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生産中止(EOL)になったLSI・ASICを作り直す|同等品開発・再生・置き換えの相談先【2026年版】

使っているLSIやカスタムICの生産中止通知が来た。ラストバイで在庫を積むか、作り直すか。掲載会社の公式情報から、EOL品の再生・同等品開発の方法と、残しておくべき資料を整理しました。

公開 2026年10月1日

産業機器や通信機器のように長く作り続ける製品では、部品の生産中止(EOL)が避けられません。カスタムのLSIやASICは代わりの汎用品がないため、作り直しが必要になることがあります。

この記事では、EOL品の再生や同等品開発を案内している会社と、その進め方を整理します。

EOL通知が来たときの選択肢

生産中止の通知を受けたら、まず取れる手を並べて比べます。主な選択肢は次のとおりです。

選択肢向く場合注意点
ラストバイ(最終購入)残りの生産数が見えている生産数が増えると足りなくなる
同等品を別プロセスで作り直す今の基板と仕様を変えたくないアナログ特性は完全に一致しないことがある
機能を見直して再開発する次期製品に合わせて改良したい評価のやり直しが大きい
FPGAで代替する数量が少なく、デジタル回路部品代と消費電力が増えることがある

東芝情報システムのお客様の声には、ラストバイで数量を確保していたが、製品の生産数が増えてICが足りなくなったという例が載っています。ラストバイだけに頼る場合は、数量の見込みに余裕を持たせてください。

作り直しを案内している会社

EOL品の作り直しを公式に案内している会社と、その方法を一覧にします。

会社サービス(公式記載)
東芝情報システムディスコンLSI再生サービス。過去に開発したカスタムLSI・ASICを別のプロセスで再生。アナログ・ミックスドシグナルも対象
TOPPANテクニカル・デザインセンターEOL品の再生サービス。カスタム、ゲートアレイ、アナログマスターなどから方式を提案
メガチップスEOL再生と再開発。ピン・ハードウェアコンパチブルの再生、機能を取り込んだ再開発
ロジック・リサーチ製造終息を宣言されたLSIの再開発。ルネサスのCMOS Gate Arrayのライセンス
クリエイティブデザイン回路図しか残っていない場合もRTL化し、ピン互換のASICで作り直し
内藤電誠工業EOL ICの同等品開発

同じものを作るか、改良するか

作り直しには、今の部品と同じものを再現する方向と、機能を見直す方向があります。メガチップスは、顧客の要望を次のように整理しています。

  • 現行ASICの回路やピン配置、ハードウェアなど、全く同じものが欲しい
  • 多少の変更なら受け入れるので、基本性能を維持してコストダウンしたい
  • 現行品にあった不満を解消するために修正、改良したい
  • とにかく長く安定して供給してほしい

メガチップスは、ピンとハードウェアを互換にしたい場合に、従来プロセスと一世代進んだプロセスの2通りを提案した事例を載せています。どこまで同じにしたいかを最初に決めると、提案の幅がはっきりします。

残っている資料で進め方が変わる

作り直しで最も効くのは、手元にどれだけ資料が残っているかです。資料の状態ごとに、公式に案内されている進め方を並べます。

残っている資料公式に案内されている進め方
回路図だけクリエイティブデザイン: 回路図を解読してRTLに置き換え、非同期回路を同期回路に直す
仕様書と回路図、量産中の基板クリエイティブデザイン: RTLを作成し、FPGAで評価してからASIC化
製品仕様等TOPPANテクニカル・デザインセンター: 仕様をもとに対応可否と方法を相談

資料がほとんど残っていない場合でも、相談できる会社はあります。現行品のサンプルと、それを載せた基板を手元に残しておいてください。

アナログICの作り直しで知っておくこと

デジタル回路は論理が同じなら同じ動作をしますが、アナログ回路はプロセスが変わると特性が変わります。東芝情報システムは、FAQで次のように答えています。

  • 完全に特性を再生できると保証はできない
  • 可能な限り旧製品が持っていた特性に近づけて開発する
  • 試作品(ES)で旧製品の特性が再生できているかを確認してもらう

アナログICの再生では、旧製品の特性を測ったデータがあると目標が明確になります。量産で使っている検査の規格値も、一緒に渡してください。

パッケージと基板への影響

作り直したチップが、今の基板にそのまま載るかも大事です。パッケージについての公式記載を挙げます。

  • TOPPANテクニカル・デザインセンター: 委託先所有の同等品を選び、同等品がない場合も極力近いパッケージを提案して基板変更を最小限にする
  • 内藤電誠工業: QFN、QFP、DIP、SHDIPなどを自社で製造し、自社保有以外も協力工場で対応
  • クリエイティブデザイン: ピン互換で設計し、現行基板での量産継続を目指す

DIPのような古いパッケージは、手に入りにくくなっていることがあります。パッケージを変えずに済むかどうかを、早い段階で確かめてください。

周辺部品をまとめて作り直す

作り直しを機に、基板上のほかの部品を同じチップに取り込む方法もあります。部品点数が減れば、次のEOLのリスクも減らせます。

  • TOPPANテクニカル・デザインセンター: 搭載基板上の周辺デバイスをチップ内に取り込み、実装面積とトータルコストを下げる提案
  • ロジック・リサーチ: 複数の個別部品を集積してコストダウン。システム電話用ASICの再開発で2チップを1Waferで実現
  • クリエイティブデザイン: 複数のデバイスを1つのFPGA/LSIにまとめる

部品を取り込むと評価の範囲は広がります。今回の作り直しで基板の改版も行うかどうかと合わせて判断してください。

次のEOLに備えて供給の条件を見る

作り直したチップも、いつかは生産中止になります。作り直しの相手を選ぶときは、どれだけ長く供給できるかも比べてください。

会社供給についての公式記載
セイコーエプソン1982年から続くサポート実績、自社前工程生産により長期安定供給。長期に仕様変更せず使い続ける用途に向けたレガシーデバイス
メガチップス15年以上同一ファブでの量産供給、ファブを変更しながら10年以上の供給の実績
日清紡マイクロデバイス国内生産体制で長期安定量産を支援。FAB移管にも対応

ファブを変えながら供給を続けられる会社なら、製造元の都合による中止の影響を受けにくくなります。供給期間の約束をどこまで書面にできるかも、確かめておくと安心です。

社内で先に決めておくこと

作り直しは、設計部門だけでなく、購買や品質保証の部門も関わる仕事です。相談を始める前に、次の点を社内でそろえておくと話が早く進みます。

  • 作り直した部品で、製品の再評価や認証の取り直しが必要になるか
  • ラストバイの在庫で何か月つなげるか
  • 作り直しにかけられる予算と、承認の手順
  • 次期製品の計画があるか(あれば再開発で機能を足す選択肢も)

在庫でつなげる期間が、作り直しに使える時間の上限になります。この期間が短いほど、資料がそろっていて、同じものを作る方向の進め方が合います。

EOL対応を進める順番

生産中止の通知から作り直しの量産までは、時間がかかります。進め方を順に並べます。

  1. 残りの必要数と、ラストバイで確保できる数を比べる
  2. 手元の資料(仕様書、回路図、RTL、検査規格、サンプル)を集める
  3. 同じものを作るか、改良するかを決める
  4. 作り直しを案内している会社に、資料を見せて方式と費用を相談する
  5. 試作品を今の基板に載せて評価し、量産へ移る

作り直しの間はラストバイの在庫でつなぐことが多いので、通知を受けたら早めに動くほど選択肢が残ります。次に同じことが起きないよう、新しいチップの供給期間も契約で確かめておいてください。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

回路図しか残っていないLSIでも作り直せますか?

クリエイティブデザインは、回路図しか残っていない場合も解読してRTLに置き換え、非同期回路を同期回路に直したうえで、ピン互換のASICとして作り直す事例を載せています。

アナログICを作り直すと特性は同じになりますか?

完全に同じになるとは限りません。東芝情報システムは、完全な再生は保証できないが可能な限り旧製品の特性に近づけて開発し、試作品で確認してもらうと説明しています。

パッケージが手に入らない場合は?

TOPPANテクニカル・デザインセンターは、同等品がない場合も極力近いパッケージを提案して基板変更を最小限にすると書いています。内藤電誠工業はDIPやQFPなどを自社で製造しています。

【用途別】ASIC・カスタムLSI受託開発おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

センサー・電源・ドライバのアナログICを、試作から量産まで一社で

内藤電誠工業株式会社

試作1個からのカスタムIC開発。アナログ・ミックスドシグナルのターンキーで、パッケージも自社で製造

LSI設計事業部がターンキーサービスと受託設計サービスを提供し、アナログIC、ミックスドシグナルICの設計経験、大手IDMが対応しない少量・多品種への対応、国内自社リソース・自社設備による開発を特長に挙げる。国内外の複数のファウンドリのCMOS、高耐圧CMOS、Opto、Bipolar、SOIに対応し、QFN、QFP、DIPなどのパッケージを自社で製造する。ターンキー製品として680万個以上の量産出荷を公式に記載。

内藤電誠工業株式会社の公式サイトへ当サイトの紹介を読む

2

量産中のFPGAを、基板を変えずにASICへ置き換えるなら

株式会社メガチップス

既存のFPGA資産からASICへ転換。ピンコンパチブル対応でボード修正を不要に(対応できない場合あり)

FPGA・ASIC転換のページで、量産数量が多い場合にFPGAがASICより割高になることと、FPGAでは低消費電力設計ができず熱対策が必要になる場合があることを転換の判断材料に挙げる。既存のFPGA資産と要望をヒアリングして転換方法を提案し、論理シミュレーションを同社が担当することも可能。ボード設計が終わっている場合はFPGAとピンコンパチブルにして基板の修正を不要にできるとする。

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3

論理設計・RTLtoGDS・アナログを工程単位で頼み、試作・量産までつなげるなら

株式会社DNPエル・エス・アイ・デザイン

0.35um〜16nmのRTLtoGDS実績、アナログ/MixedSignal設計、TSMCシャトル試作、少量にも対応するターンキー

SoC/ASIC設計、RTLtoGDS設計、アナログ/MixedSignal設計の3つの設計受託を用意し、RTLtoGDSではTSMC、UMCほかFabで0.35um〜16nmの対応実績と100MGate超のデザイン実績を記載。DNPがTSMC CyberShuttleのパートナーとして提供する試作では12nm〜0.35umが使え、LSIターンキーサービスは仕様検討から量産までを扱い、少量生産にも対応可能とする。

株式会社DNPエル・エス・アイ・デザインの公式サイトへ当サイトの紹介を読む

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