AI-OCR · 基礎知識
AI-OCRのクラウド・オンプレミス・LGWANの選び方|書類を社外に出せるかで決める【2026年版】
AI-OCRの提供形態は、クラウド、専用クラウド、オンプレミス(サーバ・PC)、自治体向けのLGWANに分かれます。掲載各社の公式情報をもとに、形態ごとの費用の目安、オンプレミスでも外部とつながる場合、公式に記載のあるセキュリティ認証の確かめ方をまとめました。
AI-OCRは、書類の画像を読み取りの仕組みに渡して文字にします。その仕組みが社外のクラウドにあるか、社内にあるかで、選べる製品と費用が大きく変わります。
この記事では、提供形態ごとの違いと、掲載各社が公式に出している条件を整理します。
提供形態は4つに分かれる
まず、形態ごとの特徴と、対応している製品を並べます。1つの製品が複数の形態を持つこともあります。
| 形態 | 特徴 | 対応をうたう製品 |
|---|---|---|
| クラウド | ブラウザから使い、設備投資が少ない | DX Suite、SmartRead、LINE WORKS PaperOn、AIよみと~る、おまかせAI OCR、GenOCR、PATPOSTなど |
| 専用・プライベートクラウド | 社内専用の環境をクラウドに作る | スマートOCR(専用クラウド、プライベートクラウド) |
| オンプレミス | 社内のサーバーやPCに入れて使う | DynaEye 11、AIRead、SmartRead、GenOCR、スマートOCR、AnyForm OCR、DX Suite(AI inside Cube) |
| LGWAN | 自治体の行政専用ネットワークで使う | AIRead on LGWAN、AIよみと~る(LGWAN接続タイプ) |
クラウドで十分かどうかは、扱う書類の中身と社内の規程で決まります。個人情報や機密を含む書類が多いなら、オンプレミスかLGWANから検討してください。
オンプレミスの費用は、年間ライセンスと買い切りで違う
オンプレミスは、ソフトを社内の環境に入れる分、初年度の費用がまとまって出ます。公式に価格を出している製品を並べます。
| 製品 | 形 | 公式表記 |
|---|---|---|
| DynaEye 11 Entry Lite AI-OCR | 年間ライセンス(年6,000ページまで) | 初年度1,008,000円(税抜)、2年目以降168,000円(税抜) |
| DynaEye 11 Entry AI-OCR | 年間ライセンス(処理量上限なし) | 初年度2,016,000円(税抜)、2年目以降336,000円(税抜) |
| SmartRead オンプレミス版 | 年額 | 240万円~/年(税抜き) |
| AIRead(サーバ) | サブスクまたは買い切り | 月額¥132,000~(税抜¥120,000~)、買い切り¥2,640,000~(税抜¥2,400,000) |
| AIRead Stand-alone(PC) | 買い切り | ¥1,320,000/PC(税抜¥1,200,000、初年度サポート込み) |
DynaEye 11は2年目以降の継続ライセンスが初年度より小さくなるため、3年や5年で総額を比べると見え方が変わります。GenOCRとAnyForm OCRのオンプレミスの価格は、今回確認したページにありませんでした。
オンプレミスでも外とつながる場合がある
オンプレミスと書かれていても、一部の機能だけインターネットを使う製品があります。完全に閉じた環境で使いたいなら、この点を確かめてください。
- AnyForm OCRの手書き日本語を強めるAI OCRオプションは、株式会社EduLabのAI OCRエンジン(DEEP READ)と連携し、利用にはインターネット環境が必要と注記
- DynaEye 11は、インストールしたPC内でOCR処理を完結するシリーズと説明
- GenOCRのオンプレミス版は、画像や文書を外部に送らず社内サーバーだけで完結するとFAQで回答
- AIReadは、オンプレミス版を外部ネットワークから遮断して運用できるとFAQで回答
オプションを足すと外部通信が発生する、という形もあります。使う予定の機能をすべて挙げて、通信が要るかを問い合わせてください。
自治体で使うLGWAN対応
自治体では、インターネットにつながらないLGWAN端末で作業することが多くあります。LGWANに対応した提供形態があるかが、最初の条件になります。
- AIRead: AIRead on LGWANを自治体・公共団体向けに用意
- AIよみと~る: LGWAN接続タイプをメニューに掲載
- DynaEye 11: 自治体向け帳票のOCR定義テンプレートを無料で提供し、自治体の導入事例を掲載
LGWAN以外でも、庁内のPCで完結するオンプレミス製品という選び方があります。住民の書類を扱う部署では、両方を並べて比べてください。
クラウドを使うなら、公式に記載のある認証を確かめる
クラウドを選ぶ場合は、提供会社のセキュリティの取り組みを確かめます。今回の調査で公式サイトに認証の記載を確認できたのは次の製品です。
| 製品 | 公式サイトに記載の認証 |
|---|---|
| DX Suite | ISO27001、ISO27017(運営会社のセキュリティページ) |
| SmartRead | ISO/IEC 27001、ISO/IEC 27017、プライバシーマーク |
| スマートOCR | ISO27001、ISO27017(クラウドサービス) |
| PATPOST | ISMS(ISO/IEC 27001:2022)、ISO/IEC 27017:2015 |
| GenOCR | ISO/IEC 27001(ISMS) |
記載がない製品が対策をしていないという意味ではありません。認証の範囲や、データの保存場所と保存期間は、問い合わせで個別に確かめてください。
あとから形態を変えられるかも確かめる
最初はクラウドで小さく始め、のちに社内の環境へ移したくなることがあります。同じ製品で形態を選べるか、移ったときに何が変わるかを確かめておくと安心です。
- DX Suite: クラウド版とオンプレミス版(AI inside Cube)があるが、搭載できるバージョンが異なり、クラウド版は最新機能が使えるとFAQで説明
- AIRead: クラウド、サーバ、PC、LGWANと同じ製品で4つの形を用意
- スマートOCR: SDクラウドは学習やカスタマイズができず、専用クラウド以上で学習・カスタマイズが可能
- SmartRead: クラウド版とオンプレミス版で料金表が分かれ、オンプレミスは240万円~/年
形態を変えると、使える機能や料金の組み立てが変わることがあります。数年先の使い方まで見込んで、最初の製品を選んでください。
情報システム部門に渡す確認リスト
提供形態を決めるときは、情報システム部門や個人情報の担当者と早めに話を合わせておくと手戻りが減ります。次の項目を表にして渡してください。
- 扱う書類に個人情報や機密が含まれるか
- クラウドに送ってよいか、社内で完結させる必要があるか
- オプションを含めて、外部と通信する機能があるか
- 読み取ったデータがAIの学習に使われるか(AIReadは使わないとFAQで回答)
- 公式に記載の認証と、その対象範囲
この表を各社の回答で埋めていけば、形態の違う製品でも同じ物差しで比べられます。
この記事に出てくるサービス
- AI inside 株式会社手書き・非定型を広く扱うなら
- アライズイノベーション株式会社提供形態を選びたいなら
- 株式会社Cogent Labs年額で予算を固めたいなら
- 株式会社ハンモックFAX受注を社内サーバーで回すなら
- 株式会社インフォディオ0円で試してから広げるなら
- ジンベイ株式会社設定なしで非定型を読むなら
- LINE WORKS株式会社FAX・スマホで届く書類なら
- 東日本電信電話株式会社定額枠で東日本の窓口なら
- 西日本電信電話株式会社西日本で回線と一緒に相談するなら
- オリックス株式会社読み取りと保管を一緒に済ませるなら
- 株式会社PFU社外に出せない書類なら
参照元
よくある質問
オンプレミスで使えるAI-OCRはありますか?
あります。DynaEye 11はPC内でOCR処理を完結し、AIRead(サーバ・PC)、SmartRead、GenOCR、スマートOCR、AnyForm OCR、DX Suite(AI inside Cube)もオンプレミスの提供形態を案内しています。
自治体のLGWANで使えますか?
AIReadはAIRead on LGWAN、NTT東日本のAIよみと~るはLGWAN接続タイプを用意しています。庁内のPCで完結するDynaEye 11のようなオンプレミス製品も選択肢です。
読み取ったデータがAIの学習に使われることはありますか?
製品によって扱いが違います。AIReadはFAQで、顧客のデータを同社のAI学習に利用することは一切ないと答えています。ほかの製品は問い合わせで確かめてください。
【用途別】AI-OCRおすすめ3選
手書きと非定型の書類を、量を増やしながらクラウドで読むなら
AI inside 株式会社
Lite 40,000円〜/月(税抜)から。生成AIの項目抽出で非定型にも対応し、オンプレミス版も選べる
DX Suiteの料金ページには、Lite(40,000円〜/月、初期費用0円、月無料枠18,000円分)、Standard(100,000円〜/月)、Pro(200,000円〜/月)が税抜で並ぶ。FAQでは手書きや、活字と手書きが混在した書類の読み取り、生成AIによる項目抽出での非定型書類への対応を説明し、オンプレミス版(AI inside Cube)とAPIの無償提供も案内している。
個人情報を含む書類を、社外のクラウドに出さずに読むなら
株式会社PFU
PC内でOCR処理を完結。処理量上限なしのプランもあり、60日間の無償トライアルで実帳票を試せる
DynaEye 11は、インストールしたPC内でOCR処理を完結するシリーズをそろえ、外部に情報を送る必要がないと説明している。年6,000ページまでのEntry Lite AI-OCRは初年度1,008,000円(税抜)、上限なしのEntry AI-OCRは初年度2,016,000円(税抜)と価格を公開し、全ての機能を60日間試せる無償トライアルがある。
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