3比較ハブ金属3Dプリントの受託造形

金属3Dプリントの受託造形 · 用途別

3Dデータや図面がない金属部品を3Dプリントで作り直す|現物スキャン・2D図面からのデータ作成に対応する受託先【2026年版】

生産終了で手に入らない部品や、図面が残っていない部品を金属3Dプリントで作り直したいときの受託先を、現物スキャン(リバースエンジニアリング)や2D図面・ポンチ絵からの3Dデータ作成への対応で整理しました。

公開 2026年10月1日

金属3Dプリントは、3Dデータがあれば型なしで1個から作れるため、廃番部品の再製作に向いています。問題は、古い部品ほど3Dデータも図面も残っていないことです。

受託先の中には、現物をスキャンしたり、2D図面から3Dデータを作ったりする会社があります。このページでは、データがない状態からの対応を公式に書いている会社を比べます。

データがない状態の3つのパターン

手元にあるものによって、頼み方が変わります。まず自分がどのパターンかを確かめてください。

手元にあるもの必要な作業相談先の例
現物だけ3Dスキャンで形を読み取り、3Dデータ化日本積層造形、ODEC、J・3D
2D図面2D図面から3Dデータを作成J・3D、KOEI TOOL
ポンチ絵・イメージ図形を聞き取り、3Dデータを設計KOEI TOOL、伸和精工

どのパターンでも、データ作成の時間と費用が加わります。その分を見込んで日程を組んでください。

データなしの対応を公式に書いている受託先

データがない状態からの対応を公式に書いている会社を並べます。対応の仕方は会社ごとに違います。

会社公式の記載
日本積層造形図面のない旧部品をリバースエンジニアリングで小ロットから製作。現物をスキャンして3D CAD化
ODEC3Dスキャナーを使ったリバースエンジニアリング、3D-CADデータ作成。3Dスキャンとデータ提供のみも可
J・3D2次元図面からの3DCADデータ作成サービス、現物スキャンによるリバースエンジニアリング
KOEI TOOL2D図面しかない・イメージ図しかない場合でも3Dモデルを設計
伸和精工手書きなどのポンチ絵から3Dデータを作成(別料金)
ライト製作所3Dデータの作成から造形、切削、表面処理まで一貫

現物から作り直すなら日本積層造形・ODEC・J・3D、2D図面やイメージ図からならKOEI TOOLやJ・3Dが候補です。

日本積層造形:旧部品の再製作

日本積層造形は、補用部品として同じものを造形したいがもう図面がない、という相談に、現物をスキャンして3D CAD化し造形するリバースエンジニアリングで応えるとしています。図面のない旧部品を小ロットから製作すると書いています。

  • 電子ビームとレーザーの両方式で造形
  • 100種以上の粉末での造形実績。新規開発粉末にも対応
  • 大型の造形機(800×400×500mm)
  • 3DデータをWebにアップして概算見積を出すシミュレーション

材料の種類が分からない古い部品でも、近い材料での造形を相談しやすい会社です。

ODEC・J・3D:スキャンと造形、仕上げまで

ODECは、国家基準のトレーサビリティに対応した3Dスキャナーで3Dデータを作り、造形と機械加工まで総合的なリバースエンジニアリングを提供すると書いています。3Dスキャンとデータの提供だけを頼むこともできます。

J・3Dは、見積に3DCADデータが必要で、写真やPDFなど2次元情報からの見積はできないとしています。その代わり、2次元図面からの3DCADデータ作成や、現物スキャンによるリバースエンジニアリングを用意しています。

項目ODECJ・3D
現物スキャン3Dスキャナー(VL-500)対象物が実在すればスキャン可能
2D図面から3D-CADデータ作成3DCADデータ作成サービス
造形後の仕上げ機械加工による二次加工精度重視なら後加工も見積(ワイヤーカット・電解研磨・ブラストなどの設備)

KOEI TOOL・伸和精工:図面やイメージ図から設計

現物もなく、2D図面やイメージしかない場合は、設計から引き受ける会社が候補です。

  • KOEI TOOL: 2D図面しかない・イメージ図しかない場合でも3Dモデルを設計。流動解析・応力解析などCAE解析で最適設計
  • 伸和精工: 3Dデータや図面がない場合も、手書きのポンチ絵や意向を聞いて3Dデータを作成(別途料金)

伸和精工は、造形後の精密切削による仕上げもワンストップで行うとしています。ねじの部分は追加工で精度を出すなど、仕上げの方法まで提案を受けられます。

2D図面からのデータ化を受けない会社もある

データ作成の対応は、会社によって分かれます。伊福精密は、2D図面からの3Dデータ化は受注不可としています。

  • 伊福精密: 2D図面からの3Dデータ化は不可。レーザースキャンや3Dデータへの変換は料金の例を掲載
  • J・3D: 写真やPDFなど2次元情報だけでは見積不可(データ作成サービスは別途あり)

データがない状態で問い合わせるときは、データ作成を受けているかを最初に確かめてください。

リバースエンジニアリングの進め方

現物から作り直すときの一般的な流れを整理します。各工程で、依頼者の確認が必要になります。

  1. 現物を預ける、または送る
  2. 3Dスキャンで形を読み取る
  3. スキャンデータを修正し、3Dデータにする
  4. 寸法と形を依頼者が確認する
  5. 材料を決めて造形する
  6. 必要な面を機械加工し、検査する

摩耗や欠けがある現物は、そのまま読み取ると摩耗した形が再現されます。元の寸法が分かる箇所や、相手部品の寸法を伝えると、修正の精度が上がります。

材料が分からない場合

古い部品は、何の材料でできているか分からないことがあります。金属3Dプリントでは使える材料が限られるため、近い性質の材料を選ぶことになります。

  • 使っていた環境(温度、薬品、荷重)を伝える
  • 元の材料が分かる刻印や記録があれば伝える
  • 強度が要る部品は、試作して評価してから本番に使う

日本積層造形のように材料の種類が多い会社や、材料の評価に触れている会社に相談すると、選択肢が広がります。

スキャンだけ・データだけを頼む

造形まで一度に頼まず、まず3Dデータだけを作ってもらう方法もあります。データが手元にあれば、複数の受託先で見積を比べられます。

  • ODEC: 3Dスキャン及びデータ提供のみも受ける
  • 伊福精密: レーザースキャンや3Dデータへの変換の料金の例を掲載
  • J・3D: 2次元図面からの3DCADデータ作成サービス

データの形式(STL・STEPなど)と、受け取ったデータを自由に使えるかを、最初に確かめてください。

費用と日数の考え方

データがない状態からの再製作は、データ作成の費用と時間が加わります。伊福精密は、レーザースキャンを6,500円/時間(平均4時間程度)、3Dデータへの変換を4,500円/時間とする料金の例を載せています(税表記なし)。

  • スキャンとデータ作成: 形が複雑なほど時間がかかる
  • 依頼者の確認: 寸法の思い違いがあると往復が増える
  • 造形と後加工: データができてからの通常の工程

一度データを作れば、次からは同じデータで繰り返し造形できます。作ったデータを受け取れるかどうかも、最初に確かめてください。

現物から作り直すときの持ち物

データなしで相談する前に、次のものをそろえてください。

  • 現物(預けられるか、送れるか)
  • 現物の写真(複数の角度から)
  • 相手部品とつながる箇所の寸法
  • 使っていた環境と、元の材料の手がかり
  • 必要な数と希望納期

情報がそろうほど、スキャンと修正の手間が減り、費用も日数も抑えられます。

データのない部品は、スキャンか設計かで頼み先を選ぶ

現物から作り直すなら日本積層造形・ODEC・J・3D、2D図面やイメージ図から設計するならKOEI TOOL、ポンチ絵から低コストで試すなら伸和精工が候補です。

  • 現物スキャンで旧部品を: 日本積層造形
  • スキャン+造形+機械加工: ODEC
  • 2D図面からデータ作成: J・3D
  • イメージ図から設計: KOEI TOOL

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

3Dデータがなくても金属3Dプリントを頼めますか?

頼める会社があります。日本積層造形・ODEC・J・3Dは現物スキャンによるリバースエンジニアリングに、J・3DとKOEI TOOLは2D図面からの3Dデータ作成に、伸和精工は手書きのポンチ絵からのデータ作成(別料金)に対応しています。

生産終了した金属部品を作り直せますか?

日本積層造形は、図面のない旧部品をリバースエンジニアリングで小ロットから製作するとしています。現物をスキャンして3D CAD化し、造形します。

2D図面しかない場合は?

J・3Dは2次元図面からの3DCADデータ作成サービスがあり、KOEI TOOLも2D図面から3Dモデルを設計します。一方、伊福精密は2D図面からの3Dデータ化を受けていません。

【用途別】金属3Dプリントの受託造形おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

PBFで1個の試作部品を、表面・内面の仕上げまで任せるなら

東レ・プレシジョン株式会社

EOS M290を3台、材料は15種類。造形後Ra20μmの面をRa0.5μmまで磨く2次加工を一貫

滋賀県大津市の精密加工会社で、2015年からEOS M290による受託造形を行っている。EOS M290を3台(250×250×H325mm)とTRUMPF TruPrint1000を2台(Φ100×H100mm)持ち、ステンレス、インコネル、タングステン、チタン、純タンタルなど15種類の材料を使える。1個から試作し、量産品にも対応すると記載している。

東レ・プレシジョン株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

大型部品や異種金属の肉盛り・補修をDEDで頼むなら

株式会社明楽

粉末DEDと五面加工機のハイブリッドで最大3000×1500×1100。造形から切削仕上げまで一台

三重県員弁郡東員町の金属加工会社で、DED方式(デポジション方式)の金属3Dプリンターで受託造形を行う。粉末DEDと五面加工機のハイブリッド機は最大造形サイズ3000×1500×1100(高さ)で、切削主軸を積んで積層造形と切削を複合で行える。材料はチタン合金、インコネル、ステンレス、マルエージング鋼、コバルトクロム合金、インバー材、アルミ合金。

株式会社明楽の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

チタンや耐熱合金を、内部の品質まで詰めて使うなら

金属技研株式会社

電子ビームとレーザーの2方式に、HIP処理と熱処理、Ra0.2の機械加工を一貫。最低1個から

東京都中野区に本社を置く金属加工会社で、熱処理やHIP処理を中核技術に持つ。金属積層造形では電子ビームとファイバーレーザーの2種類の造形機を持ち、Ti6Al4V・Inconel718・TiAlに対応する。造形エリアはレーザー機で最大275W×275L×420Hmm、Ti6Al4V専用機でΦ350×380Hmm。最低1個から対応すると記載している。

金属技研株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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