材料: チタン合金、インコネル、ステンレス、マルエージング鋼、コバルトクロム合金、インバー材、アルミ合金

複合加工機や五面加工機、マシニングセンタも持ち、造形から機械加工の仕上げまで一貫して行います。大型部品を、造形と切削で一社完結させたい場合の第一候補です。

JFEエンジニアリング鶴見製作所:φ1320の大型DED

JFEエンジニアリングの鶴見製作所は、横浜市鶴見区で金属3Dプリンターの受託サービスを行っています。DED方式の装置を2種類持っています。

装置最大造形サイズ補足
芝浦機械 ZK-T2010φ1320×H11505軸、レーザー出力0.6〜6.0kW可変
ニデックマシンツール LAMDA500500×500×5003台

最大積載荷重は治具を含む造形後重量で675kgです。2次加工として熱処理・サポート除去・研磨・仕上げ加工、検査として寸法検査・非破壊試験・組織観察を挙げています。

大型のPBFを持つ受託先

DEDほど大きくなくても、数百mmの部品を細かい形で作りたい場合は、大型のPBF装置を持つ会社が候補です。

  • 日本積層造形: Concept Laser X-Line(800×400×500mm)、EOS M400-4(400×400×400mm)
  • 東金属産業: アルミ(AlSi10Mg)最大600×600×500
  • ライト製作所: アルミ W420×D420×H500㎜。縦に長い単体品の造形も可能

大型のPBFは造形に時間がかかるため、日数には余裕を見てください。ホワイトインパクトは、EOS社提供の例として240×240×290mmの造形に927時間かかった数字を公開しています。

既存の部品に肉盛り・形状追加をする

DEDの大きな特徴は、既にある部品に形を追加できることです。公式に紹介されている使い方を並べます。

  • 明楽: ニアネットシェイプの素材に必要な部分だけ肉盛りし、削りしろと材料を減らす
  • 明楽: 基本形状をベースにフランジ部分を造形し、鋳造型を最小限にする
  • JFEエンジニアリング鶴見製作所: 母材への形状追加が容易で、部分的に耐摩耗性・耐食性を持たせる
  • フジ: PBF造形品の一部に銅合金をDEDで付加造形

全体を3Dプリントで作るより、単純な形の素材に必要な部分だけ盛る方が、早く安く済むことがあります。

補修に使う

摩耗した部品や欠けた金型を、DEDで補修する使い方もあります。手作業の溶接に比べて、品質のばらつきを抑えやすいとされています。

会社補修についての公式の記載
明楽熟練技術者の手作業に頼っていた補修工程を、DEDの自動積層に置き換え
フジ金型補修で除去加工・レーザー溶接・切削仕上げを1台で。巾30mm×深さ10mmの凹形状部が1箇所約3分

補修は、母材の材料と盛る材料の相性が重要です。母材の材料が分かっていれば、最初に伝えてください。

異なる金属を組み合わせる

DEDでは、母材と違う金属を部分的に盛ることもできます。明楽は異種金属の例として次の組み合わせを挙げています。

  • 母材SKD相当に、刃先をハイス相当の粉末で
  • 母材SS材に、インコネルやマルエージング鋼
  • LTX粉末と銅合金粉末の混合

必要な部分にだけ高価な材料を使えるため、全体を高価な材料で作るより費用を抑えられます。

大型の造形と鋳造の使い分け

大きな金属部品は、これまで鋳造や溶接で作ることが一般的でした。DEDは、型を作らずに必要な形を盛れるため、1個や少量の大物で特に効果が出ます。

  • 1個〜少量で、鋳造型を作るのが割に合わない
  • 形の一部だけが違う部品を何種類も作る
  • 難削材を大きく削り出すと材料の無駄が多い

明楽は、基本形状をベースにフランジ部分を造形すれば、鋳造型は必要最低限で済むと書いています。

大型部品で気をつけること

大きな部品の造形では、小さな部品とは違う注意点があります。

  1. 運搬と据え付けの方法(重さと大きさ)を先に確かめる
  2. 熱による反りを見込んで、削り代を多めに取る
  3. 造形と切削の基準面を最初に決める
  4. 検査の方法(寸法、非破壊試験)を決めておく

JFEエンジニアリング鶴見製作所は、ヒアリング項目に材質・納期・数量・2次加工の要否・3Dデータの有無・熱処理仕様・検査要領を挙げています。この項目を最初にそろえると、相談が早く進みます。

大物・補修の相談で伝えること

大型部品・肉盛り・補修を相談する前に、次の情報をそろえてください。

  • 部品の大きさと重さ
  • 新規の造形か、既存部品への追加・補修か
  • 母材と盛る材料
  • 仕上げに必要な精度と削り代
  • 熱処理と検査の仕様

補修の場合は、現物の写真と、摩耗や欠けの範囲が分かる情報があると判断が早くなります。

大物と補修はDEDの設備で選ぶ

メートル級を造形から切削まで一社で頼むなら明楽、φ1320クラスの大型DEDと検査ならJFEエンジニアリング鶴見製作所、金型の補修ならフジ、数百mmの細かい形なら日本積層造形が候補です。

  • 最大3000×1500×1100: 明楽
  • 最大φ1320×H1150: JFEエンジニアリング鶴見製作所
  • 金型補修: フジ
  • 大型PBF 800×400×500mm: 日本積層造形

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

どれくらい大きな部品まで金属3Dプリントで作れますか?

DEDでは、明楽が最大3000×1500×1100、JFEエンジニアリング鶴見製作所がφ1320×H1150と公式に書いています。PBFでは日本積層造形の800×400×500mmなどがあります。

既存の部品に形を追加できますか?

DEDなら可能です。JFEエンジニアリング鶴見製作所は母材への形状追加が容易とし、明楽はニアネットシェイプの素材に必要な部分だけ肉盛りする方法を紹介しています。

金型や部品の補修にも使えますか?

使えます。フジはDEDのハイブリッド機で金型補修を1台で行うとし、明楽は手作業の補修工程をDEDの自動積層に置き換えると書いています。

【用途別】金属3Dプリントの受託造形おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

PBFで1個の試作部品を、表面・内面の仕上げまで任せるなら

東レ・プレシジョン株式会社

EOS M290を3台、材料は15種類。造形後Ra20μmの面をRa0.5μmまで磨く2次加工を一貫

滋賀県大津市の精密加工会社で、2015年からEOS M290による受託造形を行っている。EOS M290を3台(250×250×H325mm)とTRUMPF TruPrint1000を2台(Φ100×H100mm)持ち、ステンレス、インコネル、タングステン、チタン、純タンタルなど15種類の材料を使える。1個から試作し、量産品にも対応すると記載している。

東レ・プレシジョン株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

大型部品や異種金属の肉盛り・補修をDEDで頼むなら

株式会社明楽

粉末DEDと五面加工機のハイブリッドで最大3000×1500×1100。造形から切削仕上げまで一台

三重県員弁郡東員町の金属加工会社で、DED方式(デポジション方式)の金属3Dプリンターで受託造形を行う。粉末DEDと五面加工機のハイブリッド機は最大造形サイズ3000×1500×1100(高さ)で、切削主軸を積んで積層造形と切削を複合で行える。材料はチタン合金、インコネル、ステンレス、マルエージング鋼、コバルトクロム合金、インバー材、アルミ合金。

株式会社明楽の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

チタンや耐熱合金を、内部の品質まで詰めて使うなら

金属技研株式会社

電子ビームとレーザーの2方式に、HIP処理と熱処理、Ra0.2の機械加工を一貫。最低1個から

東京都中野区に本社を置く金属加工会社で、熱処理やHIP処理を中核技術に持つ。金属積層造形では電子ビームとファイバーレーザーの2種類の造形機を持ち、Ti6Al4V・Inconel718・TiAlに対応する。造形エリアはレーザー機で最大275W×275L×420Hmm、Ti6Al4V専用機でΦ350×380Hmm。最低1個から対応すると記載している。

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