3比較ハブAI-OCR

AI-OCR · 基礎知識

定型・非定型・手書きの違いとAI-OCRの選び方|帳票の種類で合う製品は変わる【2026年版】

AI-OCRは、様式が決まった定型帳票、取引先ごとに書式が違う非定型帳票、手書きの帳票で、得意な製品が分かれます。掲載各社の公式の説明をもとに、帳票の種類ごとの読み方の違いと、選ぶときに確かめる点を整理しました。

公開 2026年10月1日

AI-OCRを選ぶとき、最初に決めるべきなのは読みたい帳票の種類です。同じ請求書でも、社内の様式か取引先の様式かで、向く製品が変わります。

この記事では、帳票を定型・非定型・手書きの3つに分け、掲載各社が公式にどう説明しているかを整理します。

3種類の帳票の違い

まず、言葉の意味をそろえます。製品によって準定型という言い方もあります。

種類意味例読み方
定型項目の位置やレイアウトが決まっている社内の申込書、届出書、アンケート読む位置を先に設定する
準定型項目は同じだが、枠の大きさや行数が変わる取引先ごとに行数が違う明細レイアウトの揺れを吸収して読む
非定型発行元ごとに様式が違う取引先の請求書、注文書、領収書AIが項目を探して抜き出す

手書きは、この3つのどれにも重なります。定型の手書き申込書もあれば、手書きの非定型の注文書もあります。

定型帳票は、位置を決めて読む製品で十分なことが多い

社内で様式を決めた帳票なら、読む位置を一度設定すれば同じ帳票を続けて読めます。設定の手間と引き換えに、結果が安定しやすい方式です。

  • DynaEye 11の標準アプリケーションは、項目の位置やレイアウトが固定された定型帳票向け。自治体向け帳票やヒサゴ帳票のOCR定義テンプレートを無料で提供
  • AI-OCRらくスルーは、読み取りたい箇所を最初に設定すれば、あとは同じ帳票を続けてデータ化できると説明
  • DynaEye 11は複数の帳票を混ぜて読んでも、レイアウトで帳票の種類を見分けて読む

帳票の種類が少なく、毎月同じ様式が大量に来る業務なら、この方式が向きます。帳票の数が増えるほど、設定の手間も増える点は覚えておいてください。

非定型帳票は、AIが項目を探す仕組みが要る

取引先ごとに書式が違う請求書は、帳票ごとに位置を設定していては追いつきません。項目名や意味からAIが値を探す仕組みを持つ製品を選びます。

製品非定型への対応(公式の説明)
DX Suite生成AIによる項目抽出で、様式が異なる請求書や領収書にも対応
GenOCR特別な事前学習やチューニングなしで、レイアウトの違う書類に対応
LINE WORKS PaperOnFAQで、スタンダードプラン以上のAIおまかせモデルで非定型帳票に対応と回答
AIRead定型・非定型を問わずデータ化。AIを用いた定義レスOCRはAIRead on Cloudのみ
AnyForm OCR取引先システムから出力された様々なレイアウトの帳票に対応
らくにデジタル化 AI-OCRフォーマットごとの設定をせずにAIが項目を自動判別

PFUのDynaEye 11は、枠の大きさや行数が変わる準定型帳票をエントリーアプリケーションで扱います。書式が大きく違う請求書が中心なら、上の表の製品と並べて試してください。

手書きで結果が変わるところ

手書きの帳票は、書く人のくせや訂正の仕方で読み取りの結果が変わります。各社が公式に挙げている対応の範囲を見比べてください。

  • 訂正印や二重線が入った文字: LINE WORKS PaperOn
  • 黒く塗りつぶした訂正、二重線の訂正、枠線に重なった文字: らくにデジタル化 AI-OCR
  • くせ字や訂正の判別: おまかせAI OCR
  • 枠のない自由な手書き、チェック、丸囲み、バーコード: AIRead
  • フリーピッチの手書き文字: DynaEye 11のAI-OCR版
  • 住所DBなどを使った補正: HBAクラウドOCR/AI

マス目のある欄に1字ずつ書く固定ピッチと、枠の中に自由に書くフリーピッチでも、対応が分かれます。手元の帳票がどちらかを確かめてから製品を絞ってください。

精度の数字は条件とセットで読む

公式サイトには読み取り精度の数字が載っていることがありますが、測った帳票と条件が違えば比べられません。数字には必ず注記を探してください。

  • おまかせAI OCRの精度の説明は、NTTグループが2018年に行ったトライアルの結果に基づくと注記
  • ヤマトシステム開発はFAQで、活字はほぼ100%、人が認識できる手書き文字は約95%前後と答え、まず顧客の帳票で読み取りテストを行うとしている
  • DX SuiteはFAQで、書類の状態で精度は変わるため、実際の書類でのテストを勧めている

精度の数字は、きれいに印字された帳票で測ったものか、手書きを含むものかで意味が変わります。注記に測った書類の種類と枚数が書かれていれば、手元の帳票に近いかどうかを判断する材料になります。

どの会社も、最後は手元の帳票で試すことを勧めています。精度の数字は参考にとどめ、トライアルで確かめてください。

種類の違う帳票を混ぜて読ませる仕分けの機能

実際の現場では、請求書と納品書と申込書が1つの束で届くこともあります。帳票の種類を見分けて振り分ける機能があると、スキャン前の仕分けの手間が減ります。

製品仕分けの機能(公式表記)
DX SuiteElastic Sorter(20,000円〜/月・税抜)
SmartRead書類の種類を自動で判別・仕分け(スモールは自動仕分け2円)
AIよみと~る自動帳票仕分け機能(22,000円/月)
おまかせAI OCR自動帳票仕分け機能(月額22,000円/契約)
AI-OCRらくスルー自動帳票仕分け機能(月額2万円)
DynaEye 11レイアウトで帳票の種類を識別して認識

仕分けがオプションの製品は、その費用も含めて比べてください。帳票の種類が2〜3種類しかないなら、スキャンの時点で分けてしまうほうが安く済むこともあります。

帳票の束を3つに分けてから問い合わせる

問い合わせの前に、手元の帳票を種類ごとに仕分けておくと、各社の提案がかみ合います。次の順で整理してください。

  1. 毎月読む帳票を、定型・準定型・非定型に分ける
  2. それぞれの月の枚数と、手書きの割合を数える
  3. 1枚あたりの読み取りたい項目を書き出す
  4. 種類ごとに代表的な帳票を5〜10枚選ぶ

定型が中心なら位置を設定する方式、非定型が中心なら項目を探すAIの方式、と方向が決まります。両方が多い場合は、1つの製品でどこまで読めるかをトライアルで確かめてください。

この記事に出てくるサービス

参照元

よくある質問

定型帳票と非定型帳票の違いは何ですか?

定型帳票は項目の位置やレイアウトが決まっている帳票で、社内の申込書などが当たります。非定型帳票は発行元ごとに様式が違う帳票で、取引先の請求書や注文書が代表例です。

取引先ごとに違う請求書を読むにはどの製品が向きますか?

生成AIの項目抽出を持つDX Suite、設定不要とするGenOCR、定型・非定型の両方に対応するAIRead、取引先システムの帳票に対応するAnyForm OCRなどが、非定型への対応を公式に説明しています。

手書きの訂正も読めますか?

LINE WORKS PaperOnは訂正印や二重線、ヤマトシステム開発のサービスは黒塗りや二重線の訂正、おまかせAI OCRは訂正の判別に触れています。訂正の書き方は職場ごとに違うので、実際の帳票で試してください。

【用途別】AI-OCRおすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

手書きと非定型の書類を、量を増やしながらクラウドで読むなら

AI inside 株式会社

Lite 40,000円〜/月(税抜)から。生成AIの項目抽出で非定型にも対応し、オンプレミス版も選べる

DX Suiteの料金ページには、Lite(40,000円〜/月、初期費用0円、月無料枠18,000円分)、Standard(100,000円〜/月)、Pro(200,000円〜/月)が税抜で並ぶ。FAQでは手書きや、活字と手書きが混在した書類の読み取り、生成AIによる項目抽出での非定型書類への対応を説明し、オンプレミス版(AI inside Cube)とAPIの無償提供も案内している。

AI inside 株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

個人情報を含む書類を、社外のクラウドに出さずに読むなら

株式会社PFU

PC内でOCR処理を完結。処理量上限なしのプランもあり、60日間の無償トライアルで実帳票を試せる

DynaEye 11は、インストールしたPC内でOCR処理を完結するシリーズをそろえ、外部に情報を送る必要がないと説明している。年6,000ページまでのEntry Lite AI-OCRは初年度1,008,000円(税抜)、上限なしのEntry AI-OCRは初年度2,016,000円(税抜)と価格を公開し、全ての機能を60日間試せる無償トライアルがある。

株式会社PFUの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

3

月数百枚から、使った枚数だけ払って始めるなら

株式会社 ASAHI Accounting Robot 研究所

基本料15,000円/月+1枚15円(税抜き)。50枚まで期間の縛りなく無料、最低利用期間なし

AISpectの料金ページには、プラン1が基本料(月額)15,000円+1枚15円、プラン1000が基本料(月額)10,000円+1000枚毎10,000円、初期費用50,000円と税抜きで書かれている。読み取り可能帳票は定型・非定型・写真で、利用人数は無制限、1か月単位で使えて最低利用期間はない。50枚分の無料トライアルと、最長2か月の有償トライアルがある。

株式会社 ASAHI Accounting Robot 研究所の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

関連記事