金属3Dプリントの受託造形 · 用途別
金属3Dプリントで1個の試作を急ぐ|最短2〜3日・3日・5営業日の受託先と、日数を縮める条件【2026年版】
金属3Dプリントで試作部品を1個だけ、できるだけ早く手に入れたいときに頼める受託先を、公式に出している最短の日数と1個からの対応で整理しました。造形時間の考え方や、日数を縮めるための準備もまとめています。
金属3Dプリントは型が要らないため、3Dデータがあれば1個から作れます。ただし造形そのものに時間がかかり、後加工も加わるため、最短の日数は会社と形で大きく変わります。
このページでは、掲載各社が公式に出している最短の日数と、1個からの対応を並べ、急ぐときの頼み方を整理します。
最短の日数を公式に出している受託先
金属3Dプリントの納期を数字で出している会社を、公式の表記どおりに並べます。条件が付いている会社が多い点に注意してください。
| 会社 | 公式の納期の表記 | 条件・補足 |
|---|---|---|
| 東金属産業 | 最短で2〜3日での納品も可能 | 1個の試作開発にも対応 |
| J・3D | 最短3日、最長2週間 | 3DCADデータを受け取ってからの回答。造形スケジュールで変わる |
| ホワイトインパクト | 5営業日で納品 | 50mm角のメッシュで、発注の2週間前までにデータを受け、造形確認ができている場合。アルミ専門 |
| 伸和精工 | データ入手後7〜10日間が目安 | 造形後に焼結する方式 |
| ライト製作所 | 最短10日で納品可能 | アルミ(AlSi10Mg) |
最短の数字は、形が小さく単純で、後加工が少ない場合の目安と考えてください。大きな部品や仕上げが多い部品は、数字より長くかかります。
1個からの対応を明記している会社
急ぎの試作では、1個だけでも受けてもらえるかが前提になります。1個からの対応を公式に明記している会社は次の5社です。
- 東金属産業: 1個の試作開発や評価用モデルにも対応
- J・3D: 一個から注文でき、異形状の多数個を同時に造形も可能
- 東レ・プレシジョン: 1個から試作対応。量産品も可能
- 金属技研: 最低1個からの対応が可能
- 日本マイクロMIMホールディングス: 微小複雑形状部品を1品から数百、数千まで(LMM方式)
ほかの会社も小ロットの試作を受けていますが、最小ロットの記載がありません。急ぐ場合は、1個で受けられるかと日数を同時に聞いてください。
東金属産業:最短2〜3日、材質ごとに装置を分ける
東金属産業は静岡県沼津市の鋳物メーカーで、Q&Aで短納期は最短2〜3日での納品も可能と答えています。アルミ・SUS・マルエージング鋼・インバーを内製で造形し、材質ごとに3Dプリンタを使い分けています。
| 材料 | 最大造形サイズ |
|---|---|
| アルミ(AlSi10Mg) | 600×600×500 |
| SUS316L | 250×250×300 |
| マルエージング鋼・インバー | 300×300×300 |
マルエージング鋼の時効処理など熱処理を社内で完結させ、造形から二次加工までワンストップで行うとしています。チタン・インコネル・銅合金は協力企業との連携になるため、急ぐなら内製の材料を選ぶのが近道です。
J・3D:EOS機4台の24時間稼働
J・3Dは名古屋市の受託造形会社で、EOS社の金属3Dプリンター4台を24時間365日稼働させていると書いています。納期は3DCADデータを受け取ってから回答し、最短3日、最長2週間です。
- 材料: マルエージング鋼、インコネル718、アルミ、純チタン、SUS316L
- 造形領域: XY250mm・Z250mm
- 見積には3DCADデータ(STL、STEP、IGESなど)が必要
- 形の違う部品を複数同時に造形できる
写真やPDFだけでは見積できないため、急ぐ場合ほど3Dデータを先にそろえてください。
ホワイトインパクト・伸和精工・ライト製作所
アルミや工具鋼で急ぐ場合は、次の会社も候補です。それぞれの日数には条件が付いています。
| 会社 | 急ぎに関する公式の記載 | 材料 |
|---|---|---|
| ホワイトインパクト | 発注の2週間前までにデータを受け、造形確認ができていれば5営業日で納品(50mm角のメッシュの場合) | アルミ |
| 伸和精工 | データ入手後7〜10日間が目安。精密切削の仕上げもワンストップ | SUS630、工具鋼、インコネル625、銅 |
| ライト製作所 | 500Wレーザー2チャンネルで造形時間が半減。最短10日で納品 | アルミ |
ホワイトインパクトの5営業日は、事前のデータ確認が前提です。急ぎの予定が見えている場合は、早めにデータを送って確認を済ませておくと日数を縮められます。
造形時間は大きさで大きく変わる
金属3Dプリントの造形時間は、部品の大きさと高さで大きく変わります。ホワイトインパクトは、造形の実績として次の数字を公開しています。
| 造形物のサイズ | 造形時間 |
|---|---|
| 240×240×290mm | 927時間(EOS社提供の事例) |
| 50×50×32mm | 5時間20分 |
同じ会社でも、小さな部品は数時間、大きな部品は1か月以上かかることがあります。急ぐなら、部品を小さく分けたり、高さが低くなる向きで造形できないかを相談してください。
形の違う部品を同時に造形する
金属3Dプリントは、装置の造形エリアに複数の部品を並べて一度に造形できます。急ぎの試作で何種類かの部品が要るときは、同時に造形できるかを聞いてください。
- J・3D: 多数個、異形状でも同時に造形できる
- ライト製作所: 広い造形エリアで多品種・少量中量品の同時造形が可能
- 東金属産業: 試作で調整したパラメータで月産1000個規模の量産へ移行可能
別々に造形するより、まとめた方が全体の日数と費用を抑えられることがあります。ただし、高さの高い部品があると全体の造形時間が延びるため、組み合わせは受託先と相談してください。
日数を縮めるための条件
最短の日数に近づけるには、次の条件をそろえることが大切です。
- 造形に使える3Dデータ(STL・STEPなど)がある
- 受託先が内製で扱う材料を選ぶ
- 後加工を最小限にする(まずはサポート除去まで)
- 数量は1個、または同時造形できる数にとどめる
- データの確認を前もって済ませておく
後加工の機械加工や表面処理は、造形と同じくらいの日数がかかることがあります。1個目は形の確認に絞り、仕上げは2個目からにする進め方も有効です。
急ぐときに避けたいこと
急いでいるときほど、次のような失敗で日数を失いがちです。依頼の前に確かめておくと防げます。
- 3Dデータがなく、写真やPDFだけで依頼する
- 協力企業での対応になる材料を選び、手配に日数がかかる
- 精度の要る面に削り代を付けていない
- 造形の向きやサポートの位置を決めないまま急ぐ
- 受け取り方と送り先を伝え忘れる
特に3Dデータの有無は、見積が出るかどうかを分けます。
急ぎの1個のあとをどう進めるか
急ぎの1個で形を確かめたあと、評価用の数をそろえたり、量産に進んだりすることがあります。その先まで同じ会社で進められるかを、最初に確かめておくと安心です。
| 会社 | 試作のあとについての公式の記載 |
|---|---|
| 東金属産業 | 月産1000個規模の量産へ移行可能 |
| 東レ・プレシジョン | 量産品対応も可能 |
| ODEC | 試作開発、二次加工、AM量産化まで一貫 |
| 日本マイクロMIMホールディングス | 小・中ロット以上はμ-MIM®による量産へ移行 |
試作と量産で造形条件を変えないことが、品質をそろえる近道です。
問い合わせで伝えること
急ぎの依頼では、最初の連絡で次の情報をそろえてください。
- いつまでに必要か
- 材料と、代替できる材料
- 数量(1個か、予備を含むか)
- 後加工の要否(サポート除去まで/熱処理/機械加工)
- 3Dデータの形式
この5点がそろえば、受託先は造形のスケジュールに入れられるかをすぐ判断できます。
急ぎの1個は、材料と3Dデータで決まる
最短の日数を重視するなら東金属産業とJ・3D、アルミなら事前確認のうえでホワイトインパクト、工具鋼や銅なら伸和精工が候補です。どの会社でも、内製の材料と3Dデータがそろっていることが、最短に近づく条件です。
- 最短2〜3日の表記: 東金属産業
- 最短3日〜2週間: J・3D
- アルミで5営業日(条件付き): ホワイトインパクト
この記事に出てくる会社
- 東金属産業株式会社大型アルミと熱処理込みに
- 株式会社J・3DEOS機で1個を早く
- 金属技研株式会社チタン部品の内部品質まで
- 株式会社日本マイクロMIMホールディングス微小金属部品の試作に
- 株式会社ODEC造形+切削仕上げを一社で
- 株式会社ライト製作所大きめのアルミ造形に
- 株式会社伸和精工工具鋼・銅を低コストで
- 東レ・プレシジョン株式会社造形後の仕上げまで任せる
- 株式会社ホワイトインパクトアルミの複雑形状に
参照元
よくある質問
金属3Dプリントで1個だけ作ってもらえますか?
頼めます。東金属産業、J・3D、東レ・プレシジョン、金属技研、日本マイクロMIMホールディングス(微小部品)は、1個(1品)からの対応を公式に明記しています。
金属3Dプリントは最短何日でできますか?
公式の表記では、東金属産業が最短2〜3日での納品も可能、J・3Dが最短3日・最長2週間、ホワイトインパクトが条件付き(50mm角のメッシュ、事前のデータ確認)で5営業日です。大きさと後加工で変わります。
急ぐ場合に気をつけることはありますか?
3Dデータを用意し、受託先が内製で扱う材料を選ぶことです。東金属産業はチタン・インコネル・銅合金を協力企業と連携して対応するため、内製の材料より日数がかかることがあります。
【用途別】金属3Dプリントの受託造形おすすめ3選
PBFで1個の試作部品を、表面・内面の仕上げまで任せるなら
東レ・プレシジョン株式会社
EOS M290を3台、材料は15種類。造形後Ra20μmの面をRa0.5μmまで磨く2次加工を一貫
滋賀県大津市の精密加工会社で、2015年からEOS M290による受託造形を行っている。EOS M290を3台(250×250×H325mm)とTRUMPF TruPrint1000を2台(Φ100×H100mm)持ち、ステンレス、インコネル、タングステン、チタン、純タンタルなど15種類の材料を使える。1個から試作し、量産品にも対応すると記載している。
大型部品や異種金属の肉盛り・補修をDEDで頼むなら
株式会社明楽
粉末DEDと五面加工機のハイブリッドで最大3000×1500×1100。造形から切削仕上げまで一台
三重県員弁郡東員町の金属加工会社で、DED方式(デポジション方式)の金属3Dプリンターで受託造形を行う。粉末DEDと五面加工機のハイブリッド機は最大造形サイズ3000×1500×1100(高さ)で、切削主軸を積んで積層造形と切削を複合で行える。材料はチタン合金、インコネル、ステンレス、マルエージング鋼、コバルトクロム合金、インバー材、アルミ合金。
チタンや耐熱合金を、内部の品質まで詰めて使うなら
金属技研株式会社
電子ビームとレーザーの2方式に、HIP処理と熱処理、Ra0.2の機械加工を一貫。最低1個から
東京都中野区に本社を置く金属加工会社で、熱処理やHIP処理を中核技術に持つ。金属積層造形では電子ビームとファイバーレーザーの2種類の造形機を持ち、Ti6Al4V・Inconel718・TiAlに対応する。造形エリアはレーザー機で最大275W×275L×420Hmm、Ti6Al4V専用機でΦ350×380Hmm。最低1個から対応すると記載している。
自社の部品に合う金属3Dプリントの受託先を、無料で相談する
部品の材料・おおよその大きさ・必要な精度と表面粗さ、数量と希望納期、3Dデータの有無(3D CAD・2D図面・現物)、熱処理や切削仕上げの要否を送っていただくと、編集チームが条件に合う掲載会社へ匿名で概要を伝え、見積の窓口をおつなぎします。費用はかかりません。