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センサーAFE・電源・ドライバのアナログICを作る|ミックスドシグナルのターンキーと受託設計の選び方【2026年版】

センサーの微小な信号を受けるAFE、電源、モータードライバなどのアナログICは、回路とレイアウトとプロセスの組み合わせで性能が決まります。掲載会社の公式情報から、得意分野と頼み方を整理しました。

公開 2026年10月1日

センサーの信号を増幅してデジタルに変えるAFE(アナログフロントエンド)や、電源、ドライバのICは、汎用品ではオーバースペックだったり、基板上に部品が散らばったりしがちです。専用のアナログICにまとめると、基板が小さくなり、部品の管理も楽になります。

この記事では、アナログ・ミックスドシグナルICの開発を案内している会社を、得意分野ごとに整理します。

アナログICを専用にする理由

まず、カスタムのアナログICで何が変わるのかを、掲載会社の説明から確認します。

  • 内藤電誠工業: カスタムICの採用で、小型化・省電力化、付加価値の取り込み、ブラックボックス化(秘匿化)を実現できる
  • 東芝情報システム: 基板上に散らばるディスクリート部品を集約し、基板の小型化とコスト削減につなげる
  • 日清紡マイクロデバイス: ディスクリート回路のIC化、オペアンプ周辺のディスクリート部品の取り込み

回路をICの中に入れると、外から中身を読み取りにくくなるという効果もあります。独自の回路を守りたい場合にも、専用化は選択肢になります。

センサーAFEを得意とする会社

センサーの微小な出力を扱うAFEは、雑音や温度の影響を抑える設計が要ります。センサー向けの実績や仕組みを公式に載せている会社を並べます。

会社センサー向けの公式記載
三栄ハイテックスセンサー入力回路やADC・DACを内蔵するICが得意。センサーAFEプラットフォーム(12/16/24bit ADC、PGA・TIA、RISC-V MCUなど)
内藤電誠工業電圧検出(応力、磁気、微小電圧)、静電容量検出(タッチパネル、加速度、振動)、共振型のセンサ用AFE、CMOSイメージセンサ
ディー・クルー・テクノロジーズワイヤレス超音波プローブ用LSIで、アナログとデジタルの融合による低消費電力化
シリコンアーティストテクノロジーセンサ用AFEの設計。車載向けの加速度・電流・歪などのセンサーLSIの開発実績
日清紡マイクロデバイスアナログマスタースライスの用途例に産業機器のセンサーAFE

三栄ハイテックスのプラットフォームは、TSMC 0.18μm BCDで2025年5月にテープアウトしたと書いています。実証済みの回路を土台にできると、開発のリスクと期間を減らせます。

電源とドライバのIC

電源回路やモーター、アクチュエーターのドライバは、耐圧や電流の条件でプロセスが決まります。公式に載っている得意分野を挙げます。

  • 東芝情報システム: DCDCコンバーターなどのパワーマネジメント、DC・ステッピングモータードライバー、ハイサイド・ローサイドドライバー、MOSゲートドライバー
  • シキノハイテック: 汎用LDOはCMOSで1.5V〜5.5V、0.9uAまでの超低消費電流。汎用DCDCは1.5V〜25V、2MHzまで
  • 内藤電誠工業: 圧電アクチュエータ、ディスプレイドライバ、レーザーダイオードドライバ、DC/DCコンバータ、二次電池用セルバランサ
  • DNPエル・エス・アイ・デザイン: モーター駆動、電力量計測、電源監視などの設計実績

高い電圧を扱うICは、対応できるプロセスが限られます。日清紡マイクロデバイスのファウンドリは耐圧1.8〜80Vのプロセスを持ち、シリコンアーティストテクノロジーは高耐圧プロセスのファウンドリ選定を案内しています。

プロセスとファウンドリの選び方

アナログICは、どのファウンドリのどのプロセスを使うかで性能もコストも変わります。ファウンドリを複数から選べる会社を並べます。

会社ファウンドリ・プロセス(公式記載)
三栄ハイテックスTSMC、X-FAB、UMC、ams-OSRAMなど
DNPエル・エス・アイ・デザインTSMC、UMC、GFなど。CMOS、SOI、BCD、BiCMOS
シキノハイテックTSMC、UMC、GF、Samsung、VIS、XFAB、国内IDM等。CMOS(FinFET含む)、SOI、Bi-CDMOS
内藤電誠工業国内外の複数ファウンドリのCMOS、高耐圧CMOS、Opto、Bipolar、SOI
シリコンアーティストテクノロジーX-FAB、Silterraとパートナー契約。TSMCなどのシャトルにも対応

プロセスは設計の途中で変えにくいので、最初に用途の条件を伝えて選んでもらいます。電源電圧、耐圧、使用温度、必要なADCの分解能をまとめて出してください。

回路とレイアウトを同じ会社で

アナログICは、レイアウトの描き方で特性が変わります。回路設計とレイアウトを一貫して扱えることを強みにしている会社があります。

  • 三栄ハイテックス: 回路設計とレイアウト設計の一貫設計体制。レイアウト設計者とアナログ回路設計者の連携で面積を削減
  • DNPエル・エス・アイ・デザイン: 回路設計とレイアウトの一貫対応で品質向上とTAT短縮
  • シキノハイテック: 仕様提案から回路・レイアウト・評価までの一貫対応。個別対応も可能

回路だけ、レイアウトだけを頼むこともできますが、受け渡しのたびに確認の手間が増えます。特性の厳しいICほど、一貫して扱える会社が向きます。

一方で、社内にアナログ回路の設計者がいて、レイアウトだけ人手が足りないという場合もあります。内藤電誠工業は回路/レイアウト設計を、シキノハイテックは個別対応を受けると書いているので、工程を限って相談できます。

アナログの試作品は評価が要

アナログICは、試作品を測ってみて初めて分かることが多い分野です。評価や解析を自社で持つ会社を挙げます。

会社評価・解析(公式記載)
三栄ハイテックス各種測定機器を保有し、顧客が設計したLSIの試作品評価も行う
デンケン全工程をカバーし、急な故障解析や特性評価にも迅速に対応。不良解析・信頼性試験の受託も
内藤電誠工業電気的特性評価、テスト開発と量産立上げ
シキノハイテック相関性検証、自動評価技術による評価体制

少ない数から始めたい場合

アナログICは産業機器向けなど数量が多くない用途も多く、少量への対応が会社選びの分かれ目になります。

  • 東芝情報システム: 100個程度から。試作品だけでも開発可能(民生用途と産業機器用途のみ)
  • 内藤電誠工業: 試作1個からのカスタムIC開発。少量・多品種に対応
  • 三栄ハイテックス: 少量生産品や試作品のみの製造にも対応
  • 日清紡マイクロデバイス: 産業機器向けに少量生産のICを作りたいという課題に、アナログマスタースライスで応える

東芝情報システムは車載用途のアナログICを受けていないので、用途が車載の場合は最初に伝えてください。車載の実績は、内藤電誠工業やシリコンアーティストテクノロジーが用途に挙げています。

アナログIC開発の相談で伝えること

アナログICの相談は、性能の条件が具体的なほど話が早く進みます。最初の問い合わせで、次の点を伝えてください。

  1. つなぐセンサーや負荷の種類と、信号の大きさ
  2. 必要な精度(ADCの分解能、雑音、温度特性)
  3. 電源電圧、耐圧、消費電流の目標
  4. デジタル部の有無(マイコン、インターフェース)
  5. 用途(民生、産業、医療、車載など)と想定数量
  6. 試作品が欲しい時期と、量産を始めたい時期

今ディスクリートで組んでいる回路があれば、その回路図と評価データが一番の資料になります。どこを集積すれば効果が大きいかを、相手から提案してもらえます。

この記事に出てくる会社

参照元

よくある質問

センサー用のAFEを専用ICにできますか?

できます。三栄ハイテックスはセンサー入力回路やADC・DACを内蔵するICを得意とし、センサーAFEプラットフォームを持っています。内藤電誠工業は電圧検出や静電容量検出のセンサ用AFEを設計分野に挙げています。

車載用のアナログICも頼めますか?

会社によります。東芝情報システムのアナログICターンキーは民生と産業機器の用途のみです。内藤電誠工業は用途に車載を挙げ、シリコンアーティストテクノロジーは車載向けセンサーLSIの開発実績を載せています。

高耐圧のアナログICはどこで作れますか?

日清紡マイクロデバイスのファウンドリは耐圧1.8〜80Vのプロセスを持ち、アナログマスタースライスは40V耐圧のバイポーラです。シキノハイテックは汎用DCDCで1.5V〜25Vの実績を載せています。

【用途別】ASIC・カスタムLSI受託開発おすすめ3選

※2026年10月時点の公式サイト情報をもとに編集チームが選定。選定基準。

1イチオシ

センサー・電源・ドライバのアナログICを、試作から量産まで一社で

内藤電誠工業株式会社

試作1個からのカスタムIC開発。アナログ・ミックスドシグナルのターンキーで、パッケージも自社で製造

LSI設計事業部がターンキーサービスと受託設計サービスを提供し、アナログIC、ミックスドシグナルICの設計経験、大手IDMが対応しない少量・多品種への対応、国内自社リソース・自社設備による開発を特長に挙げる。国内外の複数のファウンドリのCMOS、高耐圧CMOS、Opto、Bipolar、SOIに対応し、QFN、QFP、DIPなどのパッケージを自社で製造する。ターンキー製品として680万個以上の量産出荷を公式に記載。

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2

量産中のFPGAを、基板を変えずにASICへ置き換えるなら

株式会社メガチップス

既存のFPGA資産からASICへ転換。ピンコンパチブル対応でボード修正を不要に(対応できない場合あり)

FPGA・ASIC転換のページで、量産数量が多い場合にFPGAがASICより割高になることと、FPGAでは低消費電力設計ができず熱対策が必要になる場合があることを転換の判断材料に挙げる。既存のFPGA資産と要望をヒアリングして転換方法を提案し、論理シミュレーションを同社が担当することも可能。ボード設計が終わっている場合はFPGAとピンコンパチブルにして基板の修正を不要にできるとする。

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3

論理設計・RTLtoGDS・アナログを工程単位で頼み、試作・量産までつなげるなら

株式会社DNPエル・エス・アイ・デザイン

0.35um〜16nmのRTLtoGDS実績、アナログ/MixedSignal設計、TSMCシャトル試作、少量にも対応するターンキー

SoC/ASIC設計、RTLtoGDS設計、アナログ/MixedSignal設計の3つの設計受託を用意し、RTLtoGDSではTSMC、UMCほかFabで0.35um〜16nmの対応実績と100MGate超のデザイン実績を記載。DNPがTSMC CyberShuttleのパートナーとして提供する試作では12nm〜0.35umが使え、LSIターンキーサービスは仕様検討から量産までを扱い、少量生産にも対応可能とする。

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